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海豚物語(高校生編):その5『Never Surrender』
天船/文


  晴れて、海豚が高校生活を送る、この年。 ガングロと呼ばれる『存在』が恐竜の如く、繁華街を闊歩[かっぽ]していた。 無論、現在では赤報書[レッド・データ・ブック]には決して載らない絶滅種となっているが。

 

 「海豚も試してみない?」

 

  四月も半ばにさしかかったある日、同級生に勧められた海豚は、何とはなしに、想像してみた。 ・・・不健康に真っ黒になった、自分の顔を。 背中にソルジャーレギオンの一個師団が這いずり回り、首を横に振った。

 

 「なんか、気持ち悪いから・・・」

 

 「そ〜お? 可愛いと思うけど?」

 

 「どこが可愛くなるんですか?」

 

  具体的に問われて、同級生は首を横に振った。

 

 「いいわ・・・あんたに話しを振ったわたしが、バカだったわ」

 

  と、去って行ってしまった。 海豚は未だに、頭に疑問符をバッティングしていた。

 

 「あんなののどこが、可愛いの?」

 

  至極、尤もな疑問であったが、誰も答えられる者はいなかった。

 

 

 

 

  その様子を、遠目から見る双眸が教室内に存在した。

 

 「ふ〜ん・・・結構、可愛いじゃん」

 

  本校の制服・・・紺のブレザーに濃い緑が入ったチェックのパンツ、ワイシャツと簡易式のネクタイ・・・を着ていた。 しかし・・・。

 

 「声、掛けてみようっと」

 

  『彼』は『女』だった・・・と言うことを、本人以外では肌を重ねた三人の恋人・・・男二人に女性一人・・・しか、知る由もない。 俗に言う「二刀流」というやつである。 無論、女性相手には専用の玩具を使用する。

  名は真崎 晃[まさき ひかる]。 女生徒だが、趣味で男装している。 かなりの色魔だが強引な手は使わず、巧みな話術と技術で相手をその気にさせ、肌を重ねているのである。 尤も、『初めて』が何時などとは、当の本人は忘れていた。

 

 「晃、また、獲物探しか?」

 

  と、彼女と瓜二つの男子が声を掛けた。 双子の兄である。 名は光[こう]。 妹とは違い彼は色魔ではなく、恋人は一人だけと決めて居る。 ・・・が、未だに彼女は出来ていない。 妹を引き止めることに精を出していたからだ。 それさえも彼女はすり抜け、行為に及んでいるのは、実は彼が「ようやく春を掴んだ」という噂があリ、嘘か誠か、最近は妹を引き止めることができていなかった。

 

 「そういや、あの噂、本当なの?」

 

 「なんで身内にそんなこと話さなきゃならん?! 断固として、黙秘権をするぞ!」

 

 「んじゃ、噂は嘘ってことだ」

 

 「うぐぐ・・・」

 

  反論したいのだが、出来ない理由があるらしかった。

 

 「・・・まあ、いい。 それよりも、あんまり事をおこすなよ」

 

 「心配御無用。 口説き落としてからでないとしない主義だから、襲う真似はしないよ」

 

 「これ以上寝るなと言っているんだ、オレは!!」

 

 「そんなの、オレの勝手だろ?!」

 

  と、口喧嘩が始まろうとした、刹那。

 

 「こりゃ、せからしいぞ、そこ!」

 

  博多なまりの教師に一喝を食らわれ、光は渋々、自分のクラスへと戻って行った。

 

 

 

 

 

  放課後、海豚は体育館に隣接された武道館に、脚を踏み入れた。 館の南には、ご丁寧にウェイト・トレーニング施設があり、北側の

 西に畳の、東に木床の武道場が開かれていた。 厠[トイレ]も男女東西に分かれ、その奥に更衣室が存在する。 海豚は北側への扉を少し開いて東側を覗き見た。

 

 「やってるやってる・・・」

 

  海豚の視線の先には、剣道武具を纏った巽の姿があった。 試合の最中らしく、相手と竹刀を交えていた。

 

 「せぇやぁぁぁぁぁ!」

 

  相手の先制を巽は許し、しかし、竹刀で受け流す。 振りかえりざまの斬撃に後方へ短く跳躍、間合いを空けた。

 

 「あの〜・・・俺より先輩なんですから、もっと強いはずですよ?」

 

  巽が挑発ともとれる問いを聞き、相手・・・二年生か三年生か定かでないにしろ・・・の先輩は一気に面を盗りに行った!

