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さくらと桃矢の甘い生活 その02
料理長/文


 おことわり 今回もHシーンはありません。謹んでお詫び申し上げます。

 

 

 「おはよ・・・お兄ちゃん・・・ちゅっ」

 桃矢は頬に柔らかくて温かいモノが触れるの感じて目を覚ました。

 「あ・・・あぁ・・・おはよう」

 「朝ご飯できてるから・・・あん・・・」

 桃矢がさくらの身体を抱きしめる。

 「お兄ちゃん・・・遅刻しちゃうよ・・・」

 そう言いながらさくらは桃矢に甘える。桃矢に体をあずけて幸せそうに目を閉じている。

 「あれ・・・お兄ちゃん・・・何かお尻に当たってる・・・」

 さくらは自分の尻の下に硬いモノを感じた。

 「あ・・・さ、さくらっ! き、着替えするから出てってくれ!」

 桃矢がさくらを突き飛ばす。

 「いたーい。 もう!」

 「いいから、早く出て行けって」

 「はーい」

 さくらが出ていったドアを見つめて桃矢は自己嫌悪に陥る。

 「はぁ・・・」

 

 「桃矢くんは起きましたか?」

 「うん」

 エプロンをつけた藤隆が目玉焼きの乗った皿を運んでいる。

 「何か大きな声が聞こえましたけど」

 「あ・・・ううん、何でもないの」

 「そうですか。さくらさん、先に食べてしまってください」

 「はーい」

 トントントン・・・

 桃矢が下りてくる。

 「おはよう」

 「おはようございます、桃矢くん」

 「お兄ちゃん、早くご飯食べないと遅れちゃうよ」

 「あぁ」

 桃矢は席につくとさくらと目を合わせないように食事を始める。

 「お兄ちゃん、どうしたの?」

 「何でもねぇよ」

 「もう・・・」

 桃矢は一人でさっさと食事をすませてしまう。

 「あ・・・待ってよぉ・・・」

 さくらは残りを口に詰め込む。

 「あわてると喉詰まらせるぞ」

 「大丈夫!」

 急いで食器を下げると鞄を取りに階段を駆け上がる。

 「さくらさん、何かあったんでしょうか。ずいぶんとご機嫌のようですけど」

 「さぁ」

 どうも藤隆と目を合わせにくい。

 「あ、ボードにも書きましたけど、僕、しばらく研究室にこもることになりますから」

 「えっ」

 「さくらさんのこと、よろしく頼みますね」

 今日からさくらと二人っきり・・・今までにもそんなことは何度もあったのだが、今回のはわけが違う。

 「お兄ちゃーん! 遅刻しちゃうよーっ!」

 桃矢の心中をよそにさくらが玄関で呼んでいる。

 「二人っきりか・・・」

 

 

 「どうしたんだい、桃矢」

 昼休み。桃矢は屋上に雪兎を呼び出した。

 「ゆき・・・お前じゃない・・・ユエに用があるんだ」

 「そうか」

 一瞬でユエの姿に変わる。

 「それで、何の用だ?」

 「あぁ・・・それがだなぁ・・・」

 「ふむ」

 

 「知世ちゃん!」

 「ちょっと相談に乗って欲しいんだけど・・・」

 「お兄さまのことですね?」

 「うん・・・」

 「それでしたら・・・アドバイザーもお呼びしてよろしいですか?」

 「アド・・・バイザー?」

 「はい。放課後に図書室でよろしいですか?」

 「うん」

 

 「それで・・・お前の気持ちはどうなんだ?」

 「できれば男の生理現象ですませたいが・・・」

 「そうでは無かった・・・と?」

 「あぁ」

 「気持ちの整理はつかないが・・・さくらのことを女性として見ているのは確かなようだな・・・」

 「あぁ」

 「では・・・何が問題なんだ? さくらは本気だぞ」

 「それがどこまで本気なのか・・・」

 「ふむ・・・しかし、さくらはお子様だからな・・・」

 「あぁ」

 「まあ、さくらが自分から言い出すまでは・・・お前が我慢すればいいことだ」

 「やっぱりそうか」

 「もし、処理に困るようなら・・・誰か他に見つけるんだな。お前なら相手には苦労しないだろう」

 「いや・・・それなんだが・・・」

 「何だ?」

 

