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海豚物語(高校生編):その6『邪魔じゃま、ハイパージャマー?!』
天船/文


  ある、六月の初め。 海豚は何時も以上に切なくなっていた。

 

 「巽さん・・・」

 

  海豚は切なさ過ぎて身体を慰めようとして・・・それをやめ、布団を抱き締めていた。

 

 「巽・・・さん・・・」

 

  切なさで中々寝付けず・・・ようやく寝付いたのは、日付が変わって午前02:24時頃になっていた。

 

 

 

  この頃は、三年生は修学旅行で北海道南地方に行っており、学校はおろか、県内には居ないのであった。 そして、一年は長野での宿泊研修。 海豚はたった今、地獄の数学プリントマラソン『合格までやれ!』をクリアしたところだったのだ。 幸い、行事前日、巽にポイントを抑えてもらっていたのだが、それでも辛勝した。 数学は・・・とにかく、苦手なのが、海豚らしいところであろう。

 

  海豚がようやく寝付いた頃、晃も一足遅れてクリアし、自分に宛がわれた部屋に戻ってきた。 布団への倒れ方が・・・あのキング・ジョーだった。

 

 「海豚ちゃん・・・寝ちゃったんだ・・・・・・」

 

  晃は海豚の寝顔を見て・・・・・・劣情が湧いた。

 

 「可愛い・・・・・・」

 

  晃は匍匐[ほふく]全身で這い進み海豚のもとに寄ると、その寝顔をマジマジと見つめていた。 そして・・・。

 

 「んっ・・・・・・」

 

  海豚の可憐な唇に口付けた。 そのまま、胸を揉もうとしたが、睡魔が襲う。

 

 「くっ・・・ここまでか・・・」 

 

  晃は自分の布団に戻り、睡魔にその身を委ねたのだった・・・・・・・・・。

 

 

 

 

 

  その二刻(約四時間)前。 巽たち三年生の泊まっている札幌の某ホテルの一室では、少し卑猥な会話が催されており、消灯時間を過ぎても、それは続いていた。

 

 「でさぁ〜、そいつったら泣きながら喘ぎ声出してさ・・・すっげ〜淫乱だったぜ!」

 

  同室していた一人が、自分の強姦自慢を語っていた・・・が、そこは獅竜鳳に育てられた身。 巽は冷ややかに割り込んだ。

 

 「・・・でも、女の子にとっては喘いでしまっても、腰を振ってしまっても、嫌なもんだよ・・・。 『嫌よ嫌よも好きの内』なんて言うけど、襲われた身にとっては『それでも嫌なものは嫌!』なんだよな・・・」

 

 「やけに、はっきり言うな・・・」

 

 「ま、婚約者の居る身としては、彼女を幸せにするのが男の義務ってやつだからな・・・」

 

 

  そして、あいつはずっと、怯えていたものさ・・・。

 

 

 「・・・でも、女って、襲われたいって奴も居るんだとよ」

 

  別の男子の意見にも、冷ややかだ。

 

 「でも、全ての女の子がそうじゃない」

 

 「そうかな〜?」

 

  疑問を投げかけるも、巽は遠い目で呟いた。

 

 「襲われたのを苦に自害したり、男に対して恐怖し『好きだ』なんて告白できずに苦しんでる子を・・・何人も知ってるからな・・・・・・バイトがら」

 

 『どんなバイトだ?!』

 

 「『女性の敵』を『狩る』バイトさ」

 

  あっさりと答えた巽に、彼らは閉口してしまった。

 

 「ま、狩るっていっても殺生はしないよ。 野郎のモノを斬るだけだから」

 

 「・・・ちなみに、いくらだ?そのバイト」

 

 「下郎一匹に付き、一万円。 強姦などの現行犯なら、最大十万まで。 それが月のおこずかいさ」

 

 「その金って、やっぱり貯めてんのか?」

 

 「そりゃあ、あいつと結婚するし、大学にも行くんだもん。 其れ相応には貯め込まないとな」

 

 「・・・・・・・・・・」

 

  ・・・恐れ多くなり、彼らも睡魔に身を委ねた。 第一、もうすぐ見廻りの教員がここに来るはずだ。 巽は布団に潜り瞳を閉じるが、海豚と出会った頃の事を思い起こしていた。

 

 (あいつ・・・最初はすごく怯えてたっけ・・・)

 

 

 

 

 

  最初に海豚(当時10歳)と出会った、その翌日。 巽は海豚の部屋の戸をノックした。

 

 「海豚ちゃん、少しいいかな?」

 

  何せ女の子の部屋に入るのである。 ノックをしなければ、少なくとも、獅竜鳳の拳骨が超音速で飛んでくるのは、間違いようのない事だった。 戸の奥から、少しかすれた声で海豚が応えた。

 

 「え、ええ・・・いいですよ」

 

 「お邪魔しま〜す・・・」

 

  襖[ふすま]を開けると、巽は驚嘆した。

 

  勉強机と最低限の箪笥[たんす]、一枚の姿見だけで至って質素な部屋だった。 とにかく、飾り気というものがなかった。 田舎だからだろうか? 箪笥の上には、一輪挿しにピンク・カーネーションが挿してあった。 強いての飾り気は、これだけだ。

 

 「あの・・・なにか?」

 

  海豚は、少し警戒して巽を見た。 どことなく顔が朱いのは、昨夜自分が行った言葉を反芻したからだろう。 好意は有っても、男だから・・・。 それでも、巽は屈託のない笑顔で、こう申し出た。

 

 「一緒に、夏休みの宿題、片付けようかな・・・て、思ったんだ」

 

  と日誌を取り出した。 海豚は小さく頷いて、巽の申し出を受けたのだった。

 

 「・・・う〜ん・・・」

 

  宿題を初めて10分も経たない内に、海豚は頭を抱え込んだ。

 

 「ん? どこが分からないの?」

 

  巽はそっと海豚に近づいて、日誌を覗き込んだ。

 

 「えっと、割り算がちょっと・・・・・・!」

 

  ふと振り向いて、海豚は戦慄[ゾクリッ]とした。 何かしらの恐怖感で、身体が震えてしまう。

 

 「あ、あの・・・」

 

 「? 大丈夫?」

 

  巽も海豚の変化が不審に思い、声を掛けて見た。

 

 「ご・・・ごめんなさい・・・その・・・」

 

  震えに、はにかみが混ざり変な気分になる。 巽はあっと気付いて、海豚から離れた。

 

 「ごめん・・・昨日の今日だったね・・・」

 

 「・・・・・・」

 

  巽の心遣いに安堵し・・・しかし、別の震えが襲う。 この悪寒は・・・!

