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セブンスソウル 第九話
キャロン/文


 「Yaaaaaa!Hoooooooooo!」

 少年が叫びと共に、大通りを駆け抜ける。

 「Wait!Fuck!」

 その後から太めの男が、走って彼を追う。

 「Haha!I be can't stoping!You'll kill me for wait!」

 「Sit!You understanding!」

 (…何…言ってるの…)

 ハーミットの過去へとやって来た桜は、早くも言葉に悩む。

 (そうだ…ヴォイスのカードなら通訳出来るかも・・・)

 「バ〜カッ!殺されるって知って待つ奴ぁ養豚場にもいねぇぜ!」

 「黙れ!病院にならいらぁ!」

 しかし二人の距離は、あっと言う間に離れてしまう。

 「あーはっはっは!ジャズダンスよりイージーだぜっ!」

 そのまま少年は、路地裏へと姿を消す。

 (やっぱ…何言ってるの…)

 初めて聞くアメリカンジョークに、桜の疲労度は上がる。

 

 「よう!帰ったぜぇ!」

 「レニーッ!」「お兄ちゃん!」「アニキッ!」

 「そらよっ!土産だっ!」

 廃屋の中、レニーと呼ばれた少年は、手に持っていた食料を放り投げる。

 すると、中にいた比較的大きな少年が、その食料を均等に分け始めた。

 「レニー、毎度ながら凄ぇな。」

 「ったりめぇよ!お前等とは足の長さが違う!」

 確かにレニーは、この中では一番大柄だった。

 (…似てる…ハーみんに…)

 そう、このレニーこそが、ハーミットの八歳の時の姿であった。

 「そうだ…シェリー、居るか?」

 その声に反応し、一人の少女が姿を見せる。

 「どうしたのレニー、怪我でもしたの?」

 「おいおい…俺ってそんな毎日怪我ばっかしてっか?」

 「うん、わたしに用がある時って、大抵は怪我した時だから。」

 レニーは少々、頭を抱える。

 「辛いねぇ…ワザと怪我するのも…」

 横でそう呟く少年に、レニーの拳骨が落ちる。

 「ソーリー…ちょっと口が勝手に…」

 「ったく…今日はそんなんじゃねぇんだよ…」

 レニーはシェリーに近付くと、その手に一枚のチョコレートを渡す。

 「これ…わたしに?」

 「…あぁ…」

 そう一言答えただけで、レニーは振り返り、自分の取分の食料を食べ始める。

 「ありがと…でも…」

 シェリーはそのチョコレートを、小さく分ける。

 「みんなで食べよ。」

 「…あぁ…構わん…」

 素っ気無く答える、背中に哀愁を漂わせながら。

 ふと横を見ると、隅の方に一人だけ食料の渡されてない少年がいた。

 「…ブラウ…おい、ブラウの分はねぇのか?」

 「やる事ないよ、そいつ…今日も昨日もその前も、何も盗ってきてないんだぜ。」

 「ふぅん…」

 するとレニーは、自分の食料を持ち、ブラウの処まで歩く。

 そして、その食料を彼に手渡す。

 「…?…アニキ?」

 「食えよ、俺はもう腹一杯だし。」

 「そんな…アニキだって…まだ一口くらいしか…」

 だが突然、背後から他の少年の声が聞こえた。

 「必要ないよ!走らねぇ車にガソリン入れる事なんて!」

 「…なら…捨てるか?…俺達の親がそうした様に…」

 レニーの言葉に、その少年は黙る。

 「誰も見捨てたくないから…俺達は集ったんだろ…違うか?」

 先程の少年だけではなく、周りの誰もが食べるのもやめ、レニーの言葉に聞入る。

 「さぁ…構わねぇから食えよ…そんで明日何か盗ってくりゃいいだろ…」

 「待てよ、やっぱそれはレニーの分だぜ。」

 先程の少年は、それでもレニーがブラウに食料を渡す事を拒んだ。

 「お前…まだ…」

 「ブラウ、お前のはこっちだ。」

 少年はブラウに、残しておいた食料を手渡す。

 「…へっ…」

 鼻で笑うと、レニーは自分の食料を持って座り込んだ。

 

