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螺旋…読子の事情(前)
甲斐/文


 「いいですか、ザ・ペーパー。目標は『魔書』のみですからね」

 「はぁ…」

 

 英国のとある街、その片隅に建つありふれたアパートの側に停車した車の中。

 ぴっちりと撫でつけた金髪に、緑のスーツを一分の隙もなく着こなした男――大英図書館特殊工作部を統括する

 責任者・ジョーカーは、傍らの女性にそう声を掛けた。

 

 それに生返事で応えたのは、焦げ茶のスカートと茶のベストを身に着けて白いコートを羽織り、

 伸ばしっぱなしでぼさぼさの黒髪に、サイズが合わないのか、ずり落ち気味な黒縁眼鏡を掛けた女――特殊工作部の

 エージェント、”ザ・ペーパー”こと、読子=リードマン。

 

 「20年程前から噂だけは流れていた…一読一聴しただけで情欲の虜になると言う、黒表紙の魔書…見つけたからには

 何としても、我々大英図書館の手で確保せねばなりません。」

 「でも…どうしてそんなに躍起になるんですか?」

 

 読子が少し不思議そうに訪ねる。

 

 「わかりませんか?…例えば、これからワールドカップの決勝が始まるとしますね?」

 「はぁ」

 「世界中が注目し、TVもこぞって中継している…そんな場所で、いきなりこの本が読み上げられたらどうなると

 思いますか?」

 「……大騒ぎになっちゃいますね」

 「大騒ぎで済めばイイ方ですよ。…さて、今回の任務の重要性が理解できましたか、ザ・ペーパー?」

 

 出来の悪い生徒に教える教師のような口調で、ジョーカーが言う。

 

 少し俯いていた読子は、やがて、何かを決心したようにパッ!と顔を上げた。

 

 「あの…ジョーカーさんっ!」

 「ダメです。」

 「うぅ…まだ何も言ってませんよぅ…」

 

 いきなりの却下をくらい、読子はうらめしそうな視線をジョーカーに送った。

 

 「どうせ、手に入れた本を少しでも良いから読ませろ、と言うんでしょう?」

 「あぅ」

 

 図星を指され、へこむ読子。

 重症の愛書狂(ビブリオマニア)の彼女にとって、稀覯本(きこうぼん――希少価値の高い書物のこと)を手にしなが

 ら、それを読むことが出来ないというのは、拷問にも等しかった。

 否、まさに拷問だった。

 

 「他の本ならばともかく、あれは『文学兵器』に類推される特別に危険な本です。いくら貴女にでも読ませるわけには

 いきませんね…ただでさえ貴女は本に欲情するきらいが有るんですから。」

 「わっ、わっ、私、欲情なんてしてませんっっ!!」

 

 読子は真っ赤になって反論する。

 それに、ちらりと一瞥をくれて、ジョーカーは言葉を続けた。

 

 「そうですか?…まあ、ダメな物はダメです。理解しなさい」

 「……………せめて、目次だけでも」

 

 しつこく食い下がる読子。

 

 「回収したら、直ちにチョバムケースに保存する事。よろしいですね、ザ・ペーパー?」

 「はいぃ…行って来ますぅ…がっくり…」

 

 とりつく島もない上司の態度に実にしぶしぶと言った感じで引き下がると、彼女は車外に出て、

 ぎしぎしと音を立てるアパートの階段を、とぼとぼ上っていく。

 

 途中で立ち止まり、ちらちらと車内のジョーカーに、未練がましい視線を送る読子。

 その視線を真っ向から受け止め、嫌味なほど爽やかな笑顔で手を振ってみせるジョーカー。

 

 上司の性格の悪さを再確認するだけの空しい行為を諦め、彼女は肩を落としてアパートに入っていった。

 

 

 

 「えーっと、406…406…っと」

 

 ぶつくさと呟きながら、ドアのプレートを一つ一つ確認していく。

 

 「…本当に、こんなフツーのアパートに魔書なんてアブナイ本が有るんでしょうか?」

 『無ければ貴方を呼びません。特殊工作部の情報力をもう少し信頼して下さい』

 「ひゃあっ?!」

 

 独り言に突然胸元からツッコミを入れられて、読子は思いきりのけぞった。

 

 ごづん。

 

 「…………うぅ…痛いぃ」

 

 後頭部をしたたか壁にぶつけて、頭を抱えてうずくまる読子。

 その胸元の通信機から、盛大なため息と共に声が流れ出る。

 

 『406に入居している人物が、魔書を持っているのは確実です。録画されていた本の中身をチェックした

 スタッフは、現在集中治療中ですから』

 「録画されたページだけで、ですか?」

 『…それほど危険な物なんです。その人物――東洋人の男性で、入居者名簿はジョージ・スミス…実にあからさまな

 偽名ですね――は、わざと監視カメラに本を写した可能性もあります』

 「私達をおびき寄せる罠…だと?」

 

 流石に読子の顔にも緊張が走る。

 いや、ちょっと待て…今の今まで緊張すらしていなかったのか?

 

 『大いにあり得る話です。今まで噂でしかなかった物が、こうも突然現れたのですから。そして、彼がこのアパート

 から出ていないのも確実です。…いいですか、彼は[ビデオで見ても精神をやられる本を開いて読んでいた]んです

 よ?……くれぐれも気を付けることです、ザ・ペーパー』

 「…はいっ」

 

 そして、彼女は扉の前に立った。

 

 

 

 

 

 くちゅっ…ちゅっ…くちゅっ…

 

 「ぅう…ふ…ぁ…んっんぅ…んあっ!」

 

 薄暗い部屋の中に、粘つく水音と、熱く湿った喘ぎが響きわたる。

 ソファに座った黒髪の男が、後ろから抱きかかえるようにして女を貫いていた。

 

 癖のある黒髪を短髪にした男だ。

 整った容姿だが、口元に浮かぶ皮肉げな笑みが、彼に『曲者』というイメージを与えている。

 

 彼に背後から貫かれているのは、黒髪をショートカットにした、どこか野生の虎でも連想させる雰囲気の女だ。

 だが今、その素晴らしいラインを描く引き締まった身体は湯上がりのように上気し、

 本来なら、ふてぶてしさを満面に漲らせている相貌も、情欲の霞に煙っていた。

 

 「ふふ…随分と女らしくなりましたね、連蓮[りんりー]さん?」

 

 そう言うと、背面座位の体勢のまま、くんっ、と腰を突き上げる。

 

 「ふあぁぁッ…!」

 

 中の一番深いところを突き上げられて、連蓮と呼ばれた女は、背をびくんっ、と反らした。

 

 「読仙社[どくせんしゃ]の四天王と言えど、やはり可愛い女性には変わりない、ということですね…」

 

 男は、薄く嗤ってそう言うと、更に腰を突き上げていった。

 

 

 

 読子達が現れる半日ほど前。

 

 部屋で本を読んでいた彼の足下の床が突然、綺麗な円形にくり抜かれて消えたかと思うと、そこから、

 メリハリの利いた見事なプロポーションを、黒のタンクトップに革パンツというラフな格好で包んだ女が現れた。

 大英図書館最大のライバルと目される、中国読仙社のエージェント、連蓮である。

 

 「ハァイ修芳[しゅうほう]!…ってアンタ、いつ見ても本読んでるわねぇ…」

 「…貴女こそ…なにも床をくり抜いて入ってくることは無いでしょうに。人類が『ドア』という物を生み出してから、

 どれほどの年月が過ぎていると思ってるんです?」

 

 床に開いた穴を悲しそうに見つめて、彼はそう文句を付けた。

 

 「だって、外に英国の盗人共がへばりついてんだもん。殺すのは簡単だけど、ココに雪崩れ込まれると面倒だしさ」

 

 が、連蓮は、悪びれた様子も見せず、笑いながら言った。

 

 「…下に住んでた人達はどうしました?」

 「めんどくさいから黙らせたけど?」

 

 それがどうかした?と言わんばかりの調子で返す連蓮。

 彼女が黙らせたというならそれは、永遠に、と言う意味だろう。

 哀れな犠牲者達の冥福を心の中で祈ってから、修芳はおもむろに切り出した。

 

 「…それで? 一体何の用ですか?」

 「そりゃ本取りに来たに決まってんじゃない。…で、やっぱ私達の所には来ない気?…おばあちゃん、アンタの事、

 不当に高く買ってるんだけど?」

 「私はそちらに付く気はないとお断りしましたよ。…それで貴女が来た、と言う事は、最後通牒という訳ですか?」

 「まーねぇ♪ 穏便に済ますつもりなら、王炎[おうえん]あたり寄越すでしょ。…さて、本を渡しなさいな。血で

 汚れちゃうと修復大変だし」

 

 そう言いつつ、ポケットから数枚の紙を取り出して、宙に放り投げる。

 紙は空中でぎにゅり、とねじれると、人の形を模した紙人形に変じて修芳の周りを取り囲んだ。

 

 「紙使いの能力に、仙術を組み合わせた紙兵の術…相変わらず見事ですね。」

 「観念して本を渡すなら、見逃してあげる気になっちゃうかも知れないわよ〜?」

 

 そう言って、獰猛な笑みを浮かべる連蓮。

 無論、見逃すつもりなどさらさらないだろう、殺る気満々の表情だ。

 

 「…本を渡さずに、私が生き延びる、グッドな道は無いんでしょうかね?」

 「無し。」

 「…仕方がありませんね」

 

 呟いて一振りした彼の右手に、手品のように黒い本が現れる。

 そしてその本を、連蓮に向かって無造作に放り投げた。

 

 「なっ?!」

 

 慌てて本を受け止める連蓮。

 そして、それが確かに本物だと判ると、憮然とした表情を浮かべた。

 

 「…大人しく渡すなんて思っても見なかったわ…とんだ腑抜けね、つまんないわアンタ。」

 「いえいえ、これでいいんですよ…私はその本の内容を、一文字残らず憶えていますからね…!」

 

 修芳の台詞に不穏な物を連蓮が感じた瞬間、彼女の手の中にあった本が、バンッ!と音を立てて開く。

 それと同時に、彼の口から本の内容が、歌うかの様に紡ぎだされる。

 

 「マズっ…?!」

 

 反射的に本を見てしまい、しまったと思ったときには、もう既に目が離せなくなっていた。

 彼の読み上げる声につられ、目が勝手に文章を追ってしまう。

 そして、一行読み進める度に、彼女の身体の奥から、押さえきれない熱さがこみ上げてくる。

 

 「くうっ…わ、我が隷属共よ…っ!」

 

 彼女が必死で命令を飛ばすと、修芳を囲んでいた紙人形が一斉に動き出す。

 だがすぐに、へなり、と力を失い、元の紙へと戻ってしまった。

 

 「おやおや、もう紙に集中する事も出来ない様ですね、連蓮さん?」

 

 ククク、と喉の奥で笑い、修芳はゆっくりと、彼女に近づいていった。

 

 

 

 それから既に何時間も、彼は連蓮を責め立てていた。

 

 「ほら、こんなのはいかがです?」

 

 笑いながら、左手で、連蓮の背筋をつい…と撫で上げる。

 

 「はぁぅっ!」

 

 その刺激に、彼を喰い締めている部分が、ききゅっ!と反応する。

 

 「んっ…いいですよ…もっと鳴いてください…」

 

 うなじを、れる…っと舐め上げつつ、ゆさゆさと揺れる胸を下からすくい上げ、ゆっくりと揉みしだき、ぴんと尖った

 乳首を親指と人差し指で摘み、捻り、扱き立てる。

 

 「やっ…はぁっ!…むね…ダメ…な…ああぁぁッ!」

 「胸が良いんですね?」

 

 乳首を責めていた手を滑らせ、乳房の下側、付け根のあたりから脇の下までをくすぐるようにして何度も指を這わす。

 

 「やあぁぁ!そ、それダメぇっ!」

 

 敏感な部位を微妙なタッチで攻められ、快感とやるせないくすぐったさの混ざり合った感覚に、連蓮は身を捩らせて悶えた。

 

 今度は、右手の責めはそのままで、右胸の鎖骨から乳首に掛けてのラインに、左手の指を羽で掃くかの様に蠢かす。

 そして時折、思い出したかの様に乳首を爪で弾き、抓り上げる。

 

 「うぅぅ、んくぅぅんっ!う、う、やめてぇ…かたっぽだけしないでぇ!」

 

 ほったらかしにされた左胸を、力の入らない手で自ら慰めようとする度に、下から潤みきった内部を小突き上げられて

 妨害される。

 

 「ほらほら、どうしたんです?読仙社の四天王ともあろう女性[ひと]が、そんな様では、貴方達の敬愛する『おばあ

 ちゃん』に笑われてしまいますよ?」

 

 幾重にもきつく締め付ける秘所を小刻みに揺すり立て、右胸のみをさわさわと執拗に責め立てながら、連蓮の耳元に

 毒のささやきを吹き付ける。

 

 おばあちゃん、と言う言葉を耳にした連蓮の目に、ごく僅かな理性が戻る。

 読仙社の首領たるその人物は、彼女達にとって絶対の存在であった。

 

 「く…修芳、貴様…あくぅっ!…あ、ああ…本…おばあちゃんに…」

 「ふふ…本が欲しいんですか?…良いですよ連蓮さん、ほら」

 

 優しげに微笑む修芳の右手に、手品のように黒い表紙の本が現れる。

 

 「貴方の欲しがっていた本です…さぁ、続きを読んで上げますからね、じっくり聞いて下さい」

 「や、やぁっ!読まないで!読んじゃだめ…あああああッ!!」

 

 連蓮の耳を、舌先でちろちろとくすぐりながら、修芳は本の朗読を始める。

 その声が耳の中に注がれると、彼女の身体に更に激しい情欲の炎が荒れ狂った。

 

 「あ、あううっ!ああ、らめぇ、くる、狂っちゃうぅぅ!ぁうんッ!やめてぇぇ〜ッ!!」

 

 快楽への疼きに心身を灼き焦がされ、くわえ込んだ物を激しく貪ろうとする連蓮。

 だが、長時間責められて力を失った身体は、修芳が左手で腰を抱え込んだだけで、あっさりと押さえ込まれてしまう。

 更に、抱え込んだ左手で、鳩尾やおなか、下腹部をゆるゆると撫で回し、へそに中指を差し入れくるくると回したり、

 軽くひっかくようにして刺激する。

 

 魔書に染められた肉体は、通常の何倍もの鋭敏さで肌に触れる指を感じ、ビクッビクッと身体を波打たせた。

 

 「ひぅ…いじわるしないれぇ…いかせえぇ…おねがいぃぃ…」

 

 度を過ぎて与えられる快感、それでいて、達するには後一歩足りない強さで責め続けられる苦しさに、

 連蓮は、ろれつの回らなくなった舌で必死に懇願する。

 

 「イカせてあげても良いですが…おばあちゃんに叱られますよ?」

 「いいのぉ、叱られてもなんれもいいから、もぅ、もぅいかせてぇぇぇッ!」

 

 (……クク、しぶとく抵抗してくれましたが、遂に堕ちた様ですね)

 修芳は、薄く笑って右手の本を閉じると、連蓮を目の前のテーブルに押し倒し、後背位で責め立てる。

 

 「あっ、あっ、あぅ、ひんっ、ふあっ、あっ、あぁ、ぅんっ!」

 

 浅く、深く、強く、弱く、連蓮の内部を思うさま抉り、蹂躙する。

 絡みついてくる溶けきったそこの感触は素晴らしく、少しでも気を許せば、あっと言う間に放ってしまいそうだった。

 じゅぷじゅぷとあふれ出した液が、太股を伝い落ち、足下に水たまりを作っていく。

 

 修芳は、悩ましく揺れる尻を撫でていた手を、つい、と尻の谷間に滑らせると、その奥のすぼまりに指を伸ばした。

 そして、とろとろと滴り落ちる蜜をすくい取って指に絡め、一気にめり込ませる。

 

 「んあぁぁ、あ、ぁぁ、あっ、ふわぁッ!?」

 

 排泄口の中に無遠慮に押し入ってくる指の感触に、連蓮は一瞬身を固くする。

 が、すぐさまその感触も耐え難い快感となって精神を灼き始めた。

 

 「はぁぅーっ!お、お尻が、お尻が灼けちゃうぅぅ〜ッ!!」

 

 後ろに指を二本挿入され、前を犯すモノと同時にめちゃくちゃに中をかき回されて、連蓮は一気に高みへと昇りつめていく。

 

 「あ、あ、あ、い、イク、イッちゃう!あ、ああ、あっあ、ああッ!」

 「おおっと」

 

 まさに彼女が絶頂に達しようとした瞬間、修芳は後ろから指を引き抜くと、いきなり彼女の脇腹や脇の下をくすぐりだした。

 

 「あ、あ、あ?やっ、や、ゃはははははっ!な、何?!あは、ははは、くすぐったいぃぃ!だめぇーっ!」

 

 やっと解放されると身構えた瞬間、突然襲ってきた激しいくすぐったさに、高まっていた感覚も消し飛んで、

 彼女はまたイキそびれてしまった。

 

 「どうしたんですか?ほら、イッていいんですよ、ほらほら」

 

 嗜虐的な笑みを浮かべつつ、修芳は連蓮をゆるゆると突き嬲り、脇腹や脇の下、胸の付け根や首筋などを、指でこしょこしょとくすぐっていく。

 

 「ぁ…ぁひ…やめ…苦し…あひゃあぁぁあぅぅ!」

 

 すっかり過敏になっている身体の、更に敏感な部分を集中的にくすぐられ、連蓮は笑い悶え、息を詰まらせる。

 

 そうやってしばらくくすぐっては、愛撫に切り替え、可愛らしく鳴きだしたらまたくすぐる、と言う行為をしつこく

 しつこく繰り返される内に、連蓮は自分が今、気持ちいいのかくすぐったいのかさえ判らなくなってしまう。

 

 「ひん…酷いぃ…いかせて…もぅほんろに耐えらんないぃぃ…何れも言うこと聞くからぁ…お願いイカせてぇぇ…」

 

 涙や涎でぐしゃぐしゃになった美貌を力無くもたげて、必死に懇願する連蓮。

 これ以上の責めは流石に危険と見て、修芳は、連蓮の目元の涙を舐め取りながら、優しく囁く。

 

 「本当に、可愛くなりましたね、連蓮さん……もう虐めないであげましょうか。さあ、最後は自分でするんですよ?」

 

 さんざん焦らされくすぐられて、息も絶え絶えの連蓮を抱え上げ、再度ソファに座る。

 

 すると、何処にこんな力が残っていたのかと思うほどの勢いで修芳をソファに押し倒し、連蓮は騎乗位になって激しく

 腰を使いだした。

 そのまま、しだれかかる様に倒れ込むと、唇を重ねて来る。

 

 「んむ…んぅ…ん…はぁ…」

 

 唇をついばみ、舌を口内に侵入させ、お互いの舌を絡め合い激しく吸い立てる。

 

 修芳は、己の胸板に当たる豊かな双丘の感触を愉しみながら、連蓮の繁みの下にひっそりと息づくルビーの粒を、

 指の腹で円を描くように撫で上げる。

 そこを撫でられる度に連蓮も、彼をきゅうきゅうときつく締め付け、激しく腰をグラインドさせて応える。

 

 「んん…ん…ふはっ!」

 

 連蓮は、唇を離すと体を起こし、少し後ろにのけぞるようにしてくるくると腰を回しつつ、更に激しく上下にうち振っ

 て、快楽を貪っていく。

 止めどなくあふれ出す泉の飛沫が胸や顔にまで飛び散るほどの激しさで、様々な角度から分身を絞り上げられる快感

 に、修芳はたまらず呻き、腰を浮かせた。

 

 「う、ぉお…これは…おぉぅッ!」

 

 その様子に、初めて自分に主導権が巡ってきたのを悟った連蓮は、見ただけで達してしまいそうな淫蕩な笑みを浮かべて、くわえ込んでいるモノの付け根の方に手を伸ばした。

 

 「くあぁ…そこは!」

 

 袋を掌であやすように揉み込み、袋と菊座の間を指先で甘く引っ掻く様に責めていたかと思うと、

 更にその下にまで指を進める。

 そして、幹や袋を伝い落ちてくる大量の愛液を穴のシワ一本一本にまで塗り込めて丹念にほぐすと、

 ぐにゅり、と後ろの穴に指をねじり込む。

 

 はからずしも、先ほどの責めの仕返しをされてしまった訳だが、男にはそこにさらなる弱点が存在していた。

 

 連蓮の2本の指が、穴の内壁にあるコリコリとした突起を探り当て、嬉しそうにくにくにとこね回しだす。

 

 「おぁッ!、あ、む、うく、ああぁ!」

 「んふぅぁッ!素敵ぃ、まだ大きくなってるのぉ!もっと、ああ、もうすこしで…ひぃん!はぁっ、あぁぁん!」

 

 自分の中いっぱいにほおばったモノが更に膨らんで内部を押し広げようとするのをきつく締め付けて押さえ込み、後ろに差し込んだ指先を小刻みに振るわせ、前立腺に熱いバイブレーションを加える。

 

 「ああ、あ、ああ、くる、来るのぉ!すごいの来るのぉ!あぁああぁっ!」

 「ぅ、ううっ、さ、さぁ、たっぷりと注いでっ!あげます、よッ!おおおおぉッッ!!」

 「ああッ!来てッ!いっぱい来てぇッ!は、ぁ、ぁう、あっ!ぁぁあぁぁぁああぁあーーーッ!!」

 

 その瞬間、お互いに腰を最奥まで押しつけ合うと、子宮口にはまりこんだ先端から白濁が迸り、胎内を突き破らん

 ばかりの激しい勢いで何度も何度もしゃくり上げ、中を満たしていく。

 

 「ぁ…ああ…出てる…たくさんたくさん出てるのぉ…私のおなかの中で、ひゅくん、ひゅくんって脈打ってるのぉ…

 もっと、もっとぉぉ…」

 

 ふわふわと夢の中を漂っているかの様な調子で言うと、連蓮は腰をぐいぐいと押しつけ、ぐるぐると回して、更に精を搾り取ろうと動く。

 

 「うくっ!…ま、待っ…ぃうぁッ!」

 

 達したばかりで過敏になっている屹立を、未だきつくくわえ込んでいる肉壁でこすり立てられ、

 今度は彼の方が悶えさせられ、中に残っていた物まで、一滴残らず吸い上げられた。

 そうやって全てを吸い尽くすと、連蓮は、つながったまま修芳の胸にどさりと倒れ込む。

 修芳は、倒れ込んできた連蓮の身体をぎゅっと抱きしめ、優しく髪を撫でてやる。

 

 お互いの荒い息が落ち着くまでしばし抱き合っていたが、やがて修芳はゆっくりと身を起こし、連蓮から分身を

 引き抜くと、右手を彼女の額にかざしながら、微笑んで言った。

 

 「さあ、連蓮さん、貴方の全て、渡していただきますよ…」

 

 

 


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