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エンジェリック・レイヤー・あだると 瀬戸林子
斉藤 一/文


 「…だるい」

 朝一番、ベッドの上に体を起こしてアタシはつぶやいた。

 時計を見ると、七時半をすぎていて、今日の試合会場には八時半には家を出ないと間に合わない。

 だるい体を無理に動かして、ベッドを出る。

 シャワー、朝食、身だしなみ、エトセトラエトセトラ…。

 だるさに対してあまりシャワーの効果はなかったけど、支度をしているうちに段々と鬱の部分が減ってきたみたい。

 気分の切り替えが巧くないと芸能界ではやっていけないから、プライベートでもそうあるようになっちゃった。

 あ、自己紹介してなかったね。

 アタシ、瀬戸林子。十四歳の現役女子中学生アイドルにして、エンジェリックレイヤーの花形プレイヤー!

 …って言いたいけど、仕事の関係であんまり出場できないんだねぇ。

 事務所の方も『プライベートでの事だから出場するなとは言わないが、その代わりに、必ずマネージャーに同伴して貰う事』だなんてうるさいから、ついつい無断で出場申し込みしちゃうんだ。

 もちろん、ばれたらあとで思いっきり怒られるけど、仕事に穴をあけたことはないからね。

 だって、完全にプライベートな所へ入ってくるんだよ?

 誰だってそんなの嫌じゃない。

 かといって出場しないってのは逃げるみたいで嫌な選択だから、迷惑にならない程度に気をつけて自分で全部済ましちゃうわけ。

 おっと、あんまり時間に余裕がなくなってきちゃったから、用意しながらでいいよね。

 …えーっと、何まで言ったっけ。

 そうそう、出場申し込みしちゃうところまでか。

 たまに主催者側から確認の連絡が入ったりする事もあるんだけど、あくまでも個人的な出場なんだからと言う事を説明して、納得して貰う。

 たま〜に『混乱の原因になるかもしれないので』という理由で断られる事もあるけど、人気商売をしている以上仕方のない事だと思ってあきらめる事も。

 だから、久しぶりに出場する今日は、すごく期待が大きい。

 だって、本当の意味での友達に会えるから。

 しばらく前の大会で友達になった『みさきち』は、小さい体でがんばる女の子で、試合はアタシが負けちゃったけど、全然くやしくなかった。

 またいつか試合しようって約束したけど、残念ながらまだ再戦ははたせていない。

 圧倒的に練習量が足りないから、全国大会に優勝しちゃったみさきちと戦うにはアタシはまだ力不足。

 ホームレイヤーセットの購入を真剣に考えていたりもしてるんだけどね。

 ま、それはいつかの話として。

 さぁ、今日も頑張って勝つわよ!

 それから四十分くらいですっかり用意が調うと、家中の戸締まりを確認し始めた。

 今日は両親とも小旅行にいって、誰もいない。

 いまさら伊豆や鎌倉を巡ったところで、私はおもしろそうとも思わないんだけど、二人にとっては思い出のコースらしくて、昨日の夜から張り切って出かけていった。

 アタシも好きなひとができたりしたら、そんなふうに思えるようになるのかな?

 

 …やっぱり、お腹が少し重い。

 といっても、朝食を食べ過ぎた訳じゃない。

 理由はちゃんと分かってる。

 もちろん便秘でもない。

 そりゃ、たまにはなるけど。

 いや、ちがう。こんなコト言わなくていい。

 …。

 えーと…。

 その…。

 …。

 あー、もう。言うわよ、言えばいいんでしょ。

 …生理。

 生理が原因よ。

 あ、でも、二日目で重いとかってんじゃあないわよ。

 元から重い体質だけど。

 生理を理由にコンサートや番組収録に穴を開けるわけにはいかないんで、事務所の指示で、アタシはピルを服用している。

 本当は未成年に飲ませるのはあまり良い事ではないらしいんだけど、事務所がいろいろコネのきくところを紹介してくれたので、なんとか処方してもらえた。

 おかげでコレを服用している間は赤ちゃんが出来にくくなるんだけど、そもそも、重い生理痛の治療が一番の目的なので、避妊効果は単なるオマケみたいなものだ。

 しっかり処方してもらったおかげでたしかに効果はあって、今までの重い症状が嘘のように軽くなり、普段の生活にも仕事にも差し支えなくなった。

 でも、いくらピルを飲んで生理をある程度コントロールしていても、性欲までコントロールできる訳じゃないからねぇ。

 たま〜に身体が熱くて眠れないときなんかは、気の済むまでオナニー猿になってしまって、朝まで一睡もせずにしたコトもある。

 次の日は学校だったけど、おかげで眠くて居眠りばっかしてたっけ。

 あのときは前の日の仕事が遅かったせいにしちゃって、周りにはごまかしたけど、誰もアタシがオナニーで徹夜してるなんて思ってないだろうな〜。

 あ、そろそろ行かないと。

 じゃ、行ってきまーす!

 

 会場は独特のにぎわいで包まれていた。

 アタシはこの空気が好きだ。

 コンサートやライブで歌うのとは違う熱気が私の裡からも出ている。

 出場選手は勿論、観客までもが一体になって参加するのがエンジェリックレイヤーの魅力のひとつだ。

 だから勝敗にはあまりこだわらない。

 まだ初心者だったみさきちに負けたときも、悔しいと思うよりもいい勝負ができたと思った。

 おかげで彼女と友達になれたし、光速の鈴鹿を操る小林鳩子のお兄さん、虎太郎くんとも、その幼なじみの木崎珠代ちゃんとも友達になれた。

 楽しみは勝つ事だけじゃない。

 だからエンジェリックレイヤーは止められない。

 なんて思って今日も頑張って参加するのだ!

 で、今日の途中経過、ほ〜こく。

 初戦は結構あっさり勝てた。

 ランガの風はみさきちに見破られて以来、そこそこの腕を持つ選手なら簡単にかわしてくれるようになったので黒星が続く事もあったのだけど、初戦の相手は残念ながらそこまでのレベルに達していなかったみたいで、かなりまともにヒットしてレイヤーに沈んだ。

 すまない、これが勝負なんだよ…なんちゃって。

 第二試合は結構辛かった。

 今もいったけど、何しろ風のきかない相手はフェイントを多用しないとポイントが奪えない。

 結局、タイムオーバーになるまで戦って、僅差でアタシは勝つ事ができた。

 第二試合が終わって、次の試合は午後だった。

 選手控え室にいって少し変装して(髪にちょっと手を入れるだけでも結構ごまかせるというのを最近ようやく知った)会場内をぐるぐると散歩して気分転換。

 あ、でもその前にトイレに行って来よう。

 

 …。

 エントランスやホールを回った後、スタンドのすみに上がって見知った顔はないかと周囲を見渡す。

 誰かいないかなぁ…。

 …。

 あ、虎太郎くんみっけ。

 相変わらず鳩子ちゃんにこき使われてるみたい。

 ひとしきり虎太郎くんは鳩子ちゃんの言う事をきいていちいち頷き、控えに去っていく彼女を見送った。

 幼稚園児にあごで使われる中学生ってのも、なかなかおもしろい見物だわ。

 あ、今度は隣のアクティブな女の子に首を極められてる。たしか、幼馴染みの珠代ちゃん…だったっけ?

 みさきちはいないみたいだけど、二人っきりでいても幼馴染み以外の何ものでもないわねぇ。

 兄妹にも見えないし、ましてや恋人同士には絶対に見えない。

 …そうだ、彼を誘っちゃおうかな?

 彼なら真面目で口が硬そうだし、ちょっとくらいなら無理なお願いも聞いてもらえそうだし。

 …。

 よし、決めた。彼を誘っちゃおう。

 それに、彼は選手じゃないから、時間を気にせずにいられる。

 ま、アタシはまだ試合があるけど、どうせ昼からだし。

 さっき奥のフロアで見つけた資材倉庫への道筋を思い出しながら、アタシは二人に近づいた。

 

 「や」

 「…?」

 いきなり声をかけたアタシに二人は同時に身体を止めた。

 その姿勢のまま(つまり、首を極めたままってコトね)まじまじと見つめてくるけど、誰だか判らなかったらしい。

 「アタシよ、ア、タ、シ」

 「あ、り、りん…むぐ」

 名前を呼びそうになった虎太郎くんの口をあわてて両手で塞ぎ、アタシは小さく耳元で囁いた。

 「ね、虎太郎くん。ちょっとお願いがあるんだけど…頼めるかな?」

 「いいよ、虎大郎ちゃんでいいならいくらでも使っちゃって!」

 そう言うと彼女は虎太郎くんをぽんと私の方へ押しやった。

 「え!? あ、わぁ!」

 極められていた首をいきなり外されて突かれた虎太郎くんは、バランスを崩して私に倒れ込んできた。

 ぽすっ。

 って音といっしょに私の胸に顔を埋める虎太郎くん。

 ワァオ、おとなしいフリして、けっこう大胆なのかも。

 …なんていってる場合じゃない。

 大声を出されたりして騒ぎにならないうちに、顔を真っ赤にしている虎太郎くんの腕を取ると、珠代ちゃんに手を振って私は駆け足でそこを離れた。

 「がぁんばってねぇ!」

 …何をがんばるというのか。

 勿論、神ならぬアタシに判るはずもなかった。

 