 放課後の図書室。さくら、知世、アドバイザーの利佳の三人が奥の机に陣取っていた。

 「アドバイザーって、利佳ちゃん?」

 「えぇ。恋愛に関しては誰よりも先輩ですわ」

 「知世ちゃん、恥ずかしいからやめてよ」

 利佳が顔を真っ赤にして照れる。

 「どういうこと?」

 「利佳ちゃん・・・お話してしまってもかまいませんか?」

 「う・・・うん。でも、他の人には絶対内緒にしてね」

 「わかった」

 「利佳ちゃんは・・・寺田先生とお付き合いなさっているんです」

 「ほえーっ!・・・・むぎゅ・・・」

 「さくらちゃん、お静かに」

 知世がさくらの口をふさぐ。

 「ご・・・ごめん。でも・・・本当なの?」

 「うん」

 「さくらちゃんとは状況がやや違いますが、歳の離れた男性とお付き合いしているのは間違いありませんし」

 「さくらちゃんの付き合ってる人って・・・誰?」

 さくらと知世が顔を見合わせる。

 「私も相手のこと話したんだから教えてちょうだい」

 「うーん・・・どうしよう」

 「お話してしまっても問題無いと思いますわ・・・いずれにしても禁断の恋・・・あぁ・・・なんて美しい響き・・・」

 「知世ちゃん・・・あのね・・・利佳ちゃん」

 「?」

 「わたしが好きな・・・付き合ってる・・・昨日、告白したばっかりなんだけどね・・・」

 「うん」

 「お兄ちゃんなの」

 「えーっ!・・・・むぎゅ・・・」

 今度は利佳の口がふさがれる。

 「利佳ちゃん、声が大きい」

 「ごめんなさい・・・でも、お兄さんか・・・私よりも大変そうね・・・」

 「はい・・・ですから、せめて手助けをしなければ、と思いまして。利佳ちゃんの体験談をお話していただけませんか?」

 「体験・・・談・・・」

 何を思い出したのか、利佳の顔が真っ赤になる。

 

 

 校門で桃矢が待っていた。

 「遅いぞ」

 「お・・・お兄ちゃん」

 さくらはその顔を見ることができない。利佳からよほどスゴイ話を聞かされたらしい。

 「待ってて・・・くれたの?」

 「あぁ」

 「きょ・・・今日から・・・お父さん・・・すこし家を空けるんだよね・・・」

 「あ・・・あぁ・・・」

 「そうか・・・二人だけ・・・なんだね・・・」

 「いやか?」

 さくらはちぎれんばかりに首を振る。

 「そんなこと・・・絶対無い!」

 「そうか・・・夕飯どうする?」

 「今日は二人・・・あ・・・ケロちゃんが・・・いたんだ・・・」

 さくらは残念そうにつぶやく。

 「あのちっちゃいのか・・・」

 「うん・・・せっかく二人っきりだと思ったのに・・・」

 「ご安心ください」

 「うみゃあああ!」

 二人の間に知世が顔を出す。

 「ケロちゃんはわたくしがお預かりいたします」

 「知世ちゃん」

 「二人っきりの初めての夜・・・愛する二人は・・・あぁっ! これ以上は口には出せませんわ」

 「知世・・・ちゃん?」

 「とにかく、ケロちゃんにはわたくしからお電話を差し上げますのでご安心ください」

 「う・・・うん」

 「それでは、失礼いたします」

 

 「ただいまー」

 二人が玄関のドアを開けても返事が無い。

 「ケロちゃん、ケロちゃーん」

 「いないみたいだな」

 「そ・・・そうだね」

 部屋に上がると汚い字で走り書きがしてあった。

 「お兄ちゃーん、ケロちゃん、もう出かけちゃったみたい」

 「そうか・・・それじゃあ、今夜は二人っきりか・・・」

 「う・・・ん」

 ソファーの両端に離れて座る。

 「もっとこっちに来いよ」

 「うん」

 少し近付く。

 「もっと」

 「うん」

 また少し近付く。

 じれったくなったのか桃矢が立ち上がってさくらの横に座る。

 「お兄ちゃん!」

 「いや・・・なのか?」

 「ううん」

 「甘えていいんだぞ」

 「うん」

 さくらは桃矢の胸に頭を預ける。

 ドクンドクンドクン・・・

 耳に響いてくる桃矢の鼓動はさくらの鼓動に負けないほど早くなっていた。

 (お兄ちゃんも・・・緊張してるんだ・・・)

