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キーンコーンカーンコーン……
学校共通ではないのか、と疑いたくなるほどありきたりなチャイムの音が響く。最終下校時刻が近いことを知らせる音だ。
窓の外からは沈みかけた太陽の赤い光が差し込んでいる。
「あれ?もうこんな時間?」
「じゃあ、今日はこれで解散ね」
ここは都内近郊に位置して、広大な敷地面積を有する、神道系高校此花学園。
その此花学園で、ここ最近の活躍が学校にも認められ、部員もなんとか集まり、
ようやく設立できた新聞部の部室が今いる場所。
僕、桃井恵がそこに転入してきてから、およそ一ヶ月が過ぎた。
僕たちはいままで、新聞部の部室でミーティングをしていた。
「じゃあ、また明日」
「ど〜も、おつかれさまでした〜」
なんて事を言いながら、みんな部室を出て行く。
僕もさっさと退散したいところなんだけど……
「はい、恵君コレ」
そう言いながら、橘さんは僕にホウキとチリトリを渡す。つまり掃除をしろということだ。
「はいはい……」
苦笑しながらも、僕はそれらを受け取り、掃除を始める。
こんな自分が、今までよりはずっと好きになってきている。
原因は橘さんにある。彼女の考え方などに毒されたからだろう。
「元気がないぞー!!」
「応援する元気があるなら手伝ってよ」
などといった会話が続く。
下校前の校舎に、明るい声が響いた。
「さてと……大体こんなものかな?」
「う〜ん。まあこんなものでしょ」
掃き終えた部屋の中を見回し、掃除が終わったことを確認する。
「じゃあ、帰りましょう」
「そうだね」
二人とも鞄を持ち、部室から出る。
「よっと」
軽いかけ声を上げて、橘さんが部室に鍵をかける。
「さて、これでよしっと」
鍵がしっかりかかったことを確認すると、寮に向けて歩き出した。
「……それが頭に来るのよね〜」
「って言うか、それは橘さんが原因なんじゃ……」
寮の自分たちの部屋に向かいながら、他愛もない話を僕たちは続けていた。
大体、今日あったことがどうしたとかそういう話だ。
「なによ〜、恵君も私が悪いって言うの〜?」
「いや、だってさ……」
「だってもヘチマもな〜い!」
突然のその声に、僕は驚いた。
なんだか今日の橘さんはいつもと違う。
このままその話を続けると僕が責められそうなので、なんとか話題を変えることにする。
「な、なんだか……今日の橘さん、いつもと違うね……」
「や〜だ恵君、照れるじゃないのよ!」
その言葉に、顔を赤くしながら僕の体をバシバシと叩く。やっぱりいつもと違う。
なんていうか……妙に元気で上機嫌で、ハイテンションだ。
そんなとき、やっと寮の僕の部屋が見えてきた。
いつもはなんの変哲もないその扉が、今日は救いの神のように見えた。
「ああ、橘さん。それじゃ、僕の部屋ここだから」
足早に部屋に近づき、扉を開ける。
なんとなく間抜けなことを言っているような気がしないでもないが、今は部屋に早く戻りたかった。
「それじゃ、おやすみ」
そういうと、部屋の扉を閉めた。
「はあ……やっぱりなにか変だったよ。早く切り上げて正解……」
「何が正解なの〜?」
「うわぁっ!?」
突然背後から聞こえてきた声に、思い切り驚く。
そして恐る恐る後ろを振り返ると、
「ひどいぞ〜、恵君。私を置いて行っちゃうなんて〜」
「やっぱり……橘さん、何でここに?」
そこには予想通り、妙にご機嫌な橘さんがいた。
今まで気付かなかったけど、顔がうっすらと赤い。近くで見て始めてわかった。
「って言うか、自分の部屋に帰ってよ……」
なんだか頭が痛くなってきた。
「疲れたから、今日は恵君のところに泊めてよ〜」
「疲れたから……って自分の部屋まですぐでしょ。それくらいで何をいってるのさ」
「なによ、私の頼みが聞けないっていうの?」
なんとか説得しようとしていると、突然橘さんが凄んできた。
目が座ってる。ちょっと怖い。
