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祭りの後
桃色戦車/文


  「・・・・・・ちょっ・・・・・ちょっとちょっとちょっとちょっとお〜っ!!何よ、あれ〜っ!!」

  目の前の光景に呆気に取られながらもソレから視線を逸らす事も出来ずに、隣に居る少年の肩を揺さぶる。

  「な、何って・・・・・・」

  白装束を着た厄男達が担ぎ上げる御神輿。その神輿の上に鎮座するのは・・・・直径は優に50cmを超え、長さも大人の男性の背丈を凌ぐと思われる巨大な朱塗りの・・・・・・・男根。厄男達の掛け声とともに上下する神輿。雄大なストロークで天を突き上げるペニスの威容に、只々呆然とするばかりの山本るりか。

  今日は久しぶりの彼とのデート。久しぶりの逢瀬を楽しもうとする二人の前に展開するのは目を疑うかのような非日常的な光景だった。

  「・・・・・そう言えば・・・・ニュースで見た事あるよ。『天下の奇祭』とかなんとか・・・・・るりか、知らなかったの?」

  呆気に取られていたるりかは彼にそう言われてようやく思い出した。今日のデートは彼女のエスコートで此処までやってきたのだったが、勿論『天下の奇祭』は彼女の企図したものではなかった。

  (・・・・・・あのクソ兄貴ィ〜〜〜ッ・・・・帰ったら只で済むと思っとるなよ〜・・・・)

  『面白い祭りがあるから』との双子の兄・昌宏からの情報を鵜呑みにして自分では何のチェックもしなかった事を悔やんだが、時既に遅し。

  心の中で握り拳を固く握り締めるるりかだったが、今は目の前の光景の強烈なインパクトはその怒りすらも何処か遠くへいってしまう程のものだった。

  ここは愛知県名古屋市郊外のベッドタウン・K市。毎年三月十五日にそのK市にあるT神社では五穀豊穣・家業繁栄・子孫繁栄を願う祭が行われている。農作物の豊作を祈願する只のありきたりな豊年祭ならば、それこそ全国津々浦々のいたる場所で行われているであろう。

  しかし此処、T神社で行われる豊年祭が『天下の奇祭』と呼ばれているのは、神輿の上に祭り上げられた御神体の異様さにこそある。弓形に反り返った御神体はピカピカに磨き上げられ、朱色に塗り上げられた太茎が陽の光を浴びて煌き輝いている。カリや鈴口までもがリアルに造られ『男根を思い起こさせる』などといった生易しいものではない、まさにソレそのものだ。

  頬を赤らめながらも視線を外そうとしない少女、しかもるりか程の美少女ともなればその対比がその目に留まるのか、この祭りの取材に来た地方のTV局のカメラがるりかの姿を捉えていたが、当の本人は全く気が付いていないようだった。いや、TV局のカメラばかりではない、アマチュアカメラマンのハンディカムまでもがるりかと御神輿を交互にそのファインダーに映している。

  その巨大男根御神輿がいよいよ二人のまさに目の前に迫ってくる。わざと蛇行しながら練り歩いてくる御神輿の一団が思いがけない程まで接近してくる。その先端をこちらに向けながら突き進んでくる迫力に押されるかの様に道の両脇に鈴なりになった見物客が逃げ惑う。雑踏に押し流され、転倒しそうになるるりかを支えて彼も後退る。

 「きゃああああああッ!!」

  観衆のどよめきの中でも一際高い悲鳴がるりかの唇から飛び出した。ハプニングを求める無遠慮なTVカメラが悲鳴の発生源を追う。ファインダーが捉えたのは尻餅をつきかけている少女と、彼女をすんでのところで支える彼氏。

  ファインプレイ!!・・・・・・・と云いたいトコロではあったが、彼の指はしっかりとるりかの胸の隆起にブラウスの上から食い込んでいた。

 「ごっ、ごめんっ!!」

  今更、胸に触った触られたぐらいで騒ぐような付き合いの二人でも無かったが

 、衆人環視の中での恥ずかしいハプニングに頬を染め合う初々しさを未だに失っている訳でもなさそうだった。

  体勢を立て直したるりかが彼の耳元に口を寄せる。

  「もうっ・・・・・せっかちなんだで〜・・・・それは夜のお楽しみだがね」

  囁かれるるりかの言葉に赤かった顔を更に赤らめる彼。

  「なっ、何言って・・・・・・」

  「ふ〜ん、それじゃこのるりかちゃんとエッチしたくないんだ?」

  るりかは彼の二の腕にこれ見よがしに胸の膨らみを押し付けて挑発する。

  「ほらほらほらほらー・・・・・・・どう?」

  「うっ・・・・」

  「あはははははっ、ホントはどえりゃあしてゃ〜いクセに〜」

  るりかは朗らかに笑いながら、どぎまぎする彼の反応を楽しんでいる。

  「・・・・・・で、このお祭りに僕を誘ったのは・・・・」

  「え、え〜っと・・・・あ、あなたのオチンチンが大きくなりますようにって願を掛けようかな〜・・・・・とか」

  「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

  黙り込む彼を見てさすがのるりかも焦って精一杯のフォローをする。

  「う、嘘よ、ウ・ソ! 冗談だってばぁ〜っ!!」

  頬っぺたを人差し指で突つきながら必死に取り繕う。

  「あなたの・・・・・・オチンチン、大好きだし・・・・ね?」

  「・・・・・・僕の事が好きなの? 僕のオチンチンが好きなの?どっち?」

  「あなたのオチンチンだから好きなんじゃないの〜、もう〜」

  耳元で囁き、熱い吐息を吹きかける。

  「ほらほらほらほら〜、またこっちに来るよお!!きゃあああああああああッ!!」

  なんとか誤魔化せた事に胸を撫で下ろしながら、悲鳴を上げつつ逃げ惑うるりかだった。

 

  「痛たたたたた・・・・・」

  列車がカーブを曲がる度に車両が大きく傾ぎ、中に詰め込まれた乗客達が右へ左へと揺さぶられる。

  「るりか、大丈夫?」

  お祭りから帰る沢山の乗客で、名古屋までの急行列車は朝のラッシュアワーと見紛うほどの混雑ぶりだった。人の波に流されながらも二人は離れ離れになる事もなく車両の片隅に自分達の居場所を確保した。彼は自分の腕を支えにして、ドアと自分の身体の間にるりかの身体の入る空間を確保する。

  「あ、ありがと・・・・」

  そんな彼の心遣いを察して、照れ笑いしながらも感謝の言葉を口にする。

  電車の規則正しい振動に揺られながら満員電車の中で寄り添う二人。彼の腕の中のるりかはどことなく苦しそうだ。

  「・・・・・ホントに大丈夫?」

  「うん・・・・・・」

  人いきれで苦しいのかと気遣う彼に、うっすらと額に汗を浮かべて応えるるりか。車両のドアと彼との間でもどかしそうに身体をくねらせるるりか。

  次の駅で一旦この電車を降りて休憩したものかどうか悩む彼が、自分の身体への『行為』に気付くのが遅れたのもやむをえないだろう。ましてやこの混雑だ。

  (え・・・・・・・な、何?)

  気の所為だろうか、パンツの股間の辺りに感じる『何か』が当たる感覚。最初はこの混雑の中で行き場をなくした誰かの荷物が当たっているのかも知れないと思っていたが、やがてその予想は裏切られる事となる。

  明らかに何らかの意志を持った誰かの指先がパンツの上から彼のナニを擦る。

  (!)

  どこからその手が伸びてきているのかと確認をしようとしても、下を向く事も侭ならない。

  どうしようかと躊躇っているうちに、股間の指先は次の行動に出る。

  ヂーッ・・・・・・・・・・

  (ちょちょちょちょちょちょちょ、ちょっとお!?)

