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ある日ある時ある部屋で
高原 修一/文


 容赦なく降り注ぐ空からの日差しが砂をフライパンと変え、その上にあるもの全てをじりじりと熱しつづける、広大な砂漠の昼の頃。

 

 フライパンの上に転がされたバターのように、ここ辺境の街モンスバイアの人々は、このとろかすような逃げ場のないあつさを、諦めにも似た思いで受け入れていた。

 

 「ふぅ、今日は特に暑いですわ〜」

 

 街を駆け巡る石畳の道を、大きなとんがり帽子を日よけにかぶり、派手とも取れる薄手の衣装を身にまとった青く豊かな髪の少女が、空の高い所に浮かんだ目にも肌にも優しくない光へ、ロッド片手に上品な口調で語りかけながら歩いている。

 

 好きな鈴のアクセサリを胸に下げた彼女は年の頃16ほどで、鈴を押し上げるふたつのふくらみは、彼女の年を考えるとなかなか育ちが良いほうだ。

 

 体中から放つ色香は天秤にかけると少女よりも女の方へ傾き、腰つきやほんの些細なしぐさは、生まれついての才能以外の何かの存在を感じさせる。

 

 「今日ほどコウ様のお宅がうちのお隣でないのを恨んだ日はありませんわ」

 

 愛しの彼への家へと続く、歩いてものの30秒ほどのごく短い旅路が、お嬢様育ちのバラにはことのほか不満らしく、いつも事あるごとに同じ言葉を洩らしている。

 

 「あら、セルフィちゃん」

 

 整ったふたつの眉を寄せながら歩いていた彼女…セルフィは、目的地であった大きな家の玄関から出てきたエプロン姿の女性に自分の名前を呼ばれ、得意のお嬢様スマイルを急ピッチでこしらえる。

 

 「あらおばさま、こんにちわ。お出かけですか?」

 

 「ええ、ちょっと。それよりセルフィちゃんはどこへ?」

 

 おばさまと呼ばれた女性に問いを返されたセルフィは、コウ様へ会いにいくところでしたのと、先ほどまでのしかめっ面を微塵も感じさせない声と笑顔で応えた。

 

 その言葉に、女性は右手を頬に当てて困ったような顔を作る。

 

 「あら〜、うちの子は今出かけているのよ」

 

 もうしわけなさそうにそう言う女性。うちの子と言ったからには、女性はコウの母親なのだろう。

 

 コウの母親…リースは、話している相手がモンスバイアの名門ロード家の娘であるセルフィ・ロードでも、媚びた感じが微塵も無い。コウと同じ、堂々としていて穏やかな空気を纏っている。

 

 「たしか、ファーちゃんの所に行くって言ってたわね」

 

 リースの一言に、セルフィの肩がピクリと跳ねる。

 

 「…ありがとうございました、おばさま」

 

 数秒前よりもはるかにトーンが落ちた声で礼を言い、セルフィは頭を下げた。大きな帽子が陰になって表情は覗えないが、彼女の身にまとう空気は砂漠に似つかわしくない、はるか北の果てのそれに似ている。

 

 すいっと体の向きを変え、小走りに駆けていくセルフィ。軽やかな靴の音を残し遠ざかっていく背中を見つめながら、コウの母親はそっとため息をついた。

 

 「やれやれ、あの子も隅に置けないねえ…」

 

 

 

 「ちーす、ファー。タコヤキ買ってきたぞー」

 

 「コウ♪いつも悪いなあ」

 

 つま楊枝の立っている箱を持った赤い髪の少年…コウと、椅子にちょこんと座った茶髪の少女が、カラクリ仕掛けの金庫をずしんと備えたカウンターをはさんで向かい合っている。

 

 剥製や壷などの様々な調度品から、花やアクセサリ、バイクなど。色々なものが値札とネームバッジをつけて並び座っている、外の熱気とすっぱり切り離されたような涼しさの、広くて狭い一室。

 

 みんなから「ファーの店」で親しまれている、モンスバイアでただひとつのよろず屋だ。

 

 「お茶入れたるわ、いつものでええやろ?」

 

 「うん、いいぞ」

 

 コウが頷きながら応えると、少女はカウンターの後ろにある大きな棚の端で常から待機している急須に、同じく臨戦態勢のポットで湯気の立つ湯をトポトポと注いだ。

 

 急須の中でゆったり眠っていたお茶っ葉が、突然注がれた熱いお湯で目を覚まし、のんびり香りと色を出し始める。

 

