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邪神
暴れ猫/文


 えすおうえすビシゆぬふつかつの季気スグにこい。

 

 SOSヴィシュヌ復活の危機すぐに来い。

 

 「ペキンパー!すぐに金を用意してくれ!それと急いで出国手続きを!!」

 葉子から渡された絵葉書は、ハーンからのSOS信号。八雲を、パルジャニア人民共和国に呼びつけるものであった。

 「コネリー家にはなんて・・・」

 「直にパルジャニア人民共和国に行かなくちゃならない。しばらく留守にするとでも言っておいてくれ!」

 「分かった」

 「八雲さん、私も行きます」

 「ダメだ!!」

 同行を志願する葉子を、八雲は即座に拒否する。

 「お嬢さん、ミスターの言うとおりだ。危険すぎる」

 「なぜです?」

 「あそこは今、国王復権派と共和党政府との間で対立してるんだ。毎日武力衝突が絶えない」

 「そんな危険なところなら・・・」

 「戒厳令も出されててね。一般市民はまず入国は出来ない」

 「八雲さんはどうやって・・・」

 「それは移動中に考えるさ」

 「じゃあすぐに手続きを・・・・」

 「待って!」

 「何度言っても無理だ。連れては行けない」

 「その国は確か、インドシナの辺りだったわよね?」

 「?」

 「亜熱帯雨林。入国するなら川よ」

 葉子の言葉にペキンパーが頷く。

 「ミスター。潜水服も用意する。すぐ出国の準備を・・・」

 「ペキンパー!出国のチケットは二枚。頼むぜ、綾小路」

 

 

 

 「いたぞ!!こっちだ!!」

 密林の中に、一つの物体が移動中であった。たちまち周りを兵士に囲まれる。

 ズダダダダ!!ズダダ!!ズババババババ!!!

 無数の銃弾を浴びる。いたる所から体液が噴出し、肉塊が飛び散る。

 キルゾーンは煙幕に覆われ、一旦攻撃は中断する。

 「殺ったか?」

 銃口は怪物に向けたまま、煙幕が途切れるのを待つ。兵士達もこれ以上の追撃は出来ない。バレルが冷える間もなく使われ、使用限界も過ぎている。怪物退治にこれ以上人も割けない。

 祈ることは、これで怪物の息の根が止まることと、敵勢力に見つからないことである。

 「ニンゲンゴトキ・・・・ガ・・・・・」

 人のものでない声が聞こえる。煙幕が途切れる。その真中に黒い物体が現われた。

 「くっ!」

 かすかに動いている。

 「トドメを刺せ!!」

 隊長の一声に、兵士達が一斉に飛びかかる。

 ブシュ!!ブシュブシュ!!

 バイアネットの刃が全て突き立てられた。黒い体液が勢いよく流れ出す。

 「オロカモノガァァァァァ!!」

 怪物の唸り声。その瞬間、幾人かの首が飛んだ。黒い触手がゆらゆらと空に揺れる。

 「たっ!たいびぃっ!!」

 隊長の身体が、触手に貫かれる。口から血を吐きながらもがき、そしてダランと手足が落ちる。

 「ヒッ!!」

 一斉に兵士が逃げ出す。が、誰一人生きてかえることはなかった。背を向けた瞬間、無数の触手が次々に腹を突き刺し、首をへし折り、捉え生きたまま食い千切る。森の中に幾つもの断末魔が響いた。

 「こちら本部。第四哨戒隊、ニ小隊怪物退治にまわす余裕ができた。場所を教えてくれ。こちら本部、こちら・・・・」

 地面に落ちた通信機。それも触手の一叩きで粉砕する。そしてノソノソと森の奥へと消えていった。

 

 

 

 ブアァァァァァァァァン!!

 物凄い音を立てて、川の上をホバークラフトが滑る。数人の人影がその上にある。目を凝らしつつ、遠方を見張る。

 ・・・・ドドド・・・・・ドド・・・・・!!

 ホバークラフト稼動音の中に、銃砲音が混じる。

 「どうした?国境侵犯者か?」

 「わからん!!水底に人影が!!」

 「機手!反転しろ。通信手、本部に連絡を!増援の要請だ。他の者は気をつけろ!クシャスタリ王派の兵かもしれん!!」

 すぐさまホバークラフトは反転する。来た道を、水中に注意し進む。

 音がだいぶ小さくなった頃、水中から手が伸びてきた。まず男の姿が現われ、水面上に蛇のようなうねりが出現し、男に支えられるような格好で女の姿が現われる。

 八雲、そして化蛇〔ホゥアシヲ〕こと、綾小路葉子であった。

 「大丈夫か?綾小路・・・」

 「え、ええ・・・」

 赤くなった顔。

 「なんなら少し休むか?」

 「平気よ。いきなり撃たれてちょっとびっくりしただけ」

 「ならいいけど、顔赤いよ」

 「本当に大丈夫だから・・・」

 「そうか。もう少しで到着するけど、無理はするなよ」

 八雲の行き先は、葉子は知らない。それよりも自分の身体を押さえるのに必死だった。

 (ふぇ〜ん(涙・・・。八雲がこんなに近いと、体が疼いちゃうよぉ)