  反射的に腰を引いて逃げようとするものの、この満員電車の中ではそんな事が出来る筈もない。それでも無理に身体を動かそうとすると周りの乗客が咳払いで抗議してくる。

  そうこうしている間にも下半身を弄る指先はジッパーを下まで降ろしてその内側にまで入り込んできていた。

  若茎の位置を探り当て、二本の指で挟むようにしてゆるゆるとしごく。

  (・・・・・・・・・・・)

  それでなくとも身体を密着させているるりかの甘い香りの所為で良からぬ思いがムラムラと湧きあがってきている状況に加えてこの刺激。心ならずも下半身に重い血が凝集していくのがハッキリとわかった。

  (不味・・・・・・・・)

  彼のモノを弄るそのテクニックが的確に自分の弱点をピンポイントで突いてくる事に驚きを禁じ得ない。

  それとなく周囲を見回してその犯人が誰なのかを特定しようとするが、誰も彼もが怪しいようでもあり、怪しくないような気もする。

  (痴女・・・・・・・・・それとも・・・・・まさか!?)

  考えたくも無い、ある想像が脳裏を掠める。心は萎えそうになりながらも、身体の方は悲しい程に正直だった。

  このままでは長くは保ちそうにない。意を決してその手を掴む為に上に上げていた片腕を強引に自分と他の乗客との隙間に捻じ込んだ。

  躊躇する事なく、一気にその手首を掴んだ。ほっそりとした手首。捩じ上げようとしたその瞬間、こちらを見上げたるりかの視線と彼の視線がぶつかった。

  (え・・・・・・まさか・・・・・・・・・)

  彼の胸の内を読んだかのように、コクリと肯くるりか。主の分かった手首を掴んでいた彼の指が弛んだ。恋人の強張りの逞しさを確かめるように、彼女が手の平ですっぽりと包み込む。暖かく柔らかな掌が程よい握力でもって締め付けてくる。

  このままでは遠からず果ててしまう・・・・・・・そんな彼の焦りを見抜いたかのように、るりかは彼のモノから指を離した。

  だが、ほっとしたのも束の間、こんどはるりかの指が彼の手首を掴んだ。

  (な、何?)

  うろたえる彼を尻目に、るりかが彼の手を導いて行く。その行く先は・・・・・・るりかのスカートの中だった。

  ゴクッ。

  ひりつくような喉に粘つく唾液を無理矢理に流し込む。るりかの瞳が訴えかけているように見えた。

  るりかが小さく肯いた。それは肯定の意味を含んでいるのだろうか。ここまできて、いまだに躊躇する彼の背中を押したのは、恥ずかしげにそっとふせられたるりかの瞼だった。

  この電車の中での彼女の行動には驚かされてばかりだったが、スカートの中のるりかの大事な部分へと指を伸ばした彼は更なる驚愕に襲われる事となった。

  彼の指先に最初に触れたものは・・・・・・・熱く蒸れた、柔らかな恥毛だった。

  「・・・・・・・・・・・・・」

  噎せ返るような人いきれの中にあっても、熱帯雨林を思わせるるりかのスカートの内側。指先から伝わる熱気が彼の理性を狂わせていく。

  ようやく覚悟を決めた彼の指先がるりかのアンダーヘアーを嬲る。指に絡めては引っ張り、髪を梳くくように陰毛を撫で付ける。しかしるりかはそれでは満足出来ないのか、焦れたように腰をうねらせて彼の掌に恥部を押し付けてくる。

  周りの乗客に気取られないように細心の注意を払いながら、彼はるりかの叢を掻き分けると彼女の秘園へと指を進める。

  既にグショグショに濡れそぼっている秘唇。熱い潤みが指先にまとわり付き、柔らかな肉の襞が奥へ奥へと誘うように絡み付いてくる。充血してポッテリと膨らんだラヴィアの狭間に埋もれた雌芯を掘り起こす。

  柔らかな包皮に包まれたままの鋭敏な性の器官を二本の指で挟み込んで、根元からしごき上げる。何度も何度も上から下に、下から上へと擦り立てる度に包皮の中のクリトリスが硬くしこってくる有り様が指先に伝わってくる。

  指先の感覚だけを頼りに包皮を捲り返して根元まで剥き下す。指の腹に溢れ出したるりかの愛蜜を塗して、恥ずかしげに頭を覗かせる敏感な肉の芽を押し潰すようにして捏ねくり回す。指先で円を描くように転がし、摘み上げては引っ張り、押し込んで鞘の中に戻しては、また皮を剥く。充血してプックリと腫れ上がった恥豆は、るりかの情欲の膨らみ具合を顕わしているかのようだ。

  ほの昏い情念に身を任せた彼は、敏感になり過ぎたるりかの秘芯を指で軽く弾いた。

  「っ!!」

  声にならない悲鳴を上げて、るりかは彼の胸の中で躯をくねらせる。反射的に腰を引いてその痛覚から逃れようとするものの、この満員電車の中では車両のドアに臀部を押し付ける事しか出来ない。

  彼の方からは俯いているるりかの表情を覗う事は出来ないが、恐らくは涙を滲ませているに違いない。

  さすがにやり過ぎだったとの後悔の念が彼の胸に去来する。

  だがしかし、それほどの仕打ちを受けたにも関わらず、るりかはまたもや自分から秘裂を彼の指に擦り付け始める。蜜に塗れたるりかの陰唇は咲き誇る大輪の薔薇のようにその花弁をくつろげている。

  中指の先端が彼女の膣孔の入り口を捉えた。第一関節までを軽く胎内に沈めて、リズミカルな振動を送り込む。

  指を出し入れする度に淫靡な粘ついた響きを立てるるりかの淫裂。線路を走る列車の騒音の中で聞える筈のない淫らな調べが二人だけの耳には届いていた。

  るりかの反応に、先程の淫核へのきつすぎる責めを非難していない事を確信した彼は、ますます大胆な行動に出た。浅く潜らせているだけだった中指をるりかの奥深くまで挿入する。

  狭隘な肉路がウネウネと蠕動し、貪欲な肉襞が更なる深奥へと彼を誘い込む。締め付けるポイントが入り口から奥へ、そしてまた再び入り口から奥へと移動するその様は彼の指から出る筈の無い精液を絞り取ろうとするかのようだ。指が食い千切られてしまうかと思われる程の強烈な締め付けが彼の指先を痺れさせ、その感覚を奪い取る。根元まで埋め込んだ指を鉤の字に曲げて狭い膣奥を掻き回す。

  ぬかるんだ媚肉を掻き回されて彼の腕の中で悶えるるりか。自分の愛撫に彼女の躯が返してくる応えを胸で受け止める。自分とるりかの間で柔乳が潰れる感触が心地良い。燃えるように熱い吐息が彼の胸を焦がす。

  電車の窓を後ろへ後ろへと流れてゆく景色は既に夕焼けに紅く染まっている。るりかの頬が染まっているのもその所為だろうか。

  恋人の煮えたぎるように熱い蜜壷を掻き回しながら、今日のデートのこの後の成り行きに想いを馳せる。

  指を二本に増やす。るりかの肢体が震えた。掻き回される媚肉が咽び泣くかのような愛の雫を滴らせる。内腿を伝い落ちながら膝にまで達してしまう。いくら膝を閉じたところで湧出するラブジュースを止められる筈もない。自ら招き入れた彼の指先の為すがままにその太股を汚してしまうるりか。

  恥辱。

  自分の股間が垂れ流した発情の徴に太股の狭間を濡らしながら、るりかもまたこの後の成り行きに躯の奥を昂ぶらせるのだった。

 

