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1. -乖離-
「あなたに会いたい。」
東京にまで行って手紙を出した。
手紙に名前は書かなかった。
…ううん、書けなかった。
『今の私をあなたには見られたくない』
そんな気持ちの方が強くて、書けなかった。
でも…
『あなただったら、こんな私でも…』
そんな気もしたけど、勇気が出なかった。
「やっぱり私って駄目だね…」
見知らぬ街、大切な人の住む街を歩きながら、目を伏せて涙を流す真奈美。
彼女は今、鳥籠に囚われた哀れな小鳥だった。
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手紙を出してから1ヶ月。
あなたが私の前に現れない事に、私は安心していた。
あの人は
「何だ、来ねぇのかよ…つまんねぇ。」
と言って悪態をついていた。
病院の裏にある芝生の上で、一人空を見ながら真奈美はぼんやりと考えている。
『どんな事をするつもりなんだろう、あの人は…』
手紙を出すように言った時の表情を思い出すと背筋を冷たいものが滑り落ちた。
夏の青空に浮かぶ雲は次々と形を変えて流れていく。
白い雲は昼を過ぎるとどこかへ消えていった。
その向こう、はるか先には黒い雲が…
夕立をもたらす、暗い闇が…静かにゆっくりと迫っていた。
2. -光-
その日…
その日は、窓の外には陽炎が立ち、太陽が我が世を謳歌しているかのような日だった。
私は午前の「診察」を受け、病室でぼーっと外を見ている。
自分の陰鬱な気分とは裏腹の天気に苛立っていた…ううん、羨ましかったんだと思う。
自由なのに自由じゃない、そんな自分が可哀想だった。
…そう思いたかった…
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「…杉原さーん、起きてますか?」
廊下から看護婦さんの呼ぶ声がして、私はハッと我にかえる。
既に外は夕闇に包まれはじめ、昼間の熱気も和らいでいるように感じた。
「はい…開いていますのでどうぞ。」
寝起きだった為か声が掠れてしまっている。
引き戸が静かに開き、いつも良く話す看護婦さんが顔を見せた。
「あれー?真奈美ちゃん疲れてるの?『昔の友達』って言ってる人が来たんだけど、どうする?男の人だよ。」
彼女があまりにも心配そうな顔をするので、私は笑ってしまった。
それにつられて彼女も吹き出して笑った。
ひとしきり笑いあった後、
「大丈夫ですよ、心配かけちゃってごめんなさい。会いたいです。」
私がそう言うと、彼女は「ちょっとまっててね。」と言ってナースステーションの方に小走りに走って行く。
『コンコン…』
しばらくすると、扉をノックする音がした。
「はい、どうぞ。開いていますから…」
私が扉に向かって言うと、扉が開き男の人が入ってきた。
「こんにちは…」
入ってきた人を見て、私は声が出せなくなってしまった。
久し振りに見る彼は何も変わっていなかった…
いや、変わってはいたけれど、わたしの想像より全然格好よくなっていた。
「どうしたの?真奈美…苦しい?先生呼ぼうか?…」
あなたが私を心配そうに見つめている。
その目を見つめると、息が苦しくなり動悸が激しくなっていく。
「…大丈夫…大丈夫だよ。」
私はそれだけ言うと深呼吸をした。
昂ぶった気持ちがおさまっていくのを感じる。それと同時に『会えて嬉しい』という気持ちが大きく広がっていった。
気が付くと涙が一筋、頬を伝っていた。
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それからのことはあまり覚えていない。
むかしの話をした。
登校する勇気が出ずにいて、あなたに出会い学校に行くようになったはなし。
勇気をくれたあなたとした、むかしのはなし。
最近の話をした。
今の、学校での楽しい生活のはなし。
友達もできた。その友達との楽しいあそびのはなし。
あなたは、優しい目で私の話を聞いてくれた。
私はあのことは言えなかった。
廊下には彼がいた。
3. -自由-
今日は久し振りに病院を出られる。
夏休みになって病院に入り、今日が初めての外出だ。
「お待たせしました。」
病院の外で待っていたあなたに私は声をかけた。
「ううん、全然待ってないよ。」
あなたはそう言って、私に手を差し伸べてくれた。
私は一瞬戸惑ったけど、私も手を伸ばしてあなたの手を握った。
あなたの手ならいつまでも握っていたいと思う…
あなたは「香川県のことは良く知らないから色々な所を見たい」と言って、私の手を引いて色々な所を回った。
まずは栗林公園。
今の季節は池の上を綺麗な蓮の花が覆い、とても綺麗。
そこから芝生広場に行って木陰で二人涼んだ。
それから屋島に。
展望台から見る瀬戸内海もいいけど、私は水族館が好き。
海の生き物は目がキラキラしていて、とても可愛い。
そして夜は…
夜景がとても綺麗な常盤公園。
チャペル式展望台から見るライトアップされた瀬戸大橋。
『愛の掟』なんて言うのもあるけど、私にはちょっと早いかな…なんて。
私たちのほかにいるカップルが少し羨ましい。
そんな事を考えていると、不意にあなたに抱き寄せられた。
こんな大胆なことをする人だとは思っていなかったので、私は驚いてしまった。
「…真奈美、君のこと忘れたこと無かったよ。はじめてあった時から好きだった…」
あなたは私の耳元で囁く。
とても嬉しかった…でも、私は…
そのとき、わたしの目から涙が零れ落ちるのを感じた。