 後日、街中が激しく殺気立つ。

 「何だぁ?…今日は随分…警戒が薄いな…」

 それに気付かぬレニーは、今も街の商店街で盗みを働いていた。

 「まぁいいや!大漁大漁!」

 抱え切れない程の食料を持ち、レニーはダッシュで廃屋に戻る。

 「あ〜…重かった…」

 その時、レニーに少年達が叫びながら走り寄って来た。

 「レニーッ!大変だよっ!」「ブラウがっ!」

 「ん?どうした?」

 

 レニーは走った、街の大通りまで。

 「あンの馬鹿っ!ヘマやらかしやがってっ!」

 そこでは大衆の中、ブラウが捕えられていた。

 「この…クソガキがぁっ!」

 複数の男達が、激しくブラウを蹴り続ける。

 「あぐっ!ぎ!ぎゃぁっ!」

 既にその体は血に塗れ、腕も不自然な方向に曲がっていた。

 そこから離れた所には、既に他の少年達が集っていた。

 遅れてレニーも到着する。

 「ブラウッ!」

 「待てっ!レニーッ!」

 少年達が、ブラウの下へ走ろうとするレニーを引き止める。

 「何すんだ!このままじゃブラウが!」

 「我慢してくれ!行ったらお前まで捕まっちまう!」

 「知った事かぁっ!そこを退けぇっ!」

 そうしてる間にも、ブラウに対する暴行は続く。

 「まったくよぉ…こんなゴキブリが居るお陰で、この町はちっとも綺麗にならねぇ。」

 「ウチの店も荒されっぱなしだ、頭に来るぜ!」

 男の持っていた鉄パイプが、ブラウの後頭部を直撃した。

 「離せええええぇぇぇぇっ!ブラアァァァウッ!」

 レニーの声が響く中、ブラウの体は力を失い、地面に倒れた。

 「…何だ?」

 「やべぇ…動かなくなっちまったよ…」

 そこに、騒ぎを聞きつけた警察官が丁度良くやって来る。

 「何の騒ぎかね?」

 「え!…いや…その…」

 その警察官は、倒れたブラウを横目で見る。

 「フン…ゴミか…面倒だ、自分達で処理しろ。」

 そう一言言っただけで、立ち去ってしまった。

 「ゴミ…だと…ブラウが…ふざけるなぁっ!」

 再びレニーが激しく暴れ出す。

 「殺してやるっ!奴等全員!殺してやらああぁぁぁっ!」

 「やめろ!レニー!」

 涙を流し、悔しさと憎悪に体を震わせる。

 「畜生おおおおおぉぉぉぉぉぉっ!」

 

 その後、この事件が切っ掛けとなり、浮浪児達の一斉保護が開始された。

 レニー達も、その住居を町の片隅にある孤児院に移す事となった。

 しかしそれは、彼等にとって本当の地獄の始まりだった。

 「あ〜…くそっ!ここも開きゃしねぇ…」

 ドアは閉鎖され、窓には鉄格子が付いている。

 「…まるで監獄だな…実際そうなんだろうが…」

 何度も脱出を試みたが、一度も成功した試しが無い。

 さらに、見付かろうものなら、ここの職員に動けなくなる程、制裁を加えられる。

 そのお陰でレニーの体は、今も傷だらけであった。

 「だが今日は違うぜ…新兵器がちゃんとある…決行は今夜だ…」

 そしてその夜。

 糸ノコを片手に、レニーは適当な窓をこじ開ける。

 「フフフフ…こいつに掛れば…鉄格子の一本くれぇ…」

 そして、その糸ノコで鉄格子を切り始める。

 「一本で充分だ…俺の体格なら抜ける事は可能だ…」

 そして一本の鉄格子の上下を切り終えると、近くの部屋から声が聞こえてきた。

 「…誰だ?」

 既に深夜、調べでは既に全員寝てる筈。

 レニーは周りを警戒しながら、その部屋に接近する。

 (…明りが着いてる…)

 「いやああぁぁぁぁっ!」

 

 (!?シェリーッ!)