 

 川岸に建っている家。不法入国をした八雲と葉子は、この家に向かった。

 「何しに来やがった!!この疫病神が!!」

 八雲の顔を見たこの家のおばさんの最初の一声。その剣幕に、思わず後ずさりしてしまう八雲。

 「あ、いや、ウラジャ爺さんに手助けを頼みたくて・・・」

 「っとっととお帰りよおっ!!」

 言うと同時に、何かを投げつけられる。ドン!!と重い音と同時に、八雲脇にある柱に斧が深く突き刺さる。

 「よくもまぁ、ここへノコノコとやって来れたもんだねぇ。あきれてものが言えないとはこの事だよ。四年前あんたがこのパルジャニアに来て、何をしたか忘れたとは言わせないからね」

 包丁の刃をギラつかせて、八雲を睨む。

 「お、お知り合いの方なの?」

 知り合いの家に来たとは思えないお迎えに、葉子の不安が募る。

 「この人はその昔、妖撃社の妖怪退治を依頼しにきた、老術師の奥方。ちいっとばかし、面倒見てやったんだ」

 葉子にだけ聞えるような小声で軽く説明する。しかしどの人にも、気に食わない言葉だけはきちんと聞える。

 「何が面倒だい!!何も出来ないヒヨッ子のクセして!!おまえのせいでこの国がどんな目にあったことか!!」

 手当たりしだい、物を投げつける。包丁、まな板、ビン、壷・・・。

 「おかげでウチの爺さんは術師仲間から、肩身のせまい思いをしてきたんだからね!!」

 「いや!!反省してます、ホント。だからちょっと休むくらいは許して!!国境警備隊から逃げてきたんだから」

 葉子も八雲の後ろからひょこっと顔を出し、邪な考えがないことを笑顔で伝える。

 「国境警備隊!?見つかってないだろうね!!見つかってたならあたしだって無事には済まないんだからね!!」

 「いえ、見つかってないです」

 「本当だね?あんたの姿が見られてんなら追い出すよ!!」

 葉子の顔を見る。八雲もそうだが、顔からアシまで泥だらけの格好である。

 「そこのネエちゃん。裏にお湯がわいとるから、湯浴みしてきな」

 ぷいっと横を向き、奥に入っていった。葉子は裏手に回ると湯浴みを始め、八雲はそのまま奥方の言葉を待つ。部屋の奥から食べ物と酒をも持ってきて、ドンと置くと、自分も座る。

 「食いな」

 そう言うと、木の実を割って作ったコップに酒を注ぐ。

 「あ、ありがと・・・」

 「ふん!!」

 並々と注いだ酒を一気に飲み干した。

 

 「国境警備隊から逃げてきたねぇ・・・・」

 「大丈夫ですって!!見つかってないですから!!」

 「分かっとるわい!!見つかってるならとっくに捕まとるわ!!」

 酒が入り、ますます目の鋭さが増す奥方。

 「そんな思いまでして、何しにきた?」

 核心に触れられ、八雲の顔から笑みが消える。無論また騒動を持ちこんだ手前もあり、黙っているわけにはいかなかった。

 「ヴィシュヌ紳復活阻止に」

 「!」

 カラン。奥方の手から、コップが落ちる。

 「ま、まさか・・・」

 「そのまさか、ですよ。俺の知り合いの秘術商人が、この国の絵葉書を俺によこしました。ヴィシュヌ紳復活の危機を訴えて」

 バックから絵葉書を取り出し、奥方に絵葉書を見せる。日本語は読めないが、その絵葉書は確かに自分の国のものであった。

 奥方の頭の中に一つの答えが浮かぶ

 「ク・・・クシャスタリか・・・・・」

 「!?」

 その奥方の声に、湯浴み中の葉子の手が止まる。

 「奴め、また企んでおるのか!!」

 「クシャスタリって国王の・・・・」

 「そう!!共和党政府に追われた恐怖政治の独裁者、クシャスタリ国王!!今だゲリラ戦をしかけ、王権復古を目論んでおる」

 「でも、王権復古と、ヴィシュヌ紳ヒンドゥー教の神の復活って、どういう関係があるんです?」

 「紳王思想〔デーヴァラージャ〕さ」

 「それってまさか・・・・」

 「自分が神になるつもりなのさ・・・」

 