 

 (だめ・・・間に合わない・・・!)

 

 シャァァァァァァァァァァァ・・・・・・

 

  海豚の股間から勢い良く、黄色く熱い『何か』が流れ出た。 ・・・そういえば先刻、かなりの量の西瓜[すいか]を食べたっけ・・・。

 

 「――――――っ!!!?」

 

  目の前に巽が・・・男の子がいることに気付いて、海豚は羞恥のあまり悲鳴を上げそうになった・・・が、巽は機転を利かし、置いていた麦茶の入ったグラスを海豚の方に倒した!

 

 「きゃあ?!」

 

 「わぁー?! ごめん!!」

 

 (え?!)

 

  海豚は最初、混乱していた。 なにがどうなったのか、見当が付かなかったのだ。

 

 「えっと・・・ちょっと待ってて、雑巾借りてくるから!」

 

 「え、あの・・・」

 

  海豚は呼び止めようとして・・・しかし、それは叶わなかった。 巽が母の鯱子に詫びを言いつつ、雑巾を持ってきたのだ。

 

 「あ、あの・・・わたし・・・」

 

  床畳を拭き始めた巽は海豚を制し、

 

 「ごめんね、恥ずかしいところ、見ちゃって・・・」

 

 「あ・・・」

 

  その気遣いに、嬉しく思った。 麦茶でアンモニア臭と色を誤魔化し、「自分が麦茶を零した」と自ら濡れ衣を羽織ったのだ。 海豚のスカートも文字通りの濡れ衣になっていたが、巽は一旦部屋を出て海豚が着替えるのを待った。 着替え終えると、再びノックして入室する。

 

 「・・・でも・・・どうして?」

 

  疑問を呈されて、巽は・・・やはり屈託のない笑顔で応えた。

 

 「どうせ恥ずかしい思いするなら、女の子にさせるより、男がするべきだろ?」

 

  そのセリフに・・・海豚は嬉し涙を流したものだった。

 

  無論、獅竜鳳にこっぴどく叱られたが、巽自身もよもや「女の子を失禁させた」などとは言えず、叱られただけで済んだので一石三鳥くらいはしたのだった。 無論、このことは、二人だけの秘密で他言されていない。

  しかし、巽は今でもそのことを反省していた。 失禁してしまうくらい、当時の海豚は、全ての男に対して怯えていたからだ・・・・・・って、待てよ?

 

 (そういえば・・・あいつの父親・・・って?)

 

  あの邂逅[めぐりあい]から、毎回のように海豚と鯱子の姿は見るが・・・父親の姿が無かった。 以前、そのことを訊いた時は、海豚は寂しそうに首を横に振った。 知らないようだったし、知っても話したくはないようだった。 まあ、巽とて、無理して訊く事はなかったが。 話す気になった時に、耳を傾ければいいだけだ。 簡潔な結論に達し、巽は寝息を立てた・・・・・・。

 

 

 

 

 

 「う・・・ん・・・」

 

  翌朝、海豚は何とはなしに目が覚めた。 持って来た時計を見ると、午前05:13時。 一刻半ほどしか寝ていなかったようだ。 二度寝をしようと思ったが、目はパッチリと覚めてしまっており、諦めることにした。 海豚は窓辺に腰掛け、外を眺めた。

 

  濃い霧の中に、近くの湖沼が幻想的に存在を主張していた。

 

 「綺麗・・・」

 

  海豚はふっ・・・と微笑んだ。 彼が居たら、どう思うのだろう。 同じように思ってくれるかしら? だったら、いいな・・・。

  同じ頃、誰かが起きた気配に気付いて、晃も目覚めた。 寝惚け眼でまわりを見渡し、海豚に目を止めた。

 

 「・・・!」

 

  晃は完全に目が覚め、海豚を注視した。 体育ジャージを来ているにも関わらず・・・なんて、幻想的で綺麗なのだろうか!?

 

 「綺麗・・・・・・」

 

  晃がポツリと言うと、海豚がそれに気付いて振り向いた。 その様も、幽玄美を醸し出していた。

 

 「・・・おはよう。 起こしちゃった?」

 

 「ううん。 今、起きたとこだから・・・」

 

  晃はようやく、それだけを搾り出すと、少しだけ巽の気持ちが分かった気がした。

 

 

 

  嗚呼・・・こんなに綺麗だから・・・・・・護りたいんだ・・・。

 

 

 

 「・・・真崎さん?」

 

  海豚が訝しく声を掛ける。 晃ははっと我に帰り、首を横に振った。

 

 「いや、ちょっとね。 海豚ちゃんって、綺麗だな・・・て、思って」

 

 「そう・・・」

 

  海豚は少し不満げな表情[かお]になった。 巽の口から、それを聞きたかった・・・。

 

 「一緒に眺めてて、いいかな?」

 

  晃の申し出に、海豚は静かに頷いた。

 

 「・・・海豚ちゃんってさ」

 

 「なぁに?」

 

  晃に話し掛けられ、海豚は少し警戒した。この間、巽との情事を見られたこともあった所為もある。

 

 「巽・・・先輩とは、いつから?」

 

  ああ・・・やっぱり、その話しか・・・。 海豚は落胆しつつ、ポロリと答えた。

 

 「中ニの時に捧げてから・・・ずっと・・・」

 

 「・・・結構、早い方だね・・・」

 

 「まあ、初めてが10歳だ、なんてのよりは遅いんだけどね・・・」

 

 「そんなに綺麗だと・・・他の男たちが黙って無いねぇ?」

 

 「でも、巽さんだけです・・・愛しているのは・・・」

 

 「・・・じゃあ、いずれは子供も?」

 

 「そうだね・・・今はまだ無理だけど・・・・・・巽さんの子を産んで、幸せにしてあげたいな・・・」

 

  話して行く内に、晃は海豚に惹かれていった。 こんなに綺麗で可愛くて、一途で純粋・・・。 こんな女性に、晃はなりたかったのかもしれない。

 