 「なにをニヤニヤしてるんだ」

 「別に・・・もう少し・・・こうしててもいいよね」

 「あぁ・・・夕飯まで・・・俺もこうしていたいしな」

 「お兄ちゃーん」

 ネコのように甘える。桃矢はその頭をこれまたネコをあやすように優しく撫でてやる。

 そのまま時間だけが過ぎていった。

 

 グゥ〜〜

 その音でさくらは目を覚ました。いつの間にか眠ってしまったようだ。

 すっかり日が落ちている。

 「ごめんなさい・・・お兄ちゃん」

 「いや・・・別に」

 「お腹すいちゃったでしょ? すぐ作るね」

 「あぁ」

 台所に立つさくら。桃矢はテーブルについてそれを眺めている。

 「お兄ちゃん、時間かかるからお部屋で待ってて」

 「ここで・・・さくらを見ていたらダメか?」

 「あ・・・うん・・・ダメじゃないけど・・・何か恥ずかしい」

 「そうか・・・それじゃあ、邪魔しちゃ悪いからな・・・」

 「どこ行くの?」

 「風呂でも洗ってくる」

 「お風呂!」

 「どうした?」

 「ううん・・・何でもない」

 顔を真っ赤にしている。

 「ふーん・・・じゃあな」

 「うん・・・」

 

 「先生と・・・初めての時のことなんだけどね・・・」

 利佳が顔を赤くしたまま話し始める。

 「この前、雨が降った日にね、傘を忘れちゃってびしょびしょになって歩いていたの。そうしたら、先生が通りかかって『うちに寄って服を乾かしていけ』って言ってくれたの」

 「それでそれで」

 さくらは身を乗り出してしまう。

 「先生のおうちでお風呂に入ったんだけど・・・制服が乾いてなくて」

 「うん」

 「バスタオル一枚で服が乾くの待ってたら・・・先生がこっちをチラチラって恥ずかしそうに見てるの」

 「うんうん」

 「私も恥ずかしくなっちゃって・・・そしたら先生が私のそばに寄ってきて」

 「うんうんうん」

 「私に・・・その・・・キス・・・してきたの」

 「キスゥ!」

 「しーっ、お静かに。さくらちゃんもしてますでしょ?」

 「それでね『佐々木・・・お前の身体が見てみたい』って・・・先生が・・・私のバスタオルを・・・ゆっくりと脱がせて」

 「・・・・・・」

 「先生が私の裸を見て・・・『キレイだよ』って・・・言ってくれたの」

 「・・・・・・」

 「そうしたら・・・先生が私のこと抱きしめて・・・『もう我慢できない・・・愛してる』って・・・それからね・・・・・・」

 

 さくらは利佳と体験談を思い出していた。

 初めて聞いた男女のSEXの話・・・さくらには実感がわかなかったが。

 ただ、痛そうだとは思った。

 「血が出るのか・・・あの日・・・みたいなのかなぁ」

 ちょっと怖い。今でも生理のときは嫌悪感がある。

 「でも・・・利佳ちゃんの顔・・・幸せそうだったなぁ・・・」

 風呂場から聞こえてくる音に耳を澄ませてしまう。

 「お風呂・・・昔みたいにお兄ちゃんと入りたいなぁ・・・」

 

 

 「いただきます」

 桃矢がテーブルに着いて手を合わせる。その目がチラッと撫子の写真を見る。

 「お兄ちゃん、どうしたの?・・・あ・・・そうか・・・お兄ちゃんはもう・・・」

 「いや・・・今はさくらがいてくれるんだろ?」

 「うん! ご飯、いっぱいあるからね!」

 「あぁ」

 

 食事も終わって、再びソファーで身体を寄せ合ってテレビを見ている。

 桃矢の手がさくらの身体を優しく撫でるが、胸や尻に触れないように気を使っている。

 もっとも、未発達のさくらにとっては触られたところで「感じる」といった感覚は無いのだろうが。

 「さくら・・・風呂、入ってこいよ」

 その身体がビクッとする。

 「どうした?」

 「あ・・・お風呂ね・・・お風呂・・・お兄ちゃんも一緒に入る?・・・なんちゃって・・・」

 「いいぞ」

 「ほっ・・・ほえーっ!」

 「入りたいんだろ・・・昔は一緒に入ってたじゃないか」

 「うん・・・そうだけど・・・」

 「それじゃあ・・・さっさと入っちまおう・・・その方が一緒にいられる時間も増えるしな」

 「そ・・・そうだね!」

 