 

 「めぇぇぇぇぇぇぇんっっっ!」

 

  巽はそれを竹刀で流し・・・!

 

 「どぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

  カウンターで胴を取ったのだった。 相手は戦意を喪失した。

 

 「い・・・一本!」

 

  宣言に巽の周りの空気が一気に沸いた。 尤も、みんな一様に「強い」としか言っていなかったが。 そして・・・。

 

 「どうして、そんなに強いんだ?」

 

  という、月並みな問いに・・・海豚の視線に気づき、そちらに微笑んだことに海豚は少し驚いて・・・巽は答えた。

 

 「護りたいものがあるから・・・その人の笑顔を護りたいから・・・それだけだよ・・・」

 

  無論、それだけでないことを、当の本人たちは知っている。

 

  海豚を幸せにしてやりたい・・・・・・・・・。

  巽さんの『傷』を癒してあげたい・・・・・・。

 

  お互いに対する想いが、巽を、そして海豚を、強くして行ったのだ。 そして、その想いはマリアナ海溝よりも深い。 海豚の瞳は、巽の視線と絡み合った。 潤んだ、扇情的な瞳を巽に向ける。

 

 (海豚・・・)

 

  巽自身も・・・熱烈な、しかし、欲の混じった視線を海豚に向ける。 噴きあがる欲は激しく、向ける視線はそれでも穏やかに愛おしく向ける。 絡み合った二つの視線は、一つの言語を紡ぎ出した。

 

 「海豚・・・・・・君が欲しい・・・」

 

 「巽さん・・・貴方が欲しい・・・」

 

  その言葉を・・・二人は必至で食い止めていた。 言い出せば最後、最悪でも退学は免れまい。 二人の仲は『健全』であっても、『友情』という一線をとっくに越えていたからだ。

 

 「お、なんだ? あの子・・・」

 

  一人の・・・西側で訓練していた柔道部員が、目ざとく海豚を見つけた。 すぐに他の部員がそこへ視線を向ける。

 

 「おおっ、結構、可愛いじゃん!」

 

  別の一人は舌なめずりをするような視線を向ける・・・が、更に別の一人がボソリと呟く。

 

 「・・・でも、あの子にちょっかい出した生活指導の先生って、確か・・・」

 

 「あ、そっか・・・」

 

  入学式の『あの現場』を、この三人は出くわしていた。 無論、声を掛けようとしたが、何時も巽が側にいたので掛けるべき台詞が、生産されることなく、廃棄処分された。

 

 「視線からすると・・・剣道部の方か・・・」

 

 「変な手出すと・・・後が怖そうだな」

 

  正確には、怖いのではなく、戦慄である。 そして、淫らな手を出せば・・・地獄の最深部『ジュデッカ』が待ち受けて居る。

 

 「・・・でも、せめて、声くらいは掛けたいよな?」

 

 「そうだな・・・少しで言いから話しをしたいよな・・・」

 

 「じゃあ、チャンスを見つけたら、声掛けてみようぜ?」

 

 『賛成』

 

  ・・・と言うことで、このあと先輩に叱られ、罰として、『腕立て伏せ・腹筋・ヒンズースクワットの10回5セット』を味わうことになったは、言うまでも無い。

 

 

 

 

 

  今日の部活終了後、海豚は巽が来るのを待って、昇降口で待っていた。 既に靴は履いていた。

 

 「海豚、お待たせ」

 

  巽が穏やかな笑顔でやってきた。 海豚も自然に笑みが零れる。

 

 「さ、帰りましょ」

 

 「ああ」

 

  二人は腕を絡めて、歩んで行った。 その後ろを・・・晃が追う。

 

 「漢字テストで居残って、正解だったな」

 

  この学校は漢字検定に力を入れており、毎朝始業前に漢字の小テストを受けることになって居る。 基準以下の点数を取ると、一時間ごとの居残りマラソンが催される。 当然、合格点を取るまで、一定時間はこのマラソンが続くが、朝に点を取れば、居残りしなくてすむ。

  晃は・・・カンニングがバレてしまい居残りが決定していたが、合格者に紛れて帰っていこうとしたのだ。 しかし、光に見つかってしまい。教室に逆戻り。 なんとか一発で・・・今度はカンニング無しでクリアしたため、今に至る。 二人を見掛けたのは、海豚の待ち惚けを目撃してからだが。

  気配を押し殺し、二人の後を追う。 巽は・・・昇降口から、既に感付いていた。

 

