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ホワイトハウス
暴れ猫/文


 タタタタタ………。

 薄暗い森の中を、走る少女が一人。鳥の囀りさえない静寂の中に、ただ獲物を狙う魔の視線だけが、少女を射貫いている。

 そしてこの少女が、この森から抜け出る事は………………ない。

 

 

 

 白い家。そこに行くためには避けて通れないのがここ、帰らずの森である。文字通り、この森に入った者で、帰還した人はいない。

 白い家に囚われている人を助けるために、ガルアーノを倒すために、同士がこの森に足を踏み入れた。

 炎使いのエルク。アサッシン、シュウ。クラブ歌手シャンテ。ひょんなことから仲間にいれたロボット、ヂークベック。追われている少女リーザ。そしてリーザを守り慕うモンスター、パンディット。各々がガルノーアを憎み、後に続く悲しみを阻止するために、二度と出られない未来を知らずして、森の中に消えていった。

 

 

 

 エルク一行の行動を掴んでいるガルノーアは、すぐに警戒レベルを最大限にまで高めていた。侵攻ルートをあらかじめ知っているがルノーアにとって、警戒レベルを上げたとしてもそれは遊びに過ぎない。ルートが絞られているならば、そこに罠を仕掛ければ良いだけだからである。

 大量生産したモンスターを、天然の迷路の森にばら撒く。もちろん遊びである。モンスターへの命令は捕獲。限りなく湧いてくるモンスターで肉体的な疲労を蓄積させ、出口の分からない迷路で精神的に追い詰めていく。

 捕獲したあとは例のごとく、人間とモンスターの融合実験に使うつもりであった。戦闘に優れた人間と、強暴なモンスターの力。それが合わさったモンスターを作るのが、ガルノーアの仕事である。

 かつてエルクは小さいときに、この施設にいたことがあった。炎の精霊の力に目をつけたガルノーアは、エルクも融合実験に使おうとしたのだが、その前にエルクが脱走を図る。それに乗じてミリルも脱走するが、森の中で逃亡が発覚、子供の足では大人から逃げる子とは出来ず、ミリルが囮となりエルクだけが逃げれたのだった。

 幼少時代に住む村を焼かれ、村人を殺され、自分だけが生き残った。そして施設からの脱走も、ミリルを囮に、自分だけが助かった。他を犠牲にして自分だけが生き残る、その辛さを二度も味あわされたのだ。ガルノーアによって。別れる時に交わした約束、絶対ミリルを助けにくるから。そして今、ミリルを助けにエルクは進む。

 リーザは、ついこの前までこの施設にいた。他の施設に移される時に、飛空挺の中で逃亡、隠れているところでエルクと出会った。ガルノーアの手先から守ってくれるエルクが、助けたい人を助けに施設に向かう事になり、手助けをするために、同じく囚われている人を助け出すために、リーザもエルクの後を追う。

 

 

 

 罠は的確にエルク達を襲う。鬱蒼と茂った草が動きを遅くし、立ちはだかる木が行動範囲を狭める。そんなところにモンスターが幾度もに渡る波状攻撃を仕掛け、徐々に体力を、精神を蝕んでいく。

 「やぁ!!」

 目の前のモンスターが力尽きたとき、リーザの周りにはエルク達はいなかった。度重なる戦闘は、有利な方へモンスターを誘き寄せる事によりパーティーというものが崩れ、バラバラになってしまった事に気づく。耳を澄ませても物音は聞こえない。他の戦闘も終わったからなのか、エルクやシャンテの声すら聞こえない。

 呼び合って集合するのも手だが、まだ付近にモンスターが潜んでいる可能性がある以上、声をあげるのはモンスターを呼び寄せる要因でしかない。事実、モンスターを倒したとはいえ、冷たくリーザを見る視線は途絶えておらず、いつ襲ってくるか油断は出来なかった。

 (早く合流しないと………)

 そう考え、呼ぶのではなく自分で歩いて探す事にした。パンディットなら嗅覚でいち早く駆けつけてくれるだろう、そうも考える。

 しかしいくら歩いても、誰とも会えない。微かに感じるモンスターの気配を避けながら、たとえ数分であろうと数十分にすら感じる。焦りがだんだんと大きくなり、ゆっくりとした足取りもいつしか早足となっていく。仲間を探すどころか、逆に増えゆくモンスターの気配に、逃げるようになっていった。

 

 

 

 リーザが森の中を逃げ惑っているとき、残りのメンバーは白い家にいた。もちろんそこに辿り着いたのではなく、モンスター達に捕獲され、連れて来られたのである。

 パンディットは直ぐに惨殺され、ヂークベックは融合に使えずにスクラップとされた。エルクとシュウは弱りまともな抵抗も出来ないまま、融合の手術室に連れて行かれ、ガルノーアの前には、シャンテだけが残されている。