  やっとの思いで人ごみの中から開放された二人。黄昏から闇を徐々に深めて行く名古屋の街の冴えた空気が肺に気持ちいい。

  途中で一度電車を乗り継いで、ようやく名古屋に付いた二人。だがるりかの足取りは頼りなく、彼の腕に掴まっていなければその場に崩れ落ちてしまいかねない危うさだった。潤んだ瞳が彼女の精神状態を雄弁に物語っている。

  「・・・・・・・・・何処で脱いだの?」

  耳元で尋ねる彼の言葉にも気だるそうな応えを返するりか。

  「・・・・沿道のトイレで・・・・・・」

  「・・・・・御神輿を見てから?」

  「うん・・・・・・・・だって・・・・・・汚してまいそうだったで・・・・・」

  彼の肩に頭を預けて溜め息を吐くるりかの貌はいつなく艶っぽく、彼の鼓動は早鐘を打つ。躯を密着させているるりかはそれに気が付いているのだろうか。

  「・・・・・・・・・・・ねぇ・・・・・・・」

  腕を組んだるりかが潤んだ瞳で隣の彼を見上げる。薄くルージュを引いた艶やかな唇から漏れる熱い吐息。ギュッと押し付けられる彼女の胸の膨らみの柔らかさを二の腕に感じて更にドギマギする彼。視線と視線が絡み合う。

  見るとも無しに二人の結び付けられた視線が煌くネオンに向けられる。

  「・・・・・・・・・・・・」

  「・・・・・・・・・・・・・して行こみゃあ・・・・・」

  るりからしくなく、ボソッとした声が訴えかける。

  「・・・・・・・え?」

  「・・・・・・・・・・・・・・・・エッチな事・・・・・して行こ?」

  「・・・・・エッチって・・・・」

  今まさに、どんな言葉で彼女を誘ったものかと思案に暮れていた自分の心を見透かしたかのようなるりかの誘惑。

  勿論期待していなかった訳ではなかった。しかし、ここまであからさまな言葉で誘ってくるとは思ってもいなかった。

  際どい、アダルトな話題も屈託無く笑って受け流するりかだったが、それでいて決して最後の一線を超えるような誘いだけは自分からはしてくる事は無かった。そんな部分にるりかの女らしさを感じていただけに、この誘いは彼の予想の範疇を超えていた。

  戸惑う彼の背中を後押しするかのように、更に身体をグイグイと押し付けてくるるりか。

  「・・・・・このまま・・・・あなたを送っていったら・・・・・別れてまったら・・・・」

  「・・・・・・・るりか・・・・・」

  「・・・・変になってまう・・・・・おかしくなってまう・・・・」

  心なしかその声にも湿り始めてきたように聞こえる。

  既に高校の卒業式も終え、後は4月から始まる大学生活を待つばかりだ。

  彼の頭をよぎる終電の発車時刻。明日の始発の発車時刻。

  天秤にかけられるのは、るりかの瞳とスケジュール。

  「・・・・・・今日は帰れなくてもいい?」

  「うん・・・・親は親戚のトコに行っとるし・・・・・兄貴には口止めしとけば大丈夫だで・・・・」

  彼の肩に貌を埋めて呟く。

  「・・・・珍しいね。るりかからそんなコト言い出すなんて」

  「・・・・・・やっぱり・・・・アレを見てまってから・・・・・・・・・」

  「・・・・・・・あの御神体が深層心理の何処かにある男根崇拝みたいなモノを刺激したのかな?」

  「・・・・・・・・・・わかんないけど・・・・・もう・・・・我慢出来ないのっ・・・・・貴方がエッチな事してくれなんだら・・・・ここで・・・一人エッチしてまうからね・・・・」

  グイグイと腰を押し付けてくるるりかの様子からは待ちきれない焦りが見て取れる。薄い布地を隔てただけで密着してくるるりかの秘所。

  「こんな私を・・・・・・・ラブホの前に置き去りにしてけせんよね?」

  唇を尖らせたるりかの指先がスカートの裾をギュッと掴んだ。二人の姿がホテルの中に消えて行ったのはそれからすぐ後の事だった。

 

  チン。

  軽やかな電子音と共に扉が閉じる。

  あのエレベーター独特の、身体が一瞬重くなるなんともいえない感覚とともに二人は上の階へと持ち上げられる。インジケーターの表示が2・・・・3・・・4・・・・と上がって行くのももどかしそうに見つめるるりか。まるで彼女が目を離せばエレベーターが止まってしまうのではないかと心配しているかのようだ。るりかの細い指先が彼の二の腕を痛い程に握り締めている。

  「もうちょっとの我慢だから」

  「・・・・・・・・・・・・・」

  もう彼の励ましに応える余裕も無いのだろう。僅かに頷いただけで言葉も発し様とはしない。

  だが心配そうに見詰める彼の視線に気付いたのか、インジケーターを凝視していた瞳を傍らの恋人に向ける。

  その瞬間だった。

  「きゃッ!!」

  「っ!!」

  ガツンッ、という鈍い衝撃音。

  天井の蛍光灯が消え、次の瞬間にはオレンジ色の光がエレベーターの中を弱々しく照らし出す。

  呆然とした面持ちで天井を数秒の間見上げていた二人は、やがて非常灯の明かりに染まる互いの顔を見詰め合う。

  「・・・・・・・・これって・・・・・・・・もしかして・・・・・・・・・」

  「・・・・・・・・・・・・・多分・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

  動転した気持ちを悟られないように、落ちついた素振りで彼が操作パネルの扉を開けて非常電話を取り出す。自分の一挙手一投足を不安げに見詰めるるりかの視線を背中に感じながら、努めて平易な口調で受話器の向こうの相手に話し掛ける。

  「もしもし・・・・・・・・ええ、そうです・・・・・・・はい、今の所は大丈夫です・・・・・・あと、どれぐらい・・・・・・・え・・・・・・・・・・・もっと早く、何とかなりません?・・・・・・はあ・・・・・はい、なるべく早くお願いします・・・・・・・はい・・・・・・・・はい、分かりました・・・・・・・」

  受話器を置いた途端、押し黙っていたるりかが口を開いた。

  「・・・・・・・どうなの?」

  「・・・・・うん・・・・・・・いま、エレベーターの管理会社を呼んだから・・・・・・じきに来るだろうって・・・・・」

  「じきって・・・・・・・どれぐらいなの?」

  「・・・・・・・・・・・早ければ一時間ぐらいだろうって・・・・」

  るりかの耳に彼のその言葉が届いた途端、彼女はエレベーターの床に膝を付いて座り込んでしまった。

  「・・・・・・・・・・そんなに・・・・・・・・我慢出来せんが・・・・・・・・・」

  すすり泣くような小さい声が唇から漏れる。

  「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

  そんな彼女に掛ける言葉を見つけられない彼は、自らも腰を落としてその肩に手をやった。

  項垂れていたるりかが顔を上げる。その円らな瞳には今にも溢れ出しそうな涙が湛えられている。微かに震える唇は非常灯の下であっても艶やかに輝き、半開きのそのあわいからは甘く、熱い吐息が悩ましげに漏れている。

  るりかが瞼をそっと閉じた。一粒の涙が目尻から零れ、滑らかな頬を転がって落ちて行く。

  彼はるりかの表情に魅入られたかのように自分の顔を近づけ、そしてその唇を己がもので塞いだ。

  柔らかい唇までもが火照っていた。送り込まれる吐息が彼の喉を焦がし、挿し込まれた舌は、絡め取られた彼の舌までも蕩けそうな程の熱さだった。

  自ら積極的に蠢くるりかの舌にはなすがままにさせておき、彼女の背中にまわした腕に力を込める。二人の躯の間でひしゃげるるりかの胸の膨らみ。その圧迫感が躯の奥でくすぶる官能の炎を僅かながらにでも鎮める事に気付いたるりかは、更に彼の身体へと自らを押し付ける。