 (ふんっ・・・勝手に手淫でもしてればいいものを・・・)

 

  胸中で毒付くが、海豚が歩みを止めたので、自身も脚を止めた。

 

 「ここ、通って行きませんか?」

 

  タマには寄り道も良いか。 海豚はあまり、この街に詳しく無いし・・・と言うことで、巽は快くうなづいた。

 

 「わぁ・・・」

 

  海豚は奇妙な感嘆を洩らした。 あちらこちら、至るところでカップル達が・・・・・・淫猥なコーラスを奏でていたのだ。

 

 「ここって・・・青姦スポットだったんだっけ・・・」

 

  巽はやられたと言わんばかりに、顔を押さえた。 しかし、海豚は・・・胸を躍らせていた。

 

 「・・・巽さん、私も・・・」

 

  海豚の願いは、巽の本意でもあった・・・が、如何せん制服姿である。 明日は土曜で休みなのが有難かったが。

  闇夜が辺りに染まり、人口の灯火がそれに抗い始めた。

 

 「海豚・・・」

 

  呼ばれ、顔を上げた海豚の唇を、巽は封じた。 舌は踊らぬ、しかし、深い接吻だ。

 

 「むぁ・・・ふ・・・んっ・・・・ぁ・・・・・・」

 

  次第に舌が踊りだす。 巽は海豚の手を握り、海豚は巽の手を求め、二人のキスは舞いにも似ていた。

 

 「あ・・・た・・・ふぁ・・・」

 

  激しく、扇情的なキスは・・・一時、幕を降ろした。

 

 「海豚・・・あそこに隠れよう」

 

  巽が指差した先は、叢[くさむら]が多く茂っていた。 あそこなら、偶然が襲ってこない限り、誰にも見られないはずだ。 海豚は頷き、一緒に叢へと入って行く。 晃もその後を追う。

 

 (・・・まだ、追ってきやがる・・・)

 

  巽は心底、苛付いた。 きっと、先刻のキスも、眺めていたに違いない・・・。

 

 

 

  ・・・事実、晃は、草陰に隠れて、二人の情熱的な接吻に驚愕していた。

 

 「あの二人・・・マジで出来てたの?!」

 

  入学式の一悶着は現場に居なかった為、話しで聞いていた。 ・・・が、まさか、あんな仲だとは・・・。

 

 「んじゃま、観覧してよっと」

 

  ・・・・・・叢にて、二人は深いヴェーゼで第二幕を上げた。

 

 「ふぁむ・・・んんっ・・・んぁ・・・」

 

  キスをしながら・・・お互いの上着を抜いていく。 簡易式のネクタイを外し、胸ポケットにはめる。 ボタンを外し、今度は自分で上着を脱ぎ捨てた。 それも、同時に。 息がピッタリ合っていて、晃を大いに驚嘆させた。

 

 (ホント、踊ってるみたいだな・・・)

 

  とか言いつつ、晃自身も上着をはだけさせて、サラシの上から胸を弄んだ。 海豚も巽に胸を弄ばれる。 ブラウスをはだけさせ、下着の上から優しく揉む。

 

 「い・・・はんっ・・・・・・いいよ・・・もっと、揉んで・・・・・・!」

 

  遂には・・・ブラの前ホックを外し、たわわな乳房が晒される。 火照った素肌に、夜の空気が心地いい。 巽は愛しそうに胸を揉み・・・乳首に吸い付いた。 空いた手は以前、胸を嬲る。 そんな巽に、海豚は愛おしそうに髪を撫でた。

 

 「はんっ・・・いい・・・・・・いいよぉ・・・もっと・・・・・・・・・もっと、吸ってぇ〜・・・・・・」

 

 (すっげぇ、淫乱だな・・・)

 

  晃はそう感想を述べたが、海豚の場合『巽の前だから』というのが前提になっている。 他の男の前では、仮に淫らさを醸しても、必死にそれを抑制する。 愛しい人の前以外では、淫乱になりたくないのだから・・・。

 

 「ひゃん・・・・いいの・・・おっぱい、いいのぉ〜・・・!」

 

  頂きをつまみ、同時に強く吸い出す!