 同じ茶っ葉を色が出なくなるまで何度でも使うのは、大陸の西方で1・2を争う、高利貸を営む大富豪ゴッツ家のポリシーにのっとってのこと。

 

 無駄を許さない商人の血は、急須を軽く振っている少女…ファー・ゴッツの体を、縦横無尽に駆け巡っているのだろう。

 

 コポポポポ コポポポポ ポタッ…ポタッ…

 

 湯のみに色の薄い茶を注ぐファー。真面目な顔で急須の中の最後の一滴まで出しきろうとするあたりが、どこかこっけいで笑いを誘う。

 

 「ほい、おまちどうさん。熱いから気いつけてな」

 

 「ありがと。ずずずず…」

 

 両手で支えられながら手渡された夫婦湯のみを、受け取ってそのまま口へと運ぶコウ。父親譲りの厚い唇を湯のみに付ける彼の姿を嬉しそうに眺めると、ファーも自分の湯のみに、化粧っけの無いピンク色の唇をそっと付けた。

 

 ズズズズ……ハァ〜

 

 ふたり一緒に息をつくと、ファーは湯のみをカウンターに置き、コウがお土産に買ってきた白い箱に押し詰められているタコヤキを、右端の1個にぷすりと刺さっている楊枝を指でつまんで、あんと開けた口に放りこんだ。

 

 まんまるな体にかかったソースと、それを包み込むように飾られた、かつおぶしと青のり。お腹の中に隠れた主役のタコは取りたてて言うほどのものではないが、生地の小麦粉が挽きたてなのだろう、心地よい香りを失っていない。

 

 「んぐんぐ…ズズズ…はぁ、やっぱタコヤキはええなぁ。こんなにようできた食いもん他にあるんやろか?」

 

 お茶をすすり口の中に残った甘めのソースを洗い流すと、ファーは満たされた顔をして、お茶が半ば辺りまで入った湯のみを手で転がすコウに語りかけた。

 

 「まあこれはこれで美味いんやけどな、アタシがおった西の方で言うタコヤキはな、これよりもっといけるんやで。ほんま、アンタにいっぺん食べさせてみたいわ」

 

 そこまでまくしたてると、ファーは再びつま楊枝をタコヤキに立てて、ソースが滴れないように気を遣いながら口へと運んだ。

 

 「へぇ…ファーにそこまで言わせるなんて、一度くらいは食べてみないとな」

 

 そう言うと、コウは口をもぐもぐと動かすファーにニヤリと白い歯を見せて、音を立てずにお茶をすすった。

 

 「なあ、コウ。そのうちアタシと一緒にな、西の方に行かへん?そしたらぁ、アタシがタコヤキ食べさせたるわ、こんな風にな」

 

 ファーはコウに熱っぽい視線を向けながらそう言い、ソースが滴れないように左手を添えて、そっとタコヤキを彼の口へと運んだ。

 

 目をしばたかせながらタコヤキを口に入れたコウに、ファーは白い頬を少し赤くして、んふふと嬉しそうに微笑んだ。

 

 と

 

 「ふぁいやぁぁぼぉぉぉる!!」

 

 ひゅごっ!

  ドガシャァァッ!!

  プスプス…パチ…パチン

 

 女性の声が聞こえたかと思うと、間髪入れず鳴り響いた、耳に厳しい炸裂音。ほんの数秒前までは甘やかなムードで満たされていた一室が、瞬く間に木の燻る匂いで一杯になってしまった。

 

 「あら、ごめんあそばせ。魔法が誤作動してしまいましたわ」

 

 「アンタ、めいっぱい叫んどったやんか!」

 

 大きな帽子の乗った頭を少し傾け、いけしゃあしゃあと言ってのけたのは、先ほどからコウを探していた、魔法少女セルフィだ。

 

 「どーゆーつもりや?アンタはヒトんちのドア打ち壊すんが趣味なんか?」

 

 「どういうつもりか、ですって?それはこっちのセリフですわよファーさん」

 

 ずかずか、という言葉がぴったりな風でドアの残骸を踏みしめながら、セルフィはよろず屋の入り口を潜り、湯のみを持って呆然としているコウの側まで歩み寄った。

 

 椅子に座っているコウの肩をそっと抱くと、セルフィはカウンターに手をバンバンと打ち付け怒りを表しているファーを、眼を針のようにして睨み付ける。

 

 「あなたは昨日コウ様に愛されたばかりではありませんこと?今日はわたくしがコウ様の寵愛を受け賜る日なのです。それとも…条例を破るおつもりなのかしら?」

 