  「・・・・・・・はあっ・・・・・・・・ああ・・・・・」

  折れてしまうかと思われる程に強く抱きしめられて息苦しくなったるりかはようやく唇を離して、喘ぎ声にも似た溜息を吐き出した。

  「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ねえ・・・・・・・・・・」

  「・・・・・・・何?」

  「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ここで・・・・・・しよみゃあ・・・・・・・・」

  「・・・・・・・・・しよみゃあって・・・・・・・」

  「・・・・・・・・・・・・エッチしよみゃあ・・・・・・・これ以上、我慢出来せんがね・・・・・・

 かめへんでしょ?」

  「こ、ここでって・・・・・・もう少ししたら管理会社の人が修理に来るんだよ?」

  「・・・・・・・・もう30分ぐらいは大丈夫だがね・・・・・・・・・・ね?」

  「う・・・・・・うん・・・・・・・・」

  

  「ねえ・・・・・・・・・お願い・・・・・・・・・・」

  るりかはお尻を彼の方に向けて突き出し、誘うかのように悩ましげにくねらせた。ミニスカートからすらりと伸びた健康的な太股は、その内側を自らの恥汁でべっとりとぬらつかせている。腰の動きに合わせて揺れるスカートが彼の劣情を更に煽り立てる。この薄布の向こうには何も隔てるもののないるりかの秘裂があるのだ。

  彼の指先がスカートの端を摘み上げると、徐々にその姿を現す張り詰めた尻肉。ツンと上を向いたカタチの良いヒップ。非常灯のオレンジの明かりを浴びて、じっとりとその肌に浮かび上がらせた汗の珠がキラキラと輝く。彼の手の平もまた興奮に汗を滲ませて、その張り詰めた肉の感触を確かめるかのようにるりかの左右の尻たぼにそれぞれを重ねられた。

  牡の獣欲を刺激する心地よい弾力が内側から押し返す。目の前に差し出された恋人のヒップを、いつまでも飽きる事なく、指先が食い込む程に揉み込む。ほぐされた肉が発する熱が、狭い箱の中の温度を押し上げる。

  その熱に浮かされたのか、彼はその指先を目の前の双丘の深い切れ込みに抉じ入れ、グイと割り拡げた。

  あえかに曝された、るりかの羞恥の源泉。本来なら秘めやかな筈の場所の佇まいを余すトコロなく彼の視線の下に曝け出している。色素沈着の薄い桜色のアヌスは彼の視線を感じたのか、恥じ入るようにキュッと窄まる。渓谷の狭間にも浮き出した汗の珠がツツ―ッとその奥底へと転がり落ちて、窄まりの中心へと消えていった。

  こちらの方はまさに蕾と呼ぶのが相応しい佇まいだったが、その下に位置するもう一輪のおんなの華はまさに今が満開だった。

  内側に湛えられた芳醇な華蜜は開ききった花弁をしとどに濡らし、そればかりか糸を引いて滴り落ちる程だ。逆立ったサーモンピンクのラヴィアがヒクヒクとわななく様は、牡を誘い込む貪欲な食虫植物を思わせる。小さな膣孔がるりかの荒い息遣い

 .に合わせてパクパクと口を拡げる。

  彼は腰を落として、恋人の秘部と同じ高さまで目線を下げた。幾重にも折り重なりあった肉襞は薔薇の花弁に例えられるのが相応しい佇まいだ。乱暴に扱えば壊れてしまいそうな薄く慎ましやかなラヴィアをそっと摘んで、るりかの膣孔を拡げる。

  彼の強張りによって貫かれて開拓された、彼の分身だけが通る事を許された、彼だけの、るりかの肉の通路。サーモンピンクの肉路の複雑な隆起は、何度見ようとも彼の目を飽きさせる事は無い。その色合いの美しさ、造形に妙に心を打たれたかのように、彼が大きな溜息をつく。

  その熱い吐息で自分の秘裂を観察されている事に気付いたのか、何かを堪えるように瞼を閉じて顔を俯かせていたるりかが股越しに懇願する。

  「は、早よしたって・・・・・・・時間が無くなってまうがね・・・・・・・・・」

  いつまでもるりかの恥溝を鑑賞していたい誘惑を振り払うように立ちあがり、パンツのベルトに指先を掛ける。

  興奮に震えて思うように動かない指先で、なんとかベルトを外してパンツを膝まで下げる。その下から現れたトランクスの前に張られた大きなテントが彼の心情を代弁していた。下そうとしたトランクスもまた、突っ張った分身に引っ掛かって思うに任せない。苛立つ心が強引な行動に出る。一瞬の鈍い痛みの後、今まで狭い場所に押し込められていた鬱憤を晴らすかのように、ビンッと天に向けてそそり立つ剛直。ジャングルから聳え立つ弓形に反り返った若茎を鷲掴みにして、痛みを堪えながらもその先端を前方の女陰へと向ける。

  既に先走りのカウパー腺液を噴き溢してヌラヌラとぬめるピンク色の亀頭でるりかのクレヴァスを上から下へ、下から上へとなぞる。亀頭が膣孔の上を通り過ぎる度にピクンと震えるるりか。

  「あッ・・・・・・・・うンっ・・・・・・・・・焦らさんといてッ・・・・・・・」

  そんな彼女を見て、これ以上焦らすのは酷だと判断した彼は、その先端を入り口にあてがった。

  「・・・・・・・・・・・・・・・」

  「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

  数秒の沈黙の時が流れる。最後に大きな深呼吸をした後、彼はるりかの胎内へと己の分身をゆっくりと突き立てていった。

  小さな膣孔が驚くばかりの拡がりをみせて、その先端を飲み込んで行く。

  「んっ・・・・・・・んくっ・・・・・・」

  肉茎のなかでも最も太いカリの部分がとば口を通過する時、るりかの唇からうめき声が零れた。

  一番の難所が過ぎ去った後。血管を浮かび上がらせた太幹がどんどんるりかの秘裂の中に入って行く。剛直とそれをぴっちりと締め付ける膣孔との結合部分からは、満たされて行く肉壷の中で行き場所を失った愛蜜が滴り落ちる。奥深くに進んで行くにしたがって狭まって行くるりかの坑道を押し拡げながら掘り進む。やがてピッタリと密着する二人の腰と腰。

  「奥まで・・・・・・入っとるッ・・・・・貴方のが・・・・・ドクンッ、ドクンッて言ってる・・・・・・」

  自分の空閨をいっぱいに満たす彼の分身の充実感。自分の胎内から伝わってくる彼の鼓動がるりかの心と躯を震わせる。自分の躯で彼を感じる。この例え様の無い、何物にも代え難いと思える幸せ。彼と再会した一年前のあの頃には知る由も無かった、『おんな』の悦び。まるでジグソーパズルのピース同士がピタリと繋がるように、彼の牡と自分の牝とがしっくりと馴染む。各々が本来のパートナーを見出せた時にしか感じることの出来ない思いを共有する。彼こそが自分の失われた半身である事を強く確信する度に何故かしら涙が零れてしまう。