 

 「あぁ、はぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっっっ!!!」

 

  ・・・・どうやら、軽く達してしまったようだ。 巽はズボンのジッパーを下げ、煮えたぎる異形の剣を取り出した。

 

 「海豚・・・俺のも・・・」

 

 「ええ・・・」

 

  海豚は躊躇も戸惑いもせず、一直線に巽の剣を手に取った。 剣先をチロリッと舐めると下の方へと舐めて行き・・・袋を優しく口に含んだ。

 

 「・・・っ・・・海豚・・・上手くなったな・・・」

 

  巽も自分にしてくれたように、海豚の髪を優しく撫でる。 さらさらとした髪は、闇に溶け、昇ってきた月の光りに照らされて輝いた。

 

 (・・・綺麗だ・・・・・・綺麗で・・・他になんて言やぁ良いんだ?)

 

  どんな語彙[ボキャブラリー]も、一撃でせん滅させるほど、海豚は美しかった。 ・・・男性を舐めているので、少々奇妙に感じるが。

 

 「ふぁむ・・・ふぁん・・・・・・はぁ・・・む・・・・・・ぁぁぁ・・・・・・」

 

  愛しさに溢れた口唇愛撫は、巽を大いに満足させている。 そして・・・。

 

 「海豚・・・もう・・・」

 

 「ぅぁむ・・・・・・出して下さいね・・・貴方の寂しさごと、全部・・・・・・!」

 

 「海豚・・・・・・ぅくっ・・・!」

 

  びゅるるるぅぅっ!

 

 「ああぁ・・・・・・巽・・・さん・・・・・・っ!」

 

  恍惚した顔で、巽の種を飲み干そうとする。 溢れた種は頬に、眉に、首筋に掛かる。 それらも、指ですくって舐め取る。

 

 「いつもながら、すごい量ですね・・・」

 

 「・・・まあ・・・ね」

 

 「でも、それだけ・・・・・・寂しかったんですよね・・・・・・」

 

 「そうだな・・・正直、寂しかった・・・。 なかなか、君とこうして・・・触れ合えなかったから・・・」

 

 「でも、私はここにいます・・・」

 

 「・・・俺も、ここにいる・・・」

 

  そして・・・見詰め合う・・・。

 

 『愛してる・・・』

 

  再び口付け・・・ながら、巽はズボンを、海豚はショーツを脱ぎ始めた。

 

 (ほ・・・本番?!)

 

  晃は息を呑んだ。 しかし、二人の手が、ふいに止まった。

 

 「その前に・・・」

 

 「?」

 

  巽はズボンを履き戻し、叢に向かって・・・・・・・・・・・・・・・咆哮した!!

 

 

 

 

  じゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃごぉぉぉぅぅ!!!!!

 

 

 

 

 「ひえぇ!?」

 

  魔海龍[ダガーラ]としての咆哮で威嚇すると、晃が文字通り、驚いて飛び上がった。

 

 「な・・・なんだよ、今の・・・」

 

 「答える義務は無い。 それより・・・」

 

  巽はすっ・・・と眉を細めた。

 

 「ずっと、覗いてたのか?」

 

 「うっ・・・」

 

 「・・・図星、か・・・」

 

  巽は呆れた声を吐いて、警告した。

 

 「三つ数える間に姿を消せ。 でなきゃ・・・少なくとも、今日は終演だ」

 

 「ええぇ〜!」

 

  声は海豚だった。 残念そうに、頬を膨らませた。

 

 「折角、久しぶりに巽さんと出来ると思ったのに〜〜〜・・・」

 

 「・・・と言うことになりかねんからな・・・・・・一つ・・・」

 

 「ちょちょ、ちょっと待った!」

 

  晃は言い募ろうとするが・・・

 

 「二つ・・・」

 

 「だ・・・オレは・・・」

 

  言おうとして・・・晃は服を素早く脱いだ!

 

 「三つ・・・?!」

 

  ・・・思わず巽は凝視した。 晃の下半身に・・・『モノ』は無かった。

 

 「女子・・・だったのか?」

 

 「そ・・・だから・・・」

 

  晃は合掌し、願った。

 

 「オレも・・・混ぜて♪」

 

 「棄却!」

 

  その差、コンマ01[ゼロイチ]秒の即答だった。

 

 「巽さんは・・・私だけの巽さんですっ!」

 

 「・・・が、理由だ。 俺も海豚以外の女の子とは、する気が無い。 喩い、劣情が湧いてもな」

 

 「うっ・・・・・・」

 

  巽の、有無を言わせぬ迫力と気迫に、晃は半歩退いた。

 

 「・・・じゃあ、せめて、見させてよ。 自分は慰めてるから・・・」

 