 「お兄ちゃんと・・・お風呂・・・」

 自分で望んでいたことではあるが、実際に入るとなると恥ずかしい。

 「利佳ちゃんみたいなことに・・・なるのかなぁ・・・なってほしいなぁ・・・」

 ガラッ・・・

 桃矢が脱衣所に入ってきた。

 「お兄ちゃん! まだ入ってきちゃダメ!」

 「なに言ってんだ・・・一緒に風呂に入るんだから同じじゃないか」

 「それは・・・そうだけどぉ・・・」

 さくらはタオルを巻いて浴室に入っていった。

 「ふぅ・・・相変わらず成長してないなぁ・・・」

 さくらの後姿を見て桃矢がつぶやく。

 それでも、桃矢の男はしっかり反応していた。

 「はぁ・・・」

 再び自己嫌悪に陥る。

 

 さくらが湯船につかったのを見計らって桃矢が入ってくる。

 「お兄ちゃん、何やってたの?」

 男を鎮めるのに時間がかかったなどとは言えない。

 「あぁ・・・ちょっとな」

 「そう・・・でも、恥ずかしかったけど・・・一緒に入れてやっぱり嬉しい!」

 「俺もだ」

 「ほんとに!」

 「何度も言わせるな・・・」

 「うん!」

 さくらはご機嫌な様子で桃矢の身体を眺めている。

 「どうした?」

 「お兄ちゃんて・・・背も高いし、足の長いし・・・その・・・顔もカッコいいし・・・彼女とか・・・ほんとにいない?」

 「あぁ」

 「もしかして、わたしが告白なんかしたから・・・それでしかたなく・・・」

 「そんなことは無い」

 「でも・・・」

 なおも言い続けるさくらの唇を桃矢の唇がふさぐ。

 「俺は・・・本気だ・・・」

 「うん・・・」

 「それより上がれ・・・今度は俺が入る番だ」

 「あ・・・うん」

 ザバァ・・・

 いつもの調子で前を隠さずにさくらは立ち上がる。

 桃矢は一瞬それに見惚れていたが、プイッと目をそらす。

 「ま・・・前ぐらい・・・隠せよ・・・」

 「あ・・・あーっ! 見ないでぇっ!」

 「ほら」

 さくらの方を見ないようにしてタオルを渡してやる。

 「あ・・・ありがと」

 しかし、濡れたタオルはさくらの身体にピタッと貼りつく。

 白いタオルはさくらの身体のライン、ふくらみきっていない胸、毛の生えていない股間をクッキリと描き出す。

 渡してしまった手前、「取れ」とは言えない。

 桃矢は目をそらしながらさくらと場所を交代した。

 「ふぅ・・・」

 湯船につかって一息つく。洗い場ではさくらが頭を洗っている。

 身体を流れ落ちる泡が妙にやらしく思えてしまう。

 (やばい・・・)