 そこには多くの男達に囲まれ、衣服を引き裂かれるシェリーの姿があった。

 「いや…やめて下さい…」

 「駄目だよ、今日は大切なお客様が沢山来てるんだから。」

 「わたし…もうこんなこと嫌ですっ!」

 そう叫んだ瞬間、男の足がシェリーの腹部を激しく蹴り上げる。

 「ぎゃうっ!」

 「舐めた事言ってんじゃねぇぞ…何なら他の奴でもイイんだぜ…」

 その言葉を聞くと、シェリーの顔が強張る。

 「やめて!大人しくしますから!他の子には…何もしないで…」

 「解りゃいいんだ。」

 

 (何をしているレニー…職員がシェリーに気を取られている今がチャンスだろ…)

 「…俺は…」

 (助けに入っても殺されるだけだ…それなら逃げた方が利口だ…)

 「…俺は…シェリーを…」

 レニーは心の声と戦っていた。

 恐怖に竦む自分と、シェリーを愛する自分との狭間で。

 「それじゃ…最初は俺だな…」

 「どうぞどうぞ、既に何度か慣らしてありますので、いきなりでも平気ですよ。」

 その男は、チャックから己の男根を取り出すと、徐にシェリーに挿入する。

 「ひっ!ぐぅ…」

 入ったと思ったら、手加減無しに男はシェリーの膣内を掻き回す。

 「いやっ!ひうっ!」

 その光景を見ていた男達の内の一人が、突然立ち上がる。

 「後ろも使えるのかな?」

 「勿論ですとも、まぁ、両方同時にはまだ試してませんが。」

 それを聞くと、男はシェリーの尻に男根を当てる。

 「やっ!それだけは!いやああぁぁっ!」

 だが、八歳の少女の尻に、容赦無くその欲望は突き刺された。

 「ぎゃああっ!ひぃっ!やああぁぁぁぁっ!」

 

 (早く逃げるんだ…悠長にしてる暇は無い…)

 「嫌だ…シェリーを見捨てるなんて…俺には…」

 レニーの足は震えていた、そんな中でも、まだ戦っている。

 「あぐ…うぅ…」

 既にシェリーは抵抗を止め、声すら出ない状態になっていた。

 「これ以上やったら、壊れないかね?」

 「構いませんよ…替わりはまだ沢山いますから。」

 それでもまだ、男達はシェリーを犯す事を止めようとしない。

 「ひぃ…あ…がぁ…」

 もう、目の焦点も合ってはいない。

 だが、その瞳から涙を流し、シェリーは消え入りそうな声を出す。

 「レニ…ごめ…さい…」

 (!?)

 その瞬間、レニーの中で何かが弾けた。

 

 「ぅらああああああぁぁぁぁっ!」

 猛ダッシュでレニーは、一人の男に体当りをする。

 その勢いで、男は仰向けに倒れ込んだ。

 「何だっ!?」

 そしてその男の首に糸ノコを巻き付け、一気に引く。

 「うげえええぇぇぇっ!」

 糸ノコは骨の寸前まで食い込み、血が勢い良く吹き出す。

 そのままレニーは間髪を入れず、男の胸のホルスターから銃を奪った。

 「貴様!レニー!」

 「野郎おおおぉぉぉぉっ!」

 有無を言わさず、レニーは銃を乱発した。

 「うげっ!」「ぎゃあっ!」

 周りの男達が次々と倒れる。

 「シェリー!こっちだ!」

 レニーは動けなくなったシェリーを抱え、先程の窓へと走る。

 ここまでの時間、僅か八秒の出来事だった。

 

 「レニー…助けて…くれたの…」

 「当たり前だっ!もう誰もっ!見捨てやしねぇっ!」

 レニーは彼女を抱えたまま走る。

 「大丈夫?重くない?」

 「気にすんな!絶対に助けるっ!」

 とにかく走った、何処に向かうでもなく。

 だが彼の激走は、一つの銃声で止まってしまう。

 「ぐあっ!」「きゃあぁっ!」

 その銃弾は、シェリーの足を貫通し、レニーの左肩にも抉り込む。

 「当ったぞ!」「捕えろ!」

 「くそがあぁっ!この程度ぉっ!」

 必死に肩を上げようとするが、一向に上がらない。

 (くっ…鎖骨が…イカれたか…)