「いや……でも……大体なんでこんなことに……」
橘さんがこうなっているのに、何か思い当たる節がないものかと必死で考える。
「あ……もしかして……」
一つ、心当たりがあった。
それは、今日の新聞部での一コマ。
いいものを持ってきました。
なんて言いながら、差し出されたのはケーキだった。
部員の一人が持ってきたやつだ。
みんなで、それを食べた。もちろん橘さんも……
「あれ……お酒が入っているやつ……?」
誰もいない空間に呼びかける。もちろん答えはないけど。
「え?だって、あれで酔ったってこと!?」
「酔ってなんか〜いないよ〜」
酔ってる。絶対酔ってる。
言葉は間延びしてるし、顔赤いし、妙にハイだし、話無茶苦茶だし。
でも、そんなに多い量が入ってるわけでもないし、子供だって食べたりするだろうに。
アルコール、弱いんだね橘さん。って、そんなこと考えてる場合じゃなくて……
「とりあえず……保険室かな?」
「め〜ぐ〜る〜くんっ!」
どうしようか考える僕に、橘さんは突然抱きついてきた。
「わっ!?な、何」
「恵君の肌って、キメが細かくて綺麗ね〜」
僕の頬に手をやりながら、橘さんは言う。
その顔はなんとなく色っぽくて、その言葉にもゾクゾクした。
「ちょ、ちょっと、止めっててば」
「まるで女の子みたい……」
「だ……だから……」
なんとか抵抗を試みようとするものの、体が自由に動かない。
どこかで、抵抗を嫌がっている自分がいるのが分かる。
「おいしそう……」
「んっ……」
言葉を発しようとした僕の口を、橘さんの口が塞ぐ。
僕の頬に両手をあてて。
一体どのくらい唇を重ねていたのだろう。時間の感覚が消えてしまい、僕には分からなかった。
それほど衝撃的なことだった。
やがて、彼女の方から唇を離す。
「ふう……」
「た……橘さん……」
何か大事なことをやり遂げた満足感のような顔を、橘さんはしていた。
それに引き換え僕は、衝撃の大きさに腰が砕け、その場にへたり込んでしまった。唇に手をやりながら。
「なによ〜、だらしがないわよ恵君。この程度でへばってちゃ」
「橘さん……もう……やめようよ……」
僕の姿を見た橘さんが、激励の言葉をかける。それはつまり、まだこれ以上があるという意味の表れだろう。
僕は残り少ない理性を総動員させ、何とか最後の説得を試みた。
「やめる?な〜に言ってんの。私が、恵君のことが好きでしたいんだから」
「……え?」
ボーッとした頭では、すぐにそのことを理解することが出来なかった。
それはつまり……
「ふふふ……恵君」
橘さんは、まず僕を仰向けに押し倒した。寝ている僕の制服のネクタイを外し、シャツに手をかけ、ボタンを外す。
やめさせようと思うんだけど、体が動かない。
ほどなくしてボタンは全て外され、シャツを脱がされて、上半身裸にされてしまった。
「恵君の肌って本当に綺麗よね。無駄な毛とかもないし」
僕の胸を擦りながらそう言い、橘さんは僕の胸の、乳首を優しく吸う。
「ううっ……な、なに、この感覚……」
そのまま橘さんは、舌で舐めたり軽く噛んだりといった行動をした。
一方の僕は、その未知の感覚に声も出ない。
「あっ!立った」
楽しそうに橘さんは言う。見ると確かに僕の乳首が立っていた。
「それじゃ、もう片方も」
「ちょっ……」
もう片方も同じように愛撫しはじめた。赤ん坊みたいに吸う。
しばらくさっきまでと同じような愛撫をされる。
でもその動きはだんだんと上に行く。
首筋にそっと指を這わせ、舌も這わせる。
突然、橘さんはフッと息を吹きかけてきた。
「ううっ!!」
橘さんの熱い吐息が首筋にかかり、こらえきれずに体がビクツと動く。
ニコリと、まるで僕の今の行動を楽しむような笑顔を浮かべ、喉仏の形を探るように舌を動かした。
そして、僕の顎にそっと手をやると、
「わあ……恵君って、ヒゲが薄いのね。全然ザラザラしないわ〜」
と言い、またキスをした。今度は、さっきのようなものじゃなかった。