 

 真昼にかかわらず、視界の確保すらおぼつかない森の中。数人ほどの男たちの会話。

 「全くゲリラ戦も楽じゃないぜ」

 「だいたい何小隊がやられたんだよ」

 「俺たちが殺られりゃ、五小隊目だぜ」

 「共産党はいいよな。どうやらNATOの介入があったらしいぜ」

 「アメリカさんが来ないだけマシってか?」

 「どう足掻いたって来んだろ。儲け話じゃない限り」

 「世論より金。それがアメリカさんだからな」

 「金はやらんけど、この怪物はプレゼントしたいね」

 度重なるゲリラ線縮小に、疲れと苛立ちが募り始める。ましてや一向に潰せない怪物まで相手にせねばならず、クシャスタリ派の兵士に士気はない。

 「いたぞ!!」

 前方の黒い塊。

 「本当に殺れるんかよ。何百発も銃弾くらいながらまだ生きてんだろ?」

 銃を構える。

 「泣き言は言うな。俺だって逃げてぇんだからな」

 隊長自ら戦意の無さを暴露する。むしろこれ以上の攻撃になんの意味があるのか?と。逃走経路を辿れば、いずれ共産党陣営に侵入する。これ以上の追撃はしなくてもいい筈なのだ。

 「上の考えは分からんな・・・」

 右手を上げ、銃口が怪物に向けられた後、手を下ろす。

 銃口が光り、唸り、その瞬間、怪物の体から肉塊が飛び散る。

 「食らいやがれぇ!!」

 マシンガンからバズーカに持ち替え、引き金を搾る。隊長はそのうちに対怪物用に、火薬量を増やしたシュツルムファウトをバズーカに装着した。炸裂音が止み、黒煙が晴れるのを待つ。火器のの威力で押されたのか、やや後方にずり下がっている。

 「!!川に逃げ込むつもりか!?」

 怪物の後方には川があった。怪物はその川に向かい進行している。

 「逃がすかぁ!!」

 バズーカを構え、引き金を搾る。

 バシュッ!!・・・・・・ズガァァァァァン!!!

 川向こうの樹に当たり、炸裂する。

 「外したっ!!」

 急いで川岸に走る。川の水は濁り、底が見えない。

 「通信、本部に連絡!目標は川の中に逃走。濁りが激しく、視認による追撃は不可能。指示を待つ!」

 

 「グ・・・グググ・・・ニ、ニンゲン・・・メ・・・・」

 

 泥を洗い落とし、湯に浸かる葉子。時々下腹部に手を置き、顔を赤らめる。

 (どうしよう・・・・)

 五百年に一度の発情期。精を求める本能を、人間としての理性が押し留める。しかし場所が場所なだけに、もしかすると八雲に見られてるのかもしれないという期待が、子宮を疼かせる。

 (ごめんね・・・・)

 既に子宮で精を待つであろう卵子たちに、葉子は謝る。化蛇としてならこの件が片付いた後に、生殖を求めるであろう。しかし葉子は人として、まだ高校生なのだ。安易に子を授かるわけにはいかない。

 「?」

 不思議な気配を感じる。殺気でも友好的雰囲気でもない、懐かしい感覚。

 「八雲・・・」

 声は届かなかったらしい。奥方と熱心にクシャスタリ陣営の本部に乗り込む経路を練っている。

 八雲すらこの気配に気がつかないのであれば、敵ではあるまい。ただでさえここの地形を知らないのだから、経路の話し合いに口を出すわけにもいかず、とりあえず湯浴みから上がる。

 「後どれくらいかかる?」

 「う〜ん・・・・一番危険度の低い道を探ってるけど、まだかかりそうだね」

 「じゃあちょっと泳いできていい?ここの地形もちょっとは頭に入れたいし」

 「あ・・・・わかった。でも気をつけろよ。綾小路」

 気になる気配。危険は無いと踏んだ洋子は単身水の中に消えていった。

 

 

 

 「オ・・・オンナ・・・・」

 水の中で揺れる黒い物体。

 「オンナノニオ・・・・イ・・・・」

 水の中に漂うかすかな牝の匂いに反応する。

 「ノ・・・・ノコサ・・・ネ・・・バ・・・・・」

 ムクムクと生殖器が膨れ上がる。残り僅かな命数が、種保存の本能を突き動かした。

 

 

 