 「こっちよ」

 「え? ここって…」

 「ほら、さっさと入る!」

 訝しがる虎太郎くんの背を押して、倉庫の中へ二人ではいる。

 照明のスイッチは一部しか入ってないから、昼間なのに薄暗い。

 換気扇は回っているけど、地下に作られているせいでほとんど空気が循環しないから、埃っぽい匂いが鼻を突く。

 一瞬、違う場所の方が良かったかなと思ったけど、いまさら新しい場所を探すには時間が足りない。

 ちょっと考えて、変化球よりも直球勝負で行く事にした。

 「…ねぇ、虎太郎くん。エッチな事って興味、あるよね?」

 「え!?」

 目を白黒させる虎太郎くん。でも、彼を一気にその気に持っていかないと…と思っていたら。

 「…林子ちゃんは俺にどうさせたいの?」

 逆に質問してきた。

 あ、意外に肝が据わってるのかも。

 それとも何にもわかっていないとか…まっさかぁ。

 「うーん…。虎太郎くんは言いふらしたりしないと信じて話すね」

 アタシは側にあったカバーの下からパイプ椅子を取り出して座ると、大きく深呼吸した。

 虎太郎くんがアタシの正面、一メートルちょっとの所に立つ。

 その彼のつま先を見ながら。

 「アタシってほら、芸能界で仕事してるじゃない? だから恋愛事って基本的にダメなんだよね」

 嘘じゃないよ。

 二十歳をすぎたら少し落ち着くんだって言われたけど、逆に言うとそれまでは周囲が騒がしいってコトだよね。

 特に異性関係については芸能ゴシップ記者に絶対嗅ぎ付けられないように、とキツいお達しが事務所から出ている。

 事務所と家の往復は、絶対にお母さんかマネージャーの車か、最低でも同伴だし、少なくともデビュー直前のころから今まで、公認でひとりの外出なんてしたことがない。

 もちろん、オフの日に大会があったら黙って出ちゃうけどね。

 で。

 「芸能界に関係ない友達ってなかなかできないし、彼氏が欲しいなんて言ったりしたら、今よりも厳しくスケジュール組まれて自由が無くなっちゃいそうで…ね」

 「…それって建て前だよね? 俺は林子ちゃんがなにを『お願い』したいのかがが知りたいんだ」

 まどろっこしいことが嫌いなのか、ずばっと斬りつけてくる。

 なんだか初対面のときと印象が違うなぁ…。

 目つきだって違って見える。

 「う〜…ん。ゴメン、一分待って。考えをまとめるから」

 「…わかった。それじゃ、この中を一周してくるよ。その間にまとめておいてね」

 クルッと踵を返すと、虎太郎くんは薄暗い照明に照らされた倉庫内を歩き出した。

 言ったとおり、ブラブラとしてくるみたい。

 でも、考えをまとめるだけの時間、離れてくれるのは有り難い。

 人影が目にはいるとどうしても気になっちゃう性格だから…。

 よっし、じゃ、まとめるわ。彼も黙ってこんな暗いところに付いてくるくらいなんだし、見当ぐらいは付いてるはずよね。

 で、アタシとしてはまさか虎太郎くんがこんなに落ち着いた反応をしてくれるとは思わなかったからちょっと驚いたけど、これってもしかして好都合かも。

 少なくとも、虎太郎くんは乱暴そうじゃないし、どれくらいかまではわからないけど、少しは経験がありそうだし。

 だったら、そこをついてお姉さんぶったのもありカナ?

 さすがに最後までする気はないから、こっちがリードしておかないと暴走されたりしたら、それこそシャレにならない。

 初めてのときは…やっぱり、ね?

 …そうよ、アタシは経験無いわよ。処女よ、処女。

 安売りなんてしないんだから。

 よし、それじゃタッチまでならオッケーってことで、本番には勿論いかないように注意すること。

 たとえ彼が求めてきても、そこだけは絶対譲らないってことでキマリ。

 …もしかしたら今日だけで終わらないかもしれないんだし。

 

 そこまで考えがまとまったとき、後ろに人の気配が近づいた。

 「どう、考えはまとまった? 林子ちゃん」

 「勿論よ、虎太郎くん!」

 アタシは勢いよく立ち上がるとそのままくるりと振り返り、とびっきりのスマイルを彼に向けた。

 「エッチなこと、しましょ?」

 「それじゃあ、こっちに来てよ。いいものがあったんだ」

 虎太郎くんはすっと手を差し出すと、映画で見た執事さんみたいな身振りでアタシをエスコートした。

 …こんな仕草が嫌みにならない程度に決まってるなんて、さっきの首を極められてたときからは想像できないわ。

 もしかしたら、アタシはとんでもなく幸運な出会いをしたのかも!?

 そんな虎太郎くんに連れられて倉庫の奥に進んでいくと、少し開けたところがあって、硬そうだけど真新しい布が敷いてあった。

 その上どうやったのか、照明の角度もいじって少ない光が集まるようにさえしてある。

 「これって…?」

 「屋外用のテントだよ。まだ封を切ってない新品があったから、シーツ代わりにって思って」

 「積極的なのね」

 嫌みではなく呟いた。

 よくよく見てみると、長机や三人がけのパイプ椅子が脇にどけられて、セミダブルベッドくらいの広さを確保してある。

 しかも一番下に古いシートを敷いて、その上に適当な大きさに畳んだシートを敷いているから、思ったより硬くなさそう…。

 「気に入ってくれた?」

 「ええ…」

 アタシを即席ベッドに促す虎太郎くん。

 …って、いきなり彼にリードされてるじゃない。気をつけなきゃ。

 「どうしたの? やっぱり気に入らない?」

 「え!? あ、そんなのじゃないわよ。手際がよすぎるから感心しただけ」

 「よかった」

 靴を脱いでシートにあがると、虎太郎くんはなにも言わずにアタシを背中から抱きしめた。

 「あんっ! せっかちなのね、虎太郎くん」

 と思ったけど、違った。

 彼は胸を触らないよう、お臍の上あたりに手をあてがうようにしてアタシをゆったりとした感じで抱きしめてくれた。

 立ったまま背中から抱きしめて、そのままじっとしている虎太郎くん。

 「虎太郎…くん?」

 「もうちょっとこのままで…。林子ちゃんの体温を感じたいんだ」

 …。

 なんか胸の奥がきゅーんとした。

 ただ軽く抱きしめられているだけで、こんなに気持ちよくなれるなんて知らなかった。

 もちろん、単なる錯覚だとわかっている部分も頭のどこかにはある。

 けど…。

 「アタシも…。もう少しこのままで…ね?」

 そう言いながら首だけを虎太郎くんに向けると、いきなりキスされた。

 「!」

 でも、ちょっと唇が触れただけですぐに離れた、軽いフレンチキス。

 いきなりのファーストキスで驚いたけど、嫌じゃなかった。

 「驚いた?」

 「…うん。でも、嫌じゃなかったよ」

 「じゃあ、もう一回…」

 虎太郎くんは再び唇をアタシに押し当てる。

 今度はさっきより長い時間。でも、触れてるだけ。

 たっぷり三十秒は経ってから唇が離れる。

 「…はぁ…。虎太郎くん、キスうまいね」

 「え? そ、そうかな?」

 「アタシ、これがファーストキスだったんだよ? それなのに、こんな気持ちよく経験できるなんて思わなかったよ…」

 「あ…俺なんかが相手で…よかったの?」

 ちょっと驚いたみたい。でも、アタシは驚かすことができたので、ちょっとスッとした。

 「うん、こんなに気持ちよくしてくれるなんて思わなかったもん。アタシ、虎太郎くんがしてくれてよかったよ」

 抱きしめてくれている彼の手を取り、胸にあてがう。

 まだ成長途上だけど、カタチはいいって自分で思ってる、ちょっと自慢の胸。

 「!」

 「だから…ね? もっと気持ちよくして?」

 「うん、わかった…」

 背中からアタシを抱き締めた虎太郎くんは、優しくマッサージするように胸を揉みあげ、首筋に舌を這わせてきた。

 気持ちの良さに目を細めながらも虎太郎くんの指の動きを視線で追うと、すでに二つほどブラウスのボタンが外されているのが見えた。

 いったいいつの間に? と思うほど、彼の指捌きは優しく的確だった。

 ほんの数秒の間にすっかり前をはだけさせられて、ブラのカップ越しに乳房を揉まれる。

 自分でするときよりも大きな手。

 背丈はそんなにないのに、やっぱり男の子の身体は違う。

 思ったよりがっしりとしていて、たくましさを感じる。

 たしか空手をやっていると言ってたっけ? スポーツもろくに出来ない子とは違うってコトね。

 いつの間にか腰に回されていた虎太郎くんの手がスカートに掛かり、ホックを片手で器用に外していく。

 変に慣れているわ。

 もしかして、経験者かしら?