 「シェリー!大丈夫か!」

 シェリーも足を撃ち抜かれ、その場に蹲っている。

 レニーは何とか残った右手でシェリーを持ち上げようとするが、彼の腕力では無理だった。

 「諦めて堪るか…絶対に…お前だけは!」

 折れた鎖骨を手で握り、激痛を堪えながら強引に手を上げる。

 「うるああああああぁぁぁぁがああああぁぁぁぁっ!」

 しゃがんで右肩にシェリーを乗せ、折れた左腕を首の裏から回し、しっかりと握る。

 左腕を固定した形で、一気にシェリーを再度持ち上げる。

 「があああああぁぁぁぁっ!」

 身を引き裂かれそうな激痛に耐え、レニーは走った。

 「レニー…無理しないで…このままじゃ…」

 「黙ってろ!意識を保つだけでも…一苦労なんだから…」

 額から多量の汗を流しながらも、その気迫のみで走り続ける。

 しかし、無情にも二発目の銃弾が、レニーの右腕を貫いた。

 「ぎゃあああああぁぁっ!」

 

 「逃げて…レニー…」

 「ふざけんなぁっ!俺は!俺はっ!」

 男達の足音が、目前まで迫る。

 「お願い!早く逃げないと…レニー…殺されちゃう…」

 「馬鹿言うな…こうなりゃ…やれるトコまでやってやるぜ!」

 「だめ!レニー!」

 レニーは構える、死を覚悟して。

 「レニー…わたしなら平気…大人しくしてれば殺されないから…」

 そんなレニーに、シェリーは泣きながら訴える。

 「だから…今は逃げて!お願い!」

 「…シェリー…」

 「レニーが死んじゃったら…わたしも死んじゃうから…お願い…」

 「…くっ…」

 レニーは闘いの構えを解き、再び背を向ける。

 「シェリー…必ずだ…戻って来る…それまで…」

 そして、何かを振り切る様に走り出した。

 「それまで待っててくれ!必ずだっ!」

 

 それから、もう四年。

 レニー、十二歳の時。

 数々の暗殺術を独学で体得し、数々の人間をその技術で殺せる程になった。

 彼の名は裏社会でも有名になっていた、『サイレント・ソルジャー』の名で。

 そして、彼の復讐の日。

 「ひいいぃぃぃっ!」

 かつてレニーを殴打した男が、今では悲鳴を上げ、彼から逃げ惑う。

 既に他の男は殺害、最後の一人を尋問の為、あえて生かしておいた。

 「…シェリー…何処だ…」

 男は怯え、答える事もままならない。

 「質問に答えろ…シェリーは何処だ…」

 「待て!答える換わりに…命だけは…助けてくれ…」

 だが聞き入れず、男の脳天に銃を突き付ける。

 「答えんのなら…殺す…」

 「ひぃっ!あのっ!あの女ならもう居ない!」

 「…どういう事だ…」

 男は怯えながらも、脅しに勝てず、答えた。

 「…死んだよ…もう…四年前に…」

 「!?何…」

 レニーの脳裏に、あの時の言葉が蘇る。

 (レニー…わたしなら平気…)

 「…何故だ…」

 瞳に涙を溜め、銃を握る手が震える。

 「何故だああああぁぁぁぁっ!」

 そして、その引き金を引いた。

 

 レニー、十五歳。

 サイレント・ソルジャーは、今日も誰かの為に戦い続けていた。

 その手を血に染め、果せなかった約束にその身を委ね。

 (俺は…何をすればいい…)

 公園のベンチに腰掛け、一人で物思いに更けていた。

 (あと何人殺す…あと何人救えば…俺は…救われる…)

