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サラダ
家鴨/文


 「行ってらっしゃいませ。旦那様。奥様」

 深深とお辞儀をして、それぞれ別方向へ走り去る2台の車を見送った。

 既に、一粒種の広樹様も学校へお出かけになったし、あとは午後に庭師の高さんが来るまでこの広い家に私一人。

 3時までの間に、21室あるお部屋の掃除を終わらせておかないと。

 ピタン、と両手で頬をたたいて、気合を入れる。

 

 2階奥の客間から順番に、床の掃除機掛け、棚や調度品の拭き掃除、ベッドメイキングと全ての部屋の仕事を済ませると、丁度時計が1時を指した。

 台所へ行き、簡単な昼食を摂る。

 勝手に冷蔵庫を開けて何か食べることにもやっと慣れた。

 そもそもこの家の人が自分で冷蔵庫を開ける事はほとんどないのだし、もし開けたとしても昨日と今日で何と何の食材が減っていて、また増えているかなどわかりはしないのだ。それでも、冷蔵庫を勝手に開けて――承諾を得るべき人はみな出かけているけど―― 勝手に食物をあさる行為は、なかなか慣れることができなかった。料理番の房江さんにもよく笑われた。

 後片付けを終えると、また掃除の続きにかかる。

 広い廊下に掃除機をあて、玄関は水を含ませた新聞紙をまいてから掃き清める。

 最後に、洗面所と風呂場を磨いた。風呂場の大きな窓の向こうに高さんが見えたので、会釈する。向こうが気づいたかどうかはわからないが。

 浴槽を磨きながら、ここで働いた3ヶ月のことに思いをはせた。

 短大を出て1年半。1年の間、メイドとしてのスキルをたたきこまれたものの、これほど経験のない、若いメイドを雇ったこの杉原家、慈善家なのか、豪胆なのか。私の見たところ前者だが、それでも雇っていただけたのはありがたかった。住込みで3食付きというところは、このご時世あまりない。ここを辞めるわけにはいかない。辞めさせられるわけにもいかない。仕事は、迅速丁寧にこなさなければ。

 最後に、台所の片付けもさっとしておく。台所は房江さんの管轄だ。

 その房江さんが来るまで、あと1時間。房江さんがくれば、買い物や手伝い、広樹様のお迎えなど忙しくなるので、少し休憩することにした。

 

 使用人部屋へ戻る。使用人部屋、といってもユニットバス・トイレつきで、ちょっとしたワンルーム気分。汗を吸った紺色のメイド服一式を脱いで、洗濯カゴへ入れた。

 シャワーの蛇口をひねると、最初の数秒、冷水が体にかかった。体中の毛穴がぎゅうっと締まる感覚が好きで、いつも温度調節しないままシャワーの下に立つ。ざっと汗をながし、顔を洗う。

 手早く体を拭き終えると、裸のままで下着を取りにいった。

 まずガーターベルトを腰につけ、レースに縁取られたストッキングを足に纏わせる。さらに白いセットアップの下着を身につけ、ハンガーにかかったワンピースを着た。白いエプロンをつければ完成だ。

 ワンピースの袖ボタンをつけているとき、部屋がノックされた。房江さんかしら。

 「早坂・・さん?」

 広樹様だ。いつもよりお帰りが1時間も早い。慌ててドアを開けた。

 「広樹様。御帰りなさいませ。お迎えもせず申し訳ありません」

 「それは構わないよ。今日、急なパーティーが入ったらしくて、二人とも帰らないんだって。

 だから房江さんも呼んでないから。夕飯、オムライス作ってくれる?」

 彼は今年大学に入ったばかりだから年下のはずなのに、兄がいたらこういう笑みをするんだろうか、という笑顔をくれた。

 「はい。わかりました。今から買い物に参りますが、何か必要なものはございますか?」

 「そうだ。俺、カイワレ大根のサラダが食べたいんだった。カイワレ買ってきて」

 「かしこまりました。」

 その時、いつもと違う笑みを浮かべた広樹様を、不審に思うべきだったのだろうか。

 

 

 