 「・・・今・・・寂しい?」

 

  晃の台詞に海豚はビクッとした。 図星を射貫かれたと同時に、まさか自分を・・・?と警戒を強くしたのだ。

 

 「オレも寂しいな・・・」

 

 「?」

 

  どうやら、抱く気はなかったようだ。 少なくとも、今のところは。

 

 「オレ・・・恋人が三人いるんだ。 一人、女の子で残りが男。 数は多いけれど・・・遊びじゃない、真剣なんだ」

 

 「まさか・・・」

 

 「・・・察しの通り、3Pも4Pもしてる」

 

 「パリダとかに掛かったことは?」

 

 「なに?それ」

 

 「梅毒スピロヘータ・・・愛称がパリダとかいうらしいです。 詳しいことは知らないけれど」

 

  何が言いたいのか少し逡巡して・・・梅毒?・・・それで理解した。 変な事を言うなと苦笑って。

 

 「・・・ああ、性病のことね。 大丈夫、ちゃんと身体洗ってからするし、ゴムも着けてるし・・・って、そっちは大丈夫なの?」

 

 「似たようなものですよ」

 

 「そっか・・・」

 

  巽も、自分の家内を性病に冒す真似はしなかった。 第一、読みは『犯す』と同じだし。

 

 「もし・・・巽先輩がいたら・・・抱かれたいの?」

 

  海豚はこくりと頷く。

 

 (抱かれたい。 抱き締められたい。 巽さんの胸の中で、私を滅茶苦茶にしてほしいよぉ・・・!)

 

  海豚は自覚していなかったが、巽への想いは、この間の公園の一件以来、えも云われぬ性欲に襲われていた。 まあ、一ヶ月近くも間があったこともあるのだが・・・。

 

 「オレが・・・代わりといっちゃなんだけど、抱こうか?」

 

  海豚はその台詞に我に返ったように晃を見遣り、首を横に振った。

 

 「嫌っ! 巽さんとがいいのぉ!」

 

  ワガママな口調は可愛らしく、晃の劣情を沸かすに十二分だった。

 

 「・・・可愛いなぁ・・・ほんとに」

 

  晃は微笑み・・・立ち上がった。 その気になったら海豚とすればいいが、今は他の女子も起きてしまうだろうから止そう、と思ったのだ。 晃は洗面所に行こうとして、一旦振り返った。

 

 「海豚ちゃんも、顔洗いに行く?」

 

 「もう少し、眺めてるよ・・・」

 

 「そ・・・」

 

  晃は、再び言葉を投げ掛けた。

 

 「やっぱ、綺麗だよ・・・海豚ちゃんって」

 

 「巽さんに言って欲しいです・・・その台詞」

 

  寂しそうな顔を窓に向ける姿も美しかった。 晃は瞳を細めて、部屋を後にした。

 

 

 

 

 

  平穏無事に行事を終え数日たった、金曜日の宵口。 海豚は再び、巽の家に泊まりこむことになった。 巽からのお誘いとあっては、海豚も花の子ルンルン気分で(ぉぃ?)安アパートの扉を叩いた。 3、1、3の順の回数で、すぐに巽の声がした。

 

 「アルファ」

 

 「・・・ケンタウルス」

 

  どっかで聞いたような合言葉を言うと、扉が開いた。

 

 「いらっしゃい、海豚」

 

 「お邪魔しますね」

 

  可愛らしい笑顔が巽の瞳に映った。

 

 「ハイ、差し入れです」

 

 「サンキュ・・・」

 

  実は冷蔵庫の中と懐が『もぬけの殻』で食糧難になってしまったので、海豚に救援物資の援助を願ったのである。 海豚も海豚で『泊めてくれなきゃ、契約不履行宣言だしますよ?』と条件を突き付けたので、巽は快く受け入れた。

 

 「さて・・・料理作るの久しぶりだから、腕が鈍ってると思いますけど・・・」

 

 「? 紗月姉貴の家で手伝ってたんじゃないのか?」

 

 「・・・巽さんのためと営業用じゃ、差が出ちゃうんですよ」

 

  ・・・海豚は高校に入学する際、獅竜鳳の提案を受け入れていた。 渥美からでは交通が不便だから、紗月の家に居候すればいいよ、と。 紗月の方は「また、妹が増えるわね」と苦笑い、海豚の母の鯱子も「よろしくお願いします」と承諾していたので、海豚の返事如何で何時でも解除できた。 尤も

 「巽さんと一緒の街で一緒の高校に通えるんですもの。 ありがたく、存知ます」と承諾したので、交渉成立した。 その際に言われた条件も受け入れて・・・。

 

 「一つはあたしの家で家業を手伝うこと」

 

  紗月の家は喫茶店である。 学生喫茶『月の虹』。 そこに、次女・春風、三女・火鳥、末女・桃花と暮らしていた。 春風は大学生、火鳥は高校二年、桃花は中学二年であり、店の手伝いをしている。

  家業は学生喫茶店のウェイトレス兼シェフになること。 手伝いレベルで充分だと言うが、海豚の腕は実家で充分に培われていたので相応に美味しく、海豚自身も可愛いのでお客・・・特に男子客の人気は凄まじかった。 『海豚ちゃんファン倶楽部』なるものまで、本人の知らぬ間に設立された程である。 倶楽部の規律に「海豚ちゃんを泣かせない」と『会員No.0000[フォーゼロ]』の巽が作ったのは、言うまでもなかろう。

 

 「一つ、巽君との色恋沙汰を振りまかないこと。 特に教員連中は五月蝿いからね・・・」

 

  教員という生物は、自分のことを棚に上げて、生徒に校則で拘束するものだ。 とある学校の校則では「スカートは膝下5センチ以上あげないこと」とか「下着の色は白のみにする」などという女生徒には傍迷惑な代物がはびこっているそうな。 しかも止せばいいのに、わざわざ定規を手に計ったりスカートをめくって確認するので、遂に獅竜鳳に声が掛かったのだった。 結果、スカートの確認担当の教師は、いつかの下郎教師と同じ『社会的抹殺』という末期を歩み、校則も大幅に改善、女生徒に『勇者』と褒め称えられてしまっていた。 とにかく、もし、そういった教員にバレたら、まあ、只では済まないだろうことを、覚悟させた。