 「迷ってるのかい?サイレント・ソルジャー。」

 レニーは声を聞くや、即座に戦闘態勢を取る。

 「…何者だ…貴様…」

 「ちょっと待ってくれよ、君も僕と同じ人間だろ?」

 敵意は見せてはいないが、それでも戦闘態勢は解かない。

 「同じと言ったな…何がだ…」

 「簡単さ…僕も同じ、孤児だったからね…」

 それを聞き、レニーの戦闘態勢は解かれる。

 「…何の用だ…」

 それでもレニーの態度は素っ気無い。

 「僕達と組まないか、君の様な男が必要なんだ。」

 「俺が…必要?」

 「あぁ、僕達は今、この世を変える為に戦っている、その為には志を同じにする強者が必要なんだ。」

 「…随分と…大それた話だな…」

 「不可能じゃない、僕達なら出来る!もう二度と僕達の様な人間を増やさない為に!」

 「…フンッ…」

 結局、レニーは手を貸す事に決めた、他にやる事が無かっただけだが。

 「お前…名は?」

 「僕はフランシス・ニールフィ、コードネームはジャッジ。」

 「ほう…コードネームね…俺は何になるんだ?」

 「そうだね…君は…そうだな…う〜ん…」

 五分経過。

 「え〜っと…所謂…一つの…ぬぬぬぬ…」

 「…後でいい…」

 その後、ジャッジのもう一人の仲間、ジャスティに出会う。

 それから彼等は仲間を増やし、セブンスソウルは結成された。

 

 「…ん?」

 ハーミットは目を覚ます。

 「…いかんな…二時間仮眠を取ると…体が勝手に起きやがる…」

 隣を見てみると、桜はまだそこに居た。

 涙を流して。

 (何泣いてんだ…それに…クロウカード?何て書いてあんだ?)

 「…リ…ターン?」

 その名で、ハーミットは全てを理解した。

 「…会ったのか…レニーに…」

 「うん…ごめんね…」

 自分の事をまるで他人事の様に言う。

 「そんで…何泣いてんだ…俺が泣かしたみてぇだろ。」

 「…そんな事ないよ…ごめんね…」

 泣いてばかりいる桜を見て、少々ハーミットは呆れ顔をしていた。

 「ハーみん…わたし…何て言っていいか…」

 桜はハーミットの胸に、体を預ける。

 「同情か?ンなモンいらねぇぜ…」

 「違うの…ただ…こうしてないと…ただ…」

 ハーミットは何も言わず、桜を抱き締める。

 (似てるな…あいつに…)

 「何年振りかな…こんな感情…」

 「…へ?」

 「忘れてた…シェリーの側にいた時の感覚…こんな感じだったな…」

 暫くの間、二人は抱き合ったまま、黙り込む。

 「何だろ…わたしも…何か変…」

 桜は顔を上げ、ハーミットと目を合わせる。

 「胸が絞められる様な気持ちとは違う…もっと…熱くなる感じ…」

 そのまま、互いの唇は自然に重なり合う。

 「…ったく…俺もどうかしてるぜ…」

 