激しく舌を使い、僕の舌に絡ませようとする。その勢いに圧倒され、僕はされるがままになっていた。
再び満足したような笑みを浮かべると、橘さんは今度はそのまま下に降りていった。
僕の体に舌をつけたまま、ツツーと降りていく。お腹の辺りで止まる。
おへその周りを舌で刺激を与えながら、手では衣服の上から僕の性器に触れていた。
「ううう……」
二つの刺激に、下腹がどんどん熱くなっていく。
その熱をさらに高温にしようと、橘さんはより強く僕の性器を擦り出す。おへその刺激はもうない。
やがて、服の上からでは我慢できなくなったのか、チャックを開けて僕の性器を引っ張り出そうとする。
ズボンのチャックから手を入れ、僕の性器を掴む。そのときは、痛いくらいに勃起していた。
チャックから引っ張り出した僕の性器を橘さんは優しく持ち、裏筋を下からゆっくりと舐め上げていく。
「どお、気持ちいいでしょ」
手は性器の根元を優しくしごく。それは右手の動きで左手は袋に伸びていた。
「ひゃう」
右手で握られて、左手で持ち上げられて、口は先の部分を咥えていた。
あまりの気持ちよさに、我ながら何とも情けない声が出てしまった。
「カワイイわよ、恵君」
「しゃ、しゃべらないで……声が……」
咥えたまま声を出され、その声の振動と舌の動きは今までで一番の刺激だった。
その刺激のせいで限界の糸が切れてしまった。
「ん!?んんーっ!!」
咥えられていたままだったので、橘さんの口の中に全部出してしまった。
予告なしのその行動に橘さんは驚きつつも、出された精液を口から溢れさせることなく飲み干した。
「もう……ゲホッゴホッ……私に許可なくイっちゃうなんてさ」
むせながらそう言う。そして、まだ奥に残っているであろう精液を引っ張りだそうとチュウチュウと吸う。
イったばかりの僕にとって、くすぐったいような心地良いような刺激だった。
「むふぅ……さ、次は恵君の番よ」
全てを吸い終わったらしく、顔を上げ、口元を拭いながら言った。
「え……?」
「え?じゃないでしょ。一人で勝手にイっちゃったんだから、次は恵君の番」
「う、うん」
とは言ったものの気持ちが萎縮してしまい、何をすればいいのか分からない。
「もう、しょ〜がないわね〜」
そう言うと、橘さんは制服のスカートをめくる。薄い青のショーツが見えた。
それに手をかけ、片足だけ脱いで僕の顔の上に腰を落とす。
「あとは……分かるでしょ……」
位置のせいで顔はわからなかったけど、声の感じからは照れているように思えた。
「そ、それじゃ……」
意を決して、僕は橘さんの秘所に舌を這わす。
最初は割れ目に沿うように、そして段々と大胆になって、割れ目の中に舌を侵入させようとしたりする。
「そうそう……恵君、上手じゃない……」
そう言う橘さんの声は艶っぽく、僕の興奮も高まった。
ふと、自分はスカートの中に顔を突っ込んでいるんだということに気がつく。
どんどんエッチな気分になっていってた。
橘さんの腰を掴み、舌の動きを活発にして、さらには鼻を擦りつけたりする。
「あっ……そうそう……んんっ!」
橘さんの体がピンと張り詰め、腰を少し浮かして、仰け反った。
どうやら、彼女も絶頂に達したようだ。
仰け反った体勢のまま、指を口元に持っていっていた。
その姿がたまらなく色っぽい。
「ハア…ハア…それじゃ恵君、本番行くわよ」
そう言うと、僕の返事を待たずに橘さんは僕の腰に自分の腰を落とす。
「ああ……ふあああ……」
中に入っていく瞬間、嬌声が上がった。
俗に言う騎乗位の体勢。
僕の上で橘さんは自分勝手に腰を動かしている。
「ふむうっ!いいわよ……恵君の……」
ぺロリと舌なめずりをしながら、橘さんは言う。
そして、腰の動きを一段と加速させる。
動かないように、僕の腰を抑えつけられている。
「くあっ!もう……ダメだ……」
どれくらい時間がたったのだろう。僕は、限界が近いことを伝える。