 そう思った短い間にスカートは脱がされ、下半身を隠すものはショーツ一枚になっていた。

 少し湿っているのが分かって恥ずかしかったけど、これからもっと凄いことするかもしれないって思い聞かせて足の力を抜いた。

 「じゃあ、こっちに寝て…」

 

 「うん…」

 シートの中央にアタシを寝そべらせた虎太郎くんは、顔をのぞき込むように覆い被さってきた。

 三度目のキス。

 やっぱり巧い。

 ショーツの湿り気がどんどん増してきたのが分かる。

 あ、キスしたまま唇を舐められてる。

 ちょっとドキドキしたけど、アタシも薄く唇を開き、彼の舌と絡ませる。

 舌を舐められるのって、気持ちいい…。

 歯を舐め、唇の裏をなぞり、歯茎をノックする虎太郎くんの舌。

 黙って受け入れる。

 あ、唾液を流し込まれてる。

 虎太郎くんの味だ…。

 キスしているだけなのに、身体全体が熱くなってくる。

 「…ふぅ」

 やっと唇を離す虎太郎くん。

 唇から唾液が糸を引いてアタシの唇とつながってる。なんだかすっごくイヤラシイ。

 もっとして欲しいと身体の方が要求している。

 「ね、胸も触ってみて?」

 「うん…」

 大きくはないけどそれなりのふくらみをした胸を、虎太郎くんは両脇から揉み出した。

 いつの間にかブラが取られ、真っ赤にふくれあがった乳首を指先でこりこりとしごいてくる虎太郎くん。

 「あぁ、ああ!」

 もうすっかりアタシは喘ぐ事しかできなくなっていた。目を閉じて、完全に受けの体勢。

 そこへ新たな刺激。

 ぬるんとした、軟体動物のようなものが胸の谷間をはい回る。

 ぎゅっと閉じたままだった目を開けて見下ろしてみると、虎太郎くんの舌がそこをなめ回していた。

 「…しょっぱいね。林子ちゃんの汗の味だ…」

 「いやぁ…」

 もちろん、嘘。本当はもっとしてと言いたい。

 こんなところで感じるなんて信じられなかった。

 彼って、意外と経験豊富なのかも。

 「こ、虎太郎くんって…」

 「え?」

 舌を離して顔を上げた虎太郎くんと視線が合う。

 「上手なんだね、こういうコト…」

 「…まぁね」

 照れくさそうにつぶやくと、再び彼は胸の谷間への愛撫を再開した。

 …だめ、もういっちゃいそう…!

 そう思った瞬間、痛みが走るほど乳首を強くつままれ、アタシは一気に絶頂の波へとさらわれた。

 

 ほんの少し、気を失ってたみたい。

 気が付くと、虎太郎くんがゆっくりとした所作で脇腹からみぞおち、胸、そして首筋を撫で回してくれている。

 激しくはない愛撫だけど、身体の深いところに火を点けられてるみたいですごく興奮する。

 まるでオシッコを漏らしたみたいに愛液をたれ流して、自分の身体がこんなにいやらしい事を初めて知った。

 お尻の方にまで伝わる愛液を吸って、あそこにぴったりと張り付くショーツがきもちわるい。

 そう思って太股をごそごそと摺り合わせると、虎太郎くんの舌が谷間から一気にへその下まで滑り降りた。

 「ひゃうっ!」

 ショーツ越しに舐められて、アタシのあそこはさらにたくさんの愛液を溢れさせた。

 「すごく濡れてるよ、林子ちゃん…いっぱい感じてくれたんだね」

 「は、恥ずかしいよ…」

 「綺麗だよ、林子ちゃんのここ。髪といっしょで栗色なんだね。透けて見えちゃってるよ?」

 「〜〜!」

 愛液に濡れたショーツは、股間を隠す役割をとっくに果たさなくなっていたみたい。

 おそるおそる視線を下げてみると、ぴったりとあそこに張り付いて薄いヘアの形をくっきりと浮かび上がらせている。

 「脱がせるね…?」

 「…」

 返事はしなかったけど、身体の力を抜いたし、お尻を少し浮かせたりしたから、嫌がってないのはちゃんと伝わったと思う。

 裏返しになってあそこから離れるショーツ。

 ちょうど前の辺りを中心にして、結構広い範囲が湿っている、というか、はっきり言って濡れている。

 あそこに風が当たって、ひんやりとする。

 「ここ、綺麗に処理してるんだね…」

 あ、当たり前じゃない。

 でも、口から出てくるのは。

 「水着の仕事があったりするから…」

 なんて、誤魔化すような事。

 夏場は薄着する事が多いんだから当然だけど、秋も近い今では温水プールの仕事もない。

 だから少し手抜きしてたんだけど…。

 「そっか、カットのきつい水着だったら大変だもんね」

 納得した様子。

 …演技かもしれないけどね。

 

 そこへ虎太郎くんの指がはい回る…と思ったら、ヘアの生え際辺りをマッサージするように愛撫。

 たしかに気持ちいいんだけど、やっぱり物足りない。

 でも、もっとして欲しいと言うには、まだ羞恥心の方が大きかった。

 「…んぅ…」

 だから何も言わなかったんだけど、気持ちいい事に代わりはないので、つい鼻にかかった息をもらしてしまった。

 「…物足りない?」

 『気持ちいい?』って聞いてくるかと思ったのに、こっちが考えていた事をずばり聞いてくる。

 だからつい素直に。

 「うん…」

 って言ったのに。

 「ダメだよ、欲張っちゃ。それに、急いで慌ただしくするよりも、ゆっくりと気持ちよくなろうよ?」

 諭されちゃった。

 でも、やっぱり少し言ってみる。

 「ねぇ…あ、あそこも触って…?」

 恥ずかしいのを押しのけて、気持ちよくなりたい思いが大きくなり始めた。

 「あそこってどこ?」

 …すっとぼけられた。

 年下だと甘く見ていたけど、ことごとくアタシの方が子供なんだって思い知らされたわ。

 たしかに虎太郎くんの方が年下だけど、アタシよりずっと経験が豊富みたい。

 もしかしてみさきちと…?

 ちょっと気持ちがよそを向いた瞬間、再び意地悪な質問をしてきた。

 「ねぇ、あそこってどこ? 触って欲しいところがあるんなら、ちゃんと名前で言ってよ」

 「や、やだ、虎太郎くんわかって言ってるでしょう!?」

 「なんのこと? 林子ちゃんがちゃんと言ってくれないからじゃない」

 「で、でも…!」

 どう考えてもアタシの方が分が悪い。

 それに、あっちは余裕たっぷりって感じだけど、こっちはそれほどゆったり構えていられないくらい高まりかけていた。

 だから…。

 「…こ」

 「え? なに? こえないよ?」

 「…お…んこ」

 「林子ちゃん。ちゃんと言ってくれたら、俺は精一杯がんばって気持ちよくしてあげられると思うよ。だから、ほら。言って?」

 「…」

 深呼吸を一回、二回…。

 「虎太郎くん…。アタシの…んこ…お、おまんこを…虎太郎くんの…虎太郎くんの、お、おちんちんで気持ちよくして!」

 「はい、よく言えました。でも、俺なんかが最後までしちゃってもいいの? さっきファーストキスだって言ってたし…」

 「…いいよ。虎太郎くんにアタシのバージン、あげる。恋人にはなれないと思うけど…」

 「ありがとう、林子ちゃん。俺が林子ちゃんの初めてになれるなんて、なんか感激だよ」

 虎太郎くんはにっこりと笑うと、あそこ…ううん、おまんこに左手の中指をすっと差し入れた。

 身体が中から広げられる感覚がする。

 「うぁ…珠代のよりキツい…」

 

 え!?

 まさか二人はそう言う関係だったの?

 驚いて虎太郎くんの顔を覗き込んだアタシに、彼は少し首を傾げて言った。

 「別に珠代とつき合ってるって訳じゃないよ。あいつと俺は…やっぱり幼馴染みだよ。ちょっと普通とは違うだろうけど…」

 普通とは違う。

 その一言で想像するのは難しくなかった。

 「ん…なんて言うのかな」

 虎太郎くんは少し鼻の下をこすった。

 「好奇心を満たすだけの間柄…かな? 初めての時からずっとそれは変わってないよ」

 …。

 ちょっと、ショック。

 みさきちの彼氏だと思ってた虎大郎くんが、珠代ちゃんとそう言う関係だったなんて…。

 しかも、口振りからすると今もその関係は続いてるみたい。

 人は見た目じゃ判らないなぁ…。

 「でも、俺は珠代の事が好きだよ? そりゃ、『恋人』ってのとは違う。多分、パートナーとか相棒とかって言葉が一番近い気がする」

 複雑な気分だわ。

 アタシは虎太郎くんの事が本気で好きになりかけてるのに。

 ううん、もう手遅れ。とっくに好きになっちゃってる。

 多分、彼に完全に参っちゃっう日が来るのはそんなに遠い日じゃないと思う。

 さっき自分から『恋人になれないと思う』って言ったけど、そんなのはやっぱりイヤ。

 たとえおおっぴらにつき合うことができなくても…。

 みさきちの彼氏だってのは判ってるつもりだったけど、それを思うと胸がちくりと痛む。

 「ずるいよ…虎太郎くん」

 「ごめん、林子ちゃん」

 「許してあげないんだから。これからもずっと気持ちよくさせて貰うからね」

 「…仰せのままに、お嬢様?」

 く〜、やっぱり気障だわ。

 でも、全然嫌みになってなくて格好いい。

 「じゃあ、今すぐよ。虎太郎くんのおちんちんを、アタシのココに、おまんこに入れるの」

 右の腿を胸に抱えるようにして持ち上げて股間を虎太郎くんに見えるようにする。

 足を開くといっても、大開脚なんて恥ずかしくて出来ないから、これが限界。

 

