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じりん、とひなた荘の電話のベルが鳴り出したとき、たまたま廊下を歩いていた景太郎は
すばやく受話器を取り上げた。
「はい、こちらひなた荘で・・・」
「・・・ん・・・・・・。けーたろか?」
挨拶もなく聞こえてきた声はあまりに弱弱しく、景太郎にも一瞬判断しかねるほどだった。
だが、すぐに声の主に気づき、あわてて問い掛ける。
「キツネさん!? もしもし、どうしたんですか!?」
「悪いけど・・・、ちょっと迎えにきてくれへんか・・・。う・・・」
「場所は?」
「・・・うん、国道沿いの飲み屋の・・・・・・」
みつねから居場所を聞くと、景太郎はすぐにひなた荘を飛び出した。教えられた場所は車で
約十五分。幸いにも通りかかったタクシーをひろうと、景太郎はみつねの元へと向かった。
居酒屋前にタクシーが停車すると、景太郎はおつりをもらわずに下車して居酒屋の戸を開けた。
これまでもみつねが出迎えを頼んでくることはあったが、今回のように具合が悪かったことは一度もなかった。
まして、深夜まで飲み歩いていたならともかく、まだ十時半なのにみつねが悪酔いするなど考えられない。
しかし、店内を見回してもみつねの姿は見当たらなかった。会計係の店員に尋ねたところ、数分前に連れの男性に連れられて出て行ったという。
「入れ違いか・・・。まだ、そんな遠くには行ってないはずだけど・・・」
景太郎は、急いで店からすこし離れた場所にある駐車場に向かった。店員の話だと、みつねたちは駐車場の位置がわからずに電話を入れてきていたらしい。
「ええと、左、右、右だったから・・・。あ、あれか」
距離的には近いがいりくんだ道を教わった通りに走ると、景太郎は小さな駐車場と、その入り口で、
二人の男に支えられているみつねを見つけた。ほっと胸をなでおろすと、景太はみつねの方に歩み寄る。
「探しましたよ、キツネさん。さ、帰りましょう」
その声を聞いて、みつねは後ろを振り向いた。
「・・・けーたろ・・・」
だが、振り向いたのはみつねだけではなかった。みつねの両脇に立つ二人の怪訝かつ不機嫌そうな視線を浴びて、思わず硬直する景太郎。
「あ、その、俺、キツネ・・・じゃなくて、みつねさんの住んでる女子寮の管理人の・・・」
「いいよ、俺らが面倒みるから」
邪魔するなといわんばかりの顔で景太郎の言葉を遮ると、男はみつねを連れて行こうとする。
「だめですよ。それに俺は、みつねさんから連絡うけて迎えにきたんですから」
「ウチは、けーたろと、帰る・・・」
力こそないが、明らかに怒気をはらんだみつねの声が、場の雰囲気をピリピリしたものに変える。
「いいって言ってんだろ!」
いらだちを募らせた男が、景太郎を強く突き飛ばす。景太郎は数歩あとずさりして転ばないように
バランスをとろうとしたが、それは道に転がっていたスチール缶を踏みつけるという結果につながった。
「おわわっ!」
不安定な姿勢がさらに不安定になってしまい、景太郎は道路に転げ落ちた。起き上がろうとした矢先に、
景太郎の目はクラクションも鳴らさずに突っ込んでくるトラックと、のんきに居眠りしている運転手の姿を捉えた。
「おわあああっつ!」
とっさに反対車線に飛びのいた景太郎だったが、運悪くというかお約束というか、
反対車線を走る酔っ払い運転のトレーラーに自分から突っ込む形になってしまう。悲鳴をあげる暇もなく、
どごんと鈍い音と共にきりきり回転しながら景太郎は宙を舞う。五メートル近く舞い上がってから落下し
始めたところで、はじめのトラックの荷台のドアが開き、積荷の冷凍マグロが崩れて魚雷のように道路を滑っていった。
アスファルトに激突するはずだった景太郎はマグロに弾き飛ばされ、代わりに自動改札機に頭から突っ込んだ。
次の瞬間、景太郎は人間フィラメントと化した。
「はげらちなげぴら!」
理解不能の叫びをあげながら、できそこないのロボットのように手足をばたつかせる景太郎。
ばしばしと視界が明滅するのにあわせるように、彼の意識は闇の中に飲まれていった・・・。
「・・・」
ん・・・。
「・・・・・・」
なんだ・・・。
どろどろとしたスープの中から引き上げられるような感覚。
「・・・たろ、けーたろ」
ああ、俺を呼んでるのか・・・。
意識がしだいに覚醒し、景太郎はゆっくりと体を起こした。どうやらベッドに寝かされていたらしい。
そのままぼんやりと周囲を見回すが、そこはまったく見覚えのない部屋だった。
「ここは・・・、いやそれよりキツネさん!!」完全に眼が覚めると、これまでの記憶が一気に脳裏に蘇った。そうだ、キツネさんを助けなきゃ!