 「なんだろう?懐かしい何かがどんどん大きくなる・・・・・」

 水の中を泳ぐ葉子。しばらく上流に向かい泳ぐうちに、片側だけが濁り出す。何処かで二つの川が合流しているのだろう。

 「なんだか・・・・怖い・・・・」

 懐かしい雰囲気の合間に威嚇すら感じ始める。川の合流地点を過ぎ、さらに上ると、突然その気配が消える。川から顔を出し周囲を覗うが、気配は完全に消えていた。

 「なんだったのかしら・・・・・」

 来た川を戻る。再び合流地点まで来た時、葉子は恐怖を感じた。

 「な・・・何・・・この感覚は・・・・」

 川の中に木の根が伸びてきている。それを掴み、顔を出す。下半身は化蛇化しているため、上半身を起こすのがやっとだった。やや高い土手を這い登り、その奥を覗く。

 「!!!」

 木々の間にある二つの赤い光り。寸分の狂いも無く葉子を見ている。背中に戦慄が走り、逃走本能が逸早く、掴む手は根を放す。後ろに倒れこむように、水の中に逃げ込んだ。

 (逃げなきゃ!!)

 颯爽と泳ぎ出す。複雑な感情。恐怖の中に感じた、何処かで感じたことのある懐かしい雰囲気。

 (!)

 尾が何かに捕まった感触。そして泳いでも前に進まない。

 長い胴体が災いし、尾が反転する前に捕まる。徐々に引かれ、手繰り寄せられる。尾から水の感覚が無くなった時、滑るように幾つもの触手が葉子の上半身に絡みついてきた。

 (イヤッ!!)

 ザバーン!!水面に持ち上げられる葉子。そのまま草の上に放り投げられた。

 「グッ!!」

 草がクッション代わりになり、たいしたダメージではない。しかし下半身の変化を解いてないため、すぐに逃走は出来ない。目の前に黒い影が落ちる。恐る恐る見上げた。

 「ま・・・・・魔羅!!」

 巨大な男根の姿。幾つもの触手を唸らせ、葉子を見下している。

 (なんで魔羅が・・・・!?)

 ヴィシュヌ復活が頭によぎる。ヴィシュヌの化身、仏陀。魔族に悩む神々の為に釈迦族(シャーキャ族)の王、浄飯王シュッドダ−ナの息子として地に君臨した。魔族を打ち破る為に悟りを開く仏陀。そこに現われたのが魔羅である。かつて化蛇も、魔羅と共に仏陀と戦ったこともあった。

 魔羅は殺され、化蛇を始めとする他の者達は、命からがら逃げることに成功する。しかしその代償はあまりにも大きかった。

 悟りを開いた仏陀は、魔族たちの間に異端の教義を開き、ヴェーダの宗教(バラモン教)を捨てさせた。結果、魔族は力を失い、地獄に堕ちるに相応しい存在となった。

 化蛇も力を失ったが、後にシヴァの无ベナレスと出会い、力を取り戻し始める事となる。

 陰と陽、光と影。ヴィシュヌが降臨するからこそ、魔羅も蘇ったという事か?

 経緯はどうであれ、自分もヴィシュヌ復活を阻止する為に、ここにきている。しかし手を結ぼうという考えは浮かばない。魔羅から噴出す念動はあまりにも禍禍しく、危険な存在と本能が警告を鳴らす。懐かしい雰囲気を感じたのは確かだが、それを掻き消すほどの欲望を感じる。

 (あ・・・あれは!!)

 魔羅から伸びる触手の中に、明らかに形態の違う触手を六本見つけた。

 (生殖器!?)

 確信は無い。仮にも魔族の長、神である。転生の法を使う神に、子を残すという概念は持ち合わせない。筈である。

 シュパッ!

 逃走の気配を感じ取ったのか、魔羅の触手が葉子を捕らえた。腰を巻かれ、腕を巻かれ、足を巻かれる。尾を激しく動かし、反動で拘束を解こうとするが、それ以上の力で魔羅は葉子を逃がさない。

 いとも軽く、空中に持ち上げられた。一本の触手が葉子の頬を滑る。もう一本の触手が葉子の無毛の性器をなぞる。

 「なっ!!何すんのよぉっ!!」

 血の気が引き、青ざめる。気がつけば、胸に、腹にも触手が纏わり付き、その柔らかい牝の身体を這いずりまわる。おぞましい感触に、鳥肌も立つ。

 (タ・・・タマゴノ・・・ニオイ・・・)

 かすかに聞えた魔羅の思念。びくびくと脈打つ形態の違う触手が、葉子の目の前で空中に青い液体を迸らせた。

 「や・・・・・ヤァァァァァ!!」

 生殖器であることを認知する。魔羅が自分を捕らえ、子を宿させようとしていることも悟る。

 「いやよっ!!誰があんたなんかのっ!!」

 だが、いかに暴れようとも、その触手が解かれる気配はなかった。

 