 

 「最後に、巽君との『種まき本番』は卒業してから。 あとは性病に掛からない程度に、酷すぎない程度に、ね」

 

  逆にいえば、懐妊率の低い安全日に種まきとか、アナル限定で、外出し限定、愛撫限定・・・とにかく、愛情を持って避妊することが重要だという。 無論、卒業後、ないしは自主退学した場合は、翌月から『種まき本番』が可能になる。 このことについて、海豚は・・・。

 

 「実は、飛び級で進級するつもりなんです」

 

  と漏らしていた。 海豚自身は少し不安げだったが、獅竜鳳や紗月、春風などは海豚の素質を見抜いていたので、相応の努力をすれば叶えられると励ましたのだった。 事実、最近の海豚の成績は目を見張るものがあり、苦手な数学も巽のお陰で克服しつつなっていた。

 

 

 

  ・・・さて、海豚は持ってきた食材を使って、得意の海鮮料理を作り始めた。 献立は、あさりの酒蒸しにしじみの味噌汁(どちらも、潮抜き済み)、アジの塩焼き、若布[ワカメ]と昆布[コンブ]の御浸しである。

 

 「ん〜〜っ、これで腕が鈍るなんてあるかってくらい、美味しいよ!」

 

  伊達に実家が民宿で、海豚が板前を務めていたワケではない。

 

 「・・・しかし・・・」

 

 「?」

 

  巽は軽くこめかみを押さえて、溜め息を吐き出した。

 

 「なんで、また・・・・・・裸エプロンなんだ?」

 

  少し頬を朱くして微笑んだ。 エプロンは、彼女らしい簡潔な魚の柄の、青みのあるものだった。

 

 「久しぶりに巽さんと二人っきりだから・・・したくって・・・」

 

  ちなみに安全日だと告げると、巽は静かに箸を進めた。

 

 「悪いけど、飯が優先だ。 おおよそ消化しきったら、相手してやるぜ」

 

 「はい!」

 

  海豚も箸を進める。 巽も流石に海豚をチラチラと見ていたが、なんとか情欲に耐え切って夕食を食べ終えた。

 

 「ふ〜、満腹満腹ぅ・・・御馳走様だね」

 

 「ふふっ、良かった・・・」

 

  海豚は満面に微笑んだ。 この二人、殆ど新婚夫婦である。 その空気を、海豚も巽も楽しんでいた。 巽は身体を横たえる。 一般に牛になると言うが、横たえた方が胃の消化によい。 仰向けやうつ伏せは逆に消化に悪いらしいが。 海豚は巽の側に寄ってその頭を持つと、自分のひざに乗せた。 巽の髪を優しく撫でる。 そして、裸エプロンなのが、甘美な空気を醸し出す。

 

 「巽さん・・・私、ずっと・・・寂しかったんです・・・・・・」

 

  海豚は自分の心の内を吐露し出した。 巽以外の人間には、決して話せないことだ。 顔には出てしまうが。

 

 「・・・修学旅行以来だもんな、二人っきりになったのって」

 

  巽もそれを感じていた。 通りかかる北海道美少女や美女を見るうちに、海豚が恋しくなった。 しまいには他人の目を盗んで、トイレで手淫してしまったほどだった。 自分でも情けなくなる。

 

 「海豚・・・」

 

  巽の腹を優しく撫でていた海豚の手をとって、手の甲に口付けた。

 

 「巽さん・・・」

 

  その華麗な手は巽の唇をなぞった。 巽は悪戯っぽく、微笑んだ。

 

 「おかわり、もらえるかな?」

 

 「・・・はい」

 

  巽は頭を上げ海豚に向く。 海豚はエプロンをたくし上げ、脚を広げて花弁を見せた。 巽だけの

 名も無い花だ。

 

 「いただきま〜す」

 

  巽は海豚の脚の間に潜り込み、花びらを嘗める。 外側から・・・。

 

  ぴちゃ・・・

 

 「ひゃぅん・・・・・・はぁぁぁ・・・・」

 

  既に少し濡れており、海豚は甘い息を吐いた。

 

 「まあ、こんなカッコしてりゃ、濡れるわな・・・」

 

  巽は一人合点し、花弁の中へと舌を進めた。

 

  ぴゅる・・・・・・ちゅ・・・・・みゅる・・・・・・

 

 「ああっ・・・・・・ひぅぅんっ・・・いい・・・」

 

  海豚の蜜は濃さを増し、量も増えて行く。

 

 「すげぇ、堰[せき]が決壊したみたいだぜ」

 

 「ふぅんっぁ・・・はぁ・・・・・・巽さん・・・美味しいですか・・・?」

 

  甘い声で訊く海豚に、巽は満足げに応えた。

 

 「美味しいよ、すごく・・・・・・呑みきれないかも・・・」

 

 「嬉しい・・・・・・でも、もっと出ちゃいますよ・・・」

 

 「・・・じゃあ、殷[いん]の紂王[ちゅうおう]の真似でもするか」

 

  酒池肉林の故事の元となった古代中国の王の名を上げて、巽は海豚の秘豆を転がした。

 

  みょるるっ・・・ぴちゅ・・・・・・にゅね・・・

 

 「ひゃいんっ・・・・・・はぁ、あああっ・・・んふぃ・・・・・いい・・・のぉぉぉぉ・・・・・」

 

  甘い、甘い声で巽の髪を愛おしく撫でる。 巽はそれが嬉しくて、秘豆に強く吸いついた!

 

  ちゅぅぅぅぅっ・・・!