 「さっさと私も実験に使いなさいよっ!」

 吐き捨てるようにガルノーアを睨みつける。

 「実験の材料? いいのか? 弟の仇を取りたいんだろう?」

 ニヤニヤしながら、実験意外に使うような目つきで見下してくる。

 「ハン! あんたと寝るくらいなら自殺するさ!」

 舐めるようなその視線に、言いなりにはならないという意思を見せる。

 「誰もおまえと寝たいなんぞ、言わんわ」

 「報告します。エリア8ポイントに進入しました」

 「やっとそこまで来たか」

 黒スーツ男が入ってくると、何やら報告する。その報告を聞いたガルノーアの表情は厳しくなるのではなく、自分の策通りに事が進んでいる事を意味していた。そして黒スーツの男が退室する。

 「リーザがエリア8に入ったという報告だ」

 シャンテの顔に力が入る。捕まえようとすれば簡単に捉えられるのに、敢えてそうしない態度が気に食わない。むしろその背景にある「捕らえない理由」の方を聞き出したい衝動に駆られた。

 「聞きたそうな顔だな。どうして捕まえようとしないかを」

 胸元から葉巻を取り出すと、先端を食い千切る。そこに火を灯し、一度吸い込み、煙を吐き出す。

 「このエリアにはラフレシアという花がある」

 「ラフレシア?」

 「聞いたこともなかろう。融合により偶然に誕生した花だ」

 「融合!? 植物まで作っちゃうわけ?」

 シャンテが驚くのも無理はなかった。ガルノーアの施設で作られるモンスターは、侵略の兵器、戦争の要因作り、取引などに使われる。当然根を張り、その場から動けない植物系は、なんの意味も持たない。

 「ラフレシアの作らせる子供達の葉からな、ファイアクアルという麻薬が採取できるんだよ」

 「ファイアクアル!」

 過去に何度か耳にしたことがある名前であった。湧いて出てきたかのように出現し、瞬く間に広がっていった新種の麻薬である。警察も何度か取引のところを現行犯逮捕し、この麻薬の出所を探っていた。しかしいくら売人を問い詰めても、麻薬の成分から元となるものを探り当てようとしても、今までまったく解明できなかった代物である。その麻薬が、ガルノーアの手元で栽培されている事を初めて知った。

 「リーザにはファイアクアル製造の道具として使ってやろう……」

 ガルノーアをニヤニヤしながら葉巻の煙を吸い込む。そしてシャンテの背筋に悪寒が走った。

 「製造の道具? 作らせるってどういう事さ!」

 「そのまんまの意味だ。人間との融合で出来た植物だからな。リーザの卵と、ラフレシアの精子で球根が出来る。子宮の中で球根を育てて、水の中で産ませる。母乳ならモンスターに吸わせるさ」

 今からリーザに降りかかる恐怖に、自分も同じ目に遭わされると思うと、自然に体が震えてくる。

 「安心しろ、おまえの役目は違う」

 「役目?」

 ラフレシアの餌食にされる運命は回避できた。今の言葉で。しかし、ガルノーアがこのまま無事にシャンテを帰すということはない。

 「モンスターの性欲処理にでも使うか……」

 葉巻を高価な灰皿に押しつけ、火を消す。机の上のボタンを押すと、数秒後には黒スーツの男が数人入ってきた。

 「この女をモンスターの収容所に押しこんどけ」

 冷たく言い放つと、男達はすぐさまシャンテの腕を掴み、引っ張り始めた。

 「放しなさいっ!放してぇ!!」

 シャンテは暴れて男達を突き放そうとしたが、何人もの男の力にねじ伏せられる。

 「その元気がいつまで持つかな………」

 ガルノーアの顎がクイッとあがる。連れて行けのメッセージだった。ドアが勢いよく開かれ、部屋からシャンテを引きずり出そうとしたとき、ガルノーアの最後の言葉を聞いた。

 「人間の遺伝子が入ってるからな、モンスターの子供を孕むかもしれん。ちゃんと避妊してもらうんだぞ。もっとも、ゴムなんぞないから外に出してもらうしかないがな」

 

 ネギマが好きなんです

 いつものやつで

 あっさりお茶漬け

 


解説

 本来なら後書きはここではないんですが、この後のHシーンの最後には個々で書くということで、総合的な後書きです。

 とはいえ、この先の事には一切触れませんので。

 

 これを書いているときに、警察から電話がきました。

 ロ○ビデオを売ってた人が捕まって、販売ログに俺の名前と住所が(爆)

 住所と名前、さっさと消せやぁ!!

 

 ま、それはおいといて、アークUのリクを受けてからだいぶ経ちました。職場移動もあり、今までよりも執筆時間がなくなりました。ということで、まだリク残ってるのですが、いつ完成するかが全くもって分かりません。

 つーか、PS2買ったのも、鈍筆に拍車をかけてます(汗)

 

 リクエスト番号は3064です(この番号は旧掲示板の番号で、今ここに書くことに意味があるかは分かりませんが )。

 受けたのは去年の11月15日………俺って遅すぎ(大汗

 

 それでは(いつになるか不明ですが)また今度〜。

 


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