あわててベッドから立ち上がろうとした景太郎だったが、その左手が急に引っ張られた。
「ウチはここやで、けーたろ」
左を向くと、笑顔のみつねがそこにいた。シーツにくるまっていたのでさっきは気づかなかったようだ。
顔色も元に戻っているのを確認すると、景太郎はほっと胸をなでおろした。
「よかったぁ・・・。あ、でも、あの二人は? それにここは?」
安心すると、景太郎の脳裏にそれまで後回しになっていた疑問が浮かびあがる。
「ああ、あいつらやったらアンタがボロボロになったん見て、どっか逃げてったわ。ウチを置いてな」
みつねは顔をしかめ、吐き捨てるように言うと、急ににやりと笑った。
「そんで、ここは駐車場の三つとなりのラブホテル」
「ラ、ラブ・・・」
熱湯に漬けた温度計のように、景太郎の顔が赤く変わる。そんな景太郎を見て、みつねは思わず吹きだした。
「ふふっ、なんもそないに赤うならんでもええやろ。ほんま、可愛いなあ、けーたろは・・・」
みつねにからかわれ、ますます赤くなる景太郎にかまわず、みつねは話を続ける。
「・・・、あいつらが逃げてって、ウチは気持ち悪いままやし、あんたも怪我してなかったけどケムリふいとったしな、近場でちょっと一休みできるとこっちゅーたら、ここしかなかったんや」
「あ、そういえばキツネさん。気分よくなったみたいですけど、大丈夫ですか?」
景太郎がそう尋ねると、こんどはみつねの頬が少し赤らんだ。「うん。吐いたら楽になったわ。酒になんぞ薬でも入れよったんやな、たぶん。・・・ありがとな、けーたろ」
「あ、いや、その・・・」
「んふふふっ」
妙な方向に流れつつある雰囲気におされて、景太郎の心臓がどくんと跳ねた。
あわてて話題を変えようとするが、うまく頭が回らない。そんな景太郎に、みつねが助け舟を出した。
「怪我はないみたいやけど、体中真っ黒やで。シャワーでも浴びてき。その奥が浴室やから」
「あ、は、はい」
そう返事をすると、景太郎はベッドから起きて浴室に入っていった。焼け焦げだらけになった服を脱ぐと、
確かに体のあちこちが煤だらけになっていたが、毎度のことなのでさして気にならない。
それよりも気になるのは、やたら透明度の高い浴室のガラス戸のほうである。
「すごいな・・・、丸見えだよな、これじゃ」
少し落ち着かないものの、まさかみつねが覗きに来ることもないだろう。迷わずに全裸になると、
景太郎はぬるめのシャワーを浴びながら、体を洗っていった。
「ふう・・・」
一息つくと、いままで忘れていたことが次々に頭をよぎる。
「今、何時かな・・・。あ、それに、みんなに連絡しなきゃ。でも、あんまり遅いと迷惑かな・・・」
ざっと汚れを洗いながすと、景太郎はバスタオルだけの姿で浴室を出た。
「あれ?」
服を着替えようとした景太郎だったが、服を置いたはずの場所にはメガネ以外残っていなかった。
こんなことをする者は、この部屋には一人しかいない。
「いたずらはやめてくださいよ、キツネさん。って、あれ!?」
メガネをかけてみると、ご丁寧に部屋の明かりが消されているのがわかった。やれやれと思いながら部屋に戻ろうとした時、浴室の電気が消えた。
「ちょ、ちょっと・・・」
キツネさん、と言いかけたところで、景太郎は後ろから誰かに抱きしめられた。
腰にタオルをまいただけの剥き出しの背中から伝わってくるのは、暖かな肌が直接ふれあう感覚だった。
脇腹から胸にまわされた両腕に力がこもると、肌と肌とが密着するのがはっきりとわかる。
柔らかな両胸がぷにゅんと形を変えて背中に押し付けられる感触が、景太郎を金縛りにした。
「けーたろ・・・」
みつねの右手がつつっと臍のあたりまで滑る。邪なイメージをふりはらい、景太郎はなんとか声を絞り出した。
「キツネさん、じょ、冗談でしょ」
「冗談やないで、けーたろ」