 

 

 青い液体を放った生殖器が、葉子の口の中に入りこむ。ピストンをしながらその口中で肉茎を曲げ、先端を、亀頭を舌に押しつける。苦い味が葉子の顔を歪める。亀頭から逃げようと舌を動かすが、動きが限られ、逆に自由に動ける先端を舐めまわす結果となる。

 生殖器二本が互いの手にその身を擦り付ける。手の甲に触手が回り、強引に生殖器を握らせる。ズリュ、ズリュと生殖器自らが動き出す。そのうち肘から手までの間に触手が巻き付き、葉子の意思を無視して生殖器をシゴかし始めた。

 (キ・・・キモチイイ・・・・)

 柔らかかった肉茎が次第に固くなりつつ、体液の脈動もはっきりと手の平に伝わる。

 それは口中の生殖器にも起こりつつあった。ピストンも早くなり、先端からは何かの液体が湧き出している。

 (オ・・・・オオ・・・)

 ビクン!!

 口中で一度大きく震える。チュポン、と小さい音と共に引き抜かれ、亀頭先端が葉子の顔を向くと同時に、青い精液を迸らせる。咄嗟に目を瞑った。

 ブピュ!!ブピュルルッ!!

 右頬から左目にかけて、青い線が引かれる。二撃、三激と続く射精は、おでこに、瞼に、鼻の頭に、唇に降り注ぐ。粘度の高い精液は、ゆっくりと下降し、顎から線を引いて落下する。ツンと生臭い香りが辺りに漂う。

 「ヒィッ!!」

 腕が持ち上げられる。手の平から感じる熱い脈動は激しく、射精間近な事を告げる。生殖器を握らされたままその先端の穴は両乳首に押しつけられ、生殖器自らの動きは止まり、葉子の手だけでシゴかされる。

 「や、止めてぇ!!」

 手の平に大きなうねりを感じた。

 バピュ!!ドププ!!

 乳首を中心に青く染まる。射精の反動は穴の位置を狂わせ、肩にまで及んだ。

 精液は湯気を上げながら、白い肌をゆっくりと滑り落ちていく。返り精液を浴び、その触手も葉子の手も青く染まる。

 「ア・・・アゥ・・・・や、やめてよぉ・・・・」

 葉子の身体の中に生まれ始める官能。精液を感知した身体は生殖器を求め、蜜壷から愛液を滲ませ始める。秘所をなぞる生殖器はそれを掬うように亀頭に馴染ませる。

 逃げようとすればするほど、その動きは逆に縦スジを触手になぞらせることになり、そこに沸く快感にさらに力をなくす。

 別の生殖器が二本、乳房に近づく。一度背中に回り交差して、後ろから膨らみを持ち上げるかのように巻き付く。乳を搾るかのように、付け根からウェーブ状態で揉む。性感帯を刺激され、頂点の乳首も硬くなる。先端に余裕を持たせて巻き付く生殖器は、器用に先端肉茎を曲げ、乳首を啄ばみ始める。

 興奮に固くなった乳首は敏感に反応し、突つかれる度に快感が走り、さらに乳首が硬くなる。亀頭で弾かれ、弄られ、それでも固い抵抗は無くならない。

 先端の穴が大きく開き、乳首を飲み込んだ。微妙な力加減で乳首を刺激する。小さな突起が無数に作られ、あらゆる角度から乳首を弄る。まるで歯で噛まれたかのような強い刺激が、さらに愛液の分泌を促す。

 「いやっ!!いやぁ!!」

 噛まれるような感覚は、吸引力に代わる。無論、乳は出ない。魔羅は承知の上である。生き物の身体の構造は熟知している。

 「そんなに吸わないでよぉ!!」

 乳首を吸いつつ、突起を立てて乳首を引っ張った。限界まで引っ張り、唐突に離す。

 ブピュル!!ビュルルル!!