 「…本当に、俺でいいんだね?」

 当然そう言うだろうと思ったわ。

 でも、ここまで身体に火を点けられて本当の快感を迎えられそうなのに、いまさらオナニーで発散しようとは思わないもの。

 だったら、お互いが気持ちよくなれるようにしようって決めた。

 左手でそっとあそこを撫でる。

 やっぱり虎太郎くんにされたときほどの心地よさがない。

 「いいの。アタシの処女は虎太郎くんにあげるって決めたの。現役アイドル、瀬戸林子のバージンよ? 優しくしてね…」

 「わかったよ、林子ちゃん」

 再び優しいキス。

 唇をあわせたまま、虎太郎くんはアタシのあそこに掌をあてがった。

 「んっ!」

 ぴくりと体が震えるけど、ちょっと驚いただけで嫌な訳じゃない。

 表面をさわさわと撫でる大きな掌。もどかしい刺激に、ついアタシは唇を離して言ってしまう。

 「な、中もして!」

 わかったと言わんばかりにうなずいた虎太郎くんは、指を一本だけそっと差し込んできた。

 どの指だかはわからないけど、浅い辺りをこしょこしょとくすぐるような、軽い愛撫。

 このくらいなら自分でするときにもした経験があるけど、誰かにして貰うってコトで快感の大きさがまったく違う。

 この緩やかで優しい愛撫をこれ以上続けられると、アタシは正気を保っていられないかもしれない。

 「おね…がい…来て…」

 「まだダメだよ。もう少しほぐさないと、すごく痛いよ? ほら」

 「!! イタッ!」

 虎太郎くんの指がさっきよりほんの少しアタシの中深くに入ったと感じた瞬間、あそこから頭にまで一直線に激痛が走った。身体の裡から起こる鋭い痛み。

 ほんの一瞬だけだったけど、本当に痛い。

 もしかしたら漏らしちゃうかも…と恥ずかしい事を思ったら。

 「ね? オシッコ漏らしちゃうほど痛いよね」

 「嘘!?」

 思わずアタシは体を起こして視線をそこへやった。

 

 …。

 絶句。

 虎太郎くんの右手中指がアタシのあそこに半分くらい隠れてる。

 それだけじゃなくて、薄暗い照明に光る濡れた虎太郎くんの掌と、かすかなアンモニア臭。

 頭ではわかってたつもりだけど、直視するとやっぱり恥ずかしくて、顔に血が上ってくるのがわかった。

 「は、恥ずかし〜」

 「大丈夫、チョロって出ただけだよ」

 「言わないでよ〜。この年になってオシッコ漏らしちゃうなんて…」

 恥ずかしくて虎太郎くんの顔が見られないよ〜。

 「気にしなくていいよ。女の子のココって膀胱と近いから、敏感なひとは漏らしちゃうこともあるんだって。だから…ほら?」

 また虎太郎くんの手首が柔らかくアタシの中をかき回す。すくい上げるように手首を動かし、さっきよりも少しだけ激しくあそこを愛撫してくる。

 「我慢しなくていいよ、林子ちゃん?」

 その言葉を聞いた瞬間、腰のあたりから力が抜け、さっきとは比べものにならないほどのオシッコをアタシは漏らしてしまっていた。

 ぱしゃぱしゃという水音が聞こえ、お尻を伝って流れていくのがわかる。

 「我慢してたんだ、林子ちゃん」

 からかうような虎太郎くんの声。

 もし、普段こんなことを言われたなら、恥ずかしくてとてもこの場にはいられないだろうけど、いまは快感を持続させるためのいち材料になってしまっている。

 三十秒足らずでオシッコは収まったけど、たっぷりと濡れたシートとそこから立ち上る臭いが快感の波を下げさせない。

 気づかなかったけど、虎太郎くんの指はまだアタシの中に入ったままだ。

 さっき痛いって言ったから、考えて動かさないでいるのかな?

 そう思ったとき、ぬるって感じで指を抜かれちゃった。

 抜けきる寸前、中を擦られて、腰が砕けそうになくらい気持ちいい。

 もう止めちゃうのかな? とちょっと残念に思ったら、なんと指を抜いたそこに口を近づけてきた。

 「ち、ちょっと、虎太郎くん! あぁっ!」

 薄いヘアをかき分けて、虎太郎くんの舌が敏感になってるそこを撫で回す。

 「ああぁ…ぅん!」

 オシッコで汚れてるのに汚いよぉ〜。

 そう思って力の入らない腰を引こうとしたけど、太股をしっかり掴まれていて離れられない。

 「気にしないでよ。林子ちゃんの身体から出たものだから、汚くなんてないよ」

 気を遣って言ってくれてるんだ。

 そう思うとより一層恥ずかしさがこみ上げてくる。

 「く、口でなんていいから、虎太郎くんので…シテ…」

 必死にオネガイしたのに。

 「だめだめ、まだしてあげないよ」

 あそこの中ふかくに舌を差し込んで、身体が裏返りそうな快感をくれる虎太郎くんの舌。

 と、それがすっと抜かれ、触れるか触れないかの微妙なタッチでお尻の方に移動する。

 まさか、と思った瞬間。

 「!」

 ぞくり、とした感覚がそこからもたらされた。

 「そ、そんなとこ、舐めちゃイヤァ!」

 「ん…」

 「やめてよぉ…嫌だよぉ…」

 あ、涙声になっちゃった…。

 でも、仕方ないよ。虎太郎くんがあんな所を舐めてくるなんて思わなかったもん。

 …そうよ、お尻の穴だよ?

 いくら好きな人でもそんなところは舐められないし、第一、見せるのでさえ恥ずかしい。

 それなのに、入口(出口?)を舐めるどころか、中にまで舌を入れて舐めあげてくる。

 恥ずかしいのと、気持ちいいのとが複雑に絡み合って、思わず泣きそうになっちゃったみたい。

 でも、アタシが泣きそうな声でオネガイしてるのに、虎太郎くんは意地悪な事言うんだよ。

 「どうして嫌なの? 俺は林子ちゃんの事、身も心も全部知りたいよ…」

 「でも、そんなとこキタナいよぉ…」

 「…ん…そんな事無い、汚くなんかないよ? それとも、さっきしたばっかりだったとか?」

 「と、トイレに入ったけど、オシッコしかしてないよ! あ…」

 恥ずかしい事を大声で言っちゃったわ。

 「それでちょっとしょっぱかったんだね、林子ちゃんのここ」

 「う〜」

 「あ、でも、さっき指でしてあげたときにも漏らしちゃったから、そのときのかな?」

 …意地悪虫だぁ、虎太郎くん。

 「冗談だよ、林子ちゃん。さっきからずっとひくひくしてたから、こっちの素質もあるかと思って…」

 

 そんな素質なんて欲しくないよぉ〜。

 「こっちはいつか機会があったらってことで、今日はちゃんと前を可愛がってあげるよ」

 『可愛がってあげる』というひと言に、アタシの理性は一気に崩れちゃったみたい。

 いつの間にかアタシのあそこは真っ白い愛液をとろとろと流し続け、お尻の穴までもヌルつかせていた。

 こんなに真っ白に濁ってトロリとしたのは、もちろん生まれて初めての体験。

 腰から下の感覚がぼやけたようになってるのに、あそことお尻だけがすごく鋭くなってる。

 あまりの気持ちよさに目を開けていられないほどなのに、虎太郎くんがクリトリスを優しく吸い上げると同時に、お尻の穴も指で悪戯してくるのがまるで直に見ていることのようにわかる。

 その二重の刺激にクリトリスはすっかり膨らんでいて、半分くらいが皮の下からはみ出ていた。

 それを吸い上げられ、頭の中が真っ白になりそうな感覚に陥る。

 「あう…うう」

 もう喘ぐことしかできなくなっているアタシの唇から唾液が糸を引いてこぼれ落ちる。

 意識していないのに、自分でおまんこを拡げて皮を引いて、クリトリスを完全に剥き出しにする。愛液でヌルヌルになっているそれを、虎太郎くんは唇で強く挟みながら吸い上げた。

 「はぅ…ヘン…変よ…い、いやらしいヌルヌルが止まらないの…。アタシ、淫乱な女の子になっちゃったのかなぁ…?」

 虎太郎くんは微笑んでアタシを抱き寄せた。

 「林子ちゃんは淫乱だけど、可愛い淫乱になっちゃったんだ。だから、気の済むまで可愛がってあげるよ」

 そう言いながら、片手で器用にボタンを外して自分のシャツを脱ぐ。ちらっと見た胸板はけっこう筋肉質で、いやらしい意味じゃなくても、いい体をしてるなぁって思った。

 シャツを脱いでそのままベルトを緩め、膝立ちになってパンツをおろす。トランクスの前が大きく膨らんでいるのが見え、ついついそこを凝視してしまった。

 「…見てみる?」

 え!?

 トランクスに指をかけた状態で腕の動きを止め、意地悪げに聞いてきた。

 そ、そりゃ、見てみたいけど…。

 アタシがまごついていると、彼は体を離して立ち上がり、少し腰をつきだしてみせる。

 「…?」

 「林子ちゃんがしたいようにして?」

 「…」

 おずおずと体を起こし、彼の前に跪く。

 顔を近づけると、むわっとした男の子の匂いが鼻をつく。

 おそるおそる手を伸ばし、トランクスのゴムに手をかける。

 少し引っ張ってみると、前が引っかかったみたいで、あわててやり直す。

 「…すこし前に引っ張ってみて?」

 言われるまま前が緩くなるようにしながらトランクスを膝までおろす。

 凝視。

 …。

 ……。

 ………。

 

 「…そんなにじっと見て、面白い?」

 …はっ!