 「ハーみん…あのね…わたし…」

 ハーミットの膝の上に乗り、自分で上着を胸の上まで肌蹴ながら、桜は話す。

 「キス…初めてだったんだ…男の人とは…」

 その表情は真っ赤に染まり、恥かしがる仕草が一層ハーミットを興奮させる、筈なのだが、一つの疑問が残った。

 「…男とは?」

 「うん…前…知世ちゃんと…」

 「お前ら…前から怪しいとは思ってたが…やっぱりな…」

 「ハーみんのせいじゃない!あの時、来てくれなかったから!」

 「あのなぁ!俺だってあン時ゃ忙しかったんだ!」

 「ハーみんが来てくれれば、あんな事にならなかったのに〜!」

 しかし桜の叫びは、体を這うハーミットの舌で止まる。

 「ひゃん!」

 その小さな乳房を優しく舐められ、体が小刻みに震える。

 「あ…や…あうぅ…」

 その小さな突起の上を、ハーミットの舌が通る度に、桜の口から悩ましげな溜息が毀れる。

 さらにハーミットは片手で桜の体を少し持ち上げ、残った手でその秘部を探る。

 「だめぇ…いっぺんにされたら…おかしくなっちゃうよぉ…」

 「ふ〜ん…おかしくねぇ…」

 それを聞いて、今度は桜の尻にも指を這わせる。

 「きゃん!だめ!指入れちゃだめぇ!」

 桜は立ち上がり、ハーミットの指から逃れようとする。

 しかしハーミットは腕を上げ、桜を責め続けた。

 「丁度いいな。」

 「や…舐めちゃ…やぁ・・・」

 立ち上がった為、桜の秘部はハーミットの口の前にあった。

 勿論、何もしない訳がない。

 「あ…あうぅ…やめて…ほんとにおかしくなっちゃうよぉ…」

 舌は桜の膣内にまで侵入し、お尻ももう二本の指で掻き回されている。

 「やっ!ハーみん!もうだめっ!」

 そう言いながらも、ハーミットの頭を押さえて離さない。

 「きゃうっ!ふああああぁっ!」

 桜は体を大きく反らし、ビクンと一度大きく震える。

 「はぁ…ん…ふぁ…」

 再びハーミットの膝の上に座り込み、体を預ける。

 「…ばかぁ…ほんとに変になりそうだったんだからぁ…」

 「ちょっと…悪乗りし過ぎたかな…」

 すると今度は桜がモゾモゾとハーミットの股間を探る。

 「…何してんだ…」

 「ハーみんの事もおかしくしちゃう。」

 そして出てきたモノを、丁寧に舐め始める。

 「う〜…口に入らないよ〜…」

 仕方なく、周りから何度も這う様に舐める。

 「…お…ぬぅ…はぅ…んぬぁ…」

 だんだんと、ハーミットの股間は硬くなってくる。

 「さくら!ちょっと待て!あう!あう!」

 アシカの様に首を上げ、桜の責めに耐える。

 「やだ…おかしくしちゃうんだもん。」

 「待て!マジで!こぅらっ!」

 「きゃあっ!」

 ハーミットは桜の両脇を掴み、強引に持ち上げた。

 「生意気に人を堕そうってか、甘いぜ…」

 そして、桜の下着をずらし、自分の股間の上に乗せる。

 「やっ…だめ…入っちゃう…」

 「んじゃやめた。」

 そう言って、桜を隣に降ろしてしまった。

 「ほえ!?やだ!」

 今度は自分からハーミットの上に行く。

 「何だ、嫌じゃなかったのか?」

 「ばか…そんな意地悪しないでよぉ…」

 「…ったく…ほら。」

 もう一度ハーミットは、桜の下着をずらし、その秘部を指で広げる。

 桜はハーミットにしがみ付き、ゆっくりと腰を下ろす。

 「あっ…きゃうっ!」

 桜の秘部が、限界まで拡張される。

 「くっ…毎度ながら…キツいな…」

 だがハーミットのモノは、それでも半分近く余っていた。

 「や…奥まで…ふぁ…あっ!」

 そのまま何度も掻き回すが、突如ハーミットは桜を持ち上げる手を止める。

 「あ…やめちゃ…やだぁ…」

 「…さくらぁ…あのなぁ…」

 そして、桜の中から抜いてしまう。

 「俺もよ、タマにゃ全部使ってみてぇんだが…」

 「ほえ!それって…まさか…」

 「そう、そのまさか。」

 「だめだよぉ!だって…苦しいんだもん…」

 ハーミットは全く聞かず、桜に背を向かせる。

 「駄目じゃないだろ、あんなに気持ち良さそうにしてたクセに。」

 さらに桜の尻に、自分のモノを押し当てる。

 「やだぁ…ほんとにだめだったらぁ…」

 「ふ〜ん…んじゃやめ…」

 「やっ!していいから!やめないで…」

 「そっか…それじゃ…そのまま座りな…」

 「う…うん…」

 桜は恐る恐る、ハーミットのモノを呑み込んで行く。

 「はぁ…ぐ…うあぁ…」

 先が入った時点で、ハーミットは桜の両足を抱え、持ち上げた。

 「だめ!ハーみん!ゆっくり!」

 地に足が着いてない桜を、どんどん下に降ろして行く。

 「ぎっ!きゃいいいぃっ!」

 遂にその巨大なモノは、桜の中に根元まで入ってしまった。

 さらに容赦無く、ハーミットは桜の体を上下に揺らす。

 「あっ!お腹…はうぅっ!お腹がぁっ!」

 桜の尻の穴が、上下する度に大きく捲れ上がる。

 「やあぁっ!へんだよぉ!お尻がへんだよぉっ!」

 「変〜!?心配ない!俺もかなり…ぐっ…」

 「ふあぁ!ああああぁぁぁぁぁっ!」

 ハーミットの精液が大量に桜の中に流れ出る。

 それを受けた桜は、力無くハーミットに倒れ込んだ。

 「はぁ…お尻で…イッちゃった…」

 ハーミットに抱き締められながら、余韻を感じている。

 「わたし…いけない子になっちゃう…」

 「安心しろ…もうなってる…」

 