  巽は海豚と目配せして・・・呆れた息を吐いた。

 

 「はぁ・・・・・・しゃーねぇなぁ。 そのかわり、邪魔すんなよな・・・」

 

 「・・・サンキュ」

 

  晃は腰を降ろし脚を広げた。 その間、巽はそちらへは目を向けず、海豚を見つめた。

 

 「・・・とんだ邪魔が入っちまったな」

 

 「・・・でも、私は・・・・・・貴方としたいから・・・」

 

  巽に軽くキスし・・・四つん這いになった。

 

 「貴方が・・・・・・欲しいの・・・」

 

 「海豚・・・」

 

  萎えかかった剣は再び煮え・・・海豚の菊座に口付けた。

 

 「ひゃん!・・・そこ・・・?!」

 

 「流石に、畑だと間違っちまいそうだから・・・ゴムは手元にないし」

 

 「オレも持ってないや・・・」

 

  巽は額にピキマークを浮かべ・・・詠唱した。

 

 「沈黙呪[サイレス]・・・」

 

  途端に、晃の声は奪われた。 空気の振動・・・すなわち、音波を完全に遮断しただけだが。

  巽は菊座に口付け、舐めまわした。 華も、尻も、丹念に。

 

  ぴちゅ・・・くちゅ・・・

 

 「ひゃあぁぁぁ・・・すごいのぉ・・・」

 

  海豚の冷めかかった官能が再び燃え盛る。 巽は舌を唾液で濡らし、菊の中へと挿し入れた!

 

  みゅる・・・

 

 「ひゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃんっっっ!!!!」

 

  海豚は悦楽の声を上げた。

 

 「ひゃ・・・いいの、いいのぉぉ・・・たつ・・・・みぃ・・・・・・あぁぁぁぁぁ・・・」

 

  海豚の女が目覚め、腰を振る。 舌では短いので、中指を唾液で濡らして、入れる!

 

  じゅぷぅぅぅ!

 

 「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」

 

 (すっごい、淫れてる・・・)

 

  晃はもう感心しきりで、自分の華を嬲りつづけた。 既に蜜で下半身がずぶ濡れだ。

 

 「た・・・・つみ・・・さん・・・・・・・入れてぇぇぇ〜・・・」

 

 「ああ・・・海豚・・・・・・」

 

  軽く海豚の腰を掴むと、すっと自分の腰へともっていく。

 

 「いくよ・・・」

 

 「うん・・・」

 

  剣先が菊に触れる。

 

 「ひゃうん!」

 

  少し反応して・・・巽は少しずつ進んで行く。

 

  じゅ・・・るぅぅぅぅ・・・・

 

 「はぁぁぁぁぁぁ・・・・ぐぅっ・・・・あぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・」

 

  進むたびに、悦楽と苦痛がないまぜになった声が漏れる。 そして。

 

 「ふぁぁぁ・・・奥まで・・・いっぱいぃぃ・・・・・・」

 

 「ああぁ・・・暖かいよ・・・」

 

  巽は海豚を抱き寄せ、抱き上げ、背面座位の格好になると、海豚の胸を掴んで、耳たぶを甘く噛む。

 

 「それに・・・愛してる・・・」

 

 「巽・・・さん・・・」

 

  恍惚と・・・しかし、美しい微笑みを浮かべ、キスを交わす。

 

 「・・・ね・・・動いて・・・」

 

 「ああ・・・」

 

  巽は腰を打った。

 

  ぐちゅ・・・ちゅく・・・ぎゅちゅ・・・・・・

 

 「はぁんっ、ああああ・・・はぁぁぁぁん・・・・・・・・いいいのぉぉぉぉぉぉ・・・」

 

  海豚が官能の歌声で鳴く。 海豚自身も腰を振って、官能を高める。

 

 「はぁ・・・・・・んんっ・・・・・・・ふぁぁぁぁぁぁ・・・・」

 

  一方、晃は一人寂しく自身を慰めていた。

 

 (やっぱり・・・・・・入れられたい・・・・・・・・・オレもあんな風に淫れたい・・・)

 

  自然と蠢く手が速くなる・・・そして、絶頂へと向かう。

 

  ぴちゅ、くちゅ、ちゅる・・・

 

 「はぁぁ、あっあっあっあっあっあぁぁぁ・・・・はぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっっっ・・・・・・!!」

 

  晃は一足早く達した。 無論、音を封じられているので、本人にも自分の声は聞こえないのだが。 巽と海豚も、絶頂へと向かって行く・・・!