 魅入られたようにアタシは、虎太郎くんのアレをじっと見つめていたみたい。

 ほんの一分足らずだとは思うけど、見上げるとあきれたような視線を返された。

 「本物を見るのは初めて?」

 「何年も前にお父さんとお風呂に入ったきりだから…」

 「ふぅん…。で、感想はどう?」

 …。

 身体の他の場所に比べて、少し濃い肌色をしているオトコノコの部分。

 少しヒクヒクって動いたりして、グロテスクではあるんだけどちょっとオカシイ。太い血管を何本か浮かび上がらせて、精一杯アタシに自己主張しているみたい。

 「おっきいね。こんなのがアタシの中に入ってくるんだ…。裂けたりしないのかな?」

 そう、彼のモノはアタシが想像していた以上に大きかった。もしかしたら、赤ちゃんの腕くらいあるんじゃないかしらと思うくらい太く、長い。

 「触ってみれば?」

 「え!? …うん」

 おずおずと両手を差し出し、まず指先でそっと触れる。それだけでも熱さが伝わってくる気がする。

 「握ってみてよ。あんまり力を入れないように…ね?」

 「…」

 指をそっと曲げ、両手で虎太郎くんを包み込む。すごく熱い。それに、これが身体の一部だってコトが信じられないくらい、固い。

 「固いんだね…痛くないの?」

 虎太郎くんは少し笑った。

 「痛くなんか無いよ。そりゃ長い時間、勃ちっぱなしだったりしたら痛くなってくるけど…」

 オトコノコの身体って不思議だ…オンナノコとは全然違う。あ、でもオトコノコの子はオンナノコの身体が不思議かな?

 それにしても、虎太郎くんのこれ…お、おちんちんは熱く、固い。女性週刊誌に載っていたレディースコミックとかで「灼けた鉄棒を〜」とかって描いてあるのを読んだことがあるけど、あれって嘘じゃないね。

 生きている人間の体温じゃないと思うくらい、熱い。

 それに、棒でも入ってるんじゃないかってくらい、固い。

 それに太さだって…アタシの指、三本…ううん、四本分くらいあるみたい。こんなの、入りっこないよ!

 「こ、虎太郎くん、アタシ…やっぱり怖い…」

 恐くなって虎太郎くんを見上げる。

 「大丈夫だよ、林子ちゃん。ここを通って赤ちゃんが出てくるんだよ? 裂けたりするとかってことはないよ」

 「で、でも…」

 「約束する。どうしても無理だったらそこで止めるから」

 …前に読んだ女性週刊誌には、オトコは途中で止められないって書いてあったのに…。

 「無茶なことだけはしないよ」

 「…本当に?」

 「嘘じゃないよ。嘘だったら、殴ってでも止めればいいから」

 「…」

 ホントのことを言うと恐怖感も大きかったけど、ここまで熱くなった体をどうにかするには、もう貫いてもらう以外にないと覚悟を決めた。

 「それじゃあ…キテ。アタシをオンナにして…」

 

 両腕を差し出して彼に抱きつく。二人のおなかに固いおちんちんがぴったりと挟まれて、アタシの体はさらに熱くなってきた。

 抱きしめあったまま横になり、アタシたちは体を離す。膝を曲げ、脚をMのカタチにする。彼の方からはアタシの全部が丸見えだ。

 覆い被さり、あそこにおちんちんの先っぽをあてがう虎太郎くん。

 さっきの指での痛みを思いだしたアタシは、無意識に震えてしまった。

 「大丈夫、ゆっくりすればちゃんと痛くないよ。そのためにたっぷり濡らしておいたんだから」

 おちんちんがズルッという感じで先端の膨らんだところまでアタシの中に入ってきた。

 太股を大きく拡げ、足が天井に向かって突き出された格好。ちょうど、四つんばいのまま上下逆にしたような姿勢。

 確か…正上位って言うんだよね?

 虎太郎くんはアタシに覆い被さった姿勢で両脇に手をついて、ゆっくりと腰を押し出してきている。

 おちんちんが半分くらい中に入ってきた辺りで、腱が引っ張られるような痛みがアタシを襲った。

 怖くなって、虎太郎くんの胸にしがみついて背中に腕を回す。

 「大丈夫だよ、林子ちゃん。優しくするから、ちょっとだけ我慢して?」

 「…うん」

 正直言って、恐怖感が完全に消えた訳じゃなかったけど、虎太郎くんの体温を感じたおかげでちょっと落ち着きが戻ってきた。

 虎太郎くんは、さらにアタシのおまんこにゆっくりと入ってくる。彼にしがみついていたアタシの手に力がこもり、爪を立ててしまう。でも、それは後から分かったことで、このときはちっとも気を回している余裕なんて無くなっていた。