『あのこと』を知られたくなかった。
「…突然ごめん。困らせちゃったかな。」
あなたは私の気持ちには気付かず、照れた表情を見せている。
私を泣かせてしまったことを後悔しているみたい。
そんなあなたを見ていたら、私は何がなんだか解らなくなってきてしまった。
あなたに抱きしめて欲しい…キスをしたい…抱いて欲しい…
でも、そんなことをしたら…
4. -落下-
気が付くと病院のベッドの上だった。
「駄目だなぁ、真奈美は…」
彼が私を見下ろしていた。
窓からの青白い光が彼の顔を鬼のような形相に見せていた。
「…ご、ごめんなさい…」
私は萎縮してしまい、口から出た声は小さく、うわずってしまった。
彼は私のおどおどした様子が気に食わないのか、突然腕を伸ばし髪を掴んで私を引きずり起こした。
「い、痛いです…やめてください。」
抗議をする私に彼は顔を近づけると
「お前のために楽しい計画が水の泡だ。」
と言った。
私はそう言った彼の目に宿った光に固まってしまい、動けなくなってしまう。
「もっと楽しいことになるかもな。」
固まってしまった私に彼はそういうと、ニヤッと笑った。
笑った?…いや、破顔していた。
彼はそのにやけた顔を私に近づけると、私の唇に口付ける。
「……」
その時、どこかから物音がしたような気がした。
でも、病室のどこを見ても何も無かった。
周りのことを気にしていられたのは、始めのほんの数分だった。
彼に飼いならされてしまった私の身体はすぐに周りの情報を遮断していった。
私の口の中を這いずり回る彼の舌に私の口は性器のようにダラダラと唾液を溢れさせ、
私の舌はまるで自らの意思があるように彼の口の中に入り込み互いの唾液を交換しようと淫らに蠢く。
「くちゅっ…ぶちゅぅ…」
私と彼の口から止め処も無くはしたない水音が漏れ、私の口から彼のものとも私のものともつかない唾液が顎をつたう感触がした。
私は熱病にかかったかのように彼の口を求め、いつの間にか彼よりも積極的になっていた。
「くちゃ…」と音を立てて私と彼の口が離れた。
私の舌は離れてもなお彼の舌を求めて宙を彷徨って舌先から唾液を滴らせる。
「ぁ、…あぁ…」
私の口から声が漏れた。今までに聞いたことが無いくらい色があった。
他人に見られたらどうしようもなく淫らな女に写っただろうと思う。
彼がパジャマのボタンを外し、私の胸に手を触れた。
「っぁ、…ぁあ」
電気が走ったようだった。
今までに無いほど乳首が立っているのを感じる。
あまりの興奮に胸が張っている感じがする。それが更に私の感情を昂ぶらせた。
まだ触られていない私のアソコがどんどん蜜を溢れさせていくのが分かる。
もうショーツどころかパジャマまで染みてしまっている気がする。
でも彼は胸しか触ってくれない。
私の欲求は満たされずに次々に溜まって、それが更に私の胸の快感を盛り上げていく。
「ひぃっ…あぁっ!せんせい、真奈美、まなみ…胸だけでイッちゃう!」
初めての経験だった。
胸だけで絶頂を迎えようとする身体。
だけど肝心なところは淋しいまま…
「いく…イっちゃう……ああああぁぁぁぁぁっっ…」
イってしまった…
その時のせんせいの顔は笑っていた。
「はぁ、はぁっ…」
私は身体を動かすことができずに、ベッドに横たわっていた。
胸はまだ火で炙られたように熱い感覚が残っている。
動けない私にせんせいは覆いかぶさってきた。
パジャマとショーツを乱暴に取り去り、自分はズボンとパンツだけを脱いで、いきり立ったモノを私のアソコに突き立てた。
「ひぃぃっ!せんせいっ、まだイったばかりで敏感だからっ、っああぁ…乱暴…あっ、しないでっ」
前戯も無しに突っ込まれたのに私のアソコは、愛液でぬめっていた。
やっと欲しい刺激を得られた身体は貪欲にその快感を受け止めていく。
「ああぁ…いい、イイよっ、せんせいぃ…」
私は口元からだらしなく涎を垂らしながら言った。
最初のキスで垂らした涎とともに、新たな筋を引いてベッドに染みを広げていく。
私は色々な体位でせんせいに突かれた。
下の口もダラダラととめどなく雫をこぼし、シーツは染みで一杯になっていった。
「ぁぁぁ…せんせい、もうだめっ、真奈美っ、もうだめだよ…」
もう何度目か分からない絶頂を味わった私は、体力の限界を知った。
息は上がり、胸が締め付けられるようだ…
でも先生はまだ一回もイっていない。
そう言った今も激しく正常位で突かれて、私は何十回目かの絶頂を迎えようとしていた。
「よし、真奈美っ出すぞ!」
先生がピストンのペースを上げる。
私はそのペースに付いていけずに音をあげた。
「せんせいっ…そ、そんなに強くされたらっ、真奈美、真奈美死んじゃいますッ!!」
その時、私の中に熱いものが放たれた感触を味わった。
「ああああぁぁぁ…イクぅーーーー…」
私はその迸りを受け、今日最高の絶頂を迎えた。
とても幸せだった。
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「ぅうっ…」
私は喉が渇いた感覚とともに目を覚ました。
あの後私は気絶してしまったようだった。
病室の中は綺麗にされ、シーツも新品だった。
「目を覚ましたようだな。」
隣を見ると先生がいた。
「シーツは先生が?」
私がそう聞くと、
先生は扉の方を顎で指し示した。
そこには、あの仲のいい看護婦さんが…
そして、その隣には、
彼女に羽交い絞めにされている「あなた」の姿が……
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