 湯船の中で再び男が反応を示す。

 「すぅ・・・はぁ・・・すぅ・・・はぁ・・・すぅ・・・はぁ・・・」

 深呼吸を繰り返して何とか鎮めようとしていると、さくらがこっちを見ていた。

 「お兄ちゃん・・・どうしたの?」

 「何でもない」

 「ふーん。ねぇ、お兄ちゃん、背中洗ってほしいんだけど・・・」

 「背中?」

 「いつも一人で洗ってるけど・・・せっかく一緒に入ったんだから・・・ダメ?」

 「しかたない」

 男が鎮まっているのを確認して、湯船から上がる。

 「ほら、背中向けろ」

 「うん!」

 さくらはクルッと回って背中を桃矢に向ける。

 「いくぞ・・・」

 ゴシ!・・・ゴシ!・・・ゴシ・・・

 「いったーい! 痛いよぉ、お兄ちゃん」

 「こんなもんで痛いのか?」

 「痛いの! もっと優しくやってよ!」

 「注文の多いやつだなぁ」

 そう言いながらも桃矢は優しく背中を洗ってやる。

 ゴシ・・・ゴシ・・・ゴシ・・・

 背中を洗う音が風呂場に響く。

 「あのね・・・」

 「どうした?」

 「わたしって・・・魅力無いのかなぁ?」

 「はぁ?」

 唐突な質問に桃矢は何と答えていいのかわからない。

 「お兄ちゃんは・・・私と一緒にお風呂入って・・・その・・・えーと・・・興奮・・・とかしない?」

 「興奮?」

 「そう! わたしも友達からいろいろ聞いて知ってるんだよ」

 「何を?」

 「男の人が・・・女の人の裸見たらどうなるのか・・・とか・・・胸のおっきい人の方がいい・・・とか・・・」

 「・・・・・・」

 「お兄ちゃんは・・・本気だって・・・言ってくれたけど・・・・・・でも・・・」

 「ん?」

 「観月先生と・・・付き合ってたんだよね・・・先生の胸・・・おっきかったもんね・・・」

 「ぷっ」

 「あ・・・笑ったぁ! これでも、悩んでるんだよ!」

 「さくらはお子様だな」

 「もういいもん! さくらはどうせお子様ですよーだ」

 さくらは自分でお湯をかぶって泡を洗い流すと風呂場から出て行ってしまった。

 「本当に・・・しょうがないやつだ」

 

 