 股を裂かれるんじゃないかってくらい大きく脚を拡げられ、誰にも触れさせたことのない、自分でも触れたことのない場所に入ってくる虎太郎くん。

 処女膜の抵抗をおちんちんの先に感じ、虎太郎くんは一瞬、戸惑ったみたい。そのときのアタシが、苦しげな表情で虎太郎くんを見つめていたからだと思う。

 でも、ロストバージンの時に痛いのは、ずっと閉じていた膣を押し広げられるのが原因で、処女膜自体は殆ど痛みがないって聞いたことがある。

 視線を合わせてくる虎太郎くん。

 ためらった素振りをちょっと見せたけど、すぐに覚悟を決めてくれたみたい。

 一度軽い深呼吸をしてからそのまま唇をあわせ、アタシの中に差し入れたおちんちんで処女膜を切り裂く。儚い抵抗はあっさり消え、アタシの最も熱い場所へ辿りついた。

 「…!」

 さすがにちょっと呻き声を上げそうになったけど、キスされているから彼の口に中に息を吐いただけだった。

 しかも虎太郎くんのおちんちんは、全部はまだアタシの中に収まってないみたいで、ゆっくりとだけどまだ押し入ってくる。

 身体が裏返っちゃいそうなくらい痛さと気持ちよさが同時にやってくるなかで、やっと彼は進入を止め、唇を離した。

 「虎太郎くん、どうなってる…ちゃんとできた…?」

 「ちゃんと繋がったよ。林子ちゃんと俺と。ほら、触ってみて…」

 虎太郎くんはアタシの手を取り、結合部を触らせた。

 溢れ出す熱い液体がアタシの手を濡らす。愛液と精液と、処女膜の破れた血が混ざった、熱い体液。

 いろんな液体に濡れて、二人の下腹部がぴったりとくっついてる。

 お互いあそこの毛が薄いから、どうなっているかがよく見える。

 あんなに大きなものがアタシのなかに入ってるなんて…。

 「すこし力が抜けてきたね」

 虎太郎くんはアタシがリラックスしてきたのを見て取ったのか、少し体を起こして言った。

 「それじゃ、動くよ?」

 そのまま虎太郎くんは、ゆっくりと腰を往復させ始めた。

 中に突き入れる毎に、アタシは微かに喘ぐ。

 アタシの苦痛が長引くほど、虎太郎くんが快感を感じているのがわかる。彼のおちんちんが、まるで鋼鉄の鑢であるかのように、アタシを引き裂いている。

 でも、その苦痛は単なる痛みだけではない。

 出血はアタシのお尻を伝い、シートに達したのがわかった。

 多分、白の生地が二人分の体液で染められているだろう。

 アタシは唇をかみしめて痛覚を堪えていたけど、ついに限界を迎えてしまった。

 「虎太郎くん、止めて、止めて! アタシ、痛いよ!」

 虎太郎くんは腰の動きを止め、アタシを強く抱きしめた。

 結果としてもう少し続くはずだった痛みが一瞬にアタシを襲い、アタシは気を失いそうになる。

 けど、おまんこのうねりは止まらない。

 虎太郎くんのおちんちんを包み、きつく絞り上げる。

 「ああぁん!! 痛いのに…痛いのに、気持ちいいよ!」

 「俺もいいよ…林子ちゃんのおまんこ、柔らかくって、愛液でねっとりしてて…俺のを締め付けて、ぐにゅぐにゅ動いてる」

 興奮のせいか少しうわずった声で、虎太郎くんは恥ずかしいことを言ってくる。

 「いやぁあ! そんなこと、言わないで!」

 「言ってあげるよ。せっかく俺たち、ひとつになってるんだよ?」

 ゆっくりと虎太郎くんは腰を引く。

 にゅるん、という感じであそこの粘膜を掻きたてながら、愛液まみれになった虎太郎くんのおちんちんが外へと出て行く。

 「ふぁああん…くぅん…」

 おもわず仔猫が甘えるような声を出してしまう。

 「ほぅら、ね?」

 また虎太郎くんは腰を進めてくる。

 抜くときとは全く逆の動きで、めくれあがっていたようなあそこが、おちんちんで身体の中へと押し込まれてくる。

 「くふぅ…うン!」

 「林子ちゃんも好きに動いてね?」

 「ふわぁ…」

 ゆっくりとした単調な動きで身体の中から、快楽をどんどん引き出していく虎太郎くん。

 アタシも組み敷かれて不自由な体を、虎太郎くんの動きにつられるようにして動かす。

 「林子ちゃん。俺たち、今なにしてる?」

 「…ふっ…はん…。せ、せっくす…してるの…」

 「そんな上品な言い方しなくていいよ。もっと正直に…ね」

 その瞬間、アタシのスイッチがどこかで切り替わった…ような気がした。

 「…あ、アタシ…瀬戸…り、林子はぁ…こた…ろうくんとぉ…お、おまんこしてるのぉ!」

 「そう。それじゃあ、その林子ちゃんのおまんこは今どうなってるの?」

 たずねながら虎太郎くんはクリトリスをやわやわと撫で上げてくる。

 「こ、虎太郎くんのおちんちんをぉ、いっぱい…いっぱいくわえちゃってるのぉ!」

 「気持ちいい?」

 「いい! いいのぉ!!」

 まともに考える部分がなくなったかのように、アタシは虎太郎くんの質問に答える。

 「林子ちゃん、淫乱なんだね」

 「そ、そうなのぉ! アタシ、さっきまで処女だったのに、こんなに感じちゃうくらい、淫乱なのぉ!」

 いつの間にか虎太郎くんの腰に両脚を回し、より深いつながりを求めているアタシの身体。

 心とは別に快感を求めてどんどん身体が高まっていく。

 「も、もうだめぇ…アタシ、イっちゃうよぉ…」

 「駄目だよ、俺がまだイきたくないんだから」

 けど、そう言う虎太郎くんも、さっきとは比べものにならないくらい激しい腰の動きで、アタシを責め立てていた。

 そんなに暑くないはずの室内で汗まみれになって、二人は身体をぶつけ合っている。

 「だ、だめ…アタシのおまんこ、もうイっちゃう!」

 もうなにが何かわからない。

 頭からつま先まで全身が痙攣しているような錯覚(じゃないかもしれない)に、両手足の全部を使って虎太郎くんにしがみつく。

 「あああぁ!!」

 「く…俺も…で、出る…!」

 虎太郎くんもアタシを抱きしめ、思いっきり腰を打ち付けてきた。

 「ああっ! 虎太郎くんのおちんちんが、おちんちんから、いっぱい出てるのぉ!!」

 おちんちんの先から熱湯が噴き出したかと思うような勢いで、虎太郎くんはアタシの子宮に大量の精液を注ぎ込んだ。

 

 「ごめんね、恥ずかしいこと言わせちゃって」

 「…うふふ、なんだかすごく興奮しちゃったから、もう無我夢中だよ…」

 まだ繋がったままなのに、おまんことおちんちんの僅かな隙間から行き場を無くした精液が逆流しだした。

 「虎太郎くん…」

 「何?」

 「ううん」

 何でもない…と言いかけて、アタシは彼の胸に顔を埋めた。

 虎太郎くんはアタシの身体をしっかりと抱きしめてくれた。

 二、三分ほどそうしていただろうか。

 あたしが身じろぎもしないのにあわせて動かずにいてくれた虎太郎くんが、少し体を起こした。

 「…っつ」

 ほんの短い時間に血が乾いて、おまんことおちんちんを貼り付けていた。

 「落ち着いた?」

 「…うん」

 片手でアタシを抱いたまま、虎太郎くんは胡座をかいて座り直した。

 アタシの体勢もそれにつられて向かい合って彼の上に座る格好になる。

 「凄いね…セックスがこんなに気持ちいいなんて想像もできなかったよ」

 「そう」

 「でも、それって虎太郎くんが一生懸命優しくしてくれたからだよね? 虎太郎くん、つらくない? 虎太郎くんは気持ちよくないでしょう? こんなに気持ちよくしてくれたんだから、今度は虎太郎くんが気持ちいいようにして?」

 「…ありがとう。俺もちゃんと気持ちいいよ。だから出しちゃったんだし。でも、まだ無茶はできないから、今日は林子ちゃんに気持ちよくなってもらわなくちゃ」

 「でも…」

 「俺のことは気にしないで、自分のペースで気持ちよくなってよ。身体は支えてあげるから、好きなように動いていいんだよ」

 確かに虎太郎くんの言うとおり、アタシの方が上になっているので思った通り好きに動くことができる。

 でも、やっぱり虎太郎くんにも気持ちよくなって欲しい。

 「一緒に気持ちよくなろ? アタシだけって言うんじゃ、ちょっと寂しいよ」

 「…わかった」

 やっと虎太郎くんは動き出してくれた…と思ったら、なんとアタシの腰を支えていた手を下ろして、お尻の方を愛撫しだしてきたの。

 そう、お尻の穴よ。

 それも口では乳首をなめたり噛んだりするし、おちんちんはおまんこに入ったままだから、全身の感じるところが同時に愛されてる。

 もう、必死になって彼の首にしがみつくしか、アタシにはできない。

 気が遠くなる…。

 「林子ちゃん、そんなにしがみつかないでこっちを見てよ。さっきよりすごいことになってるから」

 声をかけられ、なんとか体を離す。示されたまま視線を下ろしていくと、おちんちんを根元まで銜えたおまんこが目に飛び込んでくる。

 「いやっ!!」

 一瞬で目を背ける。

 いつだったか鏡で自分のを見たときは、縦すじが一本走っているだけだったのに、今は虎太郎くんの逞しいおちんちんでまん丸に拡げられている。

 薄いヘアーは隠す役目をちっとも果たさずに、二人が繋がったところが丸見えになってる。

 「いやらしいね…」

 「そう? 綺麗だと思うけど…薄い毛が余計に可愛いよ」

 薄いのをちょっと気にしているところへそんなことを言ってくる。

 「薄いのって好き? アタシ、ちょっと気にしてたんだ」

 「薄いとか、濃いとかはあんまり気にしたことがないよ。どっちかっていうとイメージに合ってればいいと思ってるから」

 「そう…」

 アタシはちょっと意地悪な質問をしてみることにした。

 「珠代ちゃんはどうなの?」

 「そんなに珠代と俺の関係が気になる?」

 「…ごめん。アタシ、意地悪だったね」

 「いいよ、気にならない方が不自然だよ」

 「じゃあ、単純に好奇心から聞いたと思ってよ。どうだったの?」

 「アイツは濃いよ。確か、三年の時くらいじゃないのかな、生えてきたのは」

 「早かったんだね…」

 ちょっとだけ羨ましい。アタシは中学に入ってからやっと生えてきたって言うのに。

 「今じゃ、お尻の穴のほうまで真っ黒になるくらいだよ。夏は水泳の授業があるから処理してるけど、冬はなんにも手入れしないから、パンツからはみ出るくらいになってるよ」

 そうだよね。水着の仕事があるから、夏場はヘアなんてない方がいいって思うときもあるもんね…。

 「林子ちゃんは薄いから、剃っちゃおうよ。それとも、脱毛クリームで抜いちゃうとか」

 「…」

 「…ごめん、ちょっと無神経だったね。忘れてよ」

 優しいな、虎太郎くん。

 「いいよ、剃っちゃっても。家にならクリームもあるから、それを使ってみるよ」

 「いいの?」

 「だって、珠代ちゃんと違うようにしておきたいから。だから、一本も残さないでつるつるにしておくね」

 そう言ってアタシは彼の背中に両腕を廻して抱きついた。身体の外側を包まれているだけじゃなくて、裡からも満たされていくような気がする。

 射精して少し柔らかくなった虎太郎くんのおちんちんに、また固さが戻ってきた。

 「きゃっ!」

 「林子ちゃんがそんなこと言うから、またしたくなってきたよ。ほら、今度は上になってみて」

 そう言って繋がったまま、虎太郎くんは後ろ向けに倒れていった。

 そのときに初めて感じたんだけど、おまんこの中が精液でいっぱいになっていて、満たされている感覚が強くなっていた。

 いったいどれだけの精液を注ぎ込んでくれたんだろう?

 ピルを飲んでなかったら、確実に妊娠しちゃうわ。

 冷静に観察しているみたいだけど、抱かれている最中はこんなことを考えている余裕なんて全くない。

 横になった彼の胸に手をついて、腰から下が溶けてしまいそうな快感に必死に耐える、耐えようと頑張る。それなのに。

 「じっとしてたら駄目だよ。もっと気持ちよくなるようにしてよ」

 下から突き上げられた。

 おまんこから頭に電気が走ったみたいになった。

 がくがくと震え、そのまま腰を振り始めてしまうアタシの身体。もう自分では止められない。

 おまんこを擦りつけるように身体を前後に動かし、よりいっそうの快楽を貪る。

 「い、いいよ…林子ちゃん…っ!」

 「あ、アタシもいいよぅ、虎太郎くぅん!!」

 見下ろすと、虎太郎くんの顔から余裕がなくなってきていた。そしてアタシの腰を支えていた両手をオッパイにずらしてくる。

 大きな手で包むように小さなオッパイを揉み始め、乳首を摘み上げた瞬間、二人の快感が同時に爆発した。

 それから数回、大きかったり小さかったりはするけど、確実に快感の爆弾はアタシの中で繰り返し爆発している。

 もうこれが何度目なのか判らない、精液が子宮を叩く感触。実際にはほんのわずかの体液なのに、何リットルもの熱湯を注ぎ込まれたみたいに熱い。

 崩れそうになる身体をなんとか支え、左手で前、右手で後ろからおまんこに手をのばす。おちんちんを根元まで銜え込んだそこは、すっかり固くなって虎太郎くんを締め付けていた。つんと触れたお尻の穴もすっかり弛んじゃって、おそるおそる押しあてた人差し指を、いともあっさり半分ほどぬるりと飲み込んだ。

 「きゃっ」

 「…どうしたの…?」

 「な、なんでも…」

 慌てて指を抜こうとしたけど、虎太郎くんが手首を押さえる方が早かった。

 抜ける一瞬まえに、さらに深く飲み込みなおす。

 「ああぁん!」

 「…お尻も気持ちいいんだね。言ってくれたらこっちでもしてあげるのに」

 そう言いながらアタシの指を抜かないまま、自分の指を一本だけを押し入れてくる。どの指かは判らないけど、アタシの指より太い彼の指は、さらに深くお尻に入ってくる。

 「いやらしいお尻の穴だね。こんなに熱くて…俺の指にからみついてくるよ」

 「…」

 指でゆっくりとピストン運動され、アタシの指が抜け落ちる。そっと鼻に近づけて少し臭いをかいでみる。

 …。

 あの臭いはしない。でもちょっとだけ何か匂う。なんだろ?