 「俺、割とすぐサラダ食べたいんだよ。作ってくれる?」

 買物から帰ってきて、広樹様の第一声がこれだった。

 「かしこまりました。出来ましたら、お部屋までお持ちしましょうか?」

 「いや。かまわないよ。食べに来るから」

 背を向けた、おそらく自室に戻るのだろう広樹様を見送って、台所に入る。

 カイワレのパックを開けて、根を切りとり、小分けにして洗う。洗ったものはザルへ。

 これだけだとあまりに寂しいので、レタスを冷蔵庫から出し、手でちぎる。確か頂きもののハムもあったはず・・、ふりかえろうとした時、後ろに気配がした。

 「広樹様・・?」

 「カイワレ、ちゃんと洗った?」

 広樹様はぴったりと私の背中にくっついて、肩に頭を乗せ、耳もとで声をだした。声と同時に生暖かい息が、耳にかかる。

 「はい。もう少々お待ちくださいませ」

 意外な行動に驚きながら、失礼にならないように体を前に傾けて離れようとしたが、広樹様は却って体を密着させてきた。

 「お皿の用意、手伝わせて」

 「そんな。とんでもありません。広樹様はおすわりになっていて下さい」

 「俺がしたいんだよ。とっておきのお皿だから」

 言うが早いが、広樹様の左手がエプロンとワンピースの間に入ってきて、胸をつつみこんだ。

 「・・!」

 びっくりして広樹様の顔を見るが、相変わらずにこにこと笑っているだけ。そして右手は、スカートをたくし上げている。

 「セクハラ」とか呼ばれるそのような行為を強要されたときにはどうすればいいか、護身術程度はメイド学校で習った。でも、このにこやかに笑うひとには、何をしても通用しそうにない。一瞬で、そう悟った。

 驚いて対応に逡巡している間も、広樹様の右手はスカートの中に入り、太腿をなでたり、下着の上に手をあてたりと行為をエスカレートさせていた。左手もあいかわらず胸をこねくりまわしている。

 どうしていればいいのか、広樹様はどこまでしようとしているのか、考えることばかりで頭がショートしそうになる。水道の水が出っぱなしなのが、頭の隅で、気になった。

 「ね、カイワレ持って、食卓に来て」

 広樹様の両手がひいた。

 「はいっ!」

 必要以上に大きな声で返事をしてしまい、慌てる。

 

 食卓につくと、広樹様が待ちわびたような顔で見た。さっきのは、サラダができるまでの退屈しのぎだったんだろうか。だとしても、いたずらが過ぎるような。

 訝しげな顔をする私に新たな命令が下った。

 「ここに、寝て」

 広樹様が指差すのは、食卓の上。

 「ちからづくでは、したくないんだよ」

 にこやかに微笑む顔が、すこしゆがむ。

 その様子が痛々しくて怖くて、カイワレを机の端に置くと、椅子に乗って机に座った。そのままごろりと横になる。

 足を持たれた。

 そのまま足を引っ張られ、腰を広樹様の目の前まで移動させられた。足も120度開かれる。恥ずかしさのあまり、40度も熱が出そうだ。

 「広樹様・・」

 できることならこれで勘弁してもらいたい。そう気持ちをこめて名前を呼ぶ。

 「お皿は黙ってて」

 ・・・お皿?私が?

 「そう。俺専用のお皿」

 動転して、思ったことをそのまま口に出してしまったらしい。広樹様に答えさせてしまった。もう後戻りできない。お皿になるしか、ない。

 広樹様は私のスカートをお腹まで捲り上げ、下着を脱がせた。ガーターベルトとストッキングだけの足を晒す私。

 広樹様に視られている。広樹様の指で広げられている。恥ずかしさの熱で、燃え尽きてしまいたい。消えてしまいたい。

 

 つぷっ・・・

 

 何かがナカに入ってきたのがわかった。でもか細くて、すぐ感触は消えた。

 つぶ、つぷ、つぷ・・・・

 次々に同じものが入ってくる。か細いものが、膣壁を引っかく。まさか。

 「広樹様・・・まさか・・」

 「俺、カイワレのサラダが食べたいって言ったよね。こうすると、美味しいんだ」

 そう言いながら、広樹様はどんどんとナカにカイワレを埋めていく。

 か細いカイワレが、なかに詰込まれる。ピンピンとはねた軸が、なかのあちこちを刺激する。強い刺激ではなく、心もとないような微かな刺激。

 「じゃあ、いただきます」

 お行儀よく手をあわせているんだろう、広樹様の声がして、カイワレが何本か、引きぬかれる。

 「ひぁっ!」

 ぞくりと背中を駆け上がる感触に、思わず声が上がった。頼りない刺激でも、それが20にも30にもなれば別だ。

 1本ずつ、あるいは5本くらいまとめて。食欲旺盛に、広樹様は次々とカイワレを食べていく。カイワレの軸はナカで自在に曲がり、思いもよらない方角にいきなり刺激が加わる。声を出さないよう唇を噛むのが精一杯。