 

  じゅ・・・じゅぷ、じゃぷ、ずゅぷぅ・・・。

 

 「はぁ、はぁ、はぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・ふぁぁぁぁぁぁん・・・ああぁ、あっぁぁぁ・・・ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃん・・・・・!!!!!」

 

 「い・・・るか・・・・もう・・・・」

 

 「いいよぉ・・・・入れてぇ〜・・・・一杯、い〜っぱいぃぃぃぃぃ!」

 

  ぐじゅ、ぎゅじゅ、じゃぶ、じゅあぶゅ・・・

 

 「海豚・・・愛してるよ・・・!」

 

 「巽さん、愛してるよぉぉぉ・・・・いっぱい、満たしてぇぇぇ〜〜〜・・・・・・・はぁはぁはぁはぁはぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 「海豚・・・いるかぁぁぁぁぁ!」

 

  びゅるびゅるびゅるびゅるびゅるぅぅぅっっっ!

 

 「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんんんっっっっっっ!!!!!!!」

 

  海豚は絶頂を越えた。 ・・・二人はその余韻を楽しみながら、倒れてしまった。

 

 「海豚・・・気持ち良かったか?」

 

 「うん・・・すっごく・・・」

 

  海豚は嬉しそうな顔で巽に応えた。

 

 「あ、でも・・・そろそろ、解除した方が・・・」

 

 「え?」

 

  指差した先に、晃が自分の口を指差して、パクパクと口を開閉させていた。

 

 「仕方ねぇな・・・」

 

  術を解除させると、晃の声はようやく沈んだはずの日の目を見る事になった。

 

 「な・・・なんで、声が出ないわけ?」

 

  晃の当然の声に、巽は応えてやった。

 

 「一種の言霊でね、君の声だけを、空気が振動しないようにしたんだ。 空気の振動・・・つまり、声や音が伝わらないので、聞こえなくなると言うわけさ。 ノドを潰すよりか、よっぽど無害だからね」

 

 「ああ、な〜る・・・って、そうじゃなくて! どうやったら、そんなこと出来るんだ?」

 

 「いったろ、一種の言霊だって。 それをプログラミングすりゃあ、出来るんだ。 無論、その才能がなければ、出来るはずがないけどね」

 

 「それって・・・いわゆる・・・」

 

 「・・・そ。 魔法と呼ばれる代物さ」

 

 「?! そんなことって・・・!」

 

  驚く晃に少しうんざりしながらも、巽は講釈した。

 

 「んじゃあ、仮にだ・・・一世紀も昔の人間が現代にタイムスリップして現代を見たら、その人間はどう思う?」

 

 「それは・・・」

 

  逡巡して、晃はそうかと唸った。 魔法だ奇術だと言うだろう。

 

 「知り合いの兄貴からの受け売りだけど・・・『進み過ぎた科学は魔法も同然だ』・・・ってね」

 

  巽の台詞には、言い知れぬ説得力があった。

 

 「海豚・・・そろそろ抜くけど?」

 

 「ええ、どうぞ・・・」

 

  海豚が小さく頷くと、巽は腰を引いた。

 

 「ぁはぁぅぅん・・・」

 

  小さいく官能が漏れてしまう。 それに、晃は尋ねたくなった。

 

 「海豚ちゃんってさ、結構エッチなんだね?」

 

 「それは・・・巽さんが心から気持ちよくしてくれるから・・・。 というより、巽さん以外の人とするなんて、絶対に嫌だから」

 

 「んじゃあ・・・巽・・・先輩が他の女の子とするようになったら?」

 

 「・・・・・・」

 

  その台詞に海豚は逡巡し・・・そして、はっきりと答えた。

 

 「巽さんを怨み、憎み、呪います。 そういう約束だから・・・」

 

 「・・・俺はそれを受け止めて、それでも、海豚を愛すると決めた。 幾ら憎まれても構わないってね」

 

 「・・・・・・・・・」

 

  晃は絶句していた。 海豚の言動と、巽の決意の固さに。 羨ましいな・・・。

 

 「愛し合ってるんだな・・・二人とも・・・」

 

  晃は落ち着いて服を着始めた二人に、羨望の眼差しを送った。 少なくとも、快楽主義者の自分には、到底真似の出来ないことだ。

 

 「・・・俺は海豚が高校を卒業したら結婚する気だし、海豚が生んでくれる子供にとって父親として相応しい人間に成れたら、自分たちの種を蒔こうとも決めた。 そして、世界中を回りながら、家族一緒に、海を守ろうともね・・・」