 そう思った瞬間、その指が虎太郎くんに銜えられた。驚いて動きが止まってしまったアタシにかまわずに彼は指をしゃぶり、さらにお尻にもう一本、あわせて二本の指を入れてくる。

 「いたっ! いたいよ、虎太郎くん…」

 「…ごめん」

 素直に謝ってくれたけど、指はゆるゆるとお尻の穴に入れたまま。

 「ね、ねえ…」

 「なに?」

 「…お尻、触るのはちょっと…」

 「気持ちいいのを隠さなくてもいいよ?」

 遠回しに止めて欲しいと言いかけたのに、ちっとも聞いてくれない。

 さらにマッサージするようにお尻の穴をこね回してくる。

 「さっき、シートと一緒にいろいろ見つけたんだ」

 「…?」

 いきなり指が抜かれ、え?と思う一瞬に何か冷たいものが押しあてられた。

 お尻の穴をくぐり抜けてお腹の中に入ってくる。

 「な、なんなの?」

 「…電池」

 振り向くと、虎太郎くんの脇に封を切られていない乾電池やサインペン、ピンポン球なんかがいくつも持ってきてあるのが見えた。

 「さすがに大人のオモチャは持ってきてないから、その代わりに…ね?」

 次から次へと乾電池のビニールを破り、尻の穴をくぐらせる。

 冷たいはずなのに、時間を置いて熱を持ってくる乾電池。しかも一番大きなのを入れてくるから、たちまちお腹の中はギュウギュウ詰めになる。

 「ね、ねえ、もう止めて…苦しいよ…」

 「止めていいの?」

 え?

 「林子ちゃんのココ、痛いくらいに俺のを締め付けてくるんだけど」

 いいながらクリトリスに触れる虎太郎くん。そっと触れただけなのに、ゾクゾクするほど快感がやってくる。

 「それにお尻を触り始めた途端、ビショビショに濡れてきたし」

 確かに、二人が繋がった真下辺りのシートは吸いきれないほどの体液でぬめっていて、しかもそれは精液の生臭いにおいよりも、酸味が強い愛液のにおいを放っていた。さっきのオシッコなんて、半分くらいはとっくに蒸発しちゃってて、アンモニア臭はほとんどしない。

 「ちょっとポーズを変えようか」

 虎太郎くんは少し腰を浮かし、半分ほどおちんちんを抜いた。そして繋がったそのままでアタシの身体を反転させ、四つん這いにさせる。

 は、恥ずかしい〜!

 まるで犬や猫の交尾みたいで、そう思っただけでわけもなく体が熱くなってくる。

 「ほ〜ら、お尻の穴も丸見えだよ」

 言いながら乾電池をさらに奥へと押し込んでくる。痛いのに、気持ちいい。処女をあげたときと同じ感覚がする。

 「やぁん…はずかしぃ…よぉ…」

 声に熱がこもってくる。おちんちんを入れられているだけで突かれてはいないのに、あそこが、おまんこが熱くなってイヤラシい液を垂れ流しになっているのが腿に伝わる。

 「恥ずかしいけど、気持ちいい?」

 「…うん…気持ち、いい…」

 「こっちで…してみる?」

 お尻の中を指先でくりくりと愛撫する虎太郎くん。

 こっちでするって…?

 アタシはぼんやりと背後を振り返って彼の顔を見た。

 「こっち…?」

 「うん、お尻の穴に俺のを入れるんだよ。林子ちゃんのアナルは柔らかいから絶対に気持ちよくなれると思うよ」

 「…じゃあ…シテ…」

 もうこの時にアタシにまともな思考力はなかった。

 お尻に入れた乾電池を取り出すのに、四つん這いになったまま気張り、排泄と同じ行為をする。ひとつ、ふたつと愛液でも排泄物でもないヌルヌルにまみれた乾電池がシーツに落ちる。そしてみっつ、よっつと続けると、少しずつ茶色い汚れがつき始め、五つ目が出るときにはうんちに電池が混ざっているといったほうが正しい感じになってきた。

 それでも虎太郎くんはもっと出してと催促する。電池は全部出たはずなのに、と思いながらも行為を続け、排泄物の山をシートの上に作る。

 はぁはぁと荒い息をしながら膝をつくアタシに、何も言わず汚れのないシートでお尻を拭ってくれる虎太郎くん。そのごわごわした感触にまた快感が大きくなる。

 汚れを全て拭い取ったあと、また指でお尻の中を愛撫してくる。

 「お尻の穴が開いたままになってるよ」

 「や、やだぁ…」

 垂れ流しになっちゃうよぉ…。

 「これで栓をしてあげるね」

 言っていきなりおちんちんを差し込んだ。

 痛くはなかった。けど、おまんこでするのと違って、本来の目的と違う使い方をされているというイケナイ快感が込み上げてくる。逆方向に侵入されて、アタシは金魚のようにぱくぱくと口で息をする。

 「林子ちゃんはお尻でもらくらく俺のを銜え込んだね。まさかこんなに淫乱だとはファンの誰も信じないだろうけど」

 「い、イヤァ!」

 なんでそんなヒドいこと言うの?

 「安心してよ。林子ちゃんが淫乱なのは二人だけの秘密なんだから」

 あ、アタシは淫乱なんかじゃないよぉ…。

 「処女だったのにいきなりイっちゃうし、お尻の穴を舐められて感じる上に、いきなり突っ込まれてるのに悶えてるのに、淫乱じゃないっていうの? 普通の人は、何回も浣腸したりして、お尻の穴に力が入らないくらいにしてからでないと、こんなことできないんだよ?」

 で、でも。

 「だって、全部本当のことじゃない?」

 …うぅ…。

 「でも、林子ちゃんがして欲しいなら、どんなに変態めいたコトでもしてあげるし、それを他にばらしたりもしない。林子ちゃんは俺ので悶え狂った淫乱変態アイドルだってことを、俺だけには隠さなくてもいいんだから」

 『俺だけには隠さなくてもいい』

 その言葉はアタシにとっては特別な力を持つ呪文だった。

 スキを見せられない芸能界で生きて行くには、何もかも隠すくらいの覚悟が要る、と事務所に指摘されたこともある。

 親友と呼べる人も数少ない。

 その虎太郎くんの言葉は、アタシのすべてを屈服させるのに充分な力を持っていた。

 完全に頭の中が真っ白になって、アタシはオシッコを漏らしたみたいにおまんこから愛液を噴き出して、イッた…。

 

 意識が遠くなって、正気を取り戻す。その単純なサイクルを何回も繰り返す。

 正気を取り戻すその度に互いが上になったり下になったりしていたけど、いつでも、アタシの膣は暖かく虎太郎くんを包み込んでいた。

 虎太郎くんはアタシのなかで何度も精を放った。アタシは熱い液体の流れを膣と子宮の全てで感じた。

 アタシの子宮に注ぎ込んでいいのは虎太郎くんだけ。虎太郎くんの精子だけがアタシの子宮へ入ってこられる。

 自分の内側を全て濡らされたことに、至上の喜びを感じていた。

 おちんちんを引き抜くとアタシの膣口から精液が流れ出した。虎太郎くんは止めどなく溢れ出すそれをすくい上げると、何度もアタシの口元に運ぶ。

 アタシは二人の体液にまみれた虎太郎くんの指を、陶然と舐め続けた。

 しばらくして綺麗に舐め取ると、二人で並んでシートに寝そべり、余韻を楽しむ。

 「…これからも、アタシにいろいろエッチな事教えてね?」

 「うん…」

 「いっぱい、いっぱい抱いてね?」

 「うん」

 「…うふふ」

 「ずいぶん嬉しそうだね」

 「だって…」

 アタシは口をとがらせて虎太郎くんにしなだれかかった。

 彼の胸板に『の』の字を書きながら、軽くキスをして。

 「アタシ、エッチの事なんて何にも知らなかったんだもん。男の人が女の人に入れるって知識しかなかったんだもん」

 カマトトじゃないよ?

 初潮が来る前にそんな事に興味はなかったし、その初潮が来たのだって芸能界デビューしてからだから、友達と猥談する事もなかっただけなんだもんね。

 「じゃあさ…」

 虎太郎くんはアタシの身体に手をのばしてきた。

 「あん…まだするの? アタシもうクタクタだよ…」

 「違うよ。新しい事を教えてあげるんだ。ちょっと俯せになって足を拡げて?」

 半ば虎太郎くんに強制されるように身体を動かし、言われたとおり俯せになって足を拡げる。

 虎太郎くんの方からは、お尻の穴もおまんこも、何もかも丸見えのはずだ…。

 と、虎太郎くんの指先がおまんこに触れた…と思ったけど違った。

 ちょっと冷たくて、つるつるしてる。

 「な、なに?」

 「動かないで!」

 振り向こうとしたアタシに、虎太郎くんは鋭い声を出してそれを制する。

 「心配しなくても大丈夫、ピンポン球だよ。これをね…」

 おまんこにヌルヌルと押しあてて、精液と交じり合った愛液を塗り付ける。

 そんなコトしてどうするんだろ…?