 まるで乳首を追うかのように、一瞬の間を置いて、先端から青い精液が噴出した。形が戻った乳房が、弾力で揺れている所に精が振りかかる。水鉄砲を撃ったかのように、青い線は乳首を捕らえ、高粘度精液は乳首を隠す。すかさず乳房から生殖器が離れると、別の生殖器が落ちる前に精液を掬い、乳房に擦り込む。そのまま乳首を飲み込み、乳房を左右に開かせると、今まで秘所をなぞっていた生殖器がその谷間に身を置いた。

 にちゅ、にちゅ・・・・・。

 精液に塗れた乳房に挟まれ、亀頭の先を出したまま竿の部分だけを摩る。葉子の手の変わりに、他の生殖器が両側から乳房を押し、圧迫させる。

 乳房に包まれた時点で既に先端からは透明な液体が流れており、ピュル、ピュルっと飛び出す。乳房内側に脈動を感じ、射精の予感に顔を背ける。

 (ノメ・・・・・)

 低い声がしたかと思うと、乳房間の生殖器がずにゅっと伸びてきて、葉子の口の中へと消える。喉の奥まで亀頭を挿し込み、大きく震えた。

 ブリュ!ブピュ!ブピュ!!

 苦い味と、むっとする匂いが口中に広がる。生殖器はそのまま口中に留まり、葉子が飲み干すのを待つ。閉じられた喉が開き、溜まった青い精液はそのまま胃袋へと流れ込んでいった。

 「ごほっ!!ごほっ!!」

 喉の奥に絡んでいるかのように、精液が残っている感覚。咳で吐き出そうとしていると、魔羅の声が響く。

 (グアアアア・・アア!!)

 その叫びに、葉子は改めて魔羅の胴体を見る。胴体は無数の銃痕、所々肉塊となり、皮一枚でぶら下がっている部分もあった。魔羅は転生の法を使わないのではない。使えないほどまでに傷付けられ、体力も残っていないのだ。種の保存意思が生殖器を作り上げ、葉子を母体として子を宿させようとしている。

 グバ!!太ももに巻き付く触手が、葉子の足を広げる。魔羅はいよいよ種付け作業に入ろうとしていた。

 「だ・・・ダメ・・・・そんなの、い、挿れないで・・・・」

 ピチャ。愛液が滲み出るワレメに、生殖器の頭が密着する。

 「そんなの挿れたら、赤ちゃんできちゃう!!」

 返り精液を浴びた生殖器。子宮内では既に卵子が精子を待っているのだ。精液の付着したままの生殖器がワレメを押し開き、葉子の中に侵入を始める。

 「やめてぇ!!」

 亀頭が完全に膣内に隠れた。その精液を擦り付けるかのように、その場で小さく前後に動く。

 (ホ・・・・化蛇・・・・・)

 ズニュウ!!生殖器が一気に飲み込まれていった。

 「イヤァ!!抜いてぇ!!抜いてよぉ!!」

 赤く火照った身体。危険過ぎる挿入に、血の気が引いていく。

 (オ・・・オオオ・・・・タ、タマ・・・ゴ・・・・・)

 子宮壁越しに卵子の存在を知る魔羅。種付けの本能が爆発する。

 ズチャズチャズチャズチャズチャ!!

 激しい突き上げに、葉子の乳は激しく揺れる。青い精液は遠心力で乳首に集まり、宙へと飛ばされる。外に追い出そうと身体をくねらせるが、逆に締め上げる結果になり、予想以上のスピードで射精を誘ってしまう。スピードこそ変わらないが、突き上げの中に、別の振動を感知し始めた。

 葉子を無視したその抽送は、逆に激しく膣を擦ることにより、血の気が引いた身体が熱く火照り始める。

 「イヤァ・・・・だしてぇ・・・・ダメッ・・・・」

 理性と本能が激しく対立する。化蛇は子を望み、葉子はそれを拒否する。

 (デ・・・・デル・・・・・)

 カリが膣内で大きく展開し、ざらつく膣壁が亀頭を舐める。痙攣の間隔が短くなり、先端から出る透明な粘液の量が増す。

 「だっ!だめぇ!!赤ちゃんが出来・・・・」

 ビュク!!ビュクッ!!ビュクッ!!

 最後まで言い終わらぬうちに、膣内の生殖器の動きが止まる。

 「あ・・・・あ・・・・ああ・・・」

 膣内で魔羅の生殖器が震える事に、圧迫感が増していく。結合部から青い液体が溢れ、内股を滑り落ちていく。危険極まりない膣内射精に、葉子の視界が暗くなっていく。

 「そ・・・そんな・・・赤ちゃん、出来ちゃう・・・・・」

 目の前に叩きつけられた厳しい状況に、焦点が合わなくなっていく。精液を吐き出し終えた生殖器が引きぬかれる。と同時に、すかさず別の生殖器がの挿入された。

 「やめてよっ!!もういいでしょ!!」

 一瞬でも壊れかけた精神が、次なる挿入に心を取り戻す。

 しかし魔羅は葉子のことはお構いなしに、高速ピストンを始める。膣奥に吐き出された精液は、餅つきの様に亀頭に叩かれ、ぶしゅ、ぶしゅっと膣外に追いやられる。膣も挿入された部分を執拗に締め上げ、さらに子宮に精を注がせようとする。

 触手の透明な粘液、青い精液、そして葉子の愛液が混ざり、グチュグチュと音を鳴らす。快楽の支配率も高まり、オンナの喜びが徐々に大きくなる。

 「ダメ・・・・気持ちいい・・・・」

 抵抗も空しく、快楽に支配されてしまう葉子。カリが大きくなり、精を迸らせようとする脈動が、膣内に響く。

 「だ、ダメだよ。本当に赤ちゃんできちゃうから・・・・」

 ドピュ!!ドププ!!ドピュゥ!!