 「アホなこと言いなんなや。コウは自分からアタシに会いに来てくれたんや、何にもやましいことなんてあらへんで?」

 

 やれやれといった感じで椅子に座り直すと、ファーはカウンターに左肘を突いて、右手をぷらぷら振りながら、アホとは付きおーてられへん、と続けた。

 

 「くっ…まあいいですわ。さっ、コウ様、どこか他所へ参りましょう」

 

 セルフィに右腕を掴まれ、わけの分からないまま引きずられていくコウ。きゃしゃとしか思えない細腕のどこにこんな力があるのか、流れるように愛しい彼をリードしている。

 

 「ちょいと待ちいや!何のおとしまえもあらへんのに、はいそうですかとすんなり帰せるかいな!」

 

 「うわっ!」

 

 腰ほどまであるカウンターをリング入りのレスラーよろしく飛び越えると、ファーはコウの湯のみを握ったままの左腕を掴み、セルフィに負けじと抱き寄せた。

 

 「放しなさいっ!放しなさいと言うのが聞こえなくって!?」

 

 「やかましいわ!人がええ感じで話しとんのをぶち壊しよってからに」

 

 「ドアの修理代なら、後で使いをよこしますわ」

 

 「いや、そういう問題じゃないと思うぞセルフィ…」

 

 ぎゃあぎゃあと言い合う少女ふたりに引っ張られ、はりつけの聖者のようなポーズで突っ立っているコウ。

 

 自分の腕で綱引きされるのは我慢しがたいが、自分の頭の上で交わされる言葉と視線のぶつかり合いの激しさに、横槍を出すこともままならない。

 

 「むむむ…じゃあ何がお望みなんですの?」

 

 先に折れたのは、比が自分にあるのだという自覚があったのだろう、セルフィだった。

 

 「せやなあ…ほしょほしょほしょ…でどないや?コウも気持ちようなれるし、一石二鳥ってやっちゃ」

 

 「くぅ…仕方ありませんわね。わかりましたわ、それでよろしくってよ」

 

 「よっしゃ、んなら行こか」

 

 「え?え?何だ?」

 

 話しがよく飲みこめないコウを、少女ふたりがそろって引きずり、よろず屋の奥へと連れて行く。

 

 カウンターの上、休憩中の札の横に置かれたふたつの湯のみは、お茶の葉が底に僅かに引っ付いていて、すでに空っぽになっていた。

 

 

 

 部屋の戸を開けて最初に目に付くのは、掛け軸に毛筆で力強く書かれた「世の中銭や」という、ゴッツ家の家訓。

 

 ファーの部屋は、すっきりしているというよりも物が少ないといった感じで、インテリアらしい物は花瓶の中で一輪すましている白い花と、ベッドの上に座っている、コウを模した抱えるほどに大きなぬいぐるみぐらいだ。

 

 ファーはぬいぐるみをベッドからおろしカーテンを閉めきると、コウをしっかり押さえつけているセルフィに目を向けた。太陽の目が届かない薄暗い部屋で、ふたりの少女がこくり首を縦に振る。

 

 「え〜い!」

 

 「え?うわっ!」

 

 ドンッ!

  ぼすっ

 

 掛け声と共にセルフィに背中を押され、コウは日向の匂いがする布団に思い切りよく飛び込んだ。

 

 「さあ、お召し物を脱ぎましょうね〜」

 

 「今日は、アタシらに任しとき」

 

 ふたりの少女はすっかり馴れた手つきで、コウの着ていたベスト、ズボン、靴、手袋…身に付けていたありとあらゆる物を取り去っていく。

 

 程なく、小柄だがしなやかで強靭な筋肉をしたコウの体が、ふたりの少女の前に晒された。コウだけに恥ずかしい思いはさせないと、セルフィもファーも身につけている物をどんどん床に落としていく。

 

 「さっ、始めましょうファーさん」

 

 青い髪を掻きあげて、コウが横たわるベッドに膝をつくセルフィ。プルンと弾む胸のふくらみとくびれた腰が、目も眩むような女の色香を放っている。日に焼けていない透き通るような白い肌は、磨きぬかれた大理石のような艶めかしさだ。下腹部にある茂みは、お嬢様らしく慎ましい佇まいをしている。

 

 「コウ、ええ事したるさかいな」

 