 

 「ひゃ、ひゃぁぁぁぁぁぁぁぁんっっっ!!!」

 

  ・・・ぷしゃあぁぁぁ・・・・・・

 

  軽く達し、溢れた潮を勢い良く吹いた。 海豚は悦楽と快感に震え、巽の元に倒れ掛かった。 慌てて、巽は身を起こし、海豚を支えた。

 

 「はあ・・・はぁ・・・・・・ふぁぁ・・・・」

 

 「大丈夫か?」

 

 「あり・・がとう・・・」

 

  ふと見詰め合う。

 

  巽の瞳は、海豚と幾つも肌を重ねても澱[よど]みが無く、むしろ磨きが掛かっているほど、清らかで美しかった。 グレート・バリアリーフ周辺の大洋[わだつみ]のようである。

  海豚の瞳は、寂しさに潤み、愛しさに輝いていた。 巽に然りで淀[よど]みが無く、透明度の高い湖のようである。 10メートル下の湖底に沈んだ一円玉がはっきりと見えるほどだ。

  自然と二人の距離が零になる・・・かと思われた。

 

 「・・・また、邪魔が入ったな・・・」

 

 「?」

 

  巽は苦味と嫌みと忌みを混ぜて呟くと、海豚の額に口付けた。

 

 「ちょっと、ごめんな・・・」

 

  残念そうに海豚に言うと、彼女も無念そうに項垂れた。 すくっと立ち上がると、巽は一瞬で姿を消した。 次に現れたのは、ベランダの、それも外側だった。 翼を展開させ、浮遊している。

 

 「おい、ここだ」

 

  巽は既に刀を抜き、ベランダに潜んでいた『彼女』の首筋に刃を当てた。

 

 「ば、バレた・・・?」

 

  晃はバツ悪そうに笑うが、巽の瞳には敵わなかった。

 

 「ったく・・・最近から、ずっとこれだ。 第一、ここは八階だぞ?!」

 

 「生憎と、知り合いに天使がいてね」

 

 「そいつを呼んで来い。 食べてやるから」

 

 「あの・・・使徒じゃないんだけど」

 

 「海豚の邪魔するヤツは、天使だろうと使徒だろうと悪魔だろうと関係ぇない!」

 

  晃はだんだん恐れ多くなってしまい、戸惑っていた。

 

 「とにかく、失せろ。 これ以上、海豚に寂しい思いをさせたくない」

 

  巽の低く静かな怒号は、晃に決意をもたらしてしまった。

 

 「・・・じゃあ、一つ条件、呑んでくれる?」

 

 「じ、条件・・・だと?」

 

  晃は強く頷いた。

 

 「海豚ちゃんと一緒に、抱いて」

 

 「断る」

 

  即決すること、コンマ001秒。 「て」と「断る」が重なった。

 

 「じゃ、ここで慰めてる」

 

 「くっ・・・」

 

  巽は苦虫を潰した。 出来ることなら、海豚と二人っきりのほうが良いに決まっている。 しかし、邪魔者はそれに混ぜろと良い、断っても側で自慰に耽ると言う。 ・・・こうなったら・・・・・・!

 

 「とりあえず、勝手にしろ」

 

  再び転移して、海豚の元に戻る。 既に刀は鞘に収められ、消えていた。

 

 「悪い、非常事態が発生した」

 

 「・・・もしかして、真崎さんですか?」

 

 「御名答」

 

  海豚を抱き上げ、お姫様抱っこすると・・・!

 

 「転移術[マロール]・・・」

 

  再び、いずこかへと去って行った。

 

 「・・・あれ? 何処、行ったの?」

 

  晃一人を残したまま・・・・・・。

 

 

 

 

 

  出て来たところは・・・安アパートの上空200メートルだった。

 

 「・・・寒いかい?」

 

  なんせ、梅雨時で裸エプロンのままである。 夜はまだ肌寒い。

 

 「だ・・・大丈夫・・・・・・ックチュンッ!」

 

  ・・・くしゃみまで可愛らしかった。

 

 「さて・・・続きは、どこでしたい?」

 

  海豚は少し逡巡して・・・答えた。

 

 「あの・・・林の中は?」

 

 「林・・・っつうてもな・・・・・・」

 

  そういえば、この間は白川公園でやった・・・とすると。

 

 「鶴舞公園でするか?」

 

 「はい・・・」

 

  巽に寄り添うように言うと、ゆっくりと降下して行った。 程なくして、公園の上空に到着。

 

 「不可視術[マゾピック]」

 

  一時的ながら透明人間と化してから、着地した。

 

 「さて・・・と。 盗撮されないようにしなきゃな・・・」

 

  名古屋は、盗撮や盗聴の多発地帯である。 自分は大丈夫であろうと考えている故もあり、それを生業とするものにとっては恰好の穴場でもある。 特に、深夜の公園とラブホテルは。 巽は一旦「魔盾崩呪[パリオス]」で術を解除し、体内のベーレムでジャミングをかける。 盗聴機とデジカメには電磁波を、カメラにはエックス線を。 これで無効化できるはずだ。 二人は公園のとある一角に着いた。

 

 「巽さん・・・」

 

  と、海豚は奇襲をかけた。 巽は少し驚きつつも、海豚の唇を受け入れた。 ほどなく、唇が離れる。

 

 「なんか最近、青姦ばっかだよな・・・」

 

 「でも、巽さんと二人だけなら、どこだっていいです・・・・・・」

 

  海豚は尚も巽を求めた。 貪るように巽の唇と重ねる。 重ね、貪り、舌を絡め、唾液を飲み、歯と歯茎を撫でる。

 

 「ふぁむ・・・・・・ふぁ・・・ん・・・っんふぅ・・・・・・!」

 

  今までの寂しさを払拭させるように、ヴェーゼは厚く、熱く、解けなくなるまで、舌を絡めとる。

 

 「い・・・るかぁ・・・・んっ・・・!」

 

  巽もそれに答えつつ、海豚の腰を撫でる。 露出したままの臀部を掻き回すように触れる。

 

 「ふぅぅんっ!・・・・むぅぅ・・・・ふぁぁぁ・・・・」

 

  後ろ手に臀部から、秘所に触れる。 先刻のこともあるが、グジョグジョだ。

 

 「おもらしでも、したのか? ほれ」

 

  蜜に濡れた手を海豚の前に差し出すと、彼女は嬉しそうにしゃぶりついた。

 

 「私・・・・・・こんなに、出してるんだぁ〜・・・」

 

  親指に、人差し指に、指の間まで自分の蜜を舐め取る。

 

 「・・・ねえ・・・・巽さん」

 

 「ん? なんだい?」

 

  海豚は少し不安そうに訊ねた。

 

 「私・・・こんなにエッチなのに・・・それでも、私を愛してくれますか?」

 

  不安に潤んだ瞳は巽を見つめ、蜜に濡れていた手を頬に当てた。

 

 「海豚・・・」

 