 

 「私は、巽さんの夢を支えながら、私の夢も・・・世界中の人に私の唄を聞いて元気になってほしいって・・・叶えに行くんです」

 

 「それって・・・結構、無理があるんじゃ・・・」

 

  晃が絶望的な台詞を吐くと、二人はハモってそれを一蹴した。

 

 『夢は決して自分を裏切らない。 自分自身が夢を諦めなければ。 ・・・夢は夢のまま終らせない。 夢を・・・決して諦めない!』

 

 「!!」

 

  服を着終え、晃に向け、ふっ・・・と微笑んだ。 夢を信じ、お互いを信じる、強い意志の瞳は、晃を感嘆させた。

 

 「オレも・・・」

 

  晃は胸を打たれ、二人に願った。

 

 「オレも、二人を応援して良いかな?」

 

  再び微笑み、ハモリで答えた。

 

 『喜んで!』

 

  ・・・・・・・・と!

 

 「きゃあぁぁぁぁ!」

 

  女性の悲鳴が木霊した!

 

 「ちぃっ! 10回表開始か?!」

 

  巽は、虚空から・・・正確には空気中の水分を圧縮して・・・刀を顕現させた! 愛刀『黒潮』である。

 

 「海豚ちゃんはオレがいるから・・・!」

 

 「んじゃあ、頼むぜ! ・・・えっと・・・」

 

  彼女に頼もうとして・・・気が付いた。 名前を聞いてなかったのだが、晃が名乗り上げてくれた。

 

 「晃・・・真崎 晃だ」

 

 「じゃあ、真崎。 海豚を頼む!」

 

  海豚には黒潮の真剣を渡しておいて、自分は鞘だけで出陣した。 決して殺生はしない・・・というのも、海豚との約束だからだ。

 

 「気を付けてくださいね!」

 

  海豚の声に巽は微笑みで答え、暗闇に消えた。

 

 「んでさ・・・海豚ちゃん・・・」

 

 「・・・なんですか?」

 

  真剣を・・・さも、巽自身のように抱き締めて、海豚は猜疑の混じった目で見遣った。

 

 「・・・巽先輩とは、何時からしたの?」

 

 「・・・14の時からですけど?」

 

 「それが、初めて?」

 

 「はい・・・」

 

 「・・・それで、アナルのバック・・・か・・・」

 

 「・・・言っときますけど、幾ら同性でも、私はそんな趣味ありませんから! 押しつけないで下さいよ!」

 

 「わ〜てるって」

 

  晃はそれだけを訊くと、巽が消えた方を見つめただけだった・・・・・・。

 

 

 

  一方、巽の向かった先では、一人の女性に三人の男たちが群がっていた。 女性は既に恐怖で失禁し、男たちによって全裸に去れた挙句、内の二人に拘束され、脚を強引に開かされていた。 そこに、もう一人が煮えたぎった兇器を挿し入れようとした時・・・・・・!

 

 「魔海流・・・鯱[シャチ]の牙ぁ!!!」

 

  超高水圧の波がその男を飲み込み、水圧の牙で男の兇器を『噛み切った』!

 

 「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 

  決して殺生はしない・・・しかし、男のサオはそれに含まれない。 あくまでも、サオだけだが。

 

 「さぁて・・・そこの二人も、同じ目にあうか?」

 

 「ひえぇぇぇ・・・」

 

  やはりというか、こういう手合いは、自分達以上の暴力の前には無力と化し、日本語も失調される。

 

 「案ずるな。 なにも命までは盗らぬ。 尤も、貴様らのその欲の方が無益だがな・・・」

 

 「ひぇっ・・・おた・・・・・お助けを・・・・・・!」

 

 「だったら・・・」

 

  巽は義憤と憤怒の形相で叫んだ!