  初めて彼に貫かれた時もそうだった。痛みばかりではなかった。頬を滑り落ちたのが熱い歓喜の涙である事をるりかは自覚していた。

  彼に抱かれる度に、性の悦びの度合いがより深くなっていく事を自覚せずにはいられなかった。

  エッチな躯になってしまったという思いがるりかの頭を掠めるが、無論後悔などする筈も無い。彼の躯のあらゆる部分を隅々まで知り尽くし、そして彼女自身ですら知らなかった『おんな』の躯の秘密が彼の手で顕にされて行くのはこの上なく嬉しかった。彼を愉しませる為の知識を学び、彼を悦ばせる為のテクニックを身につけて行く事すらもがるりかにとっても悦びだった。

  時として、自分を何処までも飲み込んでいく、まるで底無し沼のような『おんな』の悦びに言いようの無い不安を覚える事が無いではなかった。二人が互いに手と手を取り合い一緒に踏み込み始めたばかりの性の世界の深淵はいまだ深い闇の向こう側だったが、彼と二人で歩んでいけるのならばそれも怖くはなかった。

 

  ようやく己の強張りをきっちりと根元まで挿入し終えて、彼は溜めていた息を大きく吐き出した。無理矢理に押し拡げられたるりかの媚肉が自分の肉棒を包み込んでくるのと同時に背中に痺れにも似た感覚が疾る。

  るりかの肉襞が自分の分身みっちりと絡み付き、しっかりと馴染んだ事を確かめると彼はゆっくりと腰を動かし始めた。

  離れて行く彼を名残惜しそうに食い締めるるりかの秘唇。太幹に絡み付いたままで外に引き摺り出されたラヴィアが、再び奥深くへと突き進む男根に巻き込まれて捩れる。

  彼の分身は既に根元までるりかの露に塗れてテラテラと輝き、ようやく渇きを癒せた悦びを表すかのように浮き立たせた血管を脈動させる。

  徐々に速まる彼の突き押しに、るりかの蜜が飛沫となって飛び散る。肉と肉を打ち付け合う音と、二人の唇から漏れる微かな咽きと喘ぎだけが密室の中に満ちて行く。

  不意に彼の腰の律動がリズムを変えた。大きく張り出したカリの部分でるりかの膣孔の最も敏感な箇所―Gスポット―を集中的に抉り立てる。

  「あっ・・・んあっ・・・・・あンッ・・・・やっ・・・・・・あふッ、ああっ・・・・あんっ・・・あんっ・・・・・あ・・・・・・」

  彼の突き上げに合わせるかのようなるりかの嬌声。彼女の歌声が耳に心地よく響く。決して単調にならないように、時には激しく、またある時はゆっくり、小刻みに、あるいは大きく、真っ直ぐに、はたまた円を描くように。腰の突き入れ方を変化させる度に、るりかの柔らかな唇が奏でる妙なる楽曲はその調べを変化させる。彼は自分が演奏者となり、るりかも楽器となったかのような錯覚を覚えた。

  ・・・・・・・・・・・・・・可愛くて、柔らかくて、暖かくて、美しい・・・・・・・自分だけが演奏できる、自分だけにしか聴く事のできない、自分の為だけの旋律を奏でる・・・・・・・そして何よりも愛しい自分だけの楽器、恋人・山本るりか。

  昂まって行く自分を抑える事が出来ない。体の内側で膨れ上がっていくものがその捌け口を求めて下半身の一点へと集中してゆく。

  そんな彼の昂ぶりを感じ取ったのか、首を捻じ曲げて振り返る。

  彼の眼差しが何を言いたいのかが分かったのだろう、僅かな逡巡の跡、首を縦に振った。

  「あンッ・・・・・き、今日は大丈夫だでっ・・・・んウッ・・・・・膣内にっ・・・・・出してもかめせんよ・・・・・はんッ・・・・・・出したって・・・・どえりゃあ出したってちょうッ・・・・」

  るりかの思いを受け止めて、彼は一心不乱に腰を突き動かす。せめてものお返しにと、るりかの一番感じるポイントを集中的に擦り立てる。それと同時にクレヴァスの袂にある鋭敏な女芯を指で摘んでは転がす。

  「やんッ・・・・・ひッ・・・・・・だっ、駄目ッ・・・・・・」

  彼に誘われるようにして、るりかも絶頂への階段を上り詰めて行く。

  「やだッ・・・・来るっ、来ちゃうの・・・・・私もっ・・・・・イッ、イッちゃうッ、イッちゃうのッ!!」

  「はッ、はあっ・・・・・るっ、るりかっ・・・・・・・もうッ、もう駄目だッ!!」

  視界が一瞬昏くなり、そして、二人の目の前で同時に白い光が弾けた。

  「・・・・・・・・・・えっ?」

  錯覚・・・・・・ではなかった。天井の蛍光燈が数回瞬いた後、先程までの明るさを取り戻した。あの独特の感覚が、エレベーターが再び動き出した事を二人に教える。狭い筐が動き出したのと同時に二人の腰の動きが止まった。未練がましく絡み付くるりかの媚肉襞に後ろ髪を引かれながらも、己の分身をるりかの膣孔から引き抜く。

  「・・・・・もう少しだったのに・・・・・・・・・」

  今にも泣き出しそうな、恨めしげな視線を彼に投げ掛けながらも身繕いをするるりか。

  チンッ。

  電子音とインジケーターが彼らの目的のフロアにようやく到着した事を知らせてくれた。

  開いた扉から顔だけを出して、周囲に誰もいない事を確認した二人は発情した恋人達の芳香に満たされたエレベーターを後にして、そそくさとホテルの一室へと駆け込んだ。背後ではエレベーターの非常電話だけが虚しく鳴り響いていた。

 

  やっとの思いでホテルの一室に入った二人。今から朝まではこの密室は彼等だけの空間になる。誰にも邪魔される事無く、誰の視線を慮る事も無く。

  彼とるりかはもつれ合うようにして巨きな円形ベッドに倒れ込んだ。

  計らずも彼女を組み敷くような体勢になってしまった彼が、間近のるりかの貌を覗き込む。

  情欲に濡れた瞳が訴えかけるままに、彼はるりかの桜色の唇を貪った。甘く柔らかい、蕩けるような舌までも味わい尽くす。これまでの交わりの中で二人で高め合ってきた口唇愛撫のテクニックも何も無い、飢えた獣のような荒々しい交わり。るりかもそれに応えるようにしてかれの口腔内を舐めまわし、唾液を啜った。

  彼は強引にるりかの躯との間に指先を捻じ込み、ブラウスの上からるりかの胸をまさぐる。彼の体に押し潰されてはいたものの、食い込ませた五本の指を押し返してくる乳肉の弾力が彼を更なる淫行へと駆り立てる。

  ブチッ!ブチブチッ!!