  巽は海豚を抱き締めた。 強く、もっと強く、砕けてしまうくらいに強く、されど優しく・・・。

 

 「言ったろ・・・君と出会えなかったら、俺は・・・・・・だから・・・!」

 

 「巽さん・・・」

 

  巽はそっと、耳元で囁いた。

 

 「愛してる。 君がどんなに淫らでも、それが俺の前なら・・・許せるから。 たとい、ほかの男に腰を振ってしまっても、俺は君を愛してる。 ほかの奴には、絶対に渡さない。 守りきってみせる。 だから・・・君も、俺のことを・・・・・・愛して欲しいよ・・・」

 

 「私も・・・ずっと、愛してます。 あなたが他の女の娘に笑顔を向けても、我慢しますから。 だから、ずっと・・・愛してます。 好き・・・いっぱい、いっぱい、いっ〜〜〜ぱい、大好き・・・!」

 

 「海豚・・・」

 

  もう、幾度目かのキスを交わす。 飽きることなどない、貪りのキス。

 

 「よお・・・熱熱[ラヴラヴ]じゃねぇか・・・」

 

 「?!」

 

  と、いかにも柄の悪い男が現れた。 巽は苦々しく舌打ちした。

 

 「今日は厄日で厄夜だな・・・」

 

  どうして、海豚の邪魔をする?! 巽は胸中で激怒したが、さらに激怒することが起きた。

 

 「ほお・・・こいつぁ、上玉だな・・・」

 

 「全くだぜ」

 

 「回すには足りないかもな」

 

 「なぁに、他からかっぱらえばいいだけだ」

 

  周りから、ウジャウジャと群れ集う。 陰惨で剣呑な目付きの連中ばかりだ。

 

 「嫌ぁ・・・」

 

  海豚は恥ずかしげに、巽に抱き着いた。 裸エプロンは巽にだけに見せられるが、他の男たちには絶対に見せたくなかった。 そう、絶対に・・・!!!

 

 「裸エプロンとは・・・また、そそられるねぇ〜・・・・・・のう、あんちゃん?」

 

  ピクリッ!

 

  巽のこめかみが引きつった。 だが・・・ケンカをする気は、毛頭なかった。 海豚の気持ちが優先だ!

 

 「フッ・・・・・・生憎と、今宵は家内の相手だけで手一杯でな、おまえらの楽しみなんぞに付き合うヒマはないんだ」

 

 「なんだと!?」

 

  男たちは怒号するが、巽の瞳に慄[おのの]いた。 同時に現れた、龍の翼にも。

 

 「俺は『怪獣』だ。 貴様らに敵うはずがなかろう。 なんなら、この場でのされたいか?!」

 

  ・・・できれば、のしたくはない。 海豚は・・・そういうのが嫌いだから。 巽の腕に護られている海豚は・・・・・・恥ずかしさで既に『限界』に達した。

 

 「も、もう・・・だめ・・・・・・だめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん・・・!」

 

  巽はヤバイと感じて、咄嗟に海豚を抱き上げた、同時に。

 

  ぷしゃぁぁぁ・・・・・・

 

 「もう・・・いやぁぁぁ・・・・・・・・・」

 

  海豚の股間から溢れた黄色い熱水は、巽の服に吸われて行く。 服の裾に、ズボンに、巽まで失禁してしまったように染みができる。 海豚の羞恥の涙も、巽の胸元に消えて、染みになる。 巽は怒ることなく、ただ海豚の髪を優しく撫でていた。 しかし、男たちは卑猥に笑う。

 

 「へへっ、漏らしてやがんの」

 

 「見られて『おもらし』か! エッチだな、じょーちゃん」

 

  海豚は・・・ついに泣き出した。 巽は、殺意と殺気を辺り一面に振りまいた。

 

 「もう、これ以上近づくな」

 

 「嫌だ、と言ったら?」

 

  卑猥に笑う男たちに、巽は行動で示した。

 

 「ベーレム・ビット・・・」

 

  幾つもの紅い六芒星の海星[ひとで]が、空気中に浮遊する。 そして、巽の一声で、乱れ飛ぶ!

 

 「毒晶嵐舞陣[ベーレム・ストリーム]・・・!!」

 

  ベーレムが男たちに襲い掛かる! 股間に、臀部に、ベーレムの酸が降り注ぐ!!!

 

 「ぎゃあぁぁぁぁ!!!!!?」

 

 「いぢぃぃぃぃ!!」

 

 「いでいでいでいでいでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

  ・・・男たちが泣き叫ぶ中、巽は既に別のところに転移した。 男たちの阿鼻叫喚を聞かせたくなかったのだが、彼らはきっかり一分間もそれを味わうことになった。 海豚を泣かせただけで、巽には充分過ぎるほど、許せなかったのだ。

 

 

 

 

 

  次に現れたのは、名古屋港のある一角。 ここも、ある種の青姦スポットの一つである。 危険度もかなり高いのだが。 以前、ここでカップルが族連中(暴走族)に殺されたことがあったからだ。 巽は茂みに隠れて、ベーレムでジャミングと結界を張った。

 

 「海豚・・・大丈夫、もう、いなくなったから・・・」

 

 「・・・ぅぅ・・・ひくっ・・・ぐすぅっ・・・・・・」

 

  海豚は未[いま]だに嗚咽[おえつ]を漏らしていた。 かなり、精神的に疲弊していたようだ。

 

 「・・・もう、やめておくか?」

 

 「いやぁあっ!」

 

  海豚は首を振った。 繋がりたい、繋がっていたい、今すぐに!