 セルフィに比べて、全体的に肉付きの薄いファー。プロポーションはグラマーというほどではないが、胸もお尻もそれなりに大きさもあって形が良く、スレンダーという言葉を思わせる。うっすらと小麦色になった肌が健康的で、白いそれとはまた違った艶めかしさを放っている。秘所の茂みはふわふわして、それでいて濃くない。

 

 仰向けに寝転がったコウの股間には、これからされる事への期待からだろう、己の分身が天井に向かって元気よく伸びている。ふたりの女性と一緒に交わるのは、女性と肌を重ねるようになってから初めてのことで、胸のドラムも激しいリズムを刻んでいる。

 

 「んっ…」

 

 頭を抱き、コウの厚い唇に自分の唇を重ねるセルフィ。昔は彼の唇を馬鹿にしていたものだが、彼に心を奪われてしまってからというもの、あばたもえくぼで彼の全てを受け入れたいという気持ちになっていた。

 

 「フフッ…いっつもアンタに可愛がられとるからな。たまにはアタシらがリードしたるわ」

 

 ふくらみをコウの胸に押し当てて、ちらっと悪戯な笑みを浮かべるファー。かつて銭こそが最も信じれるものと思っていた彼女も、コウに恋をし愛したことで、その価値観も少なからず変わっていた。

 

 チロチロ…

 

 セルフィは首すじを、ファーは胸を、コウをよろこばせるために2体の軟体動物がちろちろとくすぐったく這いまわる。

 

 2体はなめくじのようにてらてらと跡を残していき、目的地へ向かって少しずつ南下していく。

 

 「んふふ…コウ様のっていつ見ても立派ですわ…あむっ」

 

 先に目的地に着いたセルフィは、ピクンピクン跳ねているコウのモノの先っぽを、あんと口を開けてぱくり咥えこんだ。

 

 「じゃ、アタシはこっちを…はぶっ」

 

 カチカチになった棒の下に吊り下がった袋を、ためらいなく口にするファー。

 

 コウはふたりの少女が頭を並べて自分のモノをしゃぶりたてている姿に、なんともいえない悦びが背中を駆け抜けるのを感じていた。

 

 ちゅぷちゅぷ ペロペロ てろぉぉ   ちゅぽちゅぽ

       チロチロ くちゅ チュッチュッ      チャプチャプ

 

 熱さも感触も動きも違うふたつの舌が、1本の棒を駆け回りながら、耳をくすぐるいやらしい音を立てる。少女ふたりも自分達のしていることに体を火照らせ、きらきらと蜜が滴る太ももを、恥ずかしそうにもじもじと動かしている。

 

 ちゅるるる    ちゅっ      くにゅくにゅ     ちゅぶっ

      れろれろ   チュポチュポ      ねろぉぉん    もぎゅ

 

 口の周りをよだれでべとべとにしながら、一心不乱に奉仕するふたりの少女。顔が赤いのは行為に酔っているのからか、美味しい酒を味わっているかのようなうっとりした表情をしている。

 

 「んっ…ちゅばっ…んむっ…んっ…ぷぁぁ。コウさまぁ、わたくし我慢できなくなってきましたわ」

 

 「ちゅぽっ…はふぅ。こらセルフィ、約束忘れてへんやろな?」

 

 「くぅっ…そうでしたわね」

 

 コウのモノを白い指で上下にゆるゆると擦っていたセルフィは、ファーの言葉に寄せていた体と手をしぶしぶはなし、ベッドの端へと腰を下ろした。

 

 「コウ…前戯なんてせーへんで思いっきり突っ込んでえな」

 

 ちゅっと頬にくちづけをしてコウの上に馬乗りになり、ファーは自分の下腹部に当たっている熱いモノを、細い指で自分のびしょびしょになった秘所へと誘った。

 

 ニュプゥゥゥゥ

 

 「あふぁぁぁ…奥に当たってるぅ…」

 

 コウのモノを根元まで飲み込んだファーの蜜壷から、湧き水のように蜜が溢れ出る。

 

 普段よりも興奮しているのだろう、ファーは口の端からよだれを垂らすほどに快感を感じていた。

 

 じゅぷっ、ぬぷっ、ぐぽっ、にゅちゅっ、くちゃっ

 

 ファーの柔肉の壁を走り、難なく蜜壷を出入りするコウのモノ。パンパンに充血したそれにヌラヌラとまぶされた蜜はふたりの腰が動くたびに増えていき、吊り下がった袋を伝ってシーツに染みを広げていく。ふたりの肌に浮かび滴る汗は、熱さのせいだけでは無いだろう。