  小さなボタンが弾け飛び、ブラウスの下の淡いブルーのブラジャーが覗いた。ホックの在り処を確かめようともせずに強引にブラを上へとたくし上げる。弾むようにして零れる豊乳。紅の乳首は既にピンッと尖り勃ち、彼の愛撫を待ちわびている。興奮に震える乳首を鎮めるかのように、彼の指先がその先端を摘んだ。二本の指で挟み込み上下にしごく。

  「むうッ・・・・・むふゥ〜ッ!!」

  塞がれた唇の奥から漏れ聞こえるくぐもった喘ぎ。いやいやをするように軽く頭を振るが、その仕草に拒否の色は無かった。

  ルージュが剥がれ落ちる程に乱暴にむしゃぶられた唇がようやく解放される。安堵の溜息をつく間も無く、彼の舌が耳たぶから首筋へと滑り落ちる。

  「やンッ・・・・・あふッ・・・・・あっ、ああんッ・・・・いいっ・・・・・」

  耳をくすぐる恋人の嬌声を心地よく聴きながら、彼はるりかの鎖骨にまで舌を這わせる。浮き出した鎖骨のディティ―ルを確かめるように、二度三度と彼の唇が往復する。これまでの交わりの中では憶えのない、新しい性感帯を開拓される悦びに躯が打ち震えるのをるりかは感じていた。

  そしていよいよ彼がその舌先を敏感な胸の突起へと伸ばした。彼の動きを見詰めるるりかの瞳は期待に輝く。不意にこちらを見上げた彼と視線が交錯する。彼の瞳の奥にも、やはり情欲の炎が燃え盛っていた。

  るりかの乳肉全部を頬張ろうとするかのように、大きく口を開いてむしゃぶりつく。乳房が吸引される感覚に痺れを覚える。吸い込まれた彼の口腔の内側では勃起した乳首が上下左右へと為すが侭に転がされている。

  「もっ・・・・もっと・・・・・・強く・・・・してッ・・・・・」

  るりかの懇願に応えて歯型の後が付くほどに食んでいた乳房を吐き出した彼は、鋭敏な性感帯のみを集中的に責める。

  プルンプルンと揺れる乳房の感触を愉しむように、乳首を唇でついばんでは引っ張る。強く引かれる度に甘い疼きが乳首の先端から躯全体へと拡がる。

  歯が立てられた。一瞬体を強張らせるるりかだったが、彼に身を任せた。コリコリとした歯応え。グミのような歯触りはいつまでも口に入れておきたくなるような陶酔をもたらしてくれる。

  「ひンッ!!」

  僅かに力を込めた甘噛みにも、可愛らしい悲鳴でもって応えてくれるるりかを愛おしく感じる。噛めば噛む程に硬度を増してくるるりかの勃起乳首はやがてキンキンに張り詰め、さながらガラスで出来ているかと思える程にまで硬直する。

  るりかにとっても乳首から伝わってくる感覚は、既に『疼き』などといったレベルを通り越した痛覚にも近い、ピリピリとした電流のようだ。

  熱い吐息を漏らして喘ぐるりかの唇の端から、一筋の唾が頬を伝い落ちた。

  

  彼の責めは止まる事を知らず、滑らかな腹部に刻まれた臍までもがその愛撫の嵐に曝される。吸われて、突かれて、ほじくられて・・・・・・・るりかは臍から蕩けていってしまいそうになる。その間も彼の片手は乳房を激しく揉みしだいているのだ。

  「・・・駄目ぇ・・・・そんなトコ・・・・・弄らんといて・・・・・」

  口を突く言葉こそは拒否の意味合いだったが、ヒクつく臍孔は彼を歓迎していた。更に深く舌を突き挿れて、るりかの内側へと潜り込もうとする。

  「・・・・お願いだで・・・・お、おかしなってまうで・・・・・」

  胸を揉んでない方の彼の腕が、るりかの内腿に挿し込まれる。もはやカタチばかりの拒絶のポーズを取る余裕も無いるりかの太股はあっさりと割り裂かれた。とうの昔に腰に纏わりついているだけの布切れと化しているミニスカートはもちろんるりかの秘密の花園を覆い隠してはくれなかった。エレベーターの中での僅かな間の挿入が、既に彼女の秘唇を綻ばせていた。ネットリとした愛液にまみれて、重々しく恥丘に張り付くアンダーヘアーを掻き分けて、いきなり人差し指と中指の二本がるりかの胎内へと侵入を果たす。挿入された指が蜜壷を掻き回して、肉襞を抉り、Gスポットを捉える。それに加えて、彼の小指が器用に動いて蟻の門渡りをなぞり下げ、その先にある菊蕾までもが愛撫の暴風雨の真っ只中に放り出される。

  彼の舌がるりかの滑らかな腹部を滑り落ち、白い肌と叢の境目を遊ぶ。蒸れた恥毛を口に含んでそれを賞味する。秘裂を掻き回していた指が淫らな音と共に引き抜かれる。白濁するほどに泡立った愛液に塗れた彼の掌がるりかの柔らかな内腿にあてがわれ、力が込められる。抵抗どころか、寧ろ彼を積極的に迎え入れるように自らの恥部を彼に晒す。

  るりかの期待を裏切る事なく、彼の熱い舌が彼女の淫溝を舐め上げた。

  「あんッ・・・・・・駄目ッ・・・・・」

  汗に濡れた二本の太腿が彼の頭を両側から挟み込む。攻めぎ合う肉と肉の間から漏れ聞こえる水音。

  チュバッ、チュッ、ジュルッ・・・・・・・ズズッ・・・・・・ピチュッ・・・・・・・・

  淫核を覆う包皮を剥き上げられ、激しく吸いたてられる。

  「ちッ、千切れちゃふゥッ!!」

  舌の先で彼の為すが侭に転がされ、甘噛みされる。

  「やァッ!噛んじゃっ、!噛んじゃ駄目ぇッ!!」

  躯の奥から湧き上がってくる『何か』を押え込むように、さらにその太腿は彼の側頭部を締め付ける。それにも構う事なく、彼はその舌でもってるりかの微細な肉の襞々の一枚一枚を捲り返す。そればかりでなく襞と襞の間に染み込んだるりかの肉汁までも掬い取るようにして舌を這わせる。彼の愛撫に、ただひたすらにイヤイヤをするように頭を振る事で応えるるりか。

  やがて彼の舌が肉の狭間に埋もれていた尿道口を探り当て、その周囲をくすぐる。

  「そこッ・・・・・違ッ・・・・・・・・もっとぉ・・・・・もっと下ッ・・・・・・・・・・そこおッ・・・・・・」

  ようやく彼の舌がるりかの膣孔に到達する。胎内に侵入してくる尖った舌を締め付ける媚肉。泉の奥から止めど無く湧出する愛の露をその喉に流し込む彼。

  ジュルッ・・・・・・ズズッ・・・・・・ジュルジュルッ・・・・・・・

  「の、飲んじゃやあっ・・・・・・・音、立てちゃ駄目っ・・・・・」

  下半身がるりかの頭よりも高い位置に抱え上がられる。恋人が自分の秘部を貪る彼の様子を見上げる格好になるるりか。彼が嚥下しきれなかった愛の蜜が叢の間を潜り抜けてをこちらに向かって滴ってくる。やがてその雫が縦長に切れ込んだ臍の窪みに溜まって泉を作る経過の一部始終を見せ付けられる。

  このままでは遅かれ早かれ自分だけが達してしまうだろう。自分だけがアクメを迎えてしまう、何処かに取り残されたような寂しさを味わうのは辛かった。彼と一緒に達する、あの何物にも代え難い感覚。自分だけが慈しまれている事を申し訳無く思う気持ちがるりかの唇から言葉となって出てくる。

  「・・・・・・ね、ねえ・・・・・・貴方の・・・・オ、オチンチン・・・・・・しゃぶらせたって・・・・ね・・・・・いいでしょ?」

  荒い息遣いの合間から絞り出される、その言葉にようやく愛撫の手を休める彼。

  「・・・・私が上になるで・・・・・・シックスナインでかめせんよね?」

  「・・・・・・・・」

  舌を使いすぎて喋るのも億劫なのか、無言で頷く彼とるりかは汗に塗れたお互いの体の位置を入れ替える。

  パンツのベルトを口で咥えて器用に外す。そのまま手を使わずにジッパーすらも口で下ろした。ジッパーの隙間から匂い立つ、発情した牡の体臭にるりかはクラクラと眩暈を覚える程だ。るりかの仕事を助ける為に彼が僅かに腰を浮かせた。その隙にるりかがパンツとその内側のトランクスを一緒に下ろそうとする。