 子宮壁に亀頭を密着させ、今一度精液を解き放つ生殖器。精液の放出に本能は喜び、膣壁を動かし、精子を子宮内に呼び込む。

 ドン!仰向け状態で、葉子の身体は魔羅の身体に押しつけられる。引き抜かれる生殖器。先端から青い液を散らしつつ、名残惜しそうに離れていく。次の触手が股からにょきっと頭を出す。

 「もう十分でしょ!?そんなに出さなくたってえぐぅ!!」

 不意をつかれ、生殖器は口の中に入ってくる。すぐさまピストンを始めると、膣内にも生殖器が頭をねじ込んできた。ヌメヌメの膣内は、滑る様に生殖器を咥えこんだ。

 じゅる、じゅる、じゅる、じゅる・・・・。

 ズチュ、ズチュ、ズチュ、ズチュ・・・・。

 口内と膣内を同時に犯され、それでも快感を見出してしまう。命を宿すことを望んだ身体は、容赦なく生殖器を締め上げる。激しい突き入れの最中、結合部から流れ出る青い精液は、葉子の臀部を伝い、魔羅の身体を滑り落ちていく。

 葉子の子宮にある卵子の数はおよそ十四個。泳ぎつく精子の量が足らないからこそ、魔羅は執拗に膣内射精を繰り返す。

 愛の無い生殖行為に時間は必要ない。

 ドプ!!ドプ!!ドプ!!

 子宮口に亀頭を当て、精液を放つ。その衝撃に、葉子は口中を犯す生殖器を噛んだ。魔羅は、それさえも射精の引き金にしてしまう。

 膣内に数回に渡って精を吐き、引き抜くと、口中の生殖器がビクビクと震えながら排出、膣内に潜り込む。そのまま同じく子宮口に先端を当てて、濃厚な精液を注ぐ。

 ドク!!ドク!!ドク!!

 葉子の目は空を見つめ、その種付けに涙を流す。もはや妊娠からは逃れられない。

 魔羅は容赦無く葉子を触手で掴むと、その蜜壷を自分の目の前に持ってきた。

 四度に渡る膣内射精に、内側からワレメを押し開き、外に溢れ出る精液は糸を引いて地面に消えていく。

 「見ないで・・・・・お願いだから・・・・・」

 恥ずかしい部分をじっと見られ、哀願する葉子。種付けされ、そこから種子が流れ出ているのだ。

 「ヒゥ!!」

 栓をするかのように、生殖器が挿入された。カリが限界にまで広がり、外に出ようとする精液を子宮に押し戻そうとする。

 ニチャ!ニチャ!ヌチャ!ヌチャ!

 単調なピストンではあるが、葉子の体には抵抗する力は残っていなかった。

 子宮を突かれる度に、身体にぶら下がる乳房が前後に大きく揺れる。触手は乳房に巻き付き、むにむにと揉みしだくと、乳を吸おうと精を吐き終えた生殖器が乳首を呑みこむ。

 「あん・・・ふぅ・・・ああ・・・あふっ・・・」

 頬を朱に染め、身体を投げ出した葉子。腰をくねらせ、射精を求める動きに代わる。生殖器が引かれると腰を引き、押しこまれると腰を押しつける。子宮を押し上げられ、精を求める子宮もその口を開き、その先端を呑込もうとする。

 その腰の動きも、早くなる抜き差しに追い着いていかなくなる。

 「そ、外に出してよ・・・・・」

 かろうじて残る理性は、無駄だと分かっていても外出しを願う。

 数秒の高速ピストンの後、唐突にその動きが止まる。

 ブピュ!!ブピュル!!ブルルル!!