 「ああおいしかった。これで、終わりかな?」

 終わったのか、とため息をついたとたん、広樹様の指が中に入ってきた。

 「もうないかな?」

 なかをぐちゅぐちゅとかき混ぜる。水音が響く。いつのまに、あんなに濡れていたんだろう。さらに頬が熱くなる。

 さらに親指で陰核を刺激される。こんなところを広樹様に見られて。とろりと、ナカから蜜が生み出された。

 広樹様が指を引きぬいて、お行儀悪いけど、と指を舐った。

 「小町のは美味しいね。カイワレによく合う」

 「広樹様・・・お許し下さい・・」

 これ以上されたら、ねだってしまいそうだ。使用人風情が。

 これ以上されたら、一人では満足できない、きっと。

 「お皿が口きいちゃだめだよ・・・・あ、折角のドレッシングが零れそう」

 口をつけ、じゅる・・・っと吸い上げる音がする。恥ずかしい。でももっとして欲しい。手が広樹様の頭を抑えつけようとするのを必死でこらえる。

 「やぁっ・・」

 ベロリと舐めあげる広樹様の舌に、声が漏れてしまう。襞が軽く、ひくついたのがわかった。

 「よし、ごちそうさま」

 すべての行為が急に止んだ。

 おずおずと起き上がって広樹様を見ると、備え付けのナプキンで手と口をぬぐっていた。視線に気づいた広樹様がこちらを見る。

 どきん。

 心臓が高鳴った。

 「美味しかったよ。じゃあ」

 背を向けて行こうとする背中に。

 「広樹様・・・・!」

 恨みがましい声だっただろうか。

 何?、と広樹様が振り向いた。

 

 何を言うつもりだったんだろう。

 もっとしてください、とでも?

 最後までイかせて欲しい、とでも?

 あたしのいやらしいところにぶちこんでください、とでも?

 そんなこと言える筈もないし、口に出せる勇気もない。

 でも広樹様はまだ私の言葉を待っている。

 言葉にする勇気がまだでないから、私は黙ってスカートを腰の上まで持ち上げた。太腿が蜜でてらてらと光って見えることだろう。

 「広樹様・・・切ないんです・・・・私・・わたし・・・・埋めて・・ほしくて・・・」

 「ダメだよ。俺これから課題しないと。一人で慰めてれば?」

 その時目の前に鏡があれば、もの欲しそうな目と唇で広樹様を見つめる私が見えたことだろう。

 「広樹様ぁ・・・」

 もじもじと腰をくねらせる私に一瞥をくれた後、広樹様は階段を上っていってしまった。

 

 この日から、広樹様を見る私の目が変わった。

 私は広樹様に溺れている。いつか犯されたい、めちゃくちゃに。壊れるまで。

 

 

 

 

 あれから3回、私は広樹様のお皿になった。

 熾火のようにくすぶりつづける躰に、熱が蓄積されていく。

 一心不乱に仕事をしている時だけは、広樹様のことを忘れていられるので、私は一層、仕事に励んだ。磨くべき靴の一足も、鍋の一つも、ガラスの一枚も残らないほどに。そのことで奥様にお褒めの言葉をいただいたけれども、少しでも長くこの家で使ってもらえるようにしただけだ。広樹様から離れて働くなど、考えられない。

 そして4回目のお皿を勤め上げた日の夜は、既に何の仕事も残っていなかった。朝の時点で、この日の夕方から旦那様と奥様は二泊の旅行に出ることを聞かされていた。

 また、お皿にして頂けるかもしれない。

 もしかすると今日は、それ以上の事をして頂けるかもしれない。

 ともすれば期待に腰をくねらせてしまいそうで、いつも以上に集中して仕事を終えてしまったからだ。

 

 体の奥に残った火が、頭の中まで焼き尽くそうとしていた。

 

 ――なんでもっと早く、こうしなかったんだろう。

 