「ふふ……いいわよ恵君。イって」
「ああっ!」
限界を超え、精液がドクドクと橘さんの中に注がれる。
その感覚を感じながら、橘さんも絶頂に達した。
「はあ……」
気だるい感じに襲われ、力なく二人とも寝そべっている。
二人ともさっきの格好のままだ。
橘さんは、僕の上にもたれかかったままだけど。
「ねえ、ちょっと聞いていい?」
「なに?」
突然、橘さんが僕に聞いてくる。
「私とで……イヤじゃなかった?」
「大丈夫だよ。イヤじゃない」
「よかった……」
ホッと安堵する橘さん。
「じゃあ、僕も聞いていい?」
「どうぞ」
「本当に酔ってた?」
「そ、それは……」
橘さんは俯いてしまう。その姿が妙に可愛らしい。
「酔ってると、自分が解放されるっていうでしょ。ということは、
本心では橘さんはああいう風にしたいってことでしょ。
酔ってなかったんなら、あれが橘さんの標準ってことになるわけで」
あんまりにも可愛かったので、ちょっといじめてしまう。
「本心を言えば、僕はあれでもいいよ。相手が橘さんだから」
僕の言葉に橘さんはさらに俯き、そして顔どころか耳まで真っ赤にする。
そして消え去りそうな小さな声で一言、
「……バカ……」
とだけ言った。
終
どうも作者です。そして今回のゲストです。
「決め言葉は、『持って生まれた魅力かしら』。橘美亜子で〜す」
そういうネタはやめてください。その作品好きですけど。
「悪かったよ……兄くん」
だ〜か〜ら〜……(苦笑)
「やらせているのは、そっちでし」
それは本来しゃべれないでしょ。スミマセンが、今回は長くなります。ご容赦下さい。
「ふむふむ、まあ許しましょう」
え〜、まずこれは掲示板に書いてあったので書きました。恵君受けで、とあったんです。
でもそういうの書いたことがなかったので、満足されたかは疑問です。ごめんなさい。
それにこんな風に持って行って本当に大丈夫なのか、とても心配です。思いつかなくて。
なんと言っても資料がない。検索とかしてもこういう小説がなくて。(やおい系はよくあった)
多分年上のお姉さまとなら、多少は楽に書けたと思います。それなら見つけましたので。
あと、私事ですがこれを書いてる途中にラグナロクの新刊が出たんで本屋に行ったんです。
すると此花の小説があったので、さっそく購入。で読んだわけです。
「ほうほう。で、その小説の感想は?」
イラストレーターの敗北。読めば分かるけど、ある一枚の絵がトリック思い切りバラしてる。
あと、着メロは『迷いの森』と『moon』じゃないかなって思った。
自分の携帯も、迷いの森が着信音です。
「言いたいことはそれだけ? それじゃ本編の言い訳もしなさい」
はい。難しかったです。これで大丈夫なのかなって、スゴイ悩みました。
てめ〜、ナニつまんねーの書いてんだ!って怒られるんじゃないかと怯えてます。
美亜子が酒に弱いのかは知りません。勝手に設定に加えちゃいました。
いくら弱くても、お菓子に使われている程度のお酒で酔うはずないでしょうけど。
そういう人っているんでしょうか?
それと本当に酔ってはいません。いい気分くらいです。酔ったふりして……って親父か(笑)
タイトルについてですが、美亜子のことを指しています。
なんかこの二人って、きっかけがないと正直になれないようなイメージがあって。
ケーキを持ってきたのは、麻績村まゆ子さんがやってたあの人ということにボクの中ではなってます。
それと、基本はCDドラマの流れで書いてます。分からない人には何のことかさっぱりでしょうね。
「ずいぶん長くなったわね。私の出番ほとんどないじゃない」
じゃあ、シメをお願いします。ボクは次の作品に行きますから。
「はいはい。読んでくれた人どうもありがとう。気に入らない、って人は自分で書いてください(笑)
これでもコイツなりに一生懸命書いたらしいですから。ホントに、読んでくれた人ありがと〜。
次回はこの作者初の陵辱ものらしいぞ。期待せずに待ってね」