耳元でそう囁くとともに、左手の指が景太郎の右の乳首をすっと撫で上げる。それだけで景太郎の心臓はフルマラソン直後のように高鳴った。
「へ、変ですよ、今日のキツネさん。いつもはこんなじゃ・・・」
景太郎のうわずった声を聞いて、みつねの指がいたずらな動きを止めた。
「ううん、こっちがほんまのウチや」
力のない、消え入りそうなみつねの声。初めて聞くその声は、景太郎にはひどく悲しそうに聞こえた。
「いつも笑ぅて、アホなことばっかりやっといたら、馬鹿にされることはあってもいじめられることはないからな・・・。
でも、社会に出たらそうはいかへん。明るいふりで渡っていけるほど甘いもんやない・・・」
みつねの言葉が景太郎の胸に深深と突き刺さる。みつねは淡々と語り続けた。
「優しゅうされるとな、ウチ、無くしとうなくなるんや。何されてもええから、そばにいて欲しゅうなるんや。
・・・あの二人も、はじめは優しかんたんやけどな・・・」
景太郎は、肩に一滴の雫が当たり、砕けるのを感じた。
「今日、けーたろが来てくれたとき、すごい嬉しかった。今までもずっとそうやった。
困ってるときには、いつでも笑ろおて、そばにおってくれた・・・。ウチのときだけやなかったけど・・・!?」
そこまで言ったところで、みつねは景太郎の肩が小刻みに震えていることに気がついた。
胸を抱いている左腕に、熱い雫がぽたぽたと落ちる。景太郎は泣いていた。
みつねの本当の気持ちに気付けなかったことに、彼女に何もしてやれない、かける言葉すら見つけられないことが悲しくて、景太郎は涙を流した。
困っている人や悲しんでいる人を見ると、放っておくことができないばかりか、自分の立場や損得など考えることなく手をさしのべようとする優しさ。
景太郎の数あるマイナス点を補ってあまりあるその心が、景太郎の瞳から流れ続けた。
「・・・俺、何も・・・」
「けーたろ・・・。ごめんな、変な話してもうて・・・。
でも、ウチは好きやで、けーたろの、そういうとこ」
気持ちをそのまま言葉に変えて、みつねは景太郎を抱きしめる。ぬくもりを逃がさないように力をこめて。
「なあ、けーたろ。ウチに分けてくれへんか、けーたろの気持ち・・・。ウチのこと、少しでも好きやったら・・・」
みつねの言葉が何を意味しているのかは、変なところで鈍い景太郎にも理解できた。
少しの間考えてから、景太郎は一度、はっきりとうなずいた。
ちゅつ、ちゅつ、ちゅぷっと、小鳥が餌をついばむように、みつねは景太郎にキスを繰り返す。
ベッドに横たわる景太郎の上に馬乗りになったみつねが唇を重ね、離すたびにひなた荘一の豊乳が景太郎の胸板にむにゅんと押し付けられる。
唇がふれ合う時間が長くなるにつれ、みつねの乳房はその弾力を示すように形を変えて密着し、景太郎を愛撫するように動いていく。
「うぁっつ・・・」
自らの乳肉が生み出す圧力で押しつけられ、転がされて勃起しつつあるみつねの乳首が自身の乳首と擦れあうと、景太郎は思わずぴくんと仰け反ってうめき声をあげた。
「感じやすいんやな、けーたろ」
みつねは両手を景太郎の頬にそえると、押し当てるように唇を重ね、景太郎の口内に舌を滑りこませた。
それに合わせて体重を掛けながら微妙に上半身を動かして、自ら乳首を擦り合わせていく。
むっちりとした乳肉の張りが増すにつれ、二人の乳首はより強く絡み合い、共に硬く尖っていった。
口内でも、はじめはされるがままだった景太郎の舌が次第にみつねのそれを求めるように動く。
やがて、くちゅつ、ちゅくちゅっと水音が響きだすと、それまで何もしていなかった景太郎の両腕がみつねをぎゅっと抱きしめた。
景太郎の求めに応じるように、みつねは左腕で景太郎の首を抱きかかえるように固定すると、空いた右手を股間に伸ばす。
そして、すでに勃起し、先から汁を滲ませつつある景太郎のペニスに指を絡ませて愛撫し始めた。