 

 「わかったよ・・・」

 

  巽は嫌な顔を一つもせず、海豚に口付けた。 海豚は嬉しそうに舌を絡め、吸いつく。

 

 「海豚・・・俺のも、いいかな?」

 

 「はい!」

 

  すっかり機嫌がよくなり、満面の笑顔で答える。 涙の跡が、心なしに痛ましかった。 海豚は巽のズボンのチャックを下ろし、燃えと萎えを繰り返したサオを取り出すと、愛おしげに頬擦りした。

 

 「ふふっ・・・巽さ〜ん・・・・・・・・・・ふぁむっ・・・」

 

  迷いも躊躇もヘッタクレもなく、サオを口に含む。 唾液も、それが美味であるかのように零れ滴る。 時々、亀頭をチロリッと舐め上目で巽を見る仕草は、悩ましいほどに可愛い。 巽はその美しく可愛らしい髪を撫でると、海豚は嬉しそうに鳴いた。

 

 「ふぅんっっっ・・・・・・わむ・・・・・・ぅぅっ」

 

  ちゅる・・・じゅぷ・・・・・・ちょり・・・

 

 「海豚・・・・・・すげぇ巧い・・・・・・くっ・・・・」

 

  不覚にも苦悶してしまうほど、海豚の舌技は巧くなっていた。 

 

 「巽・・・さんの・・・・・・すご〜く・・・美味し・・・♪」

 

  ちょるる・・・・・みゅ・・・・・・ぴちゅ・・・・・・

 

 「海豚・・・・・・もう・・・出るっ・・・!」

 

 「ちょ〜だい・・・いっぱい、いっぱ〜い・・・ふぁぁ・・・ちょうだいぃぃ!・・・・・・あむっ」

 

 「・・・・・・・・・・・・うっ」

 

  巽が小さくうめくと、白濁の種が勢い良く爆ぜた!

 

  びゅるびゅるびゅるるるるる・・・・・っ!

 

 「ふぁぁぁぁぁぁぁっ・・・・・・」

 

  海豚の瞳は恍惚として嬉しそうだった。 顔面に髪に口の中に鼻の中に、種が落ちる。

 

 「美味しい・・・・・・美味しいのぉぉぉ・・・・・・」

 

  顔に掛かった白い種をすくって舐め取る。 巽も髪や頬に付いた自分の種を舐め取って行く。

 

 「後で、髪、洗ってやるからね」

 

 「うんっ♪」

 

  本当に嬉しそうに頷くと、海豚は巽の上にまたがった。

 

 「巽さん・・・私、もう・・・」

 

 「ああ・・・おいで、海豚・・・」

 

  ゆっくりと腰を落とし、巽の亀頭に海豚の秘花がキスする。

 

 「ひゃうぅぅぅぅぅんっ・・・・・・」

 

  それだけでも達してしまいそうな声を上げた。 その声も、また可愛い。

 

 「はぁ・・・ぁぁぁ・・・」

 

  ようやく、しかし、滑らかにすんなりと巽を全部納めると、お互い抱き合ってキスした。

 

 「・・・さ、動くよ・・・」

 

 「うん・・・・・・♪」

 

  ぐじゅ・・・・・・

 

 「はぁんっ・・・・・・はぁ・・・・ふぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・」

 

  それは、まさに獣の盛り声。 陰部からの淫らな音は、瑞々しく響き渡る。 すぐ近くの埠頭の波音と重なって。

 

  じゅ・・・・・・じゅる・・・・・ぐじゃ・・・・・じゅぷぅぅぅ・・・・・・・

 

 「はぁ・・・・ねぇ・・・気持ち・・・・・・いい?」

 

 「ああっ・・・気持ちいいぜ・・・っ・・・・」

 

  ぷにゅ・・・にゅぷ・・・・

 

 「はぁ、ああ・・・・はぁん・・・・・・」

 

  腰のストロークは早くなって行き、喘ぎも途切れ途切れになった。

 

  じゅ、じゅぷ、じゃぷ、じゅぴゅ・・・

 

 「はぁ、ふぁ、あぁぁ、あぅぅぅぅぅんっ・・・・」

 

 「い・・・海豚・・・もう・・・!」

 

  巽は既に限界に近づきつつあった。 そして・・・

 

 「たつ・・・み・・・さんっ・・・イクのぉぉ・・・・・・イクぅぅぅぅぅぅぅんっっっっ!!!!」

 

 「海豚ぁぁぁっ!」 

 

  どぴゅっ、どぉぷゅっ、どぅぷゅるぅぅぅぅっっっ!

 

  種が海豚の中で爆ぜた。 安全日である故に創生されないが、久しぶりの中出しで海豚は歓喜に震えた。

 

 「あああっ・・・・・・巽さん・・・・・・好き・・・・・いっぱい・・・大好きぃぃぃぃ・・・」

 

  海豚は種を受け止めて、満足げに巽を抱き締めた。

 

 「海豚・・・好きだ・・・ずっと・・・君だけを・・・・・・・愛してるよ・・・・・・」

 

  巽は自分を受け止めてくれている海豚に、感謝の気持ちで抱き締める。 悦楽の余韻に浸りつつ、海豚は、済まなそうに呟いた。

 

 「巽さん・・・・・・こめんなさい・・・」

 

 「? なんだよ、藪[やぶ]から棒に?」

 

 「その・・・夢のことですけど・・・ちょっと、問題が発生しちゃって・・・」

 

  身体を繋げたまま夢の話をするというのは奇異だが、巽は優しく促した。

 

 「問題って・・・?」

 

 「その・・・この間、友達とカラオケに行ったんです・・・」

 

 「そっか・・・」

 

  誘ってくれなかったのは残念だが、多分、巽が剣道の春季大会の練習に励んでいたからであろう。 邪魔をしてはいけないと思ったのだ。

 

 「それで、何、歌ってきたんだ?」

 

 「マミ姉の『Believe』です・・・リバティーじゃないほうの」

 

  ラジオの有名ボイスジョッキーの愛称と歌の題名をあげると、巽は合点した。

 

 「旧の方ね。 機種が大体、予想できるけど」

 

 「それを歌ったら、綺麗な声だねって誉めてくれたんです・・・」

 

 「よかったね・・・誉めてくれたんだ・・・俺も礼くらいは言うべきかな、その娘に」

 

  髪を撫で撫でして、海豚は嬉しそうに目を細めた。

 

 「でもね、その娘が私の名義で・・・応募しちゃったんです」

 

 「応募・・・?・・・・・・って、まさか?!」

 

 「はい・・・その、歌手になるオーディションに・・・一次審査で通っちゃったんです」

 

 「なんとねぇ・・・」

 

  ・・・確か、歌手にならなくてもいいから、俺の側で歌っていたい・・・と言っていたな・・・。 それが夢だったのだが、その前は歌手になること自体が夢だった。

 

 「そっか・・・もし、本当に歌手になったら、あんまり俺とは逢えなくなるから・・・・・・」

 