 

 「女の子襲う真似すんじゃねェ、鬼畜ども! 今度やったら、貴様らのサオをすりつぶしてミンチにして、ハンバーグにして貴様らに食わせるぞ! 分かったか!!!」

 

 「は、はいぃぃぃぃ!」

 

 「だったら、とっとと失せろぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

  男たちは一目さんに逃げ去った。

 

 「・・・大丈夫ですか?」

 

  この辺り・・・獅竜鳳の仕事を見てきただけあって、実に礼儀正しく、丁寧だった。

 

 「・・・とりあえず、コレを・・・」

 

  学生服の上着を差し出して、女性に渡そうとして・・・中断した。

 

 「・・・まさか、君・・・ウチの高校の・・・?」

 

  脱ぎ捨てられた上着を見て、巽は胸中で愕然とした。

 

 「まいったな・・・」

 

  とりあえず捨てられた方の上着を拾い、丁寧に土を払ってそれを着せた。

 

 「はい、君のだろ?」

 

 「あ、有難う御座います」

 

  丁寧にお礼を述べると、巽へとにじり寄った。

 

 「あ、あの・・・」

 

 「なんだい?」

 

  言って、巽は驚愕した。 彼女は脚を広げて、ねだって来たのだ!

 

 「お願いします・・・わたしの・・・初めてを・・・」

 

  数瞬の間が空いて・・・。

 

 「・・・断るよ」

 

  巽は頭を振って、拒否した。

 

 「俺には好きな人が居るし、そいつと結婚しようって約束したんだ。 あいつの気持ちを裏切る訳には行かないよ」

 

 「でも・・・」

 

  尚も良い寄る少女に、巽はこう言った。

 

 「初めては、本気で好きになった相手に捧げるもんさ。 本気でないのなら、男はただのオス犬になっちまうよ」

 

  そう言って、巽は彼女の髪を優しく撫でた。

 

 「君・・・名は?」

 

 「竜胆・・・林 竜胆[はやし りんどう]です」

 

 「じゃあ、林さん・・・この事は他言無用に・・・ね」

 

  巽は、闇へと言い去って行った。

 

 

 

 

 

 「はぁ・・・ホントに参ったよ」

 

 「そうですね・・・」

 

  翌日、その事を聞いて、海豚は少し、複雑になった。

 

 「でも・・・気持ちは分からなくないんですよね・・・」

 

 「?」

 

 「どうせなら、優しそうな人に初めてを捧げられたなら・・・少なくとも私としては嬉しいですから。 あの時、私を助けてくれた巽さんに、そんな思いがありましたから・・・」

 

 「そうなんだ・・・」

 

  巽は穏やかにそう言って・・・海豚が作ってくれた朝食を頬張った。 メニューは海豚の十八番『サバの味噌煮』と『アサリの味噌汁』があった。

  ・・・あれから、二人は晃と別れ、巽の家で一泊したのだ。 事に及んでないのは、夕食直後だったからであるが。 (流石にキツイらしい)

 

 「さて、今日はどうする?」

 

 「あの時みたいに、ストリートライヴしましょ。 またレパートリィが増えましたし」

 

 「ほんじゃ、支度して行こうか」

 

 「はい!」

 

  満面の笑みで、海豚は答えるのだった。

 

 

 


解説

 巽 「今回はアナだったな?」

 

 作者 「まぁ、純度高めでアナって、初めてですけど」

 

 海豚 「何時かもアナルしたけど、大佐古さんも居ましたし・・・」

 

 巽 「今回は新キャラレギュラーの真崎が居たからな・・・」

 

 作者 「・・・んで、予定している陵辱系だけど・・・」

 

 巽 「外伝限定にしてくれよ。 海豚はこう見えて、かなりデリケートなんだから」

 

 作者 「それを哭かせるのが、陵辱系たる所以・・・」

 

 巽 「ほほぉ・・・(黒潮の真剣と鞘を構える)」

 

 作者 「な! 海豚ちゃんが見てる前で、なにを?!」

 

 巽 「案ずるな、みねうちじゃ」

 

 作者 「それはこっちの台詞じゃ! 可愛い海豚ちゃんは、お前にしか哭かせぬわ!」

 

 巽 「妙な誉め方すなぁ!!!」

 

 海豚 「・・・でも、誰なんですか? 襲われる人って・・・」

 

 作者 「真崎さんです」

 

 巽 「なに、さらりと何気に・・・」

 

 海豚 「・・・ま、既に遅しで巽さん登場は免れませんね?」

 

 作者 「海豚ちゃんも何気にさらりとすごい事を・・・」

 

 巽 「ま、何時になるかはともかく・・・」

 

 作者 「とりあえず、外伝の方に組んでますから、強姦ものは」

 

 海豚 「それ、何時完成するの?」

 

 作者 「未定です!」

 

 巽・海豚 『自身万満に言うなぁぁぁぁぁ!』

 

 作者 「へぶしっ?! (作者は首をはねられた)」

 

 海豚 「では、次回まで!」

 


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