  トランクスの内側で強情に突っ張るポールをなだめすかして、二枚まとめて膝までずり下ろした。ようやく顕になる彼のシンボル。まるで怒っているかのような雰囲気を漂わせて、彼の下腹部から凄まじい仰角で勃ち上がったその鈴口は既にるりかの唇に狙いを定めているかのようだ。先走りの涎でテラテラと濡れ輝く彼の男根を見詰めるるりかの脳裏に、白昼の豊年祭の光景が甦る。

  厄男達に担がれた神輿の上で上下左右に揺さぶられる御神体を見た瞬間に、るりかの膣の奥がジュンッ、と潤んだのがもう遠い昔のようだ。もしかしたら、あの場に居合わせた全ての女性がそうであったのだろうかと想いを馳せるるりか。彼女達も今頃は恋人と、或いは夫と躯を重ねているのであろうか。そう夢想するだけで、なんだか楽しい気分になってくるから不思議だった。

  「・・・・それじゃ・・・・しゃぶるでね・・・・・」

  るりかの指先が若茎に添えられ、半開きになった悩ましげな唇がその鈴口に寄せられる。口を開けた瞬間、可愛らしい八重歯が覗いた。

  紅色の舌が太幹を根元から先端へと舐め上げる。大きく張り出したカリの括れをくすぐる様に愛撫する。るりかの舌遣いに応えるかのように跳ね回る彼のモノを愛しそうな眼差しで見つめるるりか。

  彼の方でもるりかのおんなの部分をクン二リングスで慈しむ事でそれに応える。白い尻肉に深々と指を食い込ませてるりかの秘部を引き寄せる。るりかの媚肉にむしゃぶりつき、恋人のラブジュースを喉を鳴らして飲み下す。

  じゅるっ・・・・じゅるるっ・・・・・・ごくっ、こくこくっ・・・・・

  わざと音を立てる。淫靡な響きはるりかの鼓膜にも届いている。

  啜られている。そう意識するだけでるりかの『おんな』が愛蜜を滴らせる。

  (やァん・・・・それでなくても濡れやすいのに・・・・・・・・溢れてきてまうがね・・・・・・)

  彼の激しい愛撫に流されてしまいそうになる自分を振り払おうとするかのように、目の前の彼の剛直に神経を集中するるりか。

  逞しさを漲らせて弓形に反り返った彼の剛茎と、あの御神体とがオーバーラップする。二本の剛直をその裏に焼き付けたままの瞼をそっと閉じて、柔らかく、そして熱くぬめった唇が彼の分身を包み込んだ。歯を立てないように気を遣いながら、上下の唇を絞めて長大な竿を上下にゆっくりとストロークする。。太茎に舌を絡ませ、鈴口をくすぐり、カリ首をしごく。口腔内の、舌先の神経が彼の昂ぶりを伝えてくる。力強くビクンビクンと脈打つ、彼の生命力。るりかの口の中で弾けてしまいそうな程にまで膨れ上がった彼の欲望。

  るりかの丹念なフェラチオにいつになく熱がこもっているのは、今日のあの祭りとは無関係ではなかった。

 

 

  彼も、るりかも、もうこれ以上は自分を抑え切れなかった。

  相手の股間から各々が同時に顔を上げた。不自然な体位のままで視線と視線を絡ませ合う恋人達。

  相手の瞳の奥の色が自分を求めている。そう確信出来た。

  るりかが肯いた。

  彼が体の向きを入れ替える。正面を向き合って、改めて互いを見詰め合う。

  るりかの膝に手を掛けた彼が、彼女の太股を割り裂いた。満開に咲き誇ったるりかのおんなの華の中心に彼の先端があてがわれた。

  二人の呼吸が一瞬、止まった。

  ずっ・・・・・・・ずぬっ・・・・・・

  とろけきったるりかの媚肉は、彼を飲み込み、包み込む。狭隘な肉の重なりを強引に押し開いて突き進んでゆく彼の亀頭。充分すぎる程に湧出したるりかの愛液が二人の間の潤滑を助ける。蜜壷に満たされたるりかの肉汁が、彼の挿入が深くなるにしたがって結合部から溢れ出す。白く泡立ちながら、尻の谷間を潜り抜けてシーツに大きな染みをつくる。

  「うっ・・・・・んんっ・・・・・・」

  互いの腰と腰が密着する。るりかの胎内に完全に埋没する彼の剛直。深い、深い溜め息がどちらの唇からともなも漏れた。

  今日二度目の結合。狭いエレベーターの中での慌ただしい交わりとは違う、深い満足感をもたらす、躯と躯の繋がり。他のいかなる行為でも得難い充足感が二人の心を満たしていく。

  るりかの膣が彼のモノに馴染むのに、それほど時間は掛からなかった。濡れた花弁がしっとりと太幹を包み込む。るりかの期待する心の内面を映す鏡のように、微細な肉の襞がざわめいた。その蠕動に呼応して、彼がビクンと大きく脈打つ。

  ゆっくりと、ゆっくりと、絡み付いたるりかの襞を一枚一枚引き剥がしながら、腰を引いて己の剛直を引き抜く。離れて行く彼の分身のなごりを惜しむかのように、未練がましく纏わり付くラヴィア。一際太いカリの部分が膣口から抜けかかるところで、今度もゆっくりと、だが、最初の挿入より速度を上げてるりかの中に埋没してゆく。るりかの泉から新たに湧き出した愛の雫もまた菊の蕾を潤しながら、シーツの上の染みを色濃くしてゆく。

  ズチュッ・・・・・・・・・・・グシュ・・・・・・・・ドチュンッ・・・・・・ヌチッ・・・・・グチュン・・・・

  突き込まれる度に、二人の繋がった部分が淫らな響きを奏でる。紅潮した尻肉の狭間へと流れ込む泡立ったラブジュースは一突き毎に粘り気を増して、更に白く濁ってゆく。

  彼の突き込みに瞼を固く閉じて、躯の奥から沸き上がってくる『何か』に耐えるような貌をするるりかだったが、その下半身はその情欲をより露にしていた。

  彼をより奥深くまで迎えようと、自らも腰を使う。誰に教えてもらうでもなく、彼との幾度かの肌の重ね合わせ・躯の交わりの中で、いつしかるりかの中で目覚めた牝の本能。

  自分から腰を使っている事に気付いた時には余りのはしたなさに顔から火が出る思いだったが、どれだけ自制して止めようとしても彼と交わるその時にはやはり知らず知らずのうちに腰がグラインドしてしまう。るりかの細腰はベッドから浮き上がり、その背筋が優雅なブリッジを描く。その曲線は柔らかく、優しく、力強く、そして淫靡だった。

  より深い快楽を求めて。

  より高い悦楽を求めて。

  より遠い楽園を求めて。

  彼とるりかが腰を打ち付け合う。汗にまみれた肌と肌とが、湿った音を立てる。

  るりかの脳裏に、不意に昼間の祭りの喧騒が甦った。神輿を担ぐ男達の威勢の良い

 掛け声と共に雄大なストロークでズンズンと突き上げられる御神体とるりかに膣を突き上げる彼の男根が今、完全に一つになった。

  「あっ・・・・・あンッ・・・・・・・・も、もっと・・・・・・もっと・・・・・・強くッ・・・・・」

  るりかの声に応えて、彼の突き上げはより力強さを増す。

  「・・・・・・・おッ・・・・・奥に・・・・・・当たっとるッ・・・・・・いいッ・・・・・・いいのっ・・・・・」

  ただ闇雲に突き上げるだけではなく、時折ピストンのスピードや、突き挿れる角度、その深さを変えながら、彼の御神体がるりかの蜜壷を抉る。

  「そっ、そこッ・・・・・・そこがいいのっ・・・・・」

  入り口から僅かに奥の、浅い部分の天井付近のざらついた個所をカリで擦りあげられ、悶えるるりか。性の深淵を探訪する彼とるりかが一緒に見つけた、るりかの性感帯だった。

  もうるりかの躯の何処にも、彼の指が触れていない場所は無かった。

  彼の舌が這っていない処すらも一片たりとて残ってはいなかった。

  女が男に開発され、開拓されるという事はこういうものだという事を実感させられる。

  征服される事の心地良さ。

  愛する彼の支配下に置かれる悦び。

  その彼のシンボルたる男根への畏怖と敬愛の混ざり合った、この気持ち。

  (ああ・・・・・・・・・なんでオチ○チ○をあんな風にして奉るのか・・・・・・・分からなくもないね・・・・)