 

 

 「ファー、本気で行くぞ」

 

 コウはファーの丸いお尻をわしっと掴み、暴れ馬のように下からモノを何度も何度も突き上げる。

 

 ズチュ、ズニュ、ズチュ、ズチュ、ズニュッ、ズチュッ

 

 「あっ!あっ!あっ!あひぃぃ…すごぃぃ!」

 

 「ファーさん、気持ちよさそうですわね…」

 

 愛しいコウに愛され、汗を飛び散らせながら人目もはばからず快感の声を上げるファーに、蚊帳の外のセルフィは羨ましいような憎らしいような、複雑な気持ちが湧き出してきた。

 

 「あんなに…激しく…」

 

 ふたりの交わりを見つめるセルフィは、知らず知らず自分の右手を秘所に伸ばし、左手で胸をわし掴みした。

 

 チュク…チュポ…ヌチュ…クチクチ…グニュ

 

 「ん…ふっ…はぁん…あふぅ…」

 

 何も知らない者が見たら目を回してしまうだろう、快感をむさぼる3人の男女のひどく背徳的な様。

 

 器量が良くさっぱりとした性格で評判なよろず屋の娘が、男の上で足を広げて、クチャクチャとはしたない音を立てながら腰を振る姿。魔物使いとして広く名声を得た少年が、腰を振り続ける娘を見上げながら心地よいぬかるみに杭を打ちつけ続ける姿。街中の青い男達から愛の花を手向けられるロード家の娘が、ふたりの交わりをオカズに自分を慰めている姿。

 

 浅い眠りの中での出来事かと、思わず頬をつねりたくなるその光景。だが、耳に響く粘着音と肌のぶつかり合う音が、鼻をつく性の匂いが、否が応にも見るものを現実へと押し返す。

 

 「あぁ…はん!あくぅ…コウ、アタシもう…あかん…」

 

 「俺もそろそろ…」

 

 うつろな声で言葉を紡ぐファーと同じように、コウもまた考え無しに腰を動かし続けたため、そう遠くないところにゴールテープが見えてきた。

 

 「んっ!あっ!ふぁ!ひぁぁぁ!」

 

 ビクンと背を仰け反らせて、体を小刻みに震わせ絶頂に達したファー。その瞬間、締まりのいい蜜壷がコウのモノを殊更強く締め上げた。

 

 「くっ…ファー!」

 

 ニュポン

  ビュッ!ビュビュッ!ビュッ…ピュ…

  ビチャッ!ピチャ…てろぉぉ

 

 間一髪、コウは達する一瞬前に自分のモノを密壷から引き抜いた。それを皮切りにびゅるびゅる放たれる樹液が、上から見下ろしているファーの小麦色のキャンパスをみるみる白く染め上げていく。

 

 のど、胸、お腹と、あちこちに勢い良く飛び散る白い液。熱くて粘っこい液を体中に浴びたファーは、コウの傍のシーツにゆっくりと体を沈めた。

 

 「くふぅ…んん…はぅ!きゃふぅ!」

 

 ビクン!ビクッ…ピク… ギュゥッ…

  こぷっ…トロッ…

 

 ふたりが達して程なく、セルフィは自分の胸のふくらみを形が変わるほどに握り締め、声を上げて腰を震わせた。ピンクの蜜壷から透明な蜜がどっと溢れ出ると、彼女もまた、シーツに体を預けた。

 

 はっ…はっ…はぁ…っ…はぁ…

 

 空が陽光で満たされた昼の頃。性の香りで一杯になった室に響く、3人の息遣い。

 

 絶頂の余韻に浸っているのか、それとも行為の後の気だるさからか、しばらくは誰も、声を発そうとはしなかった。

 

 

 

 その夜

 

 「コウ様ぁ〜、もっと激しくしてくださいませぇ〜!」

 

 「セルフィ…さすがに俺も辛くなってきたぞ…」

 

 「ああん、まだ6回目ですわよ?夜はまだまだこれからですわぁ」

 

 「うう…すばらしい悪夢だぁぁ!!」

 

 昼間おあずけを食らったせいだろう、セルフィは普段に輪をかけて情熱的に求めてきたとか…

 

 おしまい

 


解説

 そこはかとなく人気のあるセルフィさんと、個人的に好きなファーさんに花を持たせてみました。楽しく書けましたが、内容がテンションのそれと伴なっていたか、不安ギトギトです。

 

 またそのうち、お目にかかれればなあ・・・と。

 


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