 「いつもお尻の穴が気持ちいいようにしてあげるよ」

 そう言って虎太郎くんは。愛液でドロドロになったピンポン球をお尻の穴に押しつけた…。

 

 「苦しくない?」

 ウェットテッシュであそこを拭い、胎内の違和感にちょっと顔をしかめると、自分がしたくせに虎太郎くんはちょっと心配顔を作ってアタシに問うてくる。

 まさかいきなりこんなことをするとは想像もできなかったけど、教えてと言ったのはこちらの方だから、嫌だというわけじゃない。

 っと、中でこすれてる…。

 そう、虎太郎くんはなんと、お尻の穴にピンポン球を押し込んできたの。

 一ダースあった新品を、半分も入れちゃったのよ。

 六個もよ、六個も。

 しかも、入れるたびに数えさせるんだよ。ひとつ、ふたつ…ってね。

 その度に押し広げられるお尻の穴はだんだん感覚がなくなって来ちゃって、四つ目辺りからは入れられてから気付く有様だった。

 お終いにはお腹の中がピンポン球でいっぱいになっちゃってて、七つ目を入れようとしたら中で押し合って入らなかったって言ってた。

 まさか出すところにこんなにものが入れられるとは思わなかったわ。

 お尻の穴が大きくなったりしないのかしら?

 やだぁ…どんどん虎太郎くんの色に染められちゃうみたい。

 でも、ま、いっか。

 打算も何もなしでアタシを気持ちよくしてくれるんだから。

 あ、垂れて来ちゃった。

 何度拭いても精液が逆流してくる。これじゃあ外を歩けない。

 穿いてたショーツは虎太郎くんに取り上げられちゃったし(取り上げられてなくても、あんなに濡れた下着を着ける気にはならないけど)替えのショーツも持ち合わせてなかったから、スカートの下はノーパンだ。

 仕方ないので、タンポン(身嗜み品のひとつだ!)を取り出して、左手で開いた膣口にあてがった。

 「…何してるの?」

 シートを片づけていた虎太郎くんが、背中から声をかけてきた。

 …タンポンを入れてるところなんてみっともないから見ないで。

 そう思ったから背中を向けてたのに、身体はそれを裏切って虎太郎くんに向き直る。

 「あぁ、タンポンか。始まっちゃったの?」

 「違うわよ。虎太郎くんのが流れて来ちゃうから…」

 納得したようにうなずくと、彼はアタシの正面にしゃがみこんだ。

 「じゃあ、入れるところ見せてよ」

 …。

 とっても恥ずかしい。

 でも、ごく自然に右足を彼の左肩に乗せると、必要以上に膣口を開いてタンポンを押し込んだ。

 「へぇ〜、楽々飲み込んだね?」

 ここまで来たら、いまさら何を恥ずかしがる事なんてあるだろう?

 お漏らしも見られちゃったし、お尻の穴を舐められたり指を入れられたりしたし、彼が見たいと思ったアタシのすべてを見られてると思う。もし彼が、目の前でオナニーしろとか、オシッコして飲め、なんて言ったとしても、アタシは決して逆らわないでしてしまうだろう。

 むしろ、見て欲しいと望んでいるのかもしれない。

 ほんの一時間かそこらの間に、すっかりアタシはアイドルから奴隷に成り下がってしまっている。

 虎太郎くんの奴隷。それもセックスのためだけの。

 彼が望んだとき、何よりも優先して身体を開く…性奴隷。

 「あれ、また流れ出してきたよ? ひとつじゃ足りないんじゃない?」

 その通りだった。

 アタシのすべてを支配する虎太郎くんを想像しただけで、また愛液があふれ出して垂れてきたみたい。

 「…ポーチに入ってるから…虎太郎くんが入れて…」

 ポーチを開いた虎太郎くんは、やけに慣れた手つきでタンポンを取り出して封を切る。

 それも多い日用の大きなのを、三つも。

 取り出し紐を伸ばすと、三つのタンポンが数珠繋ぎになるよう結ぶ。

 粘度の高いはずの愛液を吸って脹らんだタンポンを抜き取ると、なんとそれをアタシの唇に押し当てる虎太郎くん。

 でも、アタシはまるでそうするのが当たり前のように口に含み、舌で転がす。

 精液の交じった自分の愛液の味。

 頭がぼうっとして、タンポンが入れられた事すら判らなくなってくる。

 最後にキツいもので栓をされたとき、そのちくりとした痛みでアタシは正気に返った。

 「な、何を入れたの!?」

 虎太郎くんは黙って鼻先に箱に入ったままのピンポン球を差し出した。

 さっき、アタシのお尻の中に入ったやつの残りだ。

 虎太郎くんが差し出してるひとつと、反対の手に持ってる四つ。

 …?

 ひとつ足りない? まさか!?

 身体を折り曲げて、めくったスカートの中を覗き込んで指先で探る。

 そこからはタンポンの紐がぶら下がり、そっと差し入れた指先に触れた感触でピンポン球がアタシの中に潜り込んでいるのがわかった。

 「ひ、ひどいよ、虎太郎くん…」

 本気で泣きそうになったアタシだけど、虎太郎くんはアタシの目尻にそっとキスをして、溢れかけた涙をぬぐい取ってくれた。

 「ごめんね。かわいいから、ついいじめたくなっちゃうんだ」

 …ううん、いい。

 アタシ、虎太郎くんになら、どんなにいじめられてもいいよ…。

 

 やっと身体の熱も収まってきた数分後。

 「あぁ、そうそう。…これ、飲んどいてよ」

 そう言って虎太郎くんは錠剤を数錠、差し出してきた。

 「なに、これ?」

 「アフター・ピル」

 意外の連続だぁ…。

 普通、中学生がこんなの常備してるわけないよぉ。

 「アイドルが妊娠しちゃうと…ね。さすがにまずいから…」

 でも、ちょっとは女の子の身体の事も考えてくれてるって証拠かな?

 だからアタシはその心遣いが嬉しくて、ついその瞬間に思った事を口にしちゃったんだ。

 「虎太郎くんの赤ちゃんなら産んであげるのに。…ううん、産みたいなぁ…」

 これには虎太郎くんの方が驚いちゃったみたい。

 言ったアタシも驚いてるんだから、彼はそれ以上に驚いちゃっただろう。

 でも、産みたいと思った気持ちに嘘はない。

 そりゃ、現実的に考えれば中学生の妊娠、出産なんて、世間的にはどうどうとはいえない事だし、アタシはけっこう売れている部類の現役アイドルだ。

 『ちょっとした』レベルじゃない、『大』スキャンダルになっちゃうのは目に見えてる。

 『現役女子中生アイドルの妊娠!! そのお相手は!?』だなんて週刊誌に書かれて、アッと言う間に芸能界を引退することになっちゃうのは間違いない。

 そうなったら虎太郎くんにも迷惑がかかっちゃう。

 「…」

 絶句して考え込んでいる虎太郎くんの手から錠剤を受け取ると、イタズラっぽく彼に声をかける。

 「ごめん、虎太郎くん。君がそんなにちゃんと考えてくれてるなんて思わなかったから…。その、嬉しかったんだ。だから、虎太郎くんの赤ちゃんを産みたいってのは本当に思ってるよ。みさきちには悪いと思うけど…。でも安心して。アタシ、生理が重い方だったから、それで前からピルを飲んでるの。だから心配しないで。これを飲まなくても、たぶん妊娠しないから」

 「林子ちゃん…。俺だって産んでくれる気があるなら産んで欲しいよ」

 虎太郎くんは再びアタシを抱きしめてくれた。

 お尻とあそこに入れられたピンポン球がこすれて、言いようのない痛痒感がこみ上げてくる。

 気持ちいい上に…嬉しい。

 「…虎太郎くん」

 「なに、林子ちゃん?」

 ちょっと体を離してポーチから自作の名刺を取り出すと、虎太郎くんの掌に握り混ませた。

 これはごくごく親しい人にしか渡さないつもりのもので、アタシの携帯番号からメールアドレス、それどころか自宅の電話番号や住所まで、すべての事が書き込まれてある。

 もしこんなのがファンはともかくストーカーみたいな人の手に渡ったらと考えると、恐くてなかなか渡す機会がなかったのは黙っておく。

 「これ、アタシの名刺。あのね…」

 「こんなの貰っちゃっていいの?」

 「うん、いいの…。ううん、虎太郎くんだからこそ、もらってほしい」

 「…わかった。大事に受け取らせてもらうよ」

 「ねぇ、虎太郎くん?」

 アタシはまた虎太郎くんに抱きついてそっと首筋に腕を回し、耳元で囁いた。

 「いつまでもアタシにエッチなコトしてね?」

 

 Continue?

 


解説

 特に付け加えて言うようなこともありませんが、江戸屋電気堂さんの「ヒーリング」と「メルティング・ポット」に触発されて、こんなえっちぃ話を考えました。

 林子をセレクトしたのは特に思い入れがない分、落ち着いて書けるだろうと思ったからです。

 ほかにもネタだけはいろいろあるのですが、なかなか形に出来ませんね。

 こんな稚拙な作品でも面白いと思ってくださる方がいれば幸いです。

 


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