 深夜。私は広樹様のお部屋の前に立っていた。広樹様の部屋に鍵はついていない。

 カチャ・・・

 気をつけてノブを廻したはずなのに、思ったより大きな金属音が響いて、一瞬身を潜ませる。

 幸い、広樹様はよく御休みになっているようだった。軽い寝息が聞こえてくる。

 私は後ろ手に扉を閉め、手早く全裸になって脱いだ服をまとめた。

 お寝みになっているとはいえ、広樹様のお部屋で、広樹様を目の前にして服を脱ぐという行為に、私の心は疼いた。乳首がピンと勃ってしまっている。

 広樹様を起こさないように、そっと上掛けの端をめくってベッドにもぐりこむ。熱く火照った素肌に、すべらかでひんやりしたシーツが心地よい。

 そのシーツが私の体温で温まったころ、私はおそるおそる、広樹様の手を取ってみた。その掌を、自分の胸にあてる。

 ほとんど泣きそうになった。待ちわびたその手に。

 痛いほど尖りきった乳首も、広樹様の掌にその形をかえ、吸いついた。

 「はぁあっ・・・広樹様・・・っ」

 声が漏れてしまう。

 起こしてしまったらどうしよう。どうか起きてくれないだろうか。矛盾する想いが錯綜した。そしてそのある種背徳的な想いが、快楽への歯車を大きく回す。

 触れもしないうちから核のあたりがじんじんと痺れていたので予想はしていたが、ソコはえっちな汁でべたべたになっていた。

 胸にあてていた広樹様の手をとり、足の間へ持っていこうとしたその時。

 「何してるの?小町」

 「・・広樹様っ」

 私は慌てて広樹様の布団から飛び出した。頭を下げて、言葉を待つ。

 「小町。俺明日も学校があるんだよね。出てって」

 我慢できずに、指を二本、ナカに埋めた。ぐちゅぐちゅと湿った音をたてて、かきまわす。

 「お願い・・です。イカせてください・・広樹様の・・・挿れてください・・・広樹様・・もう耐えられないんです・・」

 「俺、眠いんだよ。練習で疲れてるし」

 あ、そうだ、と広樹様はサイドボードの引き出しに手を伸ばした。

 「これ、小町にあげる。俺だと思って、存分に使って」

 私が茶色い紙袋を受け取ると、広樹様は背中をむけてまた布団にもぐりこんだ。

 裸のまま、紙袋と服を持って自室にさがった。

 

 ベッドにへたりこんでから、紙袋をあけてみた。中には、ピンク色をした棒のようなものと小さな箱が入っていた。ピンクの棒を取り出す。それは男性器をかたどったバイブレーターだった。

 これを、広樹様と思って・・・?

 いつのまにか口の中につばがたまっていて、それをゴクリと嚥下した。

 箱の方は?箱には、ON、OFFをきりかえるスイッチと強弱を調節するダイヤルがついていた。何気なくスイッチをONにしてみる。

 ヴイイイイイィィィィ

 ベッドの上に投げ出されていたバイブが狂ったようにはねだした。円を描くようにぐねぐねと蠢くその姿に、しばし見とれる。

 これが、広樹様・・。

 暴れるものを手にとって、亀裂にゆっくりと近づけた。先端がぐにぐにと小町の亀裂と核をこねまわす。

 「あはぁっ・・広樹様ぁ・・・挿れて下さい・・・」

 しかし、大きく動くバイブは、ナカに射れようとしても体をよじって逃げてしまう。もどかしさに耐えきれなくなってスイッチをオフにし、改めて先端をナカにうずめた。ひやり、とした感触に思わず背筋がふるえる。

 「広樹様のが・・・・入ってくる・・っ。キモチイイ・・です・・・ああ・・っ!」

 それでも充分に潤ったナカは、難なくバイブを受け入れ、さらに奥へ誘いこもうとするように蠕動するのがわかった。

 「やは・・っ、大きい・・広樹様・・スゴ・・イっ・・」

 

 ぐちゃっ・・・ぐちゃっ・・・ぐちゅり・・

 

 目を閉じたまま、夢中でバイブを行き来させる。

 「広樹様ぁ・・もっと、もっとしてっ・・・っ」

 あいた左手でリモコンをさぐり、スイッチを入れた。

 最大パワーで動き出したそれは、体を裏返すかと思うほど強く、激しくナカを蹂躙する。あまりの快感に脳が痺れ、インパラ並の瞬発力で絶頂に達してしまう。それでもバイブの勢いはもちろん止まらず、ナカを暴れつづけた。

 「ひああぁっ・・広樹様ぁ・・・だめ、もう・・・だめぇっ・・!」

 あるだけの意識を集中させて、バイブをナカからひきぬいた。くあっ・・と嬌声をあげてしまう。バイブと小町の間を、白い粘つく液体がつないで―――切れた。

 そこで意識は途絶える。

 