  古の人々に想いを馳せながら、るりかは腰を振り続けた。

 

  彼の腰のグラインドが緩慢になる。

  (あっ・・・・・・・もうすぐかな?・・・・・・)

  これまでの経験から、彼の限界が近い事を察するるりか。

  「うッ・・・・・るりかっ・・・・・・もうッ・・・・・・」

  苦しげな咽きは、るりかの読みが当たっていた事を示していた。

  いつもの交わりであれば彼が限界を迎えたところで膣外射精だった。るりかは腹部や尻肉や柔乳に受けた迸りの熱さを脳裏で反芻する。

  ゴクリ。

  喉を鳴らして唾を飲み込む。

  やはりあの祭りに当てられたのだろうか。

  今日だけは、今晩だけは、彼が放出する生命の源の熱さを自分の躯の奥で感じたかった。彼の命を、自分の子宮で受け止めたかった。

  己を引き抜こうとして彼が腰を引こうとする。

  「あっ・・・・嫌・・・・・・ぬ、抜かないでッ・・・・・・」

  太腿で彼の腰を挟み込み、脚を背中に廻して恋人をグイと引き寄せる。彼の男根が再びるりかの奥へと突き挿さる。

  「る、るりか?」

  「・・・・・・・・・・・今日は・・・・・・・中で・・・・・・・・膣内で・・・・・・出したってちょう・・・・・」

  「・・・・・・で、でも・・・・・・・」

  「・・・・・・・・・今日は大丈夫だで・・・・・・かめせんから・・・・・・・お願いだで・・・・・ね?」

  しがみついた彼の耳元で囁くるりか。熱くて甘い吐息が彼の耳朶をくすぐる。

  「・・・・・・・・分かった」

  「・・・・・・・うん」

  るりかの唇が彼のそれで塞がれた。右手はるりかの背中に廻され、敏感な背筋をツツーッとなぞりあげる。左手は密着した二人の躯の間に捻じ込まれて、押しつぶされた恋人の乳房を荒々しく揉みしだく。

  彼の腰が再び愛の律動を刻み始める。

  ニチュッ、ズチュンッ、グシュッ・・・・・・・・

  中断されていた二人の演奏が奏でられ始めた。

  「うっ・・・・・んんッ・・・・・・・いいッ、いいのッ、いいのッ・・・・・・もっと、もっと、もっと深くッ!強くぅッ!!」

  「るりかッ・・・・凄く締め付けてきてっ・・・・・・・・蕩けそうだっ・・・・・・・・・出るッ・・・・出すぞっ、るりかァッ!!」

  「出してッ、注ぎ込んでっ、ぶちまけてッ!!ち、膣を一杯にしてッ!!子宮に掛けてぇッ!!」

  次の瞬間。

  るりかは自分の胎内で彼が弾けるのを初めて感じた。力強い脈動とともに放出される彼の精液。熱い、熱い奔流がるりかの蜜壷の中で荒れ狂う。おんなの最奥で受け止めた彼の迸りにるりかの頭の中が真っ白になる。

  彼から僅かに遅れて、るりかもアクメを迎えた。媚肉の襞が痙攣して、今なお律動を刻む事を止めようとしない彼の剛直を締め付ける。

  腰と腰を密着させ、恥骨と恥骨を擦り合わせたままで二人は果てた。力尽きた恋人達は折り重なって、暫しのまどろみへと一緒に落ちて行く。

 

 

  行為の後の気だるい空気の中。ティッシュペーパーでるりかのデリケートな部分を慈しむようにしてそっと拭いてくれる彼の肩に頭を預けている一時。

  彼に激しく愛されているその瞬間にも等しい大切な時間だった。

  「ねえ・・・・・・」

  「ん?」

  「・・・・・・・・・・・・・・・・来年も一緒に来たいね」

  「う、うん・・・・・」

  「何? その気の無い返事は?」

  「いや・・・・・・・なんだか『子孫繁栄』しちゃいそうで怖いんだけど」

  「そうかもね。あんだけドクドクと流し込んだんだでデキてまっとってもおかしくあれせんかもね」

  「・・・・・・・・・・・・・・」

  「あはははははは、何固まっとりゃあす・・・・・・・うっ・・・・・」

  るりかがいきなり口元を手で押さえる。

  「シャレにならないから止めて・・・・・・・」

  「酸っぱいものが食べてゃあ」

  「はいはい。レモン味ういろうとか味噌煮込みレモンを奢って欲しいのね」

  「違うー」

  振り上げられたるりかの拳を制して、彼は彼女の唇を塞いだ。

  「んッ・・・」

  「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いいよ・・・・・・来年も一緒に・・・・・・・・・」

 

 

 

 

  「ただいまー・・・・・」

  既に昼過ぎ。ガクガクする腰を押さえながら靴を脱ぐるりか。幸いまだ両親は帰ってきてはいないようだ。

  彼女の声を聞きつけた兄の昌宏が階段を降りてくる。

  「おっ、朝帰りならぬ昼帰りか。さぞかし昨晩はお楽しみだったようで・・・・・うへへへへ」

  「ヤらしい笑い方せんといたって!兄貴の所為で散々だったがね!」

  靴を脱いで振り返ったるりかの瞳が吊り上っている。

  「お〜、怖・・・・・・・・・・・」

  妹の形相に恐れをなしたような素振りをおくびにも出さずに、るりかに差し出す手の平。

  「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何よ、その手は」

  「オ・ミ・ヤ・ゲ」

  「・・・・・・・あると思っとりゃあすトコロがどえりゃあいけすかんがね」

  その差し出された手を無視して昌宏の脇を摺り抜けるるりか。重い足取りで階段をい一段一段上がって行く。

  「あれ?ホントにあれせんの?」

  昌宏が階段の下から未練がましく呼びかける。

  「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

  しつこい兄に根負けしたのか、るりかは小さく溜め息をつくともっていたバックの中から小さな包みを取り出した。

  「な〜んだ、やっぱりあるがや!」

  「ほいっ」

  るりかは 現金に声を弾ませる兄に向かって階段の最上部からその包みを放り投げた。

  「うわったっとっとっと」

  「ナイスキャッチ〜」

  「危ねえなあ、ったく・・・・・」

  「勘違いしたらあかんでね。それはおみゃあさんへのお土産じゃあれせんでね」

  「へ?」

  「兄貴の彼女へのお土産だで」

  「ふ〜ん・・・・・・気ぃ遣わせて悪かったな。サンキュー」

  兄の屈託の無い笑顔を見つめるるりかの胸がチクリと痛んだ。

  (ま、今回の私達みたいに却って上手くいく可能性も無い訳じゃないし・・・・・)

  兄の手の包みの中、T神社の境内に出ていた屋台で買い求めたガラナ配合チンチン型チョコレートが巻き起こすであろう顛末の行く末に想いを馳せるるりかだった。

 


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