 「はい・・・」

 

  海豚が力無く頷いてしまったので、巽は知識を絞った。

 

 「・・・でも、海豚の当初の夢に、一歩前進する訳だけど・・・」

 

 「でも、歌手になっちゃったら・・・巽さんに逢えなくなっちゃう・・・」

 

 「そうだな・・・特に最初のころは、新人だので騒がれて、少し落ち着くかな?っと思った矢先に、パパラッチとストーカーがもれなくオマケで付いて来るもんなぁ・・・。 人気が出れば、それは確実だし」

 

 「それに・・・巽さんの夢の邪魔になるんじゃないかって・・・」

 

 「なるほどね・・・」

 

 

  もし、俺が海豚の応援に回っていたら、大学に通って海洋生物学を習おうにも、無理が出る。 そもそも、大学に合格できるかどうかが・・・か。

 

 

  海豚に心配されて、少し巽は嬉しかった。 だけど・・・

 

 「・・・じゃあ、こうしよう」

 

  巽は一つの提案を出した。

 

 「海豚は、とりあえず、行くところまで行けばいい。 つまづいても前に転べば、それでも一歩は進んでいるんだから・・・」

 

 「巽さんは、どうするの・・・?」

 

 「俺も行くところまで行く。 大学に落ちるか、大学院に落ちるか、博士号取得で落ちるかはわからないけど。 その間、また、文通しようぜ」

 

 「・・・!」

 

  文通・・・そうだ、それがあったんだ・・・! 海豚の瞳はパッと明るくなった。

 

 「そして、俺が大学に落ちたら、そのときは海豚のマネージャーか、ユニットの片割れだ。 伊達にギターを弾いていたわけじゃないからな。 そして海豚は・・・俺の嫁さんになってくれないか? 大学に来るかどうかは自由だよ。 学生結婚すればいいんだからな・・・」

 

 「巽さん・・・・・・!」

 

  嫁になってくれ・・・少し間接的だが、巽からのプロポーズに海豚は歓喜の涙を流した。

 

 「はい・・・!」

 

  ・・・でも、巽は少し逡巡して・・・矛盾を見つけた。

 

 「・・・あ、どちらも、駄目だったときと成功したときのこと、考えてねぇや・・・」

 

 「・・・どうしますか?」

 

  再び考え込み・・・未だに海豚と繋がったまま、考え事とは器用だが・・・妥当案を提示した。

 

 「まあ、成功したらすれ違いは確実だから、文通は決まりだな。 なんなら、交換日記でもいいかな? 駄目だったら・・・でも、あきらめずに何度でもトライだ!」

 

 「そして・・・私が歌手になって、巽さんが博士さんになるでしょ。 そしたら・・・あなたの子を産む機会が・・・」

 

 「むむっ・・・それか・・・」

 

  最終的には、家族そろって海外の海や湖沼を調べまわって、運が良ければネッシーやオゴポコたちに逢って井戸端会議でもして・・・、海豚は巽との子を育てながら、歌を歌いつづけたい。 巽は海豚との子のために、少しでもこの星を清めて行きたい。 それが・・・二人の夢だ。

 

 「・・・とりあえず、受けてみます、オーディション。 それが駄目でも、成功しても、あなたのいる大学に行きます。 私も、この星の生命たちのことを、知りたいから・・・」

 

 「うん・・・俺も大学に受かって見せるよ。 でも、時々は真似事でいいからマネージャーをしたいけどな・・・。 とにかく、適当に頑張って、受けてみるよ」

 

  ・・・こうして、自分たちの夢を話していると、本当に幸せだと感じられるから、不思議だ。 そう思いながら、巽の家に帰って行った・・・・・・・・・・。

 

 了

 

 「海豚物語(高校編):B面の第一話『ラブラブ!(自宅で)ソープランド』」へ

 


解説

 巽 「というより、座談会なんだよな、これ」

 作 「そうだな。 ・・・ところで、海豚ちゃんは?」

 巽 「恥ずかしいんで、欠席するってさ」

 作 「・・・まあ、今回はかなり、悪運が無かったもんな」

 巽 「書いたくせに、身も蓋も無いことをいうなよ・・・俺が居たからともかく・・・」

 作 「ま、とにかく、後で謝っとくよ。 でないと、海神あたりをくらいそうだし」

 巽 「ほう、わかってるじゃないか・・・」

 作 「謝るついでに、次回は『ばりラヴ』にしてあるし」

 巽 「まあ、とりあえず、許すとしよう。 ところで、リクエスト受けたんだってな?」

 作 「ああ、今度は二次もので、月天様だよ」

 巽 「どんなだ?」

 作 「七梨夫妻の甘甘、愛愛[ラヴラヴ]の純愛もの。 青星五つ狙いです」

 巽 「・・・でも、あの二人まだ中学生だぜ? 第一、太助の若旦那は・・・」

 作 「ある程度甲斐性が出来た大人になって、シャオ夫人と結婚、初夜に契りを・・・のシチュだから、特に問題は無いはずです」

 巽 「まさかと思うけど・・・暗月ちゃん(オリ・キャラ)の実況付き・・・なんて、やるなよ?」

 作 「は、ははっ・・・まさか・・・ねぇ? (←実はやろうとしていた)」

 暗月 「ま、いいですけれど。 眺めて慰めるだけですから」

 作・巽 「って、うわぁあぁ?!」

 暗月 「そんなに驚く必要はないでしょう? わたくしはバイド。 時や次元を移動できて、当然なんですよ」

 作 「そして、怪獣の遺伝子も入った、シャオ夫人の複製精霊。 それが、設定」

 巽 「だけど、慰めるったって、そんな相手って・・・?」

 暗月 「それは・・・(ぽっ)」

 作・巽 「ぽっ?!」

 暗月 「黙秘権を行使します」

 作 「居たかなぁ?そんなキャラ」

 巽 「・・・あ、ちなみに、バイドというのは『R−TYPE』シリーズの敵種族のことだよ。 (一応、ちゃんとした解説)」

 暗月 「・・・そろそろ、お時間ですが?」

 作 「では、次回まで!」

 巽 「感想、待ってるよ!」

 暗月 「それでは、みなさん・・・」

 三人 「再見[サイチェン]!」

 


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