 今までにないほどの大量の精が、吐き出された。その勢いは、結合部から精液が噴出し、魔羅の胴体にまで飛んだほどである。

 「だ・・・出し過ぎよぉ・・・・・」

 その圧迫に、母体としての喜びを感じてしまう。既にどれほどの精子が、子宮に入りこんだのであろうか。だがその中に依然恐怖も混ざっている。

 ズリュ。生殖器が引き抜かれると、数秒も経たずにワレメが開き、精液が溢れ出る。同時に葉子の体は草の上に降ろされた。

 魔羅の命は幾許も残されていなかった。何本もあった触手は既に力尽き、ピクリとも動かない。葉子の体を持ち上げておくことも不可能なまでに、体力は残されていなかった。

 「ふあっ!!」

 一際強く乳首を吸い上げた生殖器も、チュポンと突起を離し、そのまま地面に崩れ落ちる。

 葉子の体を縛る触手も、足首の二本だけになっていた。

 ズ・・・ズズズズ・・・・・。

 草の上を這う生殖器。蛇の様に這い、蜜壷に近づく。もはや生殖器まで持ち上げられぬほどであった。

 葉子の体から一気に快感が抜け、逃走本能が蘇る。

 「放せぇ!!放してぇ!!」

 残った体力を振り絞り、両足の触手を引き剥がそうとする。本当に絶命間近なのか、触手の力は弱まらない。そうしている内にも秘所に生殖器が近づいてきた。残り五センチほどのところで生殖器を掴み、侵攻を止める。

 「絶対あんたの赤ちゃんなんて産まないんだからァ!!」

 放り投げようとしたその時、生殖器の先端から赤い管が飛び出す。

 「ぐぅっ!!」

 一瞬の間に、その細い管は膣内に消える。子宮壁にその管がぶち当たった。葉子が引きぬこうとした瞬間、足首を縛る触手が手首に巻き付き、ギリギリと締め上げた。痛さのあまり生殖器を手放す。

 咄嗟に自由になった足で、生殖器を踏みつける。これ以上の侵入は出来ない。後は自分の腰を引いていけばいい。そう考えた矢先だった。

 ズリュ!!

 子宮壁に当たった管が何かを探す様に蠢く。

 「!!!」

 何かが子宮に入ってくる。嫌な予感がした葉子は一気に腰を引いた。

 ズズズズ!!

 子宮が何かに引っ張られるような重みを感じ、それに合わせて生殖器も前に出てくる。

 「や・・・・止めてよ・・・そんなの・・・酷過ぎるよ・・・・」

 秘所と生殖器の距離は変わらない。手を縛る触手も力尽きる。すぐさま生殖器を引っ張った。ぐぅっと子宮が引っ張られる。

 子宮に入りこんだ管は、抜かれないようにその先を太らせているのだ。

 「だめだよ・・・そこに出したら嫌よ・・・・!?・・イッ、イヤァァァァァァァ!!!!!」

 引き抜こうと掴む両手に脈動を感じた。生殖器が太くなり、魔羅の濃厚なザーメンが走り抜けた感触だった。

 ビュル!!ビュルルル!!

 幾つもの卵が精を待ちわびる子宮。

 ビュククッ!!ブルルッ!!

 青い邪神の種子。

 ブピュピュ!!ビュクッ!!

 死に際の熱い魂の叫び。

 ブプッ、ドクッ、ドプ・・・ドプ・・・・。

 数え切れないほどの種が激しく泳ぎまわり、命へと変わっていく。

 

 

 

 種付けが終わると、管は元の細さに戻り、生殖器の中にしまわれる。魔羅はそのまま触手を引きずり、川の中に消える。川の中央ほどでパァ−ッと光り輝くと、魔羅の気配は消え去った。

 子宮内射精を浴び、絶望に打ちひしがれる葉子。しばらく放心していたが、ゆっくりと起き上がる。よたよたと水辺に歩き、下半身を水に浸かる。

 「どうして・・・・・」

 涙を流しながら川底に座ると、膣に指を入れ、精液を掻き出す。

 「無駄だよ・・・・こんなの・・・・」

 色は違えども、その液体の中には無数の種が泳いでいる。

 「ひくっ・・・・ぅぅぅ・・・・・」

 綺麗に洗い流しても、子宮の中の精液までは手が届かない。こうしている間にも、卵子に精子が纏わり付き、新たな命になっていく。直径三センチほどの大きさになって、卵と化し、いずれ産まれてくるであろう。

 父親が邪神の子供達が・・・・・。

 

 終

 


解説

 またもや陵辱ものです。読者から見ればやっぱり受精ものだったり(汗

 とりあえず考えた中では3×3EYESはこれで終わり・・・・だと思う(汗

 個人的にはネタさえ浮かべばラトーリーにも挑戦したいかな?と思ってます。

 

 

 いつかは書いてみたい、触手純愛・・・・・無理かな?

 

 では皆さん、お読みくださり、有難う御座いました

 


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