 ハーミットの腕に抱かれ、桜は静かにその熱を感じていた。

 「…ハーみんの腕って…太いんだね…お父さんの倍くらいありそう…」

 その鍛え上げられた腕には、戦いの歴史を語る傷が無数に付いていた。

 「ハーみん…これからどうするの?」

 「そうだな、やる事と言ったら…奴等を潰すくれぇなモンだな…」

 「そうじゃなくて…その後…」

 ハーミットは暫し考え込む。

 「…一度…ニューヨークに帰るか…タマにゃあいつらの墓参りでもしなきゃな。」

 「ほえ!?帰っちゃうの!」

 驚く桜の頭を、ハーミットは優しく撫でる。

 「ちょっとの間、里帰りするだけだよ…また戻って来る。」

 「ほんとに!絶対だよ!」

 「…何ムキんなってんだ?」

 「だって…もしハーみんを一番好きになっちゃって…側にいなかったら…やだもん…」

 悲しそうな顔をする桜に、ハーミットは笑って話す。

 「何だ…まだ俺が一番って訳じゃねぇのか。」

 「わかんない…でも…」

 桜は潤んだ瞳のまま、ハーミットの顔を見上げる。

 「わたし…ハーみんの事…凄く…好きだよ…」

 「…そっか…悪くねぇな…」

 再び、二人の唇は触れ合う。

 そしてこの桜の純粋な告白は、ハーミットに新たな決意を生むのだった。

 (今度こそ守り抜く…俺の…命に換えても…)

 

 

 


解説

 作者キャロンちゃん特別対談、ハーミット編

 

 いや〜…ラヴラヴ爆弾大爆発って感じですにゃ〜…

 「…俺ぁよぉ…ロリコンじゃねぇんだが…」

 でもキャロはロリコンだから平気だにゃ。

 「テメェの都合かぁっ!」

 うにゅ〜…怒んなくてもいいじゃない…さくらちゃんとHするのそんなに嫌?

 「…別に…悪かねぇ…」

 にゅははは!照れてる照れてる!

 「ほっとけコラァ!」

 ところでハーちゃん…物語中に十二歳とか十五歳とか言ってるけど、今は幾つなの?

 「…二十三だ…それがどうした…」

 やだ〜…ロリコ〜ン…

 「オノレがやらせとんだろおぉぉぉっ!って言うかテメェだろそりゃあああぁぁぁっ!」

 それもそうだにゃ…あ!それと!

 「今度は何だ…」

 毎回さくらちゃんを持ち上げてHしてるけど、あの体位好きなの?

 「そうじゃねぇ…俺の身長は193センチ、体重は115キロ…上に乗ったらさくらが潰れるだろ…」

 にゃるほどね…気を使ってるんだ…

 「俺の性体験はいいからよ!少しマシな話しろ!」

 にゅ〜…面白いのに…

 「俺は面白かねぇ!義務だから答えてやってるがよ…」

 まぁまぁ、ど〜せハーちゃんが主人公っぽくなっても、誰も気にしちゃいないから、これさくらちゃんが主人公だし。

 「…そうなのか?」

 …多分…

 

 ってな訳で、よいよ次からは本格的にHが殆ど消えます!

 「威張って言うな…」

 これからのハーミットの活躍にご期待下さい!

 「さっき主人公はさくらとか言ってなかったか?」

 ああぁぁっもうっ!ハーちゃんいちいちうっさい!

 「黙れこの優柔不断!人の設定コロコロ変えやがって!」

 しゃ〜ないっじゃんっ!

 「そもそも俺は偵察役&ギャグオンリーだった筈だろ…何で今じゃさくら以上に目立ってンだ?」

 そっちの方が面白いと思ったんだもん、何?不満?

 「いや…不満って不満は無い…」

 でも大筋のストーリーは変ってないんだよね…当初の設定と…何でだろ?

 「んじゃ聞くが、俺が裏切らなかったら、今の俺の役は誰がやってたんだ?」

 …別のオリキャラ…

 「…俺が裏切ったのが…確か第六話だから…中盤から主人公が登場する予定だったのか…」

 …うん…

 「思い切ったコトすんなぁ…」

 …結局してないにゃ…これでよかったのだ…

 


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