 「もう! お兄ちゃんなんて・・・お兄ちゃんなんて・・・」

 ソファーの上で膝を抱えているさくらを桃矢が後から優しく抱きしめる。

 「よく乾かさないと風邪ひくぞ」

 「お兄ちゃん・・・」

 さくらが涙目でふり向く。

 「さくら・・・俺は胸の大きい人が好きだなんて言ってないだろ?」

 「うん・・・でも」

 「それに・・・歌帆とはさくらが考えてるようなことは何も無い」

 「ほんとに?」

 「あぁ」

 「それじゃ、キスも?」

 「あ・・・それは・・・あった」

 「キス・・・だけ?」

 「あぁ・・・それは絶対だ。でも、どうしたんだ急に?」

 さくらはしばらく悩んでいたが意を決して話し始める。

 「誰にも言っちゃダメだよ」

 「あぁ、わかった」

 「私の友達にね・・・すごく年上の人と付き合ってる娘がいるの」

 「うん」

 「その娘がね・・・相手の人と・・・その・・・」

 「ふーん・・・それでか」

 桃矢はさくらの隣に腰を下ろしてその肩を抱いてやる。

 「さくら・・・俺たちはまだ付き合い始めたばかりだろ?」

 「うん」

 「そういうのは・・・ゆっくりと・・・愛・・・を育んでから・・・な?」

 「今は・・・まだダメなの?」

 「ダメじゃない・・・でも・・・時間はたっぷりあるんだし」

 「そう・・・だね」

 「でも・・・一つだけ・・・教えてやる」

 そう言って、桃矢はさくらの唇を奪う。

 「!」

 さくらの口の中に桃矢の舌が入ってくる。

 その舌がさくらの歯列を舐めまわす。

 「これが・・・大人のキスだ・・・」

 「う・・・ん・・・」

 さくらはポーッとなっている。

 「どうだ?」

 「もう一回・・・もう一回・・・して」

 「あぁ」

 桃矢は再び唇を重ね、舌を入れる。それに応えるようにさくらもその舌を吸う。

 ・・・ちゅっ・・・ちゅぅ・・・

 「さくら・・・」

 「お兄ちゃん・・・」

 「甘いもの・・・食べすぎだぞ・・・」

 「えっ」

 「お前の舌・・・キャンディみたいに甘い・・・」

 さくらの舌を吸い出し、その唾液を飲み込む。

 「はぁ・・・ふぅ・・・」

 舌を吸われるという初めての感覚に、さくらは身体が奥から熱くなるのを感じた。

 「お兄・・・ちゃん・・・気持ちいい・・・」

 さくらの上気した様子に桃矢は戸惑った。

 「さくら・・・大丈夫か・・・刺激が強すぎたか?」

 「ううん・・・違うの・・・何だか・・・身体の奥が・・・熱いような・・・フワフワして・・・」

 桃矢が支えていないと崩れ落ちそうなほど身体に力が入っていない。

 桃矢はさくらを膝枕してやる。

 「どうだった・・・大人のキスは」

 頭を撫でながらたずねる。

 「うんとね・・・とっても・・・温かかった・・・」

 「温かい?」

 「うん・・・この前・・・わたしが夢を見て泣いた時があったでしょ」

 「あぁ」

 「あの時ね・・・真っ暗な中でね・・・温かい光がわたしを照らしてくれたの・・・それで目を開けたら・・・お兄ちゃんがわたしの手を握ってくれてたの・・・」

 「そうだったのか・・・」

 「さっきのキスも・・・その時と同じくらい・・・温かかった・・・」

 桃矢はさくらに顔を近付けると唇が触れるだけのキスを交わす。

 「でも・・・こっちのキスも・・・好き・・・かなぁ」

 さくらが身体を起こして桃矢の膝の上に座る。

 「おい・・・」

 「こうしても・・・いいでしょ?」

 「しかたがない」

 「ありがと・・・」

 桃矢に全てを委ねるようにさくらはもたれかかっている。

 「お兄ちゃん・・・さくらをぎゅ〜ってして」

 「こうか?」

 さくらの身体に手を回して抱きしめる。

 「やっぱり・・・温かい・・・」

 「そうか・・・」

 桃矢は自分の男がいつ目覚めるのか気が気でなかった。もし、次に目覚めた時、さくらを前にして理性が保てるのか自信がなかった。

 「お兄ちゃん・・・」

 「ん?」

 「さくらは・・・まだ・・・子供だよ・・・でも・・・お兄ちゃんが好きなのは・・・本気だからね」

 「わかってる」

 さくらの髪に顔をうずめる。

 「くすぐったい・・・」

 「さくら・・・いい匂いがするな・・・」

 「そう・・・かな?」

 「あぁ・・・このままずっと・・・抱きしめていたい・・・」

 「わたしも・・・抱きしめててほしい・・・」

 

 

 「くしゅん!」

 「さくら、寒いのか?」

 「うん・・・ちょっとね・・・」

 時計の針は10時を回っていた。かれこれ2時間近くも一緒にいたことになる。

 「それじゃあ、そろそろ寝るか」

 「そう・・・だね・・・」

 「どうした?」

 歯切れの悪い返事に桃矢が聞き返す。

 「ワガママ・・・言ってもいい?」

 「なんだ」

 「今夜は・・・一緒に寝たいなぁ・・・なんて・・・」

 「さくら」

 桃矢はさくらの肩をつかんで怖いぐらいに真剣な顔になる。

 「自分が何を言ってるのかわかってるのか?」

 「えっ・・・あ・・・ううん・・・そう言うんじゃないの・・・あの・・・」

 自分が発した言葉の意味がわかったのかさくらが真っ赤になった。

 「ただ・・・一緒に寝たいだけなの・・・」

 「寝るだけじゃ・・・すまないかも知れないぞ」

 「・・・うん・・・でも・・・お父さんもケロちゃんもいないから・・・なるべく一緒にいたいの・・・」

 「しかたないか」

 「えっ」

 「可愛い妹・・・いや・・・恋人の頼みだからな・・・」

 「お兄ちゃん・・・ありがとう!」

 

 

 おまけ

 「さ・・・さくら・・・俺は・・・お・・・お前が・・・す・・・す・・・す・・・・・・ダメだぁっ!」

 部屋で1人練習に励む小狼であった。

 

 

 


解説

 sisらぶ様のご希望で処女喪失までもう少し時間がかかりそうです

 次こそはペッティングくらいまでには!

 苦情その他は伝言板経由でsisらぶ様へお願いします(笑)

 「その03」に続くかどうかはsisらぶ様次第ですから

 

 sisらぶ様のリクエストではケロ、ユエ、知世の3人をあまり絡ませないで、との事だったんですが

 この3人が出張んないと「CCさくら」である必要がないかなぁと思ったんで出してしまいました

 利佳ちゃんも出しちゃったし・・・・・・

 お膳立てはすんだんで、これから先は出番が少なくなると思います

 

 桃矢もsisらぶ様のアイデアを拝借して歌帆とはキス止まりです

 桃矢はセリフが少なくて楽だ(笑)

 

 小狼は存在をすっかり忘れてました

 

 それにしてもリクエストって難しい・・・・・・前にも書いたような気がするんですが、管理人様はすごいですね

 


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