 

 

 翌朝。赤い顔で朝食の用意をする小町の姿があった。

 先刻広樹様を起こしに行った時、朝はトーストにすると指示があったので、つくりおきのコーンスープをなべで温めることにする。同時にブロッコリーを茹で、バターをたっぷり使ったチーズ入りスクランブルエッグも作る。半熟より少し固めに。塩は少なめ、黒胡椒は多めに。

 以前から覚えていたけれども、今朝は特に、広樹様の好みに合わせて朝食を作れることが嬉しくて、足が震えた。すべての食事を並べ終わったとき、制服に身を包んだ広樹様が食堂に入ってきた。

 「おはよう。小町・・・・。イチゴジャム、ある?」

 「食卓に用意してあります。塗りましょうか?」

 二人だけのときは、いつも広樹様は名前を呼んでくださる。そのことに小さな絆を感じた。

 「お願いしようかな。小町の、指で塗って」

 「・・かしこまりました。少々、お待ち下さい」

 ジャムの瓶を取る前に、私は広樹様の前に、昨日頂いたリモコンを黙って置いた。それからおもむろに瓶の中に指をつっこみ、イチゴジャムをすくいあげてパンに乗せた。

 広樹様はリモコンを見ると、パンにジャムを塗っている私の後ろに立って、スカートをまくりあげた。おなかにキュっ・・と力が入る。

 広樹様が下着のわきから指をいれて、ナカに埋まったままのバイブを途中まで、ずるりとひきぬいた。

 「あっ・・・広樹様ぁ・・」

 「俺と片時も離れたくないの?淫乱で欲張りな小町のここは。」

 広樹様が乱暴にバイブをナカに押しこんだ。

 びくびくびくっ・・・ひざががくがくする。

 でも、初めて、広樹様の手でイカせていただいて、頬が上気するのがわかった。

 「広樹様。トーストの用意ができました」

 ジャムのついていない左手で皿を持ち、広樹様の前にトーストを置いた。

 「小町。右手ちょうだい」

 その命に、右手をさしだす。人差し指と中指にジャムが付着して、べたべたと光っていた。

 広樹様は、舌でジャムを舐めとりはじめた。

 「広樹様っ・・」

 反射的に手を引いたけれど、広樹様の手からは逃れられなかった。人差し指の根元から指先まで一息に舐め上げ、中指と一緒に口に咥えこみ、舌全体を指に這わせる。

 目を離さずその様子に魅入っている小町を眼の端に確認すると、広樹様はリモコンを手に取り、スイッチを入れた。

 ヴィィィィィ

 「やはっ・・広樹様が・・・ナカで・・・っ・・」

 とうとう立っていられなくなって、食卓の下にへたりこむ。広樹様の口から、指がつるりと抜け落ちた。

 「はぁっ・・・広樹さまぁ・・・イイ・・です・・ぅ・・」

 広樹様が急にバイブを強くしたり、弱くしたりしてくれるので、私は広樹様の足元で思うさま乱れることが出来た。広樹様は私の心の中にも目をもっているようだった。絶頂が近づくと動きを弱くし、わたしはなかなかイくことができなかった。

 「広樹様ぁ・・・お願いです・・もっと・・・・」

 おねだりをしたのが悪かったのだろうか。広樹様は急にスイッチを切った。

 

 「小町。ごちそうさま。片付けといてね」

 食事が、終わったのだ。広樹様が仕度をする間に、お皿を洗っておかないと。お見送りを、させていただかないと。

 よろける腰で立ちあがり、食器を台所に運んだ。

 「小町、行ってくるよ」

 玄関で、広樹様の声がする。慌てて扉まで走った。

 「行ってらっしゃいませ。広樹様、お気をつけて」

 頭を下げて、広樹様を見送る。

 また一人で、仕事をする時間が来た。

 

 

 でも、今日からは、私の中に広樹様が埋まっている。

 

 終

 


解説

 はじめまして。家鴨〔あひる〕と申します。

 エロは初めてに近い状態で書いたのですが、いかがでしょうか。

 ご主人様がメイドごときに簡単に腰ふっちゃ駄目だろう、という信念のもと、挿入はなしです。

 いつか繋げてやりたい、とは思っていますが。

 ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました。

 感想やアドバイスなど、お待ちしています。

 


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