「!!」
いきなり強烈な快感が性器から脊髄を突っ走り、何度ものけぞる景太郎。
だが、みつねの唇も指も景太郎から少しも離れない。
それどころか、より激しく景太郎を求めて動き続けていく。
ペニスを責める指は、裏筋を、雁首の裏を、絶え間なく先走り汁を流し続ける尿道口を巧みに這いまわっては離れ、限界ギリギリの快感を与え続ける。
まるで数十本の指に愛撫されているかのような快感が強烈すぎて、景太郎の瞳には大粒の涙が浮かんでいた。
そんな景太郎の様子に気付くと、みつねは右手の動きを止めて、思い切り唇を吸いたてた。
景太郎の舌と唾液を自身の口腔でたっぷりと味わってから、じゅぽっとはしたない音をたてて唇を離す。
「けーたろ・・・、けーたろの『初めて』、ウチがもろてええか?」
心の片隅に残っていた『迷い』が最後になってむくむくと膨れて、みつねの口から零れ落ちた。
景太郎への好意が、景太郎を求める気持ちと、景太郎のために身を引くべきだという気持ちに分かれてせめぎ合い、最後の一線でみつねを縛り付けてしまっていた。
もしここで景太郎が拒否すれば、みつねはその言葉に従っただろう。
しかし、景太郎はこくりと頷いて、みつねの想いを受け入れた。
自分なんかを本気で好きでいてくれて、そのために自ら身を引こうとまでしてくれる人を拒絶することなど、景太郎にはできなかった。
みつねの瞳から、涙がきらきら輝きながら流れた。
「ありがと、景太郎」
みつねはそう言って、景太郎のペニスに右手を添えて、その上にゆっくりと腰を下ろしていく。
左手でとろとろに熱くなった秘裂をそっと開くと、そっと景太郎を導いていく。
お互いの性器が触れた瞬間、二人の身体がぴくんと跳ねた。
「ん・・・あ・・・・・・」
ますます硬く反り返ってしまったペニスの向きに合わせて腰を動かすと、再びみつねは腰を沈めていく。
熱く濡れた陰唇が景太郎の亀頭を形を確かめるように吸い付き、おしゃぶりするように飲みこんでゆく。
やがて、先端が埋没すると、みつねはすとんと腰を落として一気に景太郎を受け入れた。
「うぁ・・・・・・」
膣壁を割り広げられる快感と、陰茎を絡めとられる感触に、二人の声が一つになって響いた。
みつねが性器にあてがっていた両手を景太郎の腰に当てると、二人の接合部を隠すものはなにもなくなった。
「ひとつになったで、けーたろ・・・・・・」
体奥で熱く脈打つモノを感じながら、みつねはうっとりと一体感に酔いしれた。
しばらくの間、その姿勢のままでいたみつねだったが、初めて味わう秘肉の感触に声も出ない景太郎に代わってゆっくりと腰を動かし始める。
蜜にまみれたシャフトの亀頭が顔をのぞかせる直前まで腰を上げ、また腰を下ろす。
それに加えて、背中を反らせて膣壁を擦り付け、左右に円を描くようにお尻をくねらせながらピストン運動に文字通り捻りを加え、景太郎のシャフトに快楽のコマンドを入力し続ける。
始めはゆるやかな動きだったが、景太郎の喘ぎが激しくなってくると、知らず知らずにみつねの妖艶なダンスもより複雑に、力強くなっていく。
数分もしないうちに、景太郎は急激に限界に達した。
「くあっ、キツネさん、キツネさあん、うぁ、うぁぁっ!」
みつねの腰を両手で捕らえると、景太郎はがくがくと腰を振り、みつねの動きにかまわず荒々しく性器を叩きつけていく。
景太郎がひときわ強く腰を打ち付けるのと、みつねが腰を落とすタイミングとが偶然一致した次の瞬間、
「うわ、うああぁぁぁぁ!!」
景太郎はみつねの膣内に射精してしまっていた。
びくん、びっくんと無意識のうちにロディオマシンのように腰が跳ね、突き上げられたみつねの乳房がたぷたぷと揺れる。
みつねの膣外にあふれるほど大量に精液を吐き出して、景太郎はぐったりとベッドに横たわった。
おいてけぼりにされたみつねは景太郎と繋がったまま、彼の呼吸が落ち着くのを待っていた。
やがて、強烈すぎた快感の波がおさまってくると、真っ白になっていた景太郎の頭に理性の灯がともりだす。
「あ・・・」
俺、気持ち良すぎて自分だけ先に出したんだ・・・。自分のとった行動を景太郎が理解したとき、みつねがそっと話し掛けた。
「ごめんな、けーたろ。ちょっと、無茶やったな」
優しく微笑んで謝るみつねを見ていると、快楽に負けてしまった自分が情けなくて、景太郎の表情が少し曇った。
「ごめん、俺・・・」
「ええって、初めてなんやから。ウチも、ちょっと無茶したし」
「でも・・・」
自虐モードに入りつつある景太郎。
このまま話し続ければ、景太郎は自分で自分を追い込んでいくだろう。みつねは腰を起こして肉棒を抜くと、景太郎に覆い被さった。
「ほな、けーたろ。ひとつ頼んでええか?」
返事を聞かずに景太郎に抱きつき、ころんと体をひねって上下を逆転させる。
「今度は一緒に、な」
景太郎は、顔を真っ赤にしてうなずいた。
「好きにしてええで、けーたろ」
そんなみつねの言葉も耳に入らないほど、景太郎は目の前の裸身に見入っていた。
均整のとれたしなやかな肉体は赤く上気して、艶かしくも美しいカーブに彩りを添えている。
完全に『おんな』の魅力をそなえた裸体はどこもかしこも美味しそうで、逆に景太郎はどこから手をつけていいか迷ってしまう。
固まってしまった景太郎がなんともいえず可愛らしくて、みつねは思わず吹き出すと、景太郎に話しかけた。
「けーたろ」
「あ、え」
不意に名前を呼ばれて視線を顔に向けると、みつねが目を閉じて唇を軽く突き出していた。
それを見て、景太郎は反射的に唇を重ね合わせる。
軽いキスだったが、まるで魔法が解けたかのように緊張が解けた景太郎は、積極的にみつねを求めていく。
どくん、どくんと高鳴る鼓動を感じながら、呼吸にあわせて揺れる豊乳に両手を伸ばし、そのふもとに触れると、みつねの体温と、しっとりとした肌の感触が伝わる。
景太郎は柔らかな乳肌を撫で回しながら、そっと指に力をこめた。
ほんの少し力をいれただけで、乳肉はその弾力を示すかのようにぷにゅんとたわみ、指を押し返す。
そのたまらない弾力を楽しむように、景太郎の指は休みなく動き続けていった。
しかし、その動きは『揉む』というよりは『つつく、押す』といった、ひどくソフトなものだった。
ちょっと、物足りひんかな・・・。そう思ったみつねが口を開く。
「なあ、けーたろ」
ところが、景太郎はぱっと手を離すと、
「あ、痛かった?」
その突飛な反応に、みつねはまた吹き出してしまう。
「ちゃうって。もっと強うしてええよ」
笑いをこらえてそう言うと、景太郎は再び乳房をまさぐり始める。
今度は手のひら全体で乳房を包みこむと、ゆっくりと揉みしだいていった。
だが、その動作はあくまでソフトなもので、さっきより少し強め、かろうじて『揉む』という程度でしかない。
それなのに、指が乳肉にめり込むたびに、さわさわと撫で回されるたびに、みつねの身体は熱く火照っていく。
「あっ」
景太郎の指が朱鷺色の乳首に軽く触れただけで、みつねはぴくんとのけぞり、思わず声をあげてしまう。
景太郎がぷっくりと勃起した二つの肉筒をそっと摘まみながら優しくしごくように引っ張ると、それにあわせてみつねの身体はぴくん、ぴくんと反応した。
「気持ちいい? キツネさん」
「んふふ、さっきからウチのことばっかり気にして・・・。もっと好きなようにしてええんよ」
「え、あ、でも、やっぱ二人で気持ちよくなんなきゃ」
顔を真っ赤に染めてそう答える景太郎を見ているだけで、みつねは愛おしさが胸いっぱいに広がるのを感じた。
ぎこちなく、拙い愛撫だったが、景太郎の優しさが指から染み込んでくるようで、たまらなく心地よい。
愛情がこもってるから、愛撫って言うんかな・・・。
そんなことをぼんやりと考えながら、みつねはうっとりと目を細めて景太郎の愛撫に身を任せた。
そんなみつねの姿を見て、景太郎のみつねを求める気持ちがぐんと膨らんだ。
もっと、気持ちよくさせたい、そう思った景太郎は、みつねの左の乳首を口に含んだ。
「あはぁっ!」
みつねの嬌声を聞きながら、赤ん坊のようにちゅうちゅうと乳暈ごと乳首を吸いたて、舌先で舐めまわす。
固柔らかい乳首をたっぷりと味わうと、景太郎はちゅぱっと音をたてて強く吸い上げてから口を放し、唾液の糸が切れる間もなく右の乳首にむしゃぶりついた。
「ふぁっ、あっ、んあっ!」
敏感な乳首を吸われるたびに、みつねの口からあえぎ声が漏れる。
気持ちの昂ぶりに身体の昂ぶりが追いついて、みつねに官能の鞭を打ち込んでいく。
直接ふれられてもいないのに、みつねの秘裂は新しい蜜にまみれて景太郎を迎え入れようとしていた。
「みつねさん、俺、俺、また・・・」
景太郎のペニスも痛いほど張り詰めていた。このままみつねを味わっていたら、また暴発しかねない。
「ええで、けーたろ。・・・来て」
両足を大きく広げ、みつねは景太郎に自らの秘部をさらけだした。
景太郎の目は、初めて見る女性器に釘付けになる。みつねの秘裂はその口を開き、精液と愛液で濡れたピンクの粘膜を覗かせていた。
あらわになった小陰唇もわずかに開いて、その奥にある膣口から溢れる蜜がこぼれそうになっている。
このままじっと見つめていたいという欲求を抑えて、景太郎はそっと秘裂を割り開いた。
ぷりっとした秘肉の奥に隠されていた膣口と尿道口が姿を現すと、景太郎のペニスは痛みを感じるほどに怒張した。
クンニなどの性技の知識はあるものの、そんなことをしている余裕はすでにない。
反り返ったペニスに手をあてて、強引に向きを変えてから、景太郎はずずっと腰を前に動かした。
「うぁ・・・・・・」
「けーたろぉ・・・」
最も敏感な粘膜同士が奏でるハーモニーが、喘ぎになって響きあう。
さらに深くひとつになりたくて、景太郎の腰がひとりでに動き出す。
ねっとりと絡みつく膣壁を掻き出すように腰を引き、思いを叩きつけるように打ち付ける。
みつねも両足を景太郎のお尻の上で交差させ、性器を突き立てられるたびに、お互いに最高の快感を味わえるように腰を振りたてる。
「みつねさん、すごいよ、みつねさん、みつねさぁんっつ!」
「けーたろ、けーたろぉ、あっ、あっああっ!」
二人はお互いの名前を呼びながら、快楽にその身を震わせる。
特にみつねは景太郎に名前を呼ばれるだけで何度も仰け反り、耳からの快楽に身悶えた。
より深みへと進入してくるペニスに子宮を強くノックされるようになると、みつねも限界近くに高まっていく。
「けーたろ、ウチ、ウチ、もう・・・」
恥ずかしそうに顔を赤らめ、目を伏せるその仕草が最高に愛らしくて、景太郎を一気に燃え上がらせた。
ぐぐっと射精感がこみ上げるのもかまわずに、さらに激しくみつねを求めていく。
そして、ついに二人はほぼ同時に頂点を越えた。
「みつねさん、みつねさぁぁぁぁんっ!!」
「けーたろぉぉっ、あぁぁぁぁぁぁーーっつ!!」
これまでで最高の一体感と絶頂感に飲み込まれて、二人の意識は白い光の中に溶け込んでいった。
「ん、そう。じきにそっちに着くから。ごめんな、心配かけて。うん、そんじゃ」
携帯でひなた荘に連絡しているみつねの声を聞きながら、景太郎はとぼとぼと家路についていた。
景太郎の携帯は感電して壊れてしまっていたし、みつねは「ええ感じのとこで邪魔されたくないやん」
と携帯の電源を切ってしまっていたため、ひなた荘の面々にはなんの連絡もしないまま朝帰りということになってしまっていた。
みんな心配しているだろうからと電話しようとしたところ、ウチがちゃんと説明しとくと言われて連絡をとってもらっていたのだが・・・。
「どうでした、キツネさ・・・」
後ろを振り返ろうとすると、両手で顔を抑えられ、
「後ろ向くなって言うとるや、ろ」
ろ、のところで力まかせに前を向かされる。
ホテルを出るあたりから、なぜかみつねは景太郎の後ろを歩き、後ろを振り向くなと何度も念押ししてきた。
理由を聞いても、とにかくいいと言うまで振り向くなの一点張りで、仕方なく景太郎は振り向かずに歩き続けていた。
「とりあえず、みんなにはそのまんま話しといた。ちょっとトラブって、けーたろに助けてもろて、ラブホで一泊したって。
ホテルん中のことはウチらだけの秘密やけどな」
景太郎の脳裏に、昨夜の情事が蘇る。ついでに、生でたっぷりと中出ししてしまったことも。
「その・・・、昨日は、その・・・」
こんなときは何といえばいいんだろう? 何を言いたいのか自分でも良くわからないまま、景太郎は口を開いた。
「後悔しとる?」
みつねの言葉に、景太郎は思い切り首を左右に振って答えた。
「それだけは、絶対、絶対後悔してません!」
「そやったら、問題あらへん。昨日は安全日やったし、これからのことは、けーたろがしっかり考えて決めたらええんや」
「でも・・・」
頭では納得できても、心は完全には納得していない。
もっときちんと話合おうとして振り返った景太郎は、みつねの顔を見てしまった。
耳まで真っ赤に染めて、まるでしのぶのように照れ照れに照れているみつねの顔を。
景太郎と目と目が合うと、みつねはさらに赤くなった。
自分ではどうしようもないくらい胸がときめいて、そのことを意識すると、ますます心が熱くなって、でも、照れているところを見られるのがなんだか恥ずかしくて、落ち着くまで後ろを歩いてたのに・・・。
その、ふだんのみつねとのギャップがありすぎる姿を見て、景太郎の頬も、ぽっと赤く染まった。
「・・・すっごい、可愛い・・・」
正直な感想がぽろっとこぼれた次の瞬間、
「あ、あ、アホーーーーーーーっつ!!!」
みつねの照れ隠しの右ストレートが炸裂した。まともにくらった景太郎は、いつものように空高く吹き飛ばされる
「あ、あちゃぁ・・・」
きりきりと空を舞う景太郎を追いかけて、みつねは恋する乙女の顔で走っていった。
まさむね−O
「みなさん、こんにちは。まさむね−Oです。今回はラブひなものを書いてみました」
みつね
「いろいろ言いたいことはあるんやけど・・・、これ、ほんまにウチか? 行殺新選組のカモちゃんさんとか混じってへん!?」
まさむね−O
「かもしれません。つーか、ラブひなのマンガとアニメを両方チェックしてみて、
みつねさんが一番謎な点が多かったんで、いろいろ勝手に設定をつくりやすかったんです。で、ネタを考えてるうちにだんだんと・・・」
みつね
「おまけに、この話続けるつもりなんやて? しかもほとんど全キャラ出るのになるだけ出番なし。ええ根性しとんなあ」
まさむね−O
「はい。ラブひなの他のネタとリンクできそうなんで、そうしようかな〜と。
でも、成瀬川のネタがどうしても出なくって。素子ちゃん、しのぶちゃん、カオラ、むつみさんまでは完成してるんですけどね。
あと、可奈子ちゃんのネタは思考錯誤中で、サラちゃんは除外してます」
みつね
「ま、それもラブひなファンが読みたいっちゅうてくれるかどうかやな。最悪、ウチのファンにイワされるかもしれんけど」
まさむね−O
「正直、ちょっとやりすぎたかな、とは思ってます。
もし、次があるとしたら、素子ちゃん編を書くつもりですので、感想や要望等ありましたら、掲示板なんかでどうぞ。
ちなみに、全編純愛ものになります」
みつね
「そんときまでに、腕上げときや。あと、ウチの設定が気に食わんようやったら、それも教えてな」
まさむね−O
「それではみなさん